2025年7月26日(土)東京・後楽園ホール『Krush.178』の前日公開計量&記者会見が、25日(金)都内にて13:30より行われた。
計量はプレリミナリーファイトも合わせ全11試合、22選手が全員一発クリア。宮田充プロデューサーは「このところ、Krushのイベントは計量をクリアできない選手が相次いでいたんですけども、本当は全選手クリアというのは当たり前のことなんですけど、ホッとしております」と話した。
メインイベント(第9試合)のKrushミドル級タイトルマッチ3分3R延長1Rで対戦する、王者ブハリ亜輝留(WSRフェアテックス幕張)は「今回はデング・シルバ選手が相手なので、練習も減量もキツすぎて、もうこの試合でやめようかなと思うぐらいキツい2カ月を過ごしてきました。なので明日は過去最高の自分が見せられると思うので、楽しみにしててください」、挑戦者デング・シルバ(ブラジル/Squadron Thai Brasil)は「ブラジルできちんと準備してきましたので、とてもいい試合ができると思います。いいパフォーマンスをぜひ見てください。アグレッシブなデング・シルバをぜひ見てください」とコメント。
質疑応答ではまず、計量で初めて対峙した際の印象を問う質問が飛んだ。
シルバ「目の前で見て、他の選手と同様に両足両手があったので、ちゃんとした選手だなということは感じられました。ただ、僕の方が強いかなと思いました」
ブハリ「やっぱり世界で戦ってきたという目をしていたし、僕としては身長が高い選手なので、どれぐらい身長差があるかを見たかったんですけど、僕は裸足でシルバ選手は厚底のスニーカーを履いてて、ちょっと比べられなくて残念でした(笑)」
この回答での、シルバの独特な表現について問われたブハリが「片足を折ってくればよかったです」と答えると、シルバの通訳が「そういう意味じゃなくて」と慌てる場面も。
続いて、これまでK-1では70kgで戦ってきたシルバに対し、75kgでの試合経験がどれだけあるのかという質問に、シルバは「ブラジルで4戦して全部勝っています。75kgだと70kgに比べて減量もあまりキツくないので、昨日もきちんとご飯を食べられたし、リカバリー面では全然ラクかなと思っています」と答えた。
そして「本当にすごくリカバリーがいい状態で、いいパフォーマンスで戦えると思うので、3R、本当にすごくいいぶつかり合いになるかなと思ってます」と続けた。
これを聞いた宮田プロデューサーは「個人的な質問なんですけど」とマイクを取り、「ブラジルも当然暑いと思いますが、日本のこの暑さはどうですか?」と質問。シルバは「ブラジルも暑いといえば暑いんですが、やはり日本の方が遥かに暑いです。だからといって、それで体力を消耗して負けるというわけにはいかないので、準備はしっかりできていて、ちゃんと戦えると思います。チャンピオンになれるようにちゃんと準備してきているので、ぜひ見てください」と答えた。
これに対し、ブハリは「僕の所属するWSRフェアテックス幕張は、決して冷房をつけるお金がないとかじゃなくて、本場タイの雰囲気を再現するために冷房がないので、スタミナをつけて自分の力を出し切れるように、別の冷房のあるジムで練習してきました」と衝撃の事実を披露。宮田プロデューサーに「会長に冷房をつけるように言ってください」と懇願していた。
身長差について問われたブハリは「いつも通りの僕のスタイルでプレッシャーかけて戦いたいなと思ってます」。さらに初防衛戦ということについては「もちろんこのベルトは絶対渡したくないので守るんですが、僕は本当に世界一を目指して強い相手と戦うためにやっていて、今回はシルバ選手という申し分ない相手が来たので、チャレンジャーのつもりで倒しにいきます」と宣言した。
シルバが勝てば、Krush史上初のブラジル人王者ということになる。改めてタイトルについて問われると、シルバは「こうやってKrushの大会で勝って、あのベルトを持ち帰るということは、ブラジル人の僕にとってもすごく光栄なことだと思います。国際的な、ブラジル国外でのタイトルをもらうというのも光栄なことですし、自分のジムの会長や、ジムの仲間、生徒さんたちがみんな待っているので、絶対にこのベルトを持ち帰りたいと思っています」と回答した。
最後にファンへのメッセージとして、両者は以下のコメントで締めた。
シルバ「いつも応援してくれる日本人の皆様には、本当に温かい声をSNSなどでかけてもらっていますが、明日は素晴らしい試合をするので、ぜひ皆さん楽しみにしていてください。そしてブラジルのみんな、ジムの仲間や会長、そして日本のブラジリアン・タイの代表にもみんな感謝しております。Krushの運営の方々も、このような機会をくださって本当にありがとうございます」
ブハリ「明日の試合はファンの皆さんにKrush初代ミドル級王座の強さを見せるというその一点に、皆さん注目してください。あと、シルバ選手も地球の裏側から来てもらって準備してくれているので、シルバ選手のこともガッカリさせられないし、ファンの皆さんもガッカリさせないような試合をしたいと思います。必ずKOで倒します!」
後楽園ホールのスケールをはるかに超えるような、重量級のド突き合いが見られそうなこのカード。試合後、果たしてベルトはどちらの手に渡るのか?