扇久保は後半失速するし、フィニッシュがない

――組み合わせ抽選会で、扇久保選手がトーレス選手を選んだ時に嬉しそうに笑っていたように見えた。その時の心境は?
「自分は以前にRIZINの方に戦いたい試合順を提出していて。これはSNSにも上げてるんですけれども、扇久保選手は最後でした。恐れているとかそういった意味ではなくて、一番タフな相手なので、ベストなマッチアップを最後に持ってくるのは当然だと思っていたからです。元RIZINのチャンピオンvs.元BRAVE CFのチャンピオンが決勝で戦うことがテーマとしてもいいから、扇久保選手とは最後にやりたかったと思っていました。
結果的には自分が思っていた最高のマッチアップが一番最初に来ることになったので、それはそれで割り切ろうと思ってます。おそらくこの5試合の中で、このマッチアップが一番注目されるだろうと思います。次の投票システムで、この試合に勝った人間がリザーバーになることは絶対にないと思います。そういった部分では期待感はあるんじゃないかなと思っていますね。
あとは一番タフな相手なので。今回はショートノーティスだった部分もありますし、体重もたくさん落とさなければいけない。体重をたくさん落とすことは、パフォーマンスに影響が出る可能性があるので、しっかりと体重を落とし、リカバリーもちゃんとやらないと、パフォーマンスに影響してしまう。対戦相手が凄く強いからこそ、今回の体重はしっかりと完璧に落とさなければいけないという覚悟が決まりました。本当に決まった瞬間から1mmも気が抜けない、ファイトキャンプが始まってすべてを完璧にこなさければいけないって覚悟が決まったので、逆に自分としてはすごく気が引き締まりました。
例えるなら、刑務所に入った時に一番最初にナメられないように、一番その中でデカくて強そうなヤツをぶっ飛ばす、そうすると他のヤツらにもナメられないので。このトーナメントの中では、自分は名前があって実績もある。そういう相手を扇久保選手が自ら選んできたということに対して、凄くリスペクトしていますし、彼も自分を倒して自分の価値を上げたいんだろうなと思ってます。マッチアップしては非常に面白い試合になると思います」
――どんな試合展開をイメージしている?
「この試合は非常に早い展開の試合になると思います。みんな知ってると思うんですけど、自分はスロースターターで、彼は試合開始から動きが良いと思うが後半は失速するという傾向があるので、真逆な感じだと思います。そしてRIZINの判定基準が(ラウンドマストではなく)全体で見るっていう部分が非常に自分にとっては有利に働くのかなと思います。扇久保選手は後半失速するし、フィニッシュがないので、自分としては前半を耐えれば後半から自分のペースに持っていけると思っています。
そして彼は絶対に自分とのレスリングの展開になると思います。というのも、自分の試合を見てもらえばわかると思うんですけれども、自分はものすごくプレッシャーをかける選手です。扇久保選手はそういったプレッシャーに対して、後半、非常に苦手意識を持っていると思います。扇久保選手はエゴが入ってしまって最後は打撃で勝負してくる。そうすると結局、非常に僅差の判定になって1Rと2Rのおかげで今まで勝てているというのが自分の分析です。自分としては彼が打撃戦に持って行くのであれば、カウンターを打って常に前にプレッシャーをかけ続けることで、扇久保選手はレスリングをせざるを得ないような状況になると思います。
例えば、コナー・マクレガーとネイト・ディアスの時と一緒で、コナーが打撃戦で圧に負けて自分からテイクダウンを仕掛けた。この試合もそういった展開になるんじゃないかなと思う。自分としては打撃でのエゴの打ち合いを避けて、レスリングの勝負をすることになるじゃないかなと思います」


