2025年7月26日(土)東京・後楽園ホール『Krush.178』のメインイベントにて、Krushミドル級タイトルマッチ3分3R延長1Rでデング・シルバ(ブラジル/Squadron Thai Brasil)の挑戦を受けての初防衛戦に臨む王者ブハリ亜輝留(WSRフェアテックス幕張)のインタビューが主催者を通じて届いた。
ブハリは中学でボクシング、高校でキックボクシングを始め、グローブ空手の試合でキャリアを積んだ。大学卒業後に渡米し、現地ではガソリンスタンドの経営者としても活躍。帰国後にプロデビューし、K-1 GROUPには2021年2月から参戦。2023年6月の「K-1 WORLD GP初代ミドル級王座決定トーナメント」のリザーブファイトでは吉野友規をKOし、9月には大石昌輝に初黒星を付けた。2024年の「初代Krushミドル級王座決定トーナメント」では谷川聖哉、神保克哉を破り王座に就いた。9月にオーストラリア遠征でのIKBF世界ミドル級(-75kg)王座決定戦でナサール・カッサブに判定負け。戦績は9勝(5KO)3敗1分。
圧倒的なところを見せた上で最後は倒して勝ちたい
──昨年、Krushミドル級王座を獲得してから、国内では初の試合が初防衛戦となりました。その相手がデング・シルバ選手というのは、予想外だったのでは?
「ビックリはしましたね。この間に、K-1で外国人選手との対戦の話もあったんですが、タイミングが合わなかったんですよね。そしたら後楽園で予想外の相手が来ました(笑)。ただ僕は、この階級の日本人選手はほとんど倒してしまったので、外国人選手しかいないのも事実なので」
──K-1のスーパー・ウェルター級ではもう常連と言っていいシルバ選手ですが、印象は?
「ひと階級下ですが、あれだけ強豪が揃った世界トーナメントで3位なので、侮れないなとは思っています。でもK-1での試合を見たら、ストーヤン・コプリヴレンスキー選手やダリル・フェルドンク選手に押される感じになっているので、フィジカルや圧力、パワーに関しては問題ないかなと」
──どういう試合にしたいですか?
「僕のパワーと圧力をしっかりと味わわせて、圧倒的なところを見せた上で、最後は倒して勝ちたいですね。そこに関してはK-1でも問題ないと思っているので。今回、僕がKrush王者で、シルバ選手が挑戦者ですけど、正直、知名度は相手の方が上じゃないですか。その意味では僕が挑む側ですよね。ここで“世界”のシルバ選手に勝って、K-1ミドル級のタイトルマッチができればと思っています」
──目指すはそこですか。
「世界と戦いたいという希望はずっと持っていました。このミドル級を作ったのは神保克哉選手で、K-1で神保選手は松倉信太郎選手にも勝ちましたけど、その神保選手に勝って初代王者になったのは僕だし、何より今、K-1ミドル級はタイトルマッチだけでなくワンマッチもほとんどなくて、止まってるじゃないですか。今回シルバ選手に勝てば、挑戦する資格はあるだろうと思うし、松倉選手に勝ってチャンピオンになれば、今K-1が押し進めている『対世界』の戦いにも文句なく進めると思いますから」
──今、K-1はスーパー・ウェルター級とヘビー級、無差別級は活発ですが、確かにミドル級はちょっと停滞感がありますね。
「やっぱり軸になる選手がいないと、盛り上がらないと思うんですよね。僕がK-1の舞台に出ていって世界の強豪をなぎ倒していけば、間違いなくミドル級への注目度が上がると思います」
──それだけの自信があると。
「僕は今月33歳になったところなんですけど、格闘技については父から『早くやめろ』としつこく言われてるんですよ(笑)。早くビジネスに専念して自分のサポートをしろと。もともと僕は大学卒業と同時に一度格闘技を離れて、ペルーやアメリカでビジネスをしてたんです。それがいろいろあって日本で格闘技のプロになることになったんですけど、生活のためにやっているわけでもないし、目標にしている『世界一』を早く実現して、数年後には父の言う通りにビジネスに専念したいと思っていて。あんまり父を待たせると、また怒られますからね(笑)。そう考えるとそんなに時間もないし、寄り道してる場合じゃないですよね」
──確かに。
「その意味でも、シルバ選手というのは本当にいい相手だと思うんですよ。ここでしっかりと『ブハリは世界で戦うべきだな』と思わせるような試合をして、着実にステップアップしたいと思っています」
──では最後に、改めて今回の試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
「後楽園ホールで僕とシルバ選手の対戦が見られるというのは、すごいことだと思うんですよ。実際、僕も話をもらった時は『すごい試合が見せられそうだ』と思ってワクワクしました。あの規模の会場で、重い階級の迫力を感じてもらえればと思います」