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【RIZIN】金原正徳「最高のMMAを見せられるように」×YA-MAN「寝技に行く前に倒す」。タイ合宿でクレベルと合流の金原は「6-4で未来だったのが、6-4でクレベルになった」

2025/07/24 13:07
 2025年7月27日(日)さいたまスーパーアリーナ『超RIZIN4 真夏の喧嘩祭り』のセミ前の第13試合で、YA-MAN(TARGET SHIBUYA)と対戦する金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)が21日の公開練習で、「最後の覚悟を持って調整してきた」と、妥協なく調整を終えたことを報告。さらに、その後の榊原信行CEOとの対談で、タイでのファイトキャンプでクレベル・コイケと練習し、朝倉未来戦の予想が当初とは逆になったことを明かした。  公開練習では、YA-MANが、やや距離をとったジャブ、ワンツー、スピードのある3連打、低い距離の右フックなどをミット打ち。  金原は、前に来る相手に前蹴り、右の三日月蹴り、ヒザ蹴り、右ローを蹴り、ジャブでもけん制。シングルレッグでテイクダウンするとサッカーキック、ジャンピングフットスタンプなどを見せた。  質疑応答で金原は、「この試合に限ったことじゃないけれど、RIZINに来た時から一つひとつ最後だと思ってやってるし、今回の試合も最後の覚悟を持って調整してきたし、そのつもりでリングに上がる覚悟は持っています」とコメント。  その言葉について、YA-MANは、「聞いてなかったです(笑)。覚悟? 覚悟を持って臨んでいない格闘家はいないと思うので。でも、やっぱり凄い強い選手だというのは分かっているので、僕が逆に金原さん以上の覚悟を持ってやらないとやられると思うので、金原さん以上の覚悟を持って倒しに行きます」と返した。  YA-MANは、大晦日にカルシャガ・ダウトベックに判定負け後、3月のRISEオープンフィンガーグローブ戦ではミゲール・トリンダーデに3R TKO負けを喫している。強豪ストライカーとの試合が続いているが、今回の金原はスタンド・組み技ともに技術の高いオールラウンダーだ。  その金原についてYA-MANは、「寝技が凄く強い選手なので、まずそこへ行かせないことを重点的にやってきました。ストライキングでは絶対に負けないのでそこ(寝技)さえ凌げば負けないと思います」と、立ち合いに自信。  TRIBE練習では、武田光司、萩原京平らフェザー級、佐藤将光、上久保周哉、石井逸人、後藤丈治、永井奏多らバンタム級、さらに若松佑弥や朝倉海、和田竜光、神龍誠ら、日本トップの猛者が集うなか、組み技が強化されているが、金原戦で寝技に色気を出すことは無いといい、「そこに関してはちゃんと過信しないというか。そこに行ったら僕の方が分が悪いので、そこに行ったら負けだと思って試合に臨もうと思っています」と、スタンド勝負に持ち込むとした。  対する金原は、試合が近づいた心境を、「相手を見ればテンション変わるというか、会場のこういう雰囲気もそうだし、気持ちが引き締まる。みんな最後そろそろ減量がキツくなるので、そういった意味ではもう1回頑張ろうって気にはなります。めんどくさいですけれど」と苦笑しながらも、YA-MANと対峙したことで最後の減量に向かうモチベーションになったという。  最後に、YA-MANは「寝技になったら本当に分が悪いと思っているので、そこに行く前に倒そうと思っています。1Rで終わると思うので。(UFCのマックス)ホロウェイのような試合をしたいと思っています」と、ダスティン・ポワリエとスタンド勝負し、BMF王座を防衛したホロウェイのように戦うと意気込み。  金原は、「自分は別に打撃で、寝技でという括りはないので、MMAをしっかりして。自分の動きが出来れば早い段階でフィニッシュすることも出来るし、しっかり削って15分戦うこともいろいろなことも想定しながら調整してきました。どんな形であれ最高のMMAを見せられるように当日は頑張ります」と、どんな状況でもMMAで戦うとした。 『対ストライカー』の第2章になる(金原)  イベント後、『榊原社長に呼び出されました 2025』に出演した金原は、あらためて試合に向けて万全であることを語り、同日メインイベントに決定した、自身と同階級のクレベル・コイケvs.朝倉未来についても語っている。 「早く試合したいですね。(減量で)お腹空いてるんで。もう明日計量でもできるほど順調に体重落ちてるんで。早く試合したいです」という金原。2024年4月には、鈴木千裕と戦い初回TKO負け。1年3カ月のブランクの間、ダメージを抜き、盟友の勝利に立ち会い、変動するフェザー級戦線を見てきた。 「怪我があったんで、半年ぐらい休んでダメージも含めて休んで。そこで前回あのヒロヤ選手に所英男が勝つことで……(“俺ももう一丁”って思う?)終わらないですよね。このおじさんたち2人が永遠にどっちか勝ってどっちか負けるともう辞められなくなっちゃうから、もう完全に老害化してる」と苦笑しつつも、所のセコンド入りについては、「どうなんですかね、まだ分からないです。来てくれれば。楽しみにしていてください」と、否定はしなかった。  リングから離れている間に、王座は鈴木からクレベル、そしてラジャブアリ・シェイドゥラエフの腰へと移動した。 「客観的にRIZINを見ていて色々、思う部分はあります。やっぱり自分がそこに入れていない悔しさもあるし、なんかこう……自分が勝ったクレベルが(シェイドゥラエフに)負けてムカつくし、(鈴木)千裕も勝ったり負けたりするのもなんかムカつくし、また自分が(フェザー級戦線に)入ってぐちゃぐちゃにしたいなって気持ちは、やっぱ心の中のどっかにはあります」と、フェザー級戦線復帰への思いを語る。  ダウトベック相手に退かなかったYA-MANとの試合に向け、「対策という対策は組んではいないんですけど、自分の中で『対ストライカー』の第2章で、(鈴木戦の)続きみたいな感じのイメージでやってるので、前回の鈴木千裕戦で取り組んできたものを引き続きやってる。イメージのまま、今回追い込みをやってきた感じです」と、鈴木戦での『対ストライカー』のMMAの動きの延長戦上で作り上げてきたという。  ライバルは、「自分」と言い、「人ってやっぱ今回の練習も含めて追い込みとかも含めてやっぱ自分自身に勝ちたいのと……あとずっと『YA-MAN、この野郎』ってずっと唱えながら走り込みしてました。“あいつはずっといい思いして、アイドル(元AKB48・藤園麗)と付き合ってこの野郎”みたいなのをずっと心の中で(笑)」と嫉妬心も燃料にしたと笑顔で語った。 [nextpage] 今回もう(朝倉が)勝っちゃうんじゃないかなって思ってたけど、クレベルと練習した時にいや、それは──  ファイトキャンプでは、同じフェザー級で朝倉未来(JTT)と対戦するクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)と、タイ・プーケットのバンタオ・ムエタイ&MMAでともに練習を行って来たという。 「僕ね、クレベルと実はタイで練習したんですよ。知り合いの人からクレベルもタイにいるよって話聞いて、クレベルからインスタでメッセージ来て、自分が『一緒にトレーニングしよう』って言って、クレベルのジムに行って一緒にトレーニングしたんですよ」と語り始めた金原。  そのときのことをクレベルはXで金原との2ショットとともに「今日は一緒にトレーニングしたよ! そしてまたあのおじいさんに負けたよ トレーニングをありがとう」と泣き笑い顔の絵文字で投稿しているが、金原によれば、その状況は異なると言う。 「クレベルと練習して思ったんですよ。“僕、よくクレベルに勝ったな”と思うくらい、けちょんけちょんにされました。クレベルは試合終わったばかりだし、そんな激しい練習してないなと思ったんですよ。“よし、じゃあ様子でも見に行ってやろう”と思ったら、すごい絶好調で。  なんか流れの中では未来が勝ってきて、クレベル対策というか寝技を対策して、今回もう(朝倉が)勝っちゃうんじゃないかなって僕も思ってたんですけど……今回クレベルと練習した時に“いや、それはねえな”と思って。6-4で未来だったのが、6-4でクレベルになった。それぐらい調子が良かったっスね、クレベル。びっくりしましたね」と、練習ながら、柔術の鬼神の異名通りの強さをクレベルが見せ、朝倉有利の予想をあらためたという。  しかし、前戦でクレベルは初のKO負け。そこから心身ともに影響が懸念されるが、金原は、「クレベルのメンタルは、もう普通の選手とちょっと違うので、練習終わってからも結構ゆっくり話したんですよ。いろんなこと話ししてて、そういう(ことに影響受ける)メンタルの持ち主じゃないなと思って。やっぱ潜って来た修羅場が違いますよ、次元が。なんでそこら辺のメンタルはあんまり関係ないなと思ってます」と、追い込まれてこそ、本領を発揮すると評した。 クレベル戦が決まる直前まで平本蓮とやるつもりだった 「選手が選ぶベストバウト」では、自身の2023年9月のクレベル戦を1位に挙げた。 「会場があんな盛り上がってるのを、自分初めて(リング上で)感じたんで、その後で映像で見たときもすごい盛り上がってたんで、1位にしました。自分も格闘技ずっとやってきた中で“こんなに寝技で盛り上がるんだ”っていう、今までなかった光景が生まれて。見てるお客さんもMMAを認知してくれていることも嬉しいし、あと『クレベルに負ける』とか色々言われてたけども、そういうのも全部ひっくり返したりしたので、いろんな意味を全て含めてやっぱあの1日は良かったなって思いましたね」と選出理由を語った金原。  クレベルとの再戦の可能性については、「チャンピオンになってくれたら目標がクレベルになったりするので、2回目とかっていうのもあるかもしれないですけど、クレベルにたどり着くまでがもう今は果てしない、チャンピオンまでにたどり着くのが果てしない道なんで、年一の僕じゃたどり着けないと思うんですけど……。フェザーの選手、本当に今いっぱいいるので、若い子たちもどんどん上がってきたりするので、たどり着くまでが本当にタイトルマッチは大変」と、フェザー級戦線が激化し、層の厚みを増すなかで、タイトルマッチに関わることであれば、そこを目指すとした。 「クレベル戦が決まる直前まで平本蓮とやるかもしれないという話があって、僕そのつもりで『超RIZIN.2』の会場行ったら、『クレベルになります』っていう感じだった。僕はずっと平本蓮だと思っていて、多分、クレベルの体重失敗したりとか色々あって、二転三転してこうなったっていうのもありました」と、秘話も明かす。  その平本については、「うーん、イキがいい……不良みたいな感じですかね。でも格闘技に対して真面目な部分は分かるので、その表の部分も含めて、当時は“やっつけてやろうかな”っていう風に思ってましたけどね(でもこの先はあるかもしれない?)。全然ありますよね」と言い、榊原CEOも「蓮も金原選手と戦うことについては前向きに話していた」と明かした。 [nextpage] 『打撃ありきで組む・組みありきの打撃』──MMAをミックスしながら戦いたい 「目標? 今、やっぱり自分のフェザー級のチャンピオンは目標には必ずしてるものではあるので……シェイドゥラエフ選手ですかね。みんなそこは目指してるもんじゃないですかね。確かに強いですよね。本当に強いと思います」と、復帰する以上、目指すのは頂点だという。 あらためて1年ぶりの試合に向け、意気込みを問われ、「僕、タイに行っていて、“バラ呼び”を見てたんですよ。征矢選手が出てきて、榊原さんがずっと寝技の説教をしていて、“今回呼ばれる時に『お前、寝技に行くなよ』みたいなことを言われるのかと思っていて、ちょっと怖かった部分もあったんですよ(笑)。でもそういうのも含めて、やっぱり魅せるものは魅せなきゃいけないと思うし、自分も寝技だけにこだわるつもりもないし、もちろん『打撃ありきで組む・組みありきの打撃』っていう、MMAをミックスしながら戦いたいと思うので、そこは榊原さん安心してください。ちゃんと“喧嘩”するので大丈夫です」と、MMAで“ファイト”する気持ちは出来ているとした。  自身が主宰するリバーサルジム立川ALPHAからは、草訳駿介、岩倉優晟、福元大貴、海咲イルカ(須田美咲)、横江明日香ら男女でプロ選手が活躍している。 「可愛がってるっていうと、ジムの子たちですね。ネクストブレイクじゃないですけど、うちのジムの若い子たちがRIZINを目指したり、自分の姿を追ってくれているので、こういう人たちを いつか自分がRIZINの舞台に上げてあげたいっていう夢もあるので。本当にRIZINのおかげで 若い子たちがMMAに向けてくれる熱量って大きくなってきてる」と、RIZINでの試合が、次世代にも繋げたいという金原は、最後に「前回、負けてしまって仕切り直しの一戦。もうあとないと思っております。50戦目、デビューして20年以上経ちますが、この試合に向けて、一切妥協なく仕上げてきました。皆さんにMMAをしっかり堪能していただけるようお見せしたいと思いますんで、ご期待ください」と語った。  MMAファイターとして進化する29歳YA-MANと、42歳ながら50戦超えでMMAの深化を続ける金原。攪乱要因たちがフェザー級のキーパーソンに踊り出るか。
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