2025年7月25日(金)東京・後楽園ホール『RISE 190』にて、第2代RISEライトヘビー級王者・南原健太(TARGET SHIBUYA)が約1年ぶりに復帰。SuperFight!のライトヘビー級(-90kg)3分3R延長1RでMAX FCスーパーミドル級王者ジョン・ソンジク(韓国/PT365)と対戦する。
南原は公開練習で、磨きをかけてきたというパンチを披露。重量級ならではの快音を響かせた。以下、公開練習後の囲みインタビュー。
みんなが好きな痺れるような試合をする
――公開練習ではパンチ力が増しているように見えたのですが、ご自分ではどのように感じていますか?
「この1年間試合には出ていなかったんですけど、TARGET SHIBUYAに移籍して、厳しい練習や宮城(大樹=TARGET SHIBUYA代表)さんに重量級の倒し方や戦い方を沢山教わっていて、僕自身も日に日に成長できているのを実感しています。今回の復帰戦もアクセル全開で、『南原健太強いな。試合が面白いな』と進化を感じてもらえるような試合ができると思います」
――以前の南原選手と比べたら、別人が現れると捉えてもよろしいですか?
「以前の南原健太と今の南原健太を比べたら、1分も持たないんじゃないですかね? 勿論今の方が強いですよ(笑)」
――そこまで違うと言い切れるんですね。
「言い切れます。前はパンチに自信がなくて蹴りが強いっていう自信があって、いつも蹴りで仕留めるって感じだったんですけど、今は蹴り良しパンチ良しなので、何で倒すかは伝えられないですけど、どれで倒すかというのは僕自信が楽しみですね」
――公開練習を見る限り、右ストレートが1番強いように見えたのですが、ご自分ではどう思いますか?
「右のストレートは自信のあるパンチです。やっぱりこの階級なので、どこかで打ち合いだったり格闘技ファンが求めるシーンというのを見せなければいけないという事は、自分自身でも分かっているので。試合が決まった時点で腹は括っているので、みんなが好きな痺れるような試合をする準備できています」
――宮城さんにお聞きしたいのですが、ミットを受けていて南原選手のどんな所が成長したと思いますか?
宮城「南原選手が『TARGET SHIBUYAに来て成長した』と言ってくれましたけど、元々持っている格闘技の潜在能力が高いので、僕が伸ばしたというよりかは磨いたという感じがあります。本人が成長したという風に思ってくれているのはすごく嬉しいですし、TARGET SHIBUYAとしても僕自信トレーナーとしてもすごく嬉しい発言ではありましたね」
――指導していて、前とは全然違う人になったんですか?
宮城「なったと信じたいですけど、試合にならないと分からないですよね。スパーリングとかもあまりやっていなかったと聞いていたので、色々な人を呼んでやらせてもらった時に、スパーリングでめちゃめちゃ面白いんですよね。これが試合になった時に、もっと面白くなるんだろうなと思うと、僕自身もセコンドにつかせてもらいますけど、すごく楽しみです」
――試合当日はセコンドとしても楽しみで仕方ないですね。
宮城「あれを間近で見れるとなると楽しみで仕方ないですね」
「そうなると判定勝ちは良くなさそうですね(笑)」
宮城「判定勝ちの面白さも絶対あるよ。でも本当に引き出しがすごく多くなったと思うし、“こんなことがあるんだ!”って格闘技に対して貪欲になってくれていますし、逆に“こんなこと知らなかったの?”っていうのも結構あったので、そこを含めて楽しみです」
――環境が成増から渋谷に変わっていかがですか?
「練習の場っていうのは、もちろん成増も良い場所ですけど、やっぱり渋谷っていうのはキラキラしていて誘惑が多いですよね(笑)。渋谷に行ったことがないわけではないので、ずっとキョロキョロしているわけではないですけど、トレーニングが終わってから一休みをする場所やランチをする場所を探した時に、リフレッシュ感がすごいですよね。僕から“渋谷感”が出てますか(笑)」
――この試合が空いた期間で、磨いてきたものはパンチと仰っていましたけど、蹴りの方も磨いているんですか?
「もちろんです。蹴りの種類が増えたというのが僕の中でありまして。以前よりも格闘技と向き合う時間が増えてきて、色んな選手の試合映像を見返す時間とか、自分の映像を見返す時間とか、格闘技と触れ合う時間が長くなってきたので、“この選手のこの攻撃を取り入れてみよう”とか、そういうヒントをすぐに取り入れています。まだ南原健太のファイトスタイルというのは未完成なので、どんどんアップデートしていかないといけないなと感じています」
――参考にしたのはベイノア選手ですか?
「大好きなんですけど、ファイトスタイルはたまたま彼の良さと僕の良さが違うので、全然参考にしていないです(笑)。ただベイノアくんも僕の試合の2日後くらいに試合があるので(26日、米国LFA)、2人で勝って日本の格闘技界を盛り上げていきたいですね」
――特に参考にした選手はいらっしゃいますか?
「原口健飛選手の動きを見たりしましたね」
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目指せスーパースター
――日本の格闘技を盛り上げると仰っていましたが、重量級というのは長い間日本人が風穴を開けられなかった階級ですけど、そこに対してはどのように思っていますか?
「まず覚悟が違いますね。今の日本人のヘビー級の選手たちで、本当に日本を背負って格闘技界を盛り上げようっていう気持ちがある選手ってマジでいないと思うんですよ。僕は日本人を代表して、これからvs.世界と戦っていくし、自信もあるし、結果も出します。だからもっと南原健太に注目してほしいし、1人で盛り上がっていてもしょうがないので、格闘技ファンやRISEファンの皆さんがもっと南原健太の背中を押してくれると本当に力になるので、期待していてください」
――今回の対戦相手のジョン・ソンジク選手について、改めて印象を聞かせていただけますか?
「打ち合いになると熱くなるシーンがありましたね。僕は打ち合いができるだけではなくて、そこ以外もできるので、もちろん自分自身で“いける”と思った直感は信じて倒しにいきますけど、その相手の穴をつくイメージも湧いています。相手を倒し切る中で、今まであまり納得できる倒し方ってできていなくて。それを今回の追い込みの直前で、宮城会長から相手がブロックして固まった時の倒し方を教えてもらったので、それが今回の試合で活きるだろうと確信しています」
――先ほど宮城会長が「南原選手は知らなかった事が多かった」と仰っていましたが、それはどういった部分なんですか?
「空手の延長線上でキックボクシングのリングに上がってきていたので、気合と根性と負けん気でやってきた部分があったんですけど、特にボクシング技術が足りていない部分があって。距離感やフェイントとかの基礎的な部分から始まり、技術的な部分などをTARGET SHIBUYAに来て、宮城代表に教えていただく中で毎日が新鮮に感じています。
僕4歳から格闘技をやっていて、もう23年目なんですよ。23年もやっていれば飽きてきたり中弛みしてくる時もあると思うんですけど、今が本当に楽しいです。毎回毎回いろんなことを工夫して進化している自信があるし、あまり自分自身に満足していないし、もっと強くなりたいという気持ちがあります」
――RISEのYouTubeで上がっている『BORN TO BE HEROES』ではYA-MAN選手と映っている場面がありましたが、YA-MAN選手の存在というのはいかがですか?
「存在は大きいですよね。同じ格闘家としてあれだけ活躍していて、結果も出していて知名度もあって。そこの部分ですごく刺激を受けています。僕の野望は僕自信が強さを証明するだけではなくて、この格闘技で知名度をつけてスーパースターになって、大金稼いで格闘家としての夢を次の世代の子達に伝えたいので、そこを目指しているのでYA-MANさんの刺激はすごくありますね」
――YA-MAN選手から遊びの誘いはありましたか?
「まだないですね。笑 勝ったらあるのかなと思っているんですけど(笑)。無事に勝てたら期待しています」
――南原選手はヘビー級の方でも3位にランキングされていると思うのですが、体重的にヘビー級で戦う機会もあればやっていきたいと思っていますか?
「今は90kg以下の階級でやっていくというのと、RISEとGLORYで提携しているので、GLORYで-85kgのベルトを獲りたいなと思っています。ただ今後はそこをクリアしていって、南原健太の注目度も上がってファンが求めるなら、僕はその期待に応えようとは思っています」
――YA-MAN選手と一緒に練習をしたり過ごす中で、格闘家として収入を得ている部分などは見えますか?
「見えますね(笑)」
――そういった感じで格闘家として食べていけるというのを、子供達に見せていくというのもやっていきたいわけですね。
「やっぱり夢を見せないといけないし、僕も拳一つでこのリングに上がって今この時に賭けているので、一か八かじゃないですか。これでなあなあで終わるつもりなんてないし、成功することしか想像していないです」
――YA-MAN選手の場合は半分MMAもやっていますけど、南原選手はキックでのし上がっていく予定ですか?
「僕は全く総合格闘技をやりたいという気持ちがないので、このRISEで立技キックボクシング界を盛り上げていくというか、南原健太をどんどん世に知らしめていきたいなという思いがあります」
――最後に試合に向けてファンの皆さまにメッセージをお願いします。
「改めましてTARGET SHIBUYA所属になりました。南原健太です。7月25日の後楽園ホールでメインイベント復帰戦が決まっています。アクセル全開で皆さんが痺れるような、求めるようなヘビー級のKOシーンの試合をお見せしますので期待してください。応援お願いします」