パンチの距離からハイキックへの連携を見せた原口
2025年8月2日(土)東京・大田区総合体育館『RISE WORLD SERIES 2025』にて、RISE世界スーパーライト級タイトルマッチ3分5R無制限延長Rで王者チャド・コリンズ(オーストラリア/Stirkeforce)に挑戦する、原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)が7月19日(土)都内にて公開練習を行った。

原口はDEEP☆KICK-70kg王者・稲井良弥をスパーリングパートナーに、マススパーリングを披露。ワンツー、左ボディを打ってパンチの距離でのハイキック、前蹴りを見せた。
「コンディションはいいと思うけれど、いつもよりスパーリングを多めにしているし、身体的にはキツイですが試合前って感じでいい感じです」と、普段より多くスパーリングをしているという。

その理由は「チャドなので絶対にしんどくなるなと思うし、もちろん倒す気でいるけれど5Rいっても延長までいってもいいように、そのためには人と殴り合うのがいいのでチャド対策で加藤虎於奈選手(第8代Krushウェルター級王者)、稲井選手など大きい相手とやっています。チャドは圧力があるので、そこだけは対応できるように大きい人とスパーをするのが唯一の対策です」というもの。

稲井とは「6月半ばくらいからスパーリングパートナーで週1回来てもらってます。関西に自分と同じ階級はいないし、関東でも知り合いがいなくて。80kgくらいある選手おらんかなと思っていたら稲井くんがちょうどおって。くっそド突き合っています(笑)。緊張感エグいです。お互いフルスイングなので。稲井くんも80kgあるし、当たれば吹っ飛ぶし。逆に僕のパンチもめっちゃ効きましたって言ってくれるので、自信にもなる。180cmなのでチャドと同じ感じで出来るので」と、ずっとスパーリングパートナーを務めてもらっている。

K-1で活躍するマハムード・サッタリともスパーリングをしたと言い、「加藤虎於奈と仲が良くて、毎週日・月と虎於奈くんと練習させてもらっているので、どうせだったら行ってみるかと行かせてもらいました。体重が85kgしかないんですよ。虎於奈くんも85kgあるけれど、外国人の質で重たいというか、マスでもキレが半端なかったですね。ガードの上からでも頭痛いみたいな。日本人のパンチはガードすれば耐えられるけれど、サッタリは無理やなと思いましたね。ただ、俺も当てやすかったのはありますね。チャドとはまた違うので、目慣らしとしてやらせてもらいました」との感想。

コリンズとの試合については「5年前に一度決まっているし(コロナの影響で中止)、運命かなとも思うけれど、初代王座決定戦で僕がペッチと争って獲れなくて、チャドが唯一ペッチに勝ってくれた。ミゲール(・トリンダーデ)にも負けているけれど、ミゲールを超えて最終的にはペッチが目標なので、辿り着くにはチャドに勝たないと辿り着けない。世界王者になるよりもチャドに勝つことに価値がある。ベルトというよりも、チャドを乗り越える気持ちでやっています」と、もう一度世界最強を目指すには超えなければいけない相手だとした。
世界タイトルよりもコリンズに勝つ方が大きいかと問われると、「もちろんベルトは価値があるし、誰が持っているからでその価値が決まる。初代がペッチ、2代目がチャド、3代目は原口となれば世界最強に並べる。ベルトの価値を高めてくれたペッチには感謝しているし、だからこそ獲りたいと思いますね」と、世界最強に肩を並べるために欲しいとする。

延長戦になることも想定して調整しているのか、との質問には「延長の可能性は1%はあるかもしれないですけれど、僕は倒す気でいるので。倒さないとキツいし、全然倒せるなって気持ちがあるので。どんな展開になってもいいようにとにかく練習はしておこうって感じです」と万全を期すためだという。
倒す自信については「チャドは凄いファイターだけれど、粗さもあるのでそこを突いていきます」と答えた。

身体が以前よりも大きくなったのではと聞かれると「だいぶ大きくなりました。チャドが相手だったら絶対に逃げ切れないから。ペッチだと意外に待ってくれるし、首相撲が強い選手ですけれど、チャドはよーいスタートで入ってくるので。それに対しては正面からぶつからないと。5Rなので絶対に逃げ切れないと分かっているので、フィジカルを鍛えてパワーを付けて。スピードよりも今回はパワー重視でやってきました。それもチャドに勝つためにやってきたことです」と、パワー重視で真正面からのぶつかり合いを覚悟しているとする。
「元々筋トレが好きなんですけれど、この期間は重量が一番上がりました。減量期でも増量期と同じ重量が上げられます。ベンチプレスは130kg手前まで今も上がるし、ダンベルを片手に持つワンハンドローは60kgを引けます。ナチュラルでやっていた頃は35kgだったけれど、倍近くまで増えているのでフィジカルは今回強いです」

コリンズと言えば相手を乱戦に巻き込むのが得意だが、原口は「逆にそれをさせたろと思っています。飲み返してやろうと思っていますね。直樹選手、麻火選手、笠原選手、日本人がみんな負けているじゃないですか。笠原選手は違うけれどみんな足を使ってる選手なんですよね。足を使えば使うほどチャドは得意になると思う。原口も足を使うだろうと思われていると思うし、使わないことはないけれどほぼ打ち合いたいと思っています。当て合いをしたい。無理やったらやめます(笑)。やってみないと分からないですからね」と、逆にコリンズの得意なパターンに飛び込んでみようと思うと言い放つ。

コリンズの一発に怖さはないかとの質問には「一発の怖さはないですね。気持ちを折ってくるタイプなので、みんな嫌倒れみたいなのが多い。一発で失神KO勝ちは見たことがないです。だからしんどくなるんやろなと思うんですね。うっとおしいなって感じで打ってくるので、みんなしんどくて倒れてるイメージがある。一発の怖さはないけれど連打の重さ、手数がどこまであるのか。それに対応できるようにやってきています」と答える。
ということは、我慢比べの展開になるのか。原口は「もしかしたら一発で倒しちゃうかもしれないけれど、向こうも今まで打ってこない技があるかもしれないですし、世界最高峰のド突き合いの試合が出来たらと思います」とした。

「自分が想定している動きが出来たら100%勝てる。いかにフィジカルを活かせるかですね。短いパンチでも打ち合いに行きますし、練習では上手く行ってるんですよ。それが本番でも活かせるか分からないけれど、ハマればなんでも一発で倒せると思います」と、ショートの距離でも倒せる自信があるとする。
最後に原口は「今まで挑戦する機会がいっぱいあったけれど、なかなかつかめることが出来なくて。vs.世界は唯一原口健飛が行けるんじゃないかと言われていたけれど、結果が残せていなかったので。今回はまずチャド・コリンズを超えて世界王者になって、目標であるミゲールやペッチに辿り着けるように頑張っていくので。今回の試合はおもいっくそド突き合うので、皆さんの期待と応援をお願いします」とファンにメッセージを送った。



