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【PFL】5R残り9秒、無敗エブレンにスティーニスがRNCで失神一本勝ちで新王者に! ディチェバがイナバの前進を首相撲・ムエタイで完封、AJ・マッキーがフェザー級でマゴメドフにレスリングでも上回り再起飾る。泉武志が組み負けて判定で敗れる、ンデベレが初回TKO勝ち

2025/07/20 03:07
 2025年7月19日(土)23時から、南アフリカ・ケープタウンのグランドウェスト・アリーナにて『PFL Champions Series Road to Dubai: Cape Town』(U-NEXT配信)が開催された。  メイイベントは「PFL世界ミドル級選手権試合」として、16戦無敗の王者ジョニー・エブレン(米国)が、16勝3敗・2連勝中のコステロ・ファン・スティーニス(スペイン)の挑戦を受ける5分5R戦が行われた。  また、女子フライ級で、14勝無敗・PFL2024女子フライ級王者のダコタ・ディチェバ(英国)が登場し、日系ハワイアンの父を持つスミコ・イナバ(米国・8勝1敗)と対戦。  さらに、フェザー級では、24年10月に肩の負傷を抱えながらライト級でポール・ヒューズと対戦しスプリット判定で敗れたAJ・マッキー(米国)がフェザー級で再起戦。ロシア・ダゲスタンの11勝1敗のアクメド・マゴメドフ(ロシア)と対戦。  そしてRIZINでも活躍するライト級の泉武志(日本・6勝3敗)がメインカード入り。24年7月に野村駿太に3R TKO負けも、25年3月に体重超過のスパイク・カーライルに判定勝ち(※カーライルに50%減点あり)した泉は、ダゲスタンのアルトゥール・マカシャリプ・ゼニュコフ(ロシア・16勝4敗)と対戦。  なお、第1部の『2025 PFL Africa Cape Town First Round』のメインでは、ホセ・トーレスに2勝1敗のンコシ・ンデベレ(南アフリカ)が参戦。エジプトのモハメド・アテエフとバンタム級1回戦で対戦。 [nextpage] PFL Champions Series Road to Dubai: Cape Town 速報 ▼PFL世界ミドル級選手権試合 5分5R×ジョニー・エブレン(米国)王者 185 lbs[5R 4分51秒 リアネイキドチョーク]〇コステロ・ファン・スティーニス(スペイン)挑戦者 184.6 lbs※スティーニスが新王者に  1R、スティーニスの打ち終わりに組んだエブレンに体を入れ替えたスティーニスが離れる。右カーフのスティーニス。そこに右を振って組むエブレンは右で差して押し込みヒザ。左小手のスティーニスにダブルレッグでクラッチすると、持ち上げて中央側にテイクダウン。  ハーフで細かいパウンド。スティーニスに背中を着かせる。背中を見せながら立とうとするスティーニスに亀の状態でバックマウント狙いも両足は巻かせないスティーニスに、エブレンはサイドバックからパウンド。スティーニスは亀か巻き込み前転で離れる。ホーン。エブレンのラウンド。  2R、先に左ジャブを突くエブレンに、右カーフのスティーニス。エブレンは左を突いてケージ背負わせてシングルレッグテイクダウン。フルガードのスティーニスは金網に上体を立てるが、尻を引くスティーニスを引き出し、両足をまとめる。抜いて立とうとするスティーニスにバックへ。前に落としたスティーニスがバックを狙うが、ここでトップを奪うのはエブレン。  右足を左足のヒザ上に乗せて接地を無くすエブレン。足を抜いて立とうとするスティーニスのバックからパウンド、右足をかけるが左足をかけたところで、ここも中腰で落としたスティーニス。  離れた両者だが、エブレンはすぐに間合いを潰してダブルレッグ。ここはスティーニスが突き放してホーン。1R同様にエブレンのラウンド。  3R、左ハイを見せるスティーニス。エブレンは右ハイ、右前蹴りを見せる。右カーフを当てるスティーニス。右ストレートから右ハイを突くと、エブレンは左右から組みへ。ここは切ったスティーニスだが、次の左右で再びダブルレッグはエブレン。ケージ背に差し上げるスティーニスに、エブレンは離れる。  左フックのエブレンにスティーニスは左の攻撃。左ストレート、左ハイもガードするエブレンはダブルレッグで金網まで押し込み。両足を平行に広げたスティーニスは頭を下げるエブレンにヒジ。さらに下を狙うエブレンのダブルレッグを切る。  離れたスティーニスは蹴りでスリップして下に。すかさず押さえ込むエブレンはフルガードのスティーニスのガードの中からパウンド狙い。ホーン。拮抗したラウンに。スティーニスが取り返したか。  4R、チャンピオンシップラウンド。先に左ジャブで圧力をかけるスティーニスは右の三日月蹴りも。エブレンは距離を保ち、左フック。左ジャブの刺し合いはスティーニス。さらに右カーフにバランスを崩したエブレン! 立ち上がるとダブルレッグへ。  ケージ背に差し上げるスティーニスに自ら離したエブレン。スティーニスのパンチにエブレンは顔面から出血も、右フックからダブルレッグへ。がぶりのスティーニスは突き放すが、なおもシングルレッグに入ると細かいヒザ。  左小手のスティーニスはヒジ・ヒザで突き放して右前蹴り。回るエブレンに右から左、左ハイで前に! さらに左右で回るエブレン。ホーン。スティーニスのラウンドで五分か。  5R、グローブタッチ。右を突いて前に出るエブレン。左ハイも。スティーニスは長い右から左。さらに左前蹴りを当てると、バックキック。この打ち終わりを逃さなかったエブレンがバッククリンチへ。  スティーニスはグランビーロールで巻き込むが、ついていくエブレン。亀になるスティーニスに片足をかけるが、両足は巻かずにサイドバックを選択のエブレンに、中腰から後方に抜けたスティーニス。  すぐに詰めるエブレンはダブルレッグからボディロック、バッククリンチから崩してスティーニスに右足をかけるが、ここも前転グランビーロールで外したスティーニスがバック! 残り9秒でリアネイキドチョーク、エブレンは失神、スティーニスがエブレンに初の黒星をつけて新王者に。  試合後、スティーニスは「勝ったことだけでなく、私はグラディエーターであり、戦士だ。1Rと2Rではジョニーほど強い奴はいない。私がトレーニングした中で最も強い男だ。みんなにガソリンタンクがあり、俺にもある。でもこのために人生を捧げたんだ。プロビジネスで12年。若くして始めた。16歳で3つのミスをした。でも、あの3つの敗北を見れば、俺には早すぎたんだ。伝説と戦っていたんだ。まあ、今や俺も伝説になったのかな?  私は戦士の父の息子だ。戦士は他の戦士を生み出す。まあ、俺たちは戦士の一族だ、兄弟。父と兄と俺だ。 俺はカウントダウンの王で、みんなは俺のすぐそばにいる。俺たちは皆同じで、この階級とこの街の王だ。この場所が大好きだ。12月に休暇で戻ってくるよ」と語った。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇ダコタ・ディチェバ(英国)125.4 lbs[判定3-0]×スミコ・イナバ(米国)124.6 lbs  1R、先にワンツーで前に出るイナバに前蹴りのディチェバ。なおも詰めるイナバに首相撲のディチェバ。しかし押し込み左右ボディのイナバ。距離が足りない。突き放したディチェバにすつに詰めるイナバ、サウスポー構えからオーソにスイッチするディチェバに、プレッシャーをかけるオナバ。  ケージに詰めるとディチェバは身長差を活かして首相撲。しかしイナバは前に詰めて右ヒジ。それをヒジで突き放すディチェバ。すぐにジャブから前進のイナバに右ストレートを突いたディチェバ!  首相撲からヒザ。さらに離れ際に左右フック。ガードを固めて詰めるイナバに首相撲で体を入れ替え左ボディのディチェバ! さらに縦ヒジで離れる。  右ストレートを打ち込むディチェバに勇気を持って詰めるイナバ。右前蹴りのディチェバは首相撲ヒザ、そこに右を合わせるイナバ! 前に出ると、ディチェバは首相撲ヒザ! 詰めて右ボディ。離れると前に出るのはイナバ。  2R、細かい左右で前に出るイナバに左前蹴りのディチェバ。詰めるイナバに首相撲ヒザ、右ボディのダブル! 押し込まれるイナバ。顔面ヒザ、さらにスイッチして右前蹴り! 詰めるイナバに首相撲。体を入れ替え、左ヒザ! クリンチアッパーのイナバに、左右を突いて離れる。  前に出るイナバに首相撲ヒザのイナバはボディ打ちも首相撲ヒザで振るディチェバ。頭をアゴ下につけてヒザを突く。圧力をかけ続けるイナバに右ストレートのディチェバは右ヒジも。首相撲から離れて右前蹴りを顔に届かせるディチェバ!  前に出るイナバに右ストレートを合わせるディチェバ。イナバは前進を止めず。首相撲にとらえると打点の高いヒザを突く。  3R、オーソから右カーフを当てるディチェバ。身体が流れるイナバに右ミドルからワンツー。さらに左ストレートから左ハイ。ガードするイナバは間合いを作りたくない。詰めるが下から潰しに行くディチェバ。イナバが詰めると首相撲ヒザで離れる。体を入れ替えて左右で間合いを取るディチェバはムエタイの最終ラウンドの逃げ切り体勢。  シングルレッグで組むイナバ。左で差すも突き放してヒジのディチェバ。右フックで詰めたイナバだが、回って外すディチェバ。右ストレート、右前蹴り。右の蹴りのイナバにカウンターの右前蹴り。詰めるイナバはダブルレッグで下にタックルに入るが、差し上げたディチェバは左サイドキック! 追うイナバにサークリングしたディチェバ、ホーン。   判定3-0でディチェバが勝利。大きく顔を腫らせたイナバに、ディチェバは綺麗な顔のまま。2022年3月以来、2回目の判定勝利となったディチェバは試合後、「また戻ってくるけど、また怪我しちゃった。でも、みんな楽しんでくれたなら幸いです。本当にありがとう。特に3R目で痛みを抱えながら戦った時、あの瞬間は私が経験した中で最高の入りでした。(今後は?)怪我を治す必要があります。私はPFLと再契約しました。素晴らしい合意に至り、今後の数年間を共に過ごすことを楽しみにしています」と、試合中に左手を負傷したことを明かした。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇AJ・マッキー(米国)146 lbs[判定3-0]×アクメド・マゴメドフ(ロシア)145.4 lbs  1R、サウスポー構えからワンツーの左を突くAJ。さらに左ハイ。その蹴り足を掴んでテイクダウンのマゴメドフ! 三角絞めを狙うAJに作らせないマゴメドフが上に。ハーフで背中を着くAJ。細かく下からパンチも、押さえ込むマゴメドフに腰を切りフルガードに戻すAJ。  ハーフに戻すマゴメドフに、AJはフックガードにして左で差してレッスルアップ! 立ち上がり押し込むと突き放すマゴメドフ。AJのワンツーに押し戻すオーソのマゴメドフ。  AJはサイドキック。マゴメドフの入りにカウンターのワンツー! 一瞬下がったマゴメドフはワンツーで押し戻すが、組んで体を入れ替えるAJが左ミドルを腹に! ホーンもマゴメドフがくの字になる。AJが後半で取り返したラウンドか。  2R、AJの左に前足にシングルレッグのマゴメドフ。差し上げるAJは右小手で崩し。戻すマゴメドフにレスリング勝負でダブルレッグからバッククリンチ、持ち上げてテイクダウン! 両手を着かせてバック、両足をかける。背後からパンチし、リアネイキドチョークを狙い、ボディトライアングルへ。首を護るマゴメドフにが4の字を解いたところに先に組んだAJ。左で押し込み右ヒジ。離れる。  ワンツーの左をボディに突くAJ。再び左ミドルもマゴメドフは蹴り足を掴んで押し込みホーン。AJのラウンドに。  3R、オーソから右のダブルで前に出るマゴメドフ。ダブルレッグ、シングルレッグのマゴメドフがAJに尻を着かせるが、座るAJはマゴメドフのアンクルを掴む。外してトップを奪うマゴメドフ。ケージを蹴ってスイープしようとするAJについていくマゴメドフ、そこに三角絞めを合わせたAJだが、作らせずトップのマゴメドフに、AJは再びスイープ! 立ち上がりのマゴメドフにがぶりからアナコンダチョーク狙いから外してバック! 右足をかけてリアネイキドチョーク狙いから両足をかけてバック、ボディトライアングルに。右手でパームトゥパーム、さらに背後からパンチでホーン。  ケージに入って来たヌルマゴメドフは判定前にAJにハグする。判定は3-0でAJが勝利。試合後、AJは「俺は世界一の145ポンド選手。フェザー級は最高だった。もう少し出力ができたかもしれないけど、でもさ、これはホームパーティーだ。また慣れるし、以前より強く、より良く、より速く戻ってくるよ。(アフリカでの初戦は)素晴らしいよ。これがアフリカのマザーランドだ、ベイビー。行こうぜ」と語った。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇アルトゥール・マカシャリプ・ザインコフ(ロシア)155.6 lbs[判定3-0]×泉 武志(日本)155.2 lbs  ザインコフのセコンドにはハビブ・ヌルマゴメドフがつく。  1R、ともにオーソドックス構え。右を突いて右で差して組んで両差しにした泉。脇を潜り、バッククリンチで右足をかける。ザイヌコフは脇を潜り、シングルレッグテイクダウン!尻を着いた泉はケージに上半身を立てて背中を譲って立つとキムラクラッチ。崩すザイヌコフに、キムラ狙いから立ち上がり。  離れて右を突いて前に出る泉、ザイヌコフの左ジャブをかわしてワンツー。そこにニータップからシングルレッグ、軸足刈でテイクダウンするザイヌコフ。泉はすぐにケージで上体立ててニンジャチョーク狙い。首抜くザイヌコフに座りながら首を抱えて立つも崩されてホーン。ザイヌコフのラウンド。  2R、遠間から左ジャブを見せるザイヌコフに左ジャブダブルで前に出る泉。右を返すザイヌコフはアッパーも狙う。ザイヌコフのジャブをかわして近づく泉は左ジャブを見せて前に。左から右の泉に下がりながら左前手を返すザイヌコフ。泉のシングルレッグを切る。  泉の左ジャブの打ち終わりにワンツーの右を当てるザイヌコフ。泉はシングルレッグにテイクダウン。そのまま跳ね上げるザイヌコフ。ともに立ち上がりからがぶる泉はその圧力にギロチンチョークで引き込むが下に。ザイヌコフはマウントを奪うが、泉はシングルレッグでレッスルアップ! ケージに押し込み、苦しい時間帯にシングルレッグへ。切るザイヌコフにクリンチアッパー。体を入れ替えるザイヌコフは離れる。サウスポー構えから左三日月蹴りのザイヌコフはオーソに戻して左ジャブを突く。ザイヌコフのラウンドに。  3R、中央の取り合い。シングルレッグから首相撲、ケージまで押し込む泉は左差しからシングルレッグ。上組み、さらにシングルレッグからバッククリンチを奪うが、正対したザイヌコフがシングルレッグテイクダウン。すぐに立つ泉にバッククリンチで崩してテイクダウンの泉。ここも立つとアームロック狙いから正対。  なおも押し込むザイヌコフに体を入れ替えると泉の左右に離れるザイヌコフ。右カーフ。泉はジャブからレベルチェンジを見せる。跳び蹴りを突くザイヌコフに、組んで押し込むと両差し。  バッククリンチで右足をかけると着地してバックに飛び乗るが、足はかからず落とされる。泉の立ち際にダブルレッグを持ち上げてテイクダウンのザイヌコフ! ハーフの泉は足を手繰りアンクルを狙うが、足を外したザイヌコフがトップからパウンドでホーン。  判定3-0でザイヌコフが勝利。通訳を務めたハビブ・ヌルマゴメドフにも大歓声が贈られた。 [nextpage] ▼ヘビー級 5分3R〇コーリー・アンダーソン(米国)239.2 lbs[2R 3分28秒 TKO] ※パウンド×デニス・ゴルソフ(ロシア)240.8 lbs [nextpage] ▼PFL Africa 2025 バンタム級トーナメント準々決勝 5分3R〇ンコシ・ンデベレ(南アフリカ)[1R 4分50秒 TKO] ※パウンド×マフムード・アテフ(エジプト)  なお、第1部の『2025 PFL Africa Cape Town First Round』のメインでは、ンコシ・ンデベレ(南アフリカ)が参戦。エジプトのモハメド・アテエフとバンタム級1回戦で対戦。  このンデベレは、23年と24年にホセ・トーレスと3度対戦し、2勝1敗。1度目はトーレスとのBRAVE CFバンタム級王座決定戦でスプリット判定で敗れるも、12月のダイレクトリマッチではトーレスの3R 棄権TKOにより王座奪取。24年5月にはラバーマッチで判定勝ちで初防衛に成功している実力者だ。24年12月にニコラス・フェンデに判定負けで王座陥落後、再起戦が初のPFL参戦となる。トーレスがRIZINフライ級GPに追加参戦が決定したばかりのいま、日本のファンにも注目のンデベレのPFLアフリカ初陣だ。  1R、ケージに押し込んだンデベレが四つからハイクロッチで後方にテイクダウン。ハーフから左のパウンド、鉄槌。右ヒジを受けたアテフが足を手繰り亀になったところを、左の高速パウンド連打で、レフェリーが間に入った。ンデベレがTKO勝ち。
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