現ウェルター級サブミッション・グラップリング世界王者で、ライト級サブミッション・グラップリング世界王者のケイド・ルオトロと双子の兄のタイ・ルオトロ(米国)が、弟のケイドに続いてMMAデビューが決定。
2025年9月6日(土)にルンピニースタジアムで開催される『ONE Fight Night 35』(U-NEXT配信)にて、MMA3勝無敗のエイドリアン・リー(シンガポール)とライト級(5分3R)で対戦する。
▼ONEライト級(※77.1kg)MMA 5分3Rエイドリアン・リー(シンガポール/米国)MMA3勝0敗タイ・ルオトロ(米国)MMAデビュー戦
タイ・ルオトロは、史上最年少のIBFFJ黒帯世界王者。ONEでは2022年5月のゲイリー・トノン戦のダースチョークで一本勝ち以降、元二階級王者のライニアー・デ・リダー、アイザック・ミシェル、ジョゼフ・チェン、ダンテ・レオンら強豪を撃破し8連勝中。ウェルター級サブミッション・グラップリング王座は2度防衛に成功している。22歳。
“ザ・フェノム”エイドリアン・リーは、言わずと知れた“最強遺伝子”リー一家の末っ子。元ONE女子アトム級王者アンジェラ・リーと早逝したビクトリアを姉に、ONEライト級&ウェルター級の2階級制覇王者クリスチャン・リーを兄に持つ。3歳から格闘技を始め、アマチュアMMAでもハワイでベルトを巻くと、24年6月の『ONE 167』でアントニオ・マンマレッラに2R リアネイキドチョークに極め、ONEデビュー戦を白星発進。同年9月の『ONE 168: Denver』でニコ・コルネホも同じくリアネイキドチョークでタップを奪い、連続一本勝ち。25年3月の前戦は日本大会で小川健晴を1R アナコンダチョークで極めている。
MMAではアマチュアキャリアも豊富で、タイより1年早くプロデビューし、3連勝中のエイドリアンは、オーソから188cmの長いリーチ・コンパスを活かした打撃で詰めてのテイクダウンからバックやがぶりからのチョークを得意とするが、その際でのがぶりヒザ、パウンドで削ってポジションを奪う、MMAグラップラーだ。
一方で、タイはグラップリングでもボトムを好まず、レスリングでもジェイソン・ノルフと真っ向勝負するなど、スクランブルも強いトップゲームのファイター。そのサブミッションの精度はエイドリアンより高いが、スタンドから始まる、初のMMAでの立ち合い、そして組み際の打撃が、いかにグラップリングに影響するか。
弟のケイドはすでにMMAで3連勝中で、入り・離れ際の左右ハイキック、アフメド・ムジタバをテイクダウンと同じ動きから右オーバーハンドでダウンを奪うなど、打撃を自身の強いグラップリングに取り込んでいる。リーチでエイドリアンをも上回る191cmのタイも、ケイドとMMAトレーニングを積んでおり、同じ強味を活かしてくるだろう。
しかし、エイドリアンもクリスチャンの弟。MMAグラップラーの戦い方を熟知しており、アタックし続ける動きのなかでフィニッシュを量産し、簡単には極められない防御力も持つ。互いにスクランブルも得意とするなか、MMAで上回るのはどちらか。
3回連続5万ドルのパフォーマンスボーナスを獲得中のエイドリアンにとっても、タイはこれまでで最も過酷な相手といえる。しかし、19歳のリーは以前、「ルオトロにとって自分は良い相手ではない」と、MMAの初陣で戦うには自身はタフな相手、としていた。2人の若き天才による、新しいMMAが見られるかもしれない、ONEライト級戦だ。