高塩(左)と石田が究極打撃格闘技ルールのUNLIMITEDで対戦
2025年8月29日(金)東京・後楽園ホール『MAROOMS presents KNOCK OUT.56』の記者会見が、7月9日(水)都内にて行われた。
KNOCK OUT-UNLIMITED -68.0kg契約3分3Rで、MMAファイターの高塩竜司(KIBAマーシャルアーツクラブ)vs.K-1ファイターの石田協(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)という異色のカードが決定。

高塩は元栃木県警職員で、2015年12月にMMAプロデビューして以来、約10年間DEEPで戦ってきた。2015年12月のDEEPフューチャーキングトーナメントライト級優勝。2018年に神田コウヤを右ストレートからのパウンドでTKO、2019年に樋口武大の寝技を凌いでトップからのパウンドでTKO勝ちを収め、2020年には朝倉未来一年チャレンジの西谷大成に判定勝利している。直近のMMAでは2連敗中、2025年3月にUNLIMITEDルール初挑戦も木村亮彦に判定負け、6月は木下カラテにKO負けを喫した。MMA戦績10勝(5KO)15敗2分。

石田は「協」のリングネームでKrushに出場しており、2022年7月に田上“DARUMA”健太にKO勝ち、10月に水上陽生にKO勝ち、2023年1月に坂本優輝にKO負けでプロ戦績は2勝(2KO)1敗。7月5日に行われた優勝賞金100万円の「KNOCK OUT FIGHTER -66.0kg 1DAYトーナメント」で優勝を果たし、今回本戦に初登場する。
山口元気KNOCK OUT代表は「石田選手は初めてUNLIMITEDを経験して、フィジカルの強さと負けん気の強さが凄い。優勝をもぎ取った。高塩選手に1日の長があるが油断は出来ない相手ではないかと。石田選手は勢いがある。キャリアは違うが、お互い倒しに行く姿勢があるのでUNLIMITEDらしい試合を爆発させてほしい」とこの試合を評した。
石田は「このルールは自分に合っているなと思っていて。自分の中でKOを狙いに行くのを信条としている中でK-1を代表して殴り込み出来ることに感謝しています。KOを狙いに行きます」と挨拶。

高塩は「個人的にはMMAで2連敗、UNLIMITEDでも2連敗中で合計4連敗になっていますが、UNLIMITEDという新しいルールに率先して先頭に立って戦っていけるのは嬉しいことだと思っています。ただ格闘技なので、頑張っているからとかは関係ないと思っていて結果が全てなので、石田選手は物凄い勢いのある選手だと思いますが、しっかり倒して先陣に立ってこのルールを引っ張っていきたいと思っています」との意気込みを述べた。
互いの印象を聞かれると、石田は「木下選手が試合前にKRESTに出稽古に来ていてガチスパーを何度かやりました。その木下選手と戦った相手としか情報がないので、今は分からないです」と、まだそれほど把握していないとする。

高塩は「トーナメントで優勝している勢いがある選手との印象。決勝で僕が過去に戦っている木村選手にもダウンを取って競り勝っているので、実力的に劣っていることは一切ないと思っています。試合をしてみないと分からないんですけれど、木下選手とやった時みたいに僕は1Rからバチバチに行こうと思っているのでご期待ください」と、キャリアは浅くても油断はしてないとした。
1日3試合のトーナメントを終えてまだ4日しか経っていない石田「好きなものを食べてだいぶ元に戻っちゃった感じもあるんですけれど、オファーをいただいて練習も昨日から再開して。来月29日のバチバチの殴り合いのために仕上げて、いいものを見せられるようにしていきたいと思っています」と、早くも練習を再開しているという。

UNLIMITEDをやってみての感想は「前回できなかったものもいくつかあって。4日前にヒジありルールと知って。今さらヒジやってもなとなって、どうしようって。近場の首相撲、組みの展開のところでいっぱい練習していたんですけれど、もっと近距離で出せる攻撃がたくさんあるにも関わらず出せなくて、もみ合って組んで終わりみたいな。そこでKO出来るレパートリーが増えた印象はありますね」と、前回は出せなかった攻撃が多くあるとする。
サッカー仕込みの得意とするサッカーキックに関しては「狙わずとも勝手に出ているのでやりたいですね」と、今回もさく裂させたいとした。
MMAファイターと戦うことには「出稽古でほぼほぼMMAの選手としかやっていなかったのもあって。MMAの選手とずっとやっている中で、サブミッションもありでもみくちゃのスパーをずっとやっていました。全然階級上の選手とも普通にやっていて。MMAの選手とスパーリングをしていても打撃は秀でているものがあると思えるので、そこは自分の魅力で突きとおして行きたいですね」と、苦手意識もないという。

高塩は石田が優勝したトーナメントを見たと言い、「さっき見た時も思ったんですが、思っていたより大きい印象がありますね。打撃が綺麗な選手なので、綺麗な打撃で戦おうとすると僕のいいところが消えてしまうと思うので、反則以外のことは全てやって何が何でも勝ちたいと思っています」とする。
石田のサッカーキックに関しては「特に怖い意識はなくて。それよりもスタンドの打撃が強いなって印象ですね」と、スタンドの打撃の方を警戒する。
UNLIMITEDで2敗して「悔しいのが一番ですけれど、どんなルールでも強いっていうのが格闘家として強いことだと思うので、MMAだったら勝っていたとかそういうことは一切いらないと思っていて。このUNLIMITEDルールで勝つことに意味があると思っています」と、言い訳はせず勝利を掴みに行きたいとする。

3戦目でより適応した自分を見せられるかと問われると「前回の試合を見ていただいたら分かると思いますけれど、僕はこのルールで許されている攻撃全てを使って戦うスタイルにより近付いている感覚があります。次の8月の試合はより進化した自分を、こういうのもあるんだと見る人を魅了するようなアツい試合をしたいと思っています」と、自信をのぞかせた。
石田は、相手が4連敗していることについてどう思うかと聞かれると「相手が連勝中とか連敗中とかは関係なくて。相手選手の意気込みを聞いていると、UNLIMITEDでバチバチに1Rから来てくれるというのもあって、僕もバッチバチの殴り合いが大好きで、スイッチが入ったら止められない。UNLIMITEDルールの神髄を見せられるのかなと思います」と、高塩の意気込みを聞いて凄い試合が出来そうだと語った。



