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【PFL】7戦無敗の24歳パトリック・ハビルラ、ダニー・ロバーツを初回ハイキックKO! UFC6勝2敗のラピルスはPFL初陣でタレブからダウン奪う判定勝ち、ピレロがニンジャチョーク、イブラギモフがヴォンフルー、オリベイラが回転ヒジ!

2025/07/06 13:07
 2025年7月5日(日本時間6日)、ベルギー・ブリュッセルのING Arenaにて『PFL Europe 2: Brussels 2025』(U-NEXT配信)が開催された。  同大会のメインでは、6戦無敗の地元パトリック・ハビルラ(ベルギー)が、元UFCのダニー・ロバーツ(英国)と対戦。 ▼ウェルター級 5分3R〇パトリック・ハビルラ(ベルギー)7勝0敗[1R 4分32秒 TKO]×ダニー・ロバーツ(英国)18勝9敗  ハビルラはアマチュアIMAAF2023ウェルター級王者。仏AEFから24年3月に『PFL Europe 1』にも参戦し、ライト級でイタリアのクラウディオ・パセラに判定勝ち。  12月の『PFL Europe: 2024 Championships』では、スイスのカタリアン・サフタに3R TKO勝ち。25年2月の前戦では、仏Fight and Furious in Octogonで1R TKO勝ちしている。24歳。  MMA18勝8敗のベテラン・ロバーツは、UFC7勝7敗。ボクシングベースで、UFCでは22年5月のフランシスコ・トリナウド戦の判定負け後、同年11月のジャック・デラ・マダレナ戦で1R TKO負け。23年5月の前戦では、ジョニー・パーソンズに2R TKO負けでオクタゴン3連敗でリリース。2年ぶりの復帰戦となる。37歳。  1R、サウスポー構えのロバーツにオーソのハビルラが中央を取る。じりじり詰めるハビルラ。モーションの少ない左ジャブ。  間合いを取るロバーツはサウスポー構えから左インロー。ハビルラは右ストレートを突く。かわしたロバーツは、左から右ハイ。バックステップでかわすハビルラはワンツーで押し戻し。  ワンツーから頭を下げてシングルレッグでケージまで押し込むロバーツは左で差すが、右小手で左手で右手を掴んで組ませず。  ロバーツは右ヒザ。ケージ背にハビルラは左前腕で顔を剥がし突き放そうとするが、ロバーツも粘り強くついていき、シングルレッグに移行。  ブリュッセルのファンの「パトリック!」の大声援に、片足立ちで頭を外に押し流してシングルレッグを切ったハビルラ。前に崩れながらもすぐに立つロバーツの首相撲に、いったん右を差しながら離れる。  長い左ジャブを突くハビルラ。遠間からのロバーツの左ローをかわして、左から右の飛び込み。ロバーツの打ち返しに、恐るべき身体能力でステップでかわすとワンツーの出入り。  そしてラピルスは右ボディストレートを当てると、右ストレート。これはスウェイでかわしたロバーツに、ハビルラは右ハイキック! ダウンしたロバーツに鉄槌2連打でレフェリーがすぐに入った。  鮮烈KO勝利に、場内は大歓声。ハビルラはケージまで走り込んで左足でケージを蹴って一気にケージを飛び越えると、場外にダイブ。あらためてケージに戻り、ケージ上でガッツポーズを見せた。  ケージインタビューでは、ハビルラは試合前に肩と足を痛めていて休息が必要なこと。そして、フランス語で世界平和を下記のように訴えた。 「ベルギー、ありがとうみんな、本当にありがとう。クソッ、みんな、俺たちはソルジャーになったんだ。話す前に、まずコーチたちに感謝したい。これは人生で最も過酷な挑戦だった。タレク(Team Sendoのタレク・センド)、ありがとう。僕が今持っているものはすべて、あなたのおかげです。MMAで知っていることはすべて、彼が教えてくれました。僕が18歳の時でした。私のトレーニングパートナーたち。  ボリス(ムバルガ・アタンガナ・6勝0敗)、彼のおかげで、僕はこれを身につけました。兄ヤヌ、ファレル、チーム全員、僕を護る兄弟たちです。ルカス、僕の家族がここにいます。家族に支えてもらって、本当に感謝しています。あそこに私の街がある。ありがとう、みんな。 (このヘッドキックはプラン通り?)ああ、僕のトレーニング仲間の、ボリスを知っている? ボリスは、一度僕を倒したことがあるんだ。試合ではハイキックで多くの人を倒すけど、僕は柔軟性がないからいつも笑われる。でも今、新しい理学療法士、ドクター・ヴィンセントがいて、ストレッチをさせてくれるから、今なら見せられるよ。  24歳の男で7戦無敗。UFCのベテラン選手と対戦するためにライト級ではなくウェルター級に飛び込んだ。 (次は?)準備はできているが、肩を痛めた。靭帯が断裂している。足も5月23日の試合前に骨折した。この足でちゃんと練習できなかった、クソみたいな状態だったけど、やった。みんなを失望させないために戦ってきたけど、今は休息が必要だ。年末か来年初めには戻ってくる。少し時間をくれ。いずれにせよ、次の相手の名前を教えてくれれば、彼をノックアウトする。  最後に、フランス語で言わせてもらいます。この機会を活かして。みんな、たくさん共有してくれ。パレスチナ、コンゴ、スーダン、どこにでも、どこにでも、共有し続けてくれ。世界平和を実現する必要があります。僕は政治家ではありません、もしかしたら編集でカットされるかもしれませんが、皆さんが毎日メッセージを共有しているのを見て、僕はそれを実行し、世界平和が実現することを願っています。皆さん、ありがとう、さようなら」と語った。 [nextpage] UFC6勝2敗のラピルスがPFL初陣でタレブを左でダウン奪う完封勝ち ▼バンタム級 5分3R〇テイラー・ラピルス(フランス)[判定3-0]×アリ・タレブ(イラク/スウェーデン)  ラピルスは、MMA21勝4敗(UFC6勝2敗)。2016年9月にレアンドロ・イッサに判定勝ち後、UFCを離れ、GMC、TKO、Ares FC王者になるなど7勝1敗で23年9月にUFCに復帰。2度目のUFCも3勝1敗で勝ち越し、24年9月の前戦ではRIZINでも戦ったヴィンス・モラレスに判定勝ちしている。  タレブはMMA12勝1敗でPFL 2024 EUROバンタム級優勝。22年7月のUAE Warriors 30で現UFCのヴィニシウス・オリヴェイラに3R TKO勝ちでバンタム級王者に。22年にPFLでマウントギロチンでの一本勝ちでデビューすると、23年7月にPFL Europe参戦。トーナメント準決勝でクルシェド・カフロフに判定負けでプロ初黒星を喫した。その後、PFL MENAで2連勝。24年11月の前戦では、スペインのラシッド・ハズを1R 右フックでKOに下し、中東および北アフリカリーグ優勝を果たしている。  1R、サウスポー構えのラピルスに、オーソのタレブ。喧嘩四つで前手争いから、ともに細かいフェイント。ラピルスは左ミドル。詰めるタレブに、ラピルスは左ストレート。かわしたタレブはワンツーを狙う。右イントローのタレブに左インローを返すラピルス。左ミドルハイも、掴んだタレブが右から左をガード上に叩く。  左前手を回すタレブに左ミドルを当てて左に回るラピルス。圧力かけるタレブのワンツーに、左インロー、ワンツーで押し戻す。  左ミドルを当てたラピルス。右前手ジャブ。タレブの入りにカウンターの左ヒザ! 詰めるタレブの左右にはガードを固める。右ジャブを伸ばすラピルス。さらに左のダブル。これはステップバックしたタレブはワンツーで前に。  左ミドル、左ストレートを返すラピルスは、最後に組みにきたタレブに左テンカオをボディに当てる。タレブは組みつきホーン。ラピルスのラウンドに。  2R、先に中央を取るタレブ。左前手を回して関節蹴り。前手のフックはかわしたラピルス。タレブの詰めに脇を潜る。  右インカーフを当てるタレブに、ラピルスは左ストレートから鋭い右ハイ。これはかわしたタレブは詰めるが、ラピルスは左ミドルを当て、右サイドキックで間合いを保つ。  ブーイングも出るなか、ラピルスはさらに左に回りながら左跳びヒザ。かわしたタレブの左の詰めをかわしながら、ラピルスは右に頭を傾けて左のショート!  尻もちをついてダウンしたタレブにパウンドのラピルス。タレブは下から腕十字を狙うが、作らせず鉄槌を落とすラピルスに、タレブはクローズドガードで右腕をオーバーフック。外したラピルスに、タレブも足を引いて左アンダーフックで立ち上がり。  追うラピルスは右ジャブ、左ハイを見せる。右インローを突くタレブはワンツースリーと連打もラピルスはバックステップでさばいてホーン。ダウンを奪ったラピルスのラウンドに。  3R、すぐに詰めるタレブ。ケージ背にサークリングしながら右ジャブ、左の蹴りはラピルス。つかつかと歩いて詰めるタレブに左ヒザを突き刺しクリンチし、体を入れ替えるタレブは左で差すも、押し返し、突き放すラピルス。  右ジャブのラピルス、左テンカオも。タレブは左ジャブから右ストレートで前に出るが、ステップでかわすラピルス。左ストレートはかわしたタレブだが、ラピルスの長い右ジャブ、左ミドルを被弾。ラピルスはタレブの入り際に巧みに左を入れる。  なおも詰めるタレブにテイクダウンの動きを見せたラピルス。そこで組んで押し込むタレブはシングルレッグもすぐに右足を抜くラピルスは右小手で絞ると、タレブから離れる。  右ローを当てるタレブ。ラピルスの大きな左右は頭を振ってかわすタレブ。ともにジャブの刺し合いからタレブは右バックフィストもかわすラピルス。ガード固めて右ジャブを突いて制空圏を支配するラピルスはタレブが詰めれば左ヒザ! タレブは被弾しながらも左右で強引に詰めるが、ラピルスはケージづたいに右にサークリング。左の攻撃でラピルスが前に出て、タレブの右をかわしてホーン。  判定は3者30-27のフルマークでラピルスが勝利。これでUFCの最後の試合も含めて3連勝。タレブはキャリア2度目の黒星を喫した。 [nextpage] ピレロがニンジャチョーク、イブラギモフがヴォンフルー、オリベイラが回転ヒジ! ▼フェザー級 5分3R〇ガエタノ・ピレロ(ベルギー)[1R 3分22秒 ニンジャチョーク]×サルバトーレ・リガ(ベルギー) [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3Rボリス・ムバルガ・アタンガナ(ベルギー)[1R 0分56秒 TKO] ※パウンドブルーノ・サントス [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇チェクイナ・ノソ・ペドロ(オランダ)[判定3-0]×ハムザト・アバエフ(ベルギー) [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇モブサル・イブラギモフ(ベルギー)[2R 1分42秒 ヴォンフルーチョーク]×ジェラルド・ファニイ(フランス) [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇イブラギム・イブラギモフ(英国)[判定3-0]×マンシス・デュラグリン(フランス) [nextpage] ▼バンタム級1回戦 5分3R〇ディーン・ガーネット(英国)[判定3-0]×トーマス・グロンヴォル(フィンランド) [nextpage] ▼バンタム級1回戦 5分3R〇マヒオ・カンパネラ(フランス)[判定3-0]×マティス・ザハロヴス(アイルランド) [nextpage] ▼バンタム級1回戦 5分3R〇カタリン・サフタ(スイス)[判定2-1]×ニコラス・ディ・フランコ(ベルギー) [nextpage] ▼バンタム級1回戦 5分3R〇グスタボ・オリベイラ(ポルトガル)[1R 3分25秒 KO] ※スピニングバックエルボー×アナス・アジゾウン(フランス) [nextpage] ▼バンタム級1回戦 5分3R〇ジャン・シェプロスキ(ポーランド)[1R 3分43秒 TKO]×ジュリエン・ピエール・ロペス [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇パウリナ・ウィニエウスカ(ポーランド)[1R 4分12秒 リアネイキドチョーク]×ジェシカ・クーニャ(ブラジル) [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇アダム・メスキニ(フランス)[2R 4分56秒 TKO]×ティジアノ・フェランティ(イタリア) [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇レヴィ・バチェラー(英国)[3R 4分34秒 エゼキエルチョーク]×ファディ・カハルド(チュニジア) [nextpage] ▼163ポンド契約 5分3R〇サルヴォ・ジドシェ(フランス)[3R 2分14秒 リアネイキドチョーク]×ブライス・ベルガジ(ブラジル)
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