2025年6月21日(日本時間21日25時)、アゼルバイジャン・バクーのバクー・クリスタル・ホールにて『UFC Fight Night: Hill vs. Rountree』(UFC Fight Pass/U-NEXT配信)が開催された。
『UFC Fight Night: Hill vs. Rountree』速報
▼ライトヘビー級 5分5R〇カリル・ラウントリー・ジュニア(米国)14勝6敗(UFC10勝6敗)206lbs/93.44kg[判定3-0] ※50-45×2, 49-46×ジャマール・ヒル(米国)12勝4敗(UFC6勝4敗)206lbs/93.44kg
UFC初のアゼルバイジャン大会のメインイベントはライトヘビー級(5分5R)で、元王者と元タイトルコンテンダーの対決が組まれた。前日計量は両者ともに206ポンド(93.44kg)でパス。
元王者のヒルは、プロハースカが返上したベルトをグローバー・テイシェイラと争い、テイシェイラの組みに打撃で上回り、判定勝ちで王座を獲得。しかし、アキレス腱断裂の負傷で王座を返上すると、24年4月の『UFC300』での復帰戦でアレックス・ペレイラと対戦し、1R KO負け。25年1月の前戦では、イリー・プロハースカとの元王者対決で3R TKO負けして2連敗中。34歳。
ラウントリーは、2021年から23年まで5連勝。元K-1ファイターのグーカン・サキにも1RKO勝ちするなど、UFC9勝中7勝がKO勝ちのストライカー。24年10月に、アレックス・ペレイラの王座に挑戦。右を当ててペレイラからニアダウンを奪うなど序盤で攻勢に立つも、4RにKO負け。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。35歳
1R、ともにサウスポー構え。中央に出るヒルに、ラウントリーJrはゆっくり前に。ヒルは左カーフ。ラウントリーJrは鉄槌パンチ、左カーフを返す。
左カーフを当てるラウントリーJr。左ストレートから左カーフを当てるヒル。左ボディストレートを伸ばすヒルに、ラウントリーJrは左カーフ。ヒルも左カーフ。ラウントリーは関節蹴りを突く。
左カーフのヒルに、左オーバーハンドを狙うラウントリーJr。得意の左ミドルをヒット。カーフの数はヒル。ミドルはラウントリーJr。
2R、サウスポー構えからワンツーはまだ遠いラウントリーJr。さらにカーフにヒルの身体が流れる。ラウントリーJrの左カーフに身体が落ちたヒル。詰めてきたヒルにサークリングしたラウントリーJrは右関節蹴り。さらに左カーフ! ヒルはオーソにスイッチし、前足を変える。
じりじり詰めるヒルも左カーフ。ラウントリーJrは右から左カーフ。ヒルの詰めをさばいて左ハイもスリップ。そこを詰めて左フックのヒルだが、ラウントリーJrはすぐに立ち上がり、カーフを突く。ラウントリーJrのラウンドに。
3R、ヒルの右の打ち終わりにワンツーで詰めるラウントリーJr。互いに右をアゴもとに突く。ラウントリーJrはオーソのヒルに奥足のカーフ! 足を潰してさらに左! ダウンしたヒルはすぐに立ち上がる。
ヒルの入りに左ストレートを突き、左ミドル、左インローと左の蹴りを上下に突くラウントリーJr。詰めて来たヒルにここで右で前手フック! ダウンしたヒルに深追いはぜず。立つヒルはホーンにゆっくりコーナーに戻る。
4R、ステップが落ちないラウントリーJrはインロー。左オーバーハンド。さらに左のフェイントからオーソに構えたヒルに右カーフを当てる。ボディ打ちのラウントリーJrは左ミドル。さらに左オーバーハンド、右関節蹴り。ヒルの左ジャブをかわし、ヒルは右も踏ん張りが効かないか。慎重に積み上げるラウントリーJrは左オーバーハンド、さらに右フック。ここはかわしたヒルだが、左目尻から出血。
5R、ワンツーのボデイ打ちから前に出たラウントリーJr。右フックをかわしたヒルは左ジャブも遠い。ヒルの左カーフにラウントリーJrは右前手フックを狙う。右から左オーバーハンドも。胸もとで受けるヒルはサウスポー構えにして前に。左足でロー。ラウントリーJrは右関節蹴り、左前蹴り。左ミドルのヒルに、ラウントリーJrは右ストレート、左カーフ。ヒルの入りに左を合わせる。ヒルのジャブをさばくラウントリー。
判定は3-0(50-45×2, 49-46)で前足に左右カーフを効かせ、左右フックでダウンを奪ったラウントリーJrが勝利。
試合後、ラウントリーは「まずバクーに感謝の言葉を述べたいと思います。あなたたちは本当に素晴らしいです。正直、この場所は一生忘れないでしょうし、また戻ってきたいと思っています。でも、本当にありがとう。あなたたちのおかげで、この経験は本当に素晴らしいものになりました。
最初から言っていたように、私はジャマルを軽視してここに来たわけではありません。自分自身と能力に自信を持っていましたが、彼を軽視はしなかった。計画は賢明に動くことでした。アレックス(ペレイラ)戦ではいくつかのミスを犯したから、違う決断をしなければならない。“行け、行け、行け、行け、行け”と急ぐ必要はない。やるべきことをやるだけだ。そしてラウンドをリードしていれば、それを確保して、賢いプロのチャンピオンレベルの選手として振る舞う。それがチャンピオンの考え方だと思う」と、慎重になった試合を振り返った。
そして、「みんな知っていると思うけど、私は何度も言っている。『チャンピオンになりたい』。だから、次に何があるかは分からない。やるべきことがあるのは分かってる。でも、もしその間に誰かと戦うならやる。ベルトを取り戻すか、ベルトを懸けて戦うために近づくなら、何でもやる」と、あらためて王座を目指すことを表明した。
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▼ライト級 5分3R〇ラファエル・フィジエフ(アゼルバイジャン)13勝4敗(UFC7勝4敗)155.5lbs/70.53kg[判定3-0] ※30-27×3×イグナシオ・バハモンデス(チリ)17勝6敗(UFC6勝3敗)※UFC3連勝でストップ 155.5lbs/70.53kg
フィジエフは、カザフスタン出身・キルギス育ち、アゼルバイジャン国籍。ライト級11位。
11歳からムエタイを始め、その後はムエタイと並行してコンバットサンボ、ボクシング、柔術、レスリングなど様々な格闘技を始めた。トヨタ・ムエマラソン出場経験もあり、アマチュアムエタイでは2016年に世界選手権で銅メダルを獲得。2015年、プロMMAデビュー。2020年から6連勝で22年に ハファエル・ドス・アンジョスを5R KO。その後、ジャスティン・ゲイジーに2度、マテウス・ガムロに負傷で敗れ3連敗中も、前戦は緊急参戦だった。32歳。
バハモンデスは、UFC3連勝中。チリ出身、シカゴ在住のMMAストライカー。WKN南米王者であった父親の影響でケンポーカラテを習い、10歳からキックボクシングを経験し、14歳の時にアマチュアキックボクシングのチリ国内王者となり、35勝0敗1分の戦績を残した。その後、MMAを習得するために16歳の時に米国マイアミへ渡り、翌年にイリノイ州シカゴへ拠点を移した。2015年11月21日、プロMMAデビュー。20年11月、Dana White's Contender Series 34でエドソン・ゴメスと対戦し、右前蹴りで2RKO勝ちを収め、UFCとの契約を獲得。
UFC初戦でジョン・マクデッシにスプリット判定負けも、以降3連勝。2023年8月にルドビト・クラインに判定負けしたが、24年4月にクリストス・ジアゴスを左ハイキックで1R KOに下すと、続く24年9月のノーチェUFCで、メキシコのマヌエル・トーレスは右で2度のダウンを奪ってパウンドでTKO。25年3月の前戦でランカーのジェリン・ターナーに三角絞めを極めて2つめの一本勝ちをマークした。17勝中11のKO・TKO勝ち。27歳。
1R、ともにオーソドックス構え。191cmの長身のバハモンデスはスイッチを繰り返し、互いに喧嘩四つでロー。フィジエフもスイッチを相手に合わせて右を突くが遠い。右サイドキックのバハモンデスに、右ミドルを返すフィジエフ。中に踏み込み右から左フック。バハモンデスは左インローを返す。
慎重に詰めるフィジエフは歩きながら左ミドル。右から左。バハモンデスはサイドキックを今度は顔面に狙う。かわすフィジエフは左前手フックで飛び込み。さばいたバハモンデスは右のバックピンキックの2発目を当てる。かかと落としを見せたバハモンデスが前に出てホーン。ともに手数少ないが、ミドルを当てたフィジエフのラウンドか。
2R、ともに蹴りから。左右の蹴りをジャブのように使うフィジエフは、バハモンデスの右ハイをスウェイでかわすが上体が上がったところにバハモンデスは詰めて右ヒザ。離れてワンツーから右差しで組み。体を入れ替えたフィジエフがヒジを突いてスタンドに。
バハモンデスはフェイントから首相撲ヒザ。離れてフィジエフはオーソから左ミドルをヒット。バハモンデスの右ハイ、後ろ廻し蹴りを見切ってかわす。長い蹴りに対し間合いを詰めて左ミドルのフィジエフはボディフックも。バハモンデスも右ハイ。
詰めてダブルレッグテイクダウンのフィジエフは右のパウンド。立たせて左を振ってダブルレッグテイクダウン。そこにバハモンデスは三角絞め狙いも組めず。下のままのバハモンデスに鉄槌。バハモンデスも立つ。詰めるバハモンデスに右ヒザを合わせたフィジエフ。バハモンデスが後転して立ち上がりホーン。
3R、ワンツーの右をボディに突くフィジエフ。バハモンデスの右ハイをスウェイでかわして詰めて近距離で左フック。左ジャブからスイッチしてワンツーのバハモンデス。後ろ廻し蹴りをかわしたフィジエフはバハモンデスのダブルレッグをがぶって、ガードのバハモンデスにつきあわず。左から右アッパーのフィジエフ。バハモンデスの右ハイを潜るフィジエフを押し込むバハモンデスだが、テイクダウン出来ず。フィジエフは突き放す。ワンツーで前に出て近い距離でも戦うようになるバハモンデスに、フィジエフはダブルレッグテイクダウン! 上からヒジ! バハモンデスの得意の下からヒジも。離れるフィジエフに、バハモンデスは足関節狙いも、そのままマウントを奪うフィジエフがパウンド。ホーン。
判定は30-27×3のフルマークで、地元フィジエフがTD&打撃を入れてバハモンデスに完封勝ち。試合後、「これは非常に良い戦いだ。俺は“自分の家”で負けるわけにはいかない。これらの勝者たちの前で負けるわけにはいかない。私たちは人間か、それとも勝者か。アゼルバイジャンは勝者だ。これらの人々はこの幸せに値する。彼らは笑顔と叫びで幸せを表現する。あなたはこれらの人々がそれに値するのを理解し、俺はここで故郷を代表できることを幸せに思う。(今後について)昨日、ロケットに問題を抱えているのを見た。俺はロケットマンだ。月まで送ってくれ。俺の原動力はビジョンだ」と語った。
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▼ヘビー級 5分3R〇カーティス・ブレイズ(米国)19勝5敗(UFC14勝5敗)258lbs/117.03kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×リズヴァン・クニエフ(ロシア)12勝3敗(UFC0勝1敗)264.5lbs/119.98kg
1R、ともに両者オーソドックス構え。ダブルレッグで飛び込んだブレイズがテイクダウン。金網使い立つクニエフだが、バッククリンチのブレイズは、崩してテイクダウン。立つクニエフは正対。ブレイズはシングルレッグも切るクニエフは、左右パンチ。ブレイズはダブルレッグでケージに押し込んだところでホーン。ブレイズのラウンドに。
2R、クニエフの右カーフの打ち終わりに組もうとするブレイズ。切ったクニエフの右インローに組もうとするブレイズ。左ジャブを当てるブレイズ。クニエフはワンツーの右を返すと、左から右アッパーも。互いに右を突くと、クニエフはワンツーの右を当てて、ブレイズを下がらせる。さらに左から右ストレートにクニエフ。ブレイズはシングルレッグへ。
片足立ちのクニエフはケージ背に防いで離れて右アッパーから左フック。さらに二段ヒザからクリンチアッパー! 左から右で飛び込み、ブレイズに鼻血を出させる。クニエフのラウンドに。
3R、細かいジャブ&ローはブレイズ。クニエフは右ヒザ、テンカオを突くと、首を掴んでダーティボクシング。ブレイズは右を突いて押し戻す。ニータップの動きも見せるブレイズは右を突いて押し込みシングルレッグからダブルレッグもその崩しを残るクニエフ。ブレイズはバッククリンチから細かいヒザ。
正対し突き放したクニエフ。サウスポー構えになり右から左で今度はクニエフがケージに押し込み。突き放すブレイズは頭を下げてボディ打ちからダブルレッグへ。差し上げてたクニエフが体を入れ替え、近い距離で左右をまとめてホーン。
判定は2-1(29-28×2, 28-29)のスプリットでブレイズが勝利。
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▼キャッチウェイト(165ポンド)5分3R×トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)22勝6敗(UFC0勝1敗)RIZINライト級GP優勝 163lbs/73.93kg[1R 4分35秒 キムラロック]〇ムフトベク・オロルバイ(キルギス)14勝2敗(UFC3勝1敗)6KO/TKO・5SUB 165lbs/74.84kg
メインカード第3試合では、今大会で唯一のアゼルバイジャン生まれでアゼルバイジャン育ち(※アゼルバイジャン国籍選手はラファエル・フィジイエフとナジム・サディコフも)のトフィック・ムサエフがUFCデビュー戦に臨む(※ムサエフ インタビュー)。
試合は両者合意の165ポンドのキャッチウエイト戦に(※体重調整に苦しんだとされるオルロバイにペナルティは無し)。1週間前のヴガール・ケラモフに続き、今度はトフィック・ムサエフがケージで戦う。2019年のRIZINライト級トーナメント優勝者のムサエフは、コロナ禍の21年6月にホベルト・サトシ・ソウザに1R 三角絞めで敗れ戴冠ならず。2022年7月にBellatorに参戦してシドニー・アウトローを27秒、右フックでKO。2023年3月からBellatorライト級ワールドGPに参戦も1回戦でアレクサンドル・シャブリーの右前蹴りを腹に受けて3R TKO負け。その後、RIIZNに復帰し、2023年7月にアキラを2R KO。同年11月のRIZINアゼルバイジャン大会で武田光司を3R TKOに下している。35歳。
(C)tofiq__musayev
その後、いったんはGFLとの契約を発表したが、GFLは5月の旗揚げ戦を1カ月半前にキャンセル。大会を行わずに崩壊。ムサエフはUFCアゼルバイジャン大会を前にUFCと契約し、バクーでの試合に臨むこととなった。
対するキルギスのオルロバイは、2023年11月のUFC APEX大会の試合4日前に欠場選手の代役としてUFCと契約。初戦はウェルター級で、UFC3勝1敗のウロシュ・メディチを相手にグラウンドコントロールし、2Rにネッククランクで一本勝ち。2戦目は本来のライト級に戻し、UFC3連勝中のエルブス・ブレナーと対戦。ワンツーの右を当てて粘り強いケージレスリングからテイクダウンを奪って削り、、判定勝ち。24年10月の前戦では160ポンドのキャッチウェイトで、マテウシュ・レベツキと対戦。ともに打撃から組んでのスクランブルでも譲らず。3RにKO負け寸前から盛り返す、大流血戦のファイトオブザナイトの激闘を繰り広げたがスプリット判定負け。オクタゴン初黒星を喫している。27歳。
リーチで13cm差のあるオロルバイ優勢の予想のなか、地元でのオクタゴンデビューでムサエフはいかに戦うか。
アゼルバイジャンの国旗を掲げて入場のムサエフ。
1R、グローブタッチ。ともにオーソドックス構え。先にシングルレッグのオルロバイに片足立ちで着地したムサエフだが、左ローを掴んだオロルバイがテイクダウン!
ハーフから右脇に頭を突っ込み肩固め狙い。首を抱えたムサエフに首を抜きケージに押し込む。クローズドガードのムサエフは足を解いて蹴り上げ。中腰から足をさばいて後転させてバックに回るオロルバイに、首を守って正対するムサエフだが、そこでダブルレッグテイクダウンはオロルバイ!
首を抱えるムサエフはフックガードからケージウォークで立ち上がり。ムサエフのグローブ掴みでレフェリーが注意、スタンド再開。ムサエフの右の蹴りを掴んでマット中央でテイクダウンのオロルバイ。サイドからキムラロック! ムサエフの頭をまたいで肩口まで絞ると、ムサエフがタップした。
試合後、オロルバイはレスリングを使いテイクダウンを奪ったことについて聞かれ、「このパフォーマンスと勝利自体がサプライズでした。この試合のために少なくとも3カ月間準備してきた。トフィックは素晴らしいファイターだと知っていたので、これは少しのサプライズで、彼のために長い間準備してきたんだ」と語った。
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▼ライト級 5分3R〇ナジム・サディコフ(アゼルバイジャン)11勝1敗(UFC4勝0敗)[2R 4分17秒 TKO]×ニコラス・モッタ(ブラジル)15勝6敗(UFC3勝3敗)155.5lbs/70.53kg
1R、サウスポー構えのサディコフのインローに、オーソのモッタも右インロー。互いにミドルの蹴り返し。大歓声のなか、中央を取り、右ジャブのサディコフ。モッタの右ハイに左ストレートを突く。しかしモッタも左ボディを当てると前進。なおも左ボディを当てて左右連打のモッタ! いったん前に崩れたサディコフだが、ガード固めて戻すと、打ち疲れのモッタに左ハイから大歓声をバックに左右で前進。さらに左ハイに繋ぐと、モッタをケージに詰めてヒザ蹴りも。
左の蹴りのサディコフにモッタも右ハイ。ガードしたサディコフはダブルレッグで組んで押し込みヒジ、ヒザでホーン。モッタのラウンドに。
2R、先に前に出るサディコフ。左の蹴りは上下に。モッタも右ハイをガード上に。左の後ろ廻し蹴りはサディコフ。ブロッキングのモッタは右ハイも、ガードしたサディコフは右ヒジ! カットしたモッタ。サディコは右ボディ、左フック。さらにガードの間を突く右フック! 左ハイ。
頭をガードし合っての左ボディ打ちの互いの連打からサディコフは左ヒジ。被弾しながらも右を返すモッタ。サディコフは休まず左ミドルを当てるとケージに詰めて左右ボディ打ちから連打! モッタの右にサディコフは右フック! モッタが沈んだ。
場内は大歓声。サディコフはケージの中で勝利のダンスを踊った。
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▼フェザー級 5分3R〇ムハンマド・ナイモフ(タジキスタン)13勝3敗(UFC5勝1敗)155lbs/70.31kg 146lbs/66.22kg[判定3-0] ※29-28×3×ボグダン・グラッド(豪州)15勝3敗(UFC1勝1敗)146lbs/66.22kg
1R、ともにオーソからスイッチするナイモフとグラッド。中央から詰めるグラッド。右後ろ廻し蹴りをヒットさせたナイモフ! グラついたグラッドだが、すぐに組んでダブルアンダーフック。突き放したナイモフ。グラッドは左ミドル。右ロー。そこに右ストレートを合わせるナイモフはサウスポー構えになり左ストレートの飛び込み。再びバックフィストを突く。
グラッドの組みからの押し込みに右を差し返して体を入れ替えたナイモフ。しかしグラッドも体を入れ替えると、ボディロックから崩しを狙うが、差し返したグラッドはアームドラッグで体を入れ替える。
2R、サウスポー構えから右ミドルのナイモフ。グラッドはオーソから右二段蹴り、お返しの後ろ廻し蹴りを見せる。強い左ミドルを当てるグラッド。ナイモフはサウスポー構えに変える。左ミドルハイのナイモフに、グラッドは前に。ダブルレッグで押し込み。そこにヒジを突くナイモフが離れる
バックスピンキックのナイモフをかわす。グラッドはシングルレッグ。そこにギロチンを合わせに行くナイモフだが、首を抜くグラッドが両足を引き出して尻を着かせてゴング。
3R、左ミドル、右カーフのグラッドに、またも強いバックスピンキックをガード上に当てるナイモフ! しかしガードしたグラッドはダブルレッグからバックへ。背中に乗るが、前に落としたナイモフ。グラッドは下から三角絞めを狙う。かわしたナイモフはトップから細かいパウンド。グラッドはクローズドガード。残り1分40秒でブレーク。
詰めるグラッドはダブルレッグ。差し上げたナイモフは体を入れ替え立ち上がり、互いに後ろ廻し蹴り。ホーン。判定3-0(29-28×3)でナイモフが勝利。
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【プレリム】
▼ウェルター級 5分3R〇コ・ソクヒョン(韓国)12勝2敗(UFC1勝0敗)169.5lbs/76.88kg[判定3-0] ※30-27×3×オーバン・エリオット(英国)12勝3敗(UFC3勝1敗)※UFC3連勝でストップ 170.5lbs/77.34kg
1R、柔道&サンボベース、サウスポー構えのコ・ソクヒョンの詰めに、右を突いて組んだエリオット。突き放したコ・ソクヒョンは左ストレート、左ハイ。金網背にしたエリオットはシングルレッグ。小手巻き投げから正対するコ・ソクヒョンは再び小手巻き投げ。立つエリオットを小手巻き内股で投げると、左小手を効かせてトップに。
しかしスクランブルから立つエリオット。すぐに詰める。コ・ソクヒョンに体を入れ替えたエリオット。しかし突き放したコ・ソクヒョン。すぐに組むエリオットに両かんぬきでホーン。
2R、右インローのエリオット。コ・ソクヒョンはバックヒジで詰める。左ミドルハイのコ・ソクヒョンはエリオットのシングルレッグに右手を差し入れてスイッチからバッククリンチ。背後に引き込んでから腰を抱いてトップに。立つエリオットを横に崩して左足をかけてリアネイキドチョーク狙い。仰向けになって防ぐも背中を着くエリオットに、ハーフから細かいパウンドのコ・ソクヒョンは上体金網背に座るエリオットに左足をかけてリアネイキドチョーク狙い。
仰向けになって極めさせないエリオットだが、コ・ソクヒョンは足を抜きサイドから攻めてホーン。
3R、右前蹴りのエリオットに構わず詰めて両オーバーフックのまま払い腰でテイクダウンのコ・ソクヒョン! サイドからパウンド。ハーフにするエリオットにヒジを落として出血させる。サイドになったところでスクランブルするエリオットをまたもバッククリンチからオーバーフックで崩してテイクダウン! 立ち上がりに腰を抱いて回して崩してトップに。
サイドを奪い、上四方。ケージを蹴るエリオットは下からセンタク挟みも、コ・ソクヒョンは指を立てて振って極まってないと意思表示。上のままホーンを聞いた。
元HEATミドル級王者、DWCSを勝ち上がったのコ・ソクヒョンは、30-27×3のフルマークの判定で勝利。MMA12勝2敗、UFCデビュー戦を見事勝利した。エリオットはUFC連勝が3でストップ。
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▼ミドル級 5分3R〇パク・ジュンヨン(韓国)19勝6敗(UFC9勝3敗)186lbs/84.37kg[判定3-0] ※29-26×2, 29-25×イスマイル・ナウルディエフ(モロッコ)24勝8敗(UFC3勝3敗)186lbs/84.37kg
1R、ともにオーソドックス構え。上下に右を散らすナウルディエフに、ジュンヨンは蹴り足をつかむも、戻して右から左。ワンツーを返すパク・ジュンヨン。ナウルディエフの右ストレートにはステップでずらして左ジャブで前に。さらにパク・ジュンヨンは右から左。そこにナウルディエフはアイポーク。パク・ジュンヨンはインターバルから再開。
左を当てるナウルディエフはさらに右で前に詰めるが、パク・ジュンヨンは右を当ててナウルディエフの腰を落とさせると打ち合いから左でダウンを奪う。
2R、ジャブを伸ばすパク・ジュンヨンに、ナウルディエフの左手がアイポークに。再開。前に出るナウルディエフに首相撲ヒザのパク・ジュンヨン。崩れながら押し込むパク・ジュンヨンがヒザを着いたところにナウルディエフはグラウンドポジションで反則のヒザ蹴り。
ナウルディエフは両手を広げるが、失格でもおかしくない反則攻撃。左目から出血のパク・ジュンヨンは立ち上がり、試合続行を希望するが、ドクターチェックで左目が開けられず。ナウルディエフに「2Pの減点」で再開。
グローブタッチするパク・ジュンヨン。蹴り足をつかんでダブルレッグへ。両足を広げるナウルディエフにシングルレッグに移行。ヒジを落とすナウルディエフは突き放す。右ストレート、左ミドルを当てるナウルディエフに、組みのパク・ジュンヨン。左目から再び出血。左目は見えていないか、詰めて組みを選択するパク・ジュンヨンにナウルディエフがダブルレッグテイクダウン。
バックを奪い、リアネイキドチョークへ。腰をずらしたパク・ジュンヨンの立ちにがぶり。しかしバッククリンチのパク・ジュンヨンがテイクダウン、ニアマウントから座るナウルディエフに左足をかけて細かいパウンドからリアネイキドチョーク狙いもホーン。
3R、ジャブから左のダブルで詰めるパク・ジュンヨン。シングルレッグからバッククリンチ、ケージ背に座るナウルディエフを寝かせてニアマウント。脇の下からパンチ、さらに送り手をつかんでキムラ狙いも。ハーフから左右に足をかけなおしパウンド、リアネイキドチョーク狙いも正対して仰向けで防ぐナウルディエフ。
パク・ジュンヨンはマウントもバックを奪い、両足フック。ディフェンス一辺倒のナウルディエフに、パク・ジュンヨンは背後から細かいパウンド。残り数秒で最後にリアネイキドチョークを狙いホーン。反則ヒザ蹴りの減点2のナウルディエフに、パク・ジュンヨンは判定3-0(29-26×2, 29-25)で勝利した。
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▼女子バンタム級 5分3R〇ダリヤ・ジェレズニコバ(ロシア)10勝2敗(UFC2勝1敗)136lbs/61.69kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×メリッサ・マリンズ(英国)7勝2敗(UFC2勝2敗)136lbs/61.69kg
1R、詰めるジェレズニコバはワンツーの右をヒット、さらにワンツーを連打し右を当てて前に。顔面を赤くするマリンズに右ボディ、左フックも。マリンズも右ショートアッパーを返すと右フックを当てて前に。下がったジェレズニコバを詰めるマリンズ。
さらにクリンチアッパーから詰めてテイクダウン。下のジェレズニコバの足関節をさばいてマウント。腕十字に入るもジェレズニコバがクラッチ、ホーン。
2R、中央を取るマリンズに、サークリングするジェレズニコバ。その入りに右を狙うマリンズ。ジェレズニコバは右オーバーハンドをガード上に当てる。右フックを当てるジェレズニコバ。下がらないマリンズに左右にサークリングし、ボディ打ち! 腰が落ちたマリンズを追ってワンツーも、マリンズはダブルレッグテイクダウン。インサイドガードから細かいパウンド。
3R、左ジャブを見せるジェレズニコバ。マリンズはシングルレッグの動きを見せるが、腰を落とし警戒のジェレズニコバ。右を振るジェレズニコバ。上下に散らして左右ボディストレートを狙う。
互いに顔を腫らした最終ラウンド。マリンズは前蹴り。シングルレッグで金網まで詰めてテイクダウンもケージを掴みすぐ立つジェレズニコバ。押し込みヒザを打つマリンズはダブルレッグも、両足を持ち上げて立ち上がるジェレズニコバ。左ハイのマリンズだが動きがブレる。ジェレズニコバが右を突いてホーン。
判定3-0(30-27×2, 29-28)でジェレズニコバが勝利。3年前の2022年11月のAres FCでのマリンズに1RKO負けの雪辱を果たした。
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▼女子バンタム級 5分3R〇クラウディア・シグワ(ポーランド)7勝2敗(UFC1勝1敗)135lbs/61.24kg[判定3-0] ※30-27×3×イリーナ・アレクシーバ(ロシア)5勝3敗(UFC1勝2敗)135.5lbs/61.46kg
1R、ともにオーソドックス構え。先に右で飛び込むシグワ。アレクシーバは左右も大きい。シグワは右オーバーハンド。アレクシーバの詰めをさばいて右を突く。詰めるアレクシーバは左右。精度はシグワか。
2R、先にワンツーのシグワにアレクシーバも右で迎え撃つ。左ローのシグワは、ジャブを入れて出入り。シグワの左インローがアレクシーバの股間に入り、2回目のローブローになり中断、再開。注意。
詰めるアレクシーバは低い手の位置から左右を振るが、シグワも足を使ってかわして左を合わせに行く。ワンツーで前に出るシグワをノーガードでかわすアレクシーバ。右から左フックも大きい。シグワは左ミドル、前蹴り。アレクシーバも右前蹴り、バックスピンキックを見せる。
3R、左右から左前蹴りを当てたアレクシーバはついに組みへ。右で差して肩パンチから足踏み。右ヒザも。しかし突き放したシグワが細かい左右で前に。さらに右のバックフィスト! 腰を落としたアレクシーバを詰めると組みに。ボディロックから押し込み小外がけを合わせてテイクダウン! ハーフから左で差してアレクシーバに背中を着かせて右のパウンド。アレクシーバのブリッジに合わせてマウントを奪い、ヒジ連打。さらにパウンド連打でホーン。
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▼フライ級 5分3R〇タギル・ウランベコフ(ロシア)17勝2敗(UFC6勝1敗)※UFC4連勝 126lbs/57.15kg[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×アザト・マクスム(カザフスタン)15勝2敗(UFC1勝2敗)126lbs/57.15kg※堀口恭司は欠場
フライ級10位のウランベコフは、ハビブ・ヌルマゴメドフ率いるダゲスタン軍団。身長170cmでリーチ178cm、幼少時からレスリングを学び、2014年の世界コンバットサンボ選手権57kg級で優勝。オーソから懐の深い打撃と、ボディロックで組んでのやぐら投げ、四つ組みからの強いテイクダウンを武器に、ギロチンチョークなど9つの一本勝ちを誇る。
堀口恭司欠場の代役カザフスタンのアザト・マクスム(15勝1敗)は、レスリング+ボクシングが武器も、前戦はチャールズ・ジョンソンに逆転判定負けでUFC1勝1敗となっている。
1R、先に右カーフのウランベコフに、マクスムも左リードジャブ。詰めるウランベコフは右ストレートから詰めてダブルレッグ。ケージ背にするウランベコフをボディロックからやぐら投げを狙い、2度持ち上げたウランベコフに、着地するマクスム。さらにシングルレッグにも片足立ちで、切る。
ウランベコフの最初の一連のテイクダウントライを切ったマクスムは左フック。右カーフにはウランベコフが右ストレートをかぶせる。マクスムの右オーバーハンドをかわしたウランベコフはワンツーの右をヒット。マクスムも左前蹴り、ウランベコフも右前蹴りを返す。マクスムの右はまだ遠い。左ミドルに繋ぐと、ウランベコフもワンツーから右ミドルハイをガード上に。さらに右を突く。ウランベコフのラウンドに。
2R、中央を取るウランベコフは右カーフ。マクスムもワンツーもスリップ。スイッチから左ミドルを当てるマクスム。ウランベコフも右ストレート。マクスムの打ち終わりにウランベコフは右ストレート。ウランベコフの首相撲に右アッパーを突くマクスム。突進はバッティングか。ウランベコフもヒザ蹴り。離れたマクスムは左ジャブをヒット。
詰めるウランベコフはダブルレッグからクラッチも、ケージに平行して足を広げたマクスムはゥラッチを切り、頭を押して切る!
ワンツースリーのウランベコフ。右前蹴り。さらに組むと左小手投げを見せたマクスム。ウランベコフの詰めてのボディロックからのザバ折を逆に切り返してのダブルレッグテイクダウンはマクスム! 拮抗したラウンド。
3R、右ストレートを突くマクスム。さらにワンツー。組むウランベコフはボディヒザも離れるマクスムはワンツー。そこにカウンターで組んだウランベコフは右で差して押し込み。左小手のマクスムは頭を押し下げて正対して体を入れ替える。ウランベコフから突き放す。
中央でダブルレッグに入るマクスムを受け止めたウランベコフだが、離れ際に左右を突くマクスム。ウランベコフのダブルレッグをかわして右ヒジ。かわしたウランベコフにまたもダブルレッグ。差し上げるウランベコフの首相撲に右アッパー。左ジャブを突き、手数も止めない。ともにダーティボクシングでヒジの打ち合い。離れて右の打ち合いはウランベコフが左から右。ともに首相撲ヒザ。マクスムのラウンドに。
組んだウランベコフの投げを切り返したマクスムがバックに。グレコで投げるもウランベコフが顔の上に乗ってホーン。ウランベコフはマクスムの手を持って称える。
判定は3-0(30-27×2, 29-28)でウランベコフが勝利。ウランベコフがマクスムに歩み寄ると、すぐにハビブ・ヌルマゴメドフも緊急参戦のマクスムの手を取り、健闘を称えた。
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▼ヘビー級 5分3R〇モハメド・ウスマン(ナイジェリア)11勝4敗(UFC4勝2敗)244.5lbs/110.90kg[判定3-0] ※29-28×3×ハムディ・アブデルワハブ(エジプト)6勝1敗(UFC1勝1敗)264.5lbs/119.98kg
1R、ともにオーソドックス構え。アブデルワハブのいきなりの右カーフキック2発に、ウスマン弟は身体が流れる。さらに3発目。右の蹴りを放つウスマンだが、自分の蹴りでバランスを崩す。
アブデルワハブは右前蹴りを突いて右カーフ。左ジャブを刺す。ウスマンは手数少なくサークリング。じりじり詰めるアブデルワハブにウスマンも左ジャブを見せる。さらにワンツーの右が耳横をかすめてウスマンが若干よろめく。
2R、左ジャブを突いてからダブルレッグで組むアブデルワハブ。突き放したウスマンは右ストレートを突く。かわしたアブデルワハブだが、続くウスマンの左ジャブがオープンハンドでアイポークに。中断から再開。
アブデルワハブは右カーフ。しかしウスマンが右ストレートを効かせると、アブデルワハブが後退。しかし、追打に慎重なウスマンにアブデルワハブが右を返す。さらに左で飛び込むと中央を取り返し、右から左。サークリングでかわすウスマンは左を上下に突いてアブデルワハブの詰めにシングルレッグを見せるも深追いせず。
右ボディストレートのウスマン。左ジャブを突いて、アブデルワハブの入りに右ストレートを突く。
3R、右ショートアッパーを当てるアブデルワハブ、さらに詰めて左右もかわすウスマンは右フック。詰めるアブデルワハブは左から右も、アウトボクシングのウスマンは左ジャブをボディに突いて右回り。アブデルワハブのダブルレッグにも回って防ぐと、ジャブから右ストレートを見せる。アブデルワハブも追い足に欠けて手数が少ない。
右オーバーハンドを当てたウスマンにアブデルワハブはケージまで後退。しかし左右で押し戻すと、ウスマンがバックステップ。
判定3-0(29-28×3)でウスマンが勝利。初黒星のアブデルワハブは序盤のカーフから追い打ちしたかったが、アウトボクシングのウスマン弟を追い切れず、ウスマンは中盤から手数を増やし右を効かせて判定勝ちした。