MMA
インタビュー

【RIZIN】“生き残った”鈴木博昭「次はクレベルに『頼んますぜ!』っていうのはある」×山本空良「UWFの回転体の動きが現代MMAのなかでは難しい」

2025/06/18 21:06
 2025年6月14日(土)北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナにて『RIZIN LANDMARK 11 in SAPPORO』が開催された。  第12試合では、フェザー級で連敗中の鈴木博昭と山本空良がサバイバルマッチ。 ▼第12試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R×山本空良(パワーオブドリーム)[判定0-3]〇鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)  試合は、シュートボクシング&ONEで活躍したストライカーの鈴木が、山本の組み技・寝技を断ち切り、打撃を当ててトップを奪っての判定勝ち。開口一番「生き残った」と語り、ボンサイ柔術での練習の成果と、『超RIZIN.4』で朝倉未来戦に向かうクレベルへエールを贈った。 鈴木博昭「ここ頑張らなかったらお前は終わりだ、ファイターだろ? って」 ──試合後の率直な感想を。 「生き残りました! 本当はフィニッシュ勝ちしかしたくないんですけど、空良選手、強かったです」 ──山本空良選手と実際に戦った印象として対戦前と違うところはありましたか。 「うーん、もうちょっと(後半に)落ちてくれる選手なのかなと思ったんですけど、どんどん粘って粘って、まあ僕もちょっとでも気を抜いたら、というか気を抜くことなんかないですけど、持ってかれてもおかしくないような展開もいっぱいあったんで。まあ競り合いというか、つば競り合いの勝負だったかなと思います。ただまあ、あの、ちょっと僕の方が年上なだけ、勝ったんじゃないかなと思ってます。ちょっとじゃないんですけどね」 ──そんなことないです。若く見えますので。 「はい、お世辞ありがとうございます」 ──1R、2R目までは本当にどちらが勝っていると見るのか難しかったと思います。ご自身的には2R終わった段階でどういった気持ちでしたか? 「いやもう本当にこれなんだろう、これどっちだっていう。 打撃がじゃあそこまで当てたかっていう印象もないし、まあテイクダウンも守ったり立ったりしたけど倒されている場面もあったりとか。まあ、それこそ首相撲で1回捕まったりとかあったし、どっちだっていう、まあ本当にイーブンだろうなと思ったんで。だから“3ランド目、頑張んなきゃ”と思いました」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。 「本当にこれはよくある質問だと思うんですけど、『ここ今、今ここ勝たないと』先なんざ、もう本当にないと思ってたんで。ええ、先の展望は今ないです。もうここで勝つことが全てだと思ってたんで。まああの、強いて言うなれば、次名古屋大会、新しいアリーナであると聞いているので」 ──はい、先ほど発表されました、9月28日、名古屋IGアリーナです。 「あ、そうなんですね。はい、あの、じゃあ『怪物くん、参戦か(仮)』でお願いいたします」 ──これまで組みつかれてから、下で作るようなことがありましたが、今回はほぼ立ち上がって相手の三角絞めは全部防いだと思います。それはボンサイ柔術のクレベル&サトシの三角絞めを受けてきた成果というか、全然危なげなかったという気持ちでしょうか。 「ええと、まさにその通りです。はい。もうなんでしょうね。やっぱこの寝技の仕掛け。まあ、いわゆる一本を取るものに対する練習っていうのは、多分僕一番できていると思うので。むしろ今までだと下で固まってっていうわけでもないけど、ちょっと下の展開になっちゃうっていうのは悪い癖でもあったんでね。オールラウンダーと勘違いしてたんで、僕はストライカーみたいだから立ち上がらなきゃと思って、今日は立ち上がりました」 ──厳しい時間帯に左ボディーを効かせるのは、常套手段だった? 「そうですね。1回あったんですけど、今日は足が追えなかったので、うん。もっと追えるように頑張ります」 ──「生き残った」という言葉が最初に出てきましたけれど、試合中そのメンタルが影響する部分はありましたか? 「まあそうですね。戦いはもう、その瞬間以外何物でもないので。でもまあ1R、2Rで、“多分これは競ってる、これどっちだ?”ってのがあったから、だから“最後3R行くぞ! 行くぞ!”っていう。セコンド陣からの『取ってこいよ』っていう言葉とともに行っていました。今日は全員からゲキもらって、本当に今日はまあ僕一人の勝利っていうよりかは、というか僕一人の勝利ではないんですけど、本当にセコンドに助けられて最後頑張れたかなと思って。チームに勝たせてもらったのかなと思ってます」 ──そういう最後の粘りなどは、やはり年齢を重ねるからこそ培われてきた部分でしょうか。 「それに関してはもうどっちとも取れるとこありますよね。年齢重ねて、まあある程度、地位とかもろものを作っていくと、そこ頑張らなくても別に生きていけるじゃないですかっていう。うん、でも俺はファイターだぞっていう、ここ頑張らなかったらお前は終わりだって。お前はファイターだろ? っていう、行ってこいよって自分に言い聞かせながら、周りからの言葉もらいながら頑張りました」 ──15分戦いきってもエネルギーみなぎっている感じがします。 「まあ準決勝あってもやりますよ。はい、できますよ」 ──先日セコンドについたサトシ選手に続き、ここで勝ったことで次のクレベル選手にバトンは繋いだぞという感じでしょうか。 「そうですね、『頼んますぜ!』っていうのはあります」 [nextpage] 山本空良「どっちつかずに自分がいて、覚悟が決めきれてない状態」 ──試合後の率直な感想を。 「まず、今までの試合、連敗中で、自分の良くないところ、苦手なところの克服ができていなかったっていうところと、いい試合もできなかったし、結果負けてしまうしで、自分としてというか、みんな、いち格闘技ファンに見せられる試合じゃなかったなと思いますね」 ──なぜそうなってしまったかの原因や、理由はあるのですか。 「やっぱりまあ、自分の心の弱さだったり、何て言うんだろうな……、自分が今のこの現状の練習に満足しちゃってるところもあったのかな? と思って。何て言うんだろう、もっともっと練習しなきゃっていうのはもちろん当たり前なんですけど。やっぱり、いろんな環境に触れて、いろんな人を見て。頑張っている人もたくさんいて。そういうところから自分は学べてなかったと思いますし。ちょっと格闘技を軽く見すぎているところもあると思うんですよね。  その、よく自分が言うUWFの回転体の動きっていうのは、厳しいところが今の、現代MMAのなかではすごく多いと思うんですよ。で、自分はそっち(回転体)から先に学んでいるから捨てたくないっていう気持ちが強い。そして、それを捨てた方が勝てるよっていう人もいる。その、どっちつかずの真ん中に自分がいて、覚悟が決めきれてない状態に今いるのかなって思いますね」 ──鈴木博昭選手と実際に戦った印象として、試合前と違ったところはありましたか。 「試合前のイメージとまああんまり変わらないっていうか自分のイメージ的には。もちろん強かったですし。“試合中に絶対この人、笑うんだろうな”って。まあ案の定、笑われちゃって、自分が情けねえなって思っちゃいました」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。 「目標、展望はうーん、負けた人が『次は勝ちたいです』って言うのは簡単なことすぎるので、やっぱりまたイチからやり直した方がいいんじゃないかな? と思っていますね。自分は強い選手とやることにこだわっていて、自分が強くなるからこそなんですけど、だんだん迷走し始めちゃって、何がしたいのかが、自分でもストライキングがしたいのか、寝技がしたいのか、それとも何がしたいんだっていうところがすごいあるので。そういうところを変えていくというか、イチから組み立て直すのもいいんじゃないかって。  組み立て直すのってすごく時間がかかって、年齢を重ねていたらできないことだと思うんですけど、自分はまだまだ24歳でまだできるので、間に合うので、いまは花を咲かせられてないと思うのですけど、30代、40代になって遅く咲いちゃうことになるかもしれないんですけど、諦めず挑戦し続ける姿を見せたいなと思います」 [nextpage] 『RIZIN LANDMARK 11 in SAPPORO』試合後インタビュー集 ▼第15試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R ※選手名から試合後会見〇ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)[判定3-0]×木村柊也(BRAVE) ▼第14試合 RIZINライト級(71.0kg)5分3R〇堀江圭功(ALLIANCE)[1R 4分50秒 TKO]×西川大和(西川道場) ▼第13試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R〇イルホム・ノジモフ(ウズベキスタン/ Tiger Muay Thai)[1R 2分09秒 KO] ※右前蹴り×新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)▼第12試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R×山本空良(パワーオブドリーム)[判定0-3]〇鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM) ▼第11試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇ビクター・コレスニック(ロシア/Tiger Muay Thai/Kuznya)[1R 4分34秒 TKO]×SASUKE(MASTER JAPAN TOKYO)▼第10試合 RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120.0kg)トーナメント1回戦 5分3R〇アレクサンダー・ソルダトキン(ドイツ、ロシア/SPITFIREGYM in Berlin)[判定3-0]×プリンス・アウンナラー(フランス/Free Fight Academy) ▼第9試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R〇後藤丈治(TRIBE TOKYO MMA)[判定3-0]×鹿志村仁之介(BatlleBox) ▼第8試合 RIZINヘビー級(120kg)5分3R〇シナ・カリミアン(イラン)[判定3-0]×荒東“怪獣キラー”英貴(パンクラス大阪稲垣組) ▼第7試合 RIZINストロー級(52.50kg)5分3R×ソルト(マルスジム)[判定0-3]〇万智(67ジム) ▼第6試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R〇中島太一(ロータス世田谷)[1R 1分34秒 TKO] ※左フック→パウンド×CORO(JAPAN TOP TEAM) ▼第5試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R×マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン/Team Alpha Male)[1R 3分33秒 リアネイキドチョーク] 〇安藤達也(フリー) ▼第4試合 RIZIN キックボクシングルール 64.0kg契約 3分3R〇上野空大(kickboxing gym SHINYUUKI+/K-1 GROUP)[判定3-0]※28-25、29-24、30-23×ファーパヤップ・GRABS(タイ/GRABS KICK BOXING STUDIO) ▼第3試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R〇遠藤来生(パワーオブドリームジム)[判定3-0]×ザーシバァディン(中国) ▼第2試合 RIZIN キックボクシングルール 55.0kg契約 3分3R×としぞう(フリー/BreakingDown)[判定0-3]※27-30、29-28×2〇鵜澤悠也(RIKI GYM/K-1 GROUP) ▼第1試合 RIZIN キックボクシングルール 60.0kg契約 3分3R〇上野奏貴(kickboxing gym SHINYUUKI+/K-1 GROUP)[判定3-0]※28-27、29-26、30-25×山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/RISEフェザー級8位) 【オープニングファイト】 ▼OPファイト4 RIZIN MMA特別ルール 56.0kg契約 5分2R×鈴木嵐士(JAPAN TOP TEAM)[1R 3分41秒 トーホールド]〇早坂優瑠(CORE QUEST KUSHIRO) ▼OPファイト3 RIZIN MMA特別ルール(61.0kg)5分2R×小林大希(D-SPIRAL/ATS-34)[1R 0分53秒 肩固め]〇森永ユキト(ストライプル新百合ヶ丘) ▼OPファイト2 RIZINキックボクシングルール(52.5.0kg)3分3R×西島恭平(ELEVEN)[判定0-3]※27-29×3〇林 修斗(GRABS Kickboxing Studio) ▼OPファイト1 RIZIN MMA特別ルール 77.0kg契約 5分2R×成田佑希(TEAM KAZE/第2代PFCウェルター級王者)[2R 4分50秒 腕十字]〇能登 崇(GO ONE GYM)
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