この試合が一番面白いと思う

──そして今回も代々木大会というビッグマッチで、タイトルマッチだけでも4つ並んでいます。その中でもインパクトを残したいという思いは?
「もちろんですよ! 今回、MVPを獲りたいですから。というか、たぶんこの試合が一番面白いと思うんですよ。あとは私次第だと思っています。全部揃えてもらったので。メインが久井大夢君と龍聖君の試合というのは分かってるんですけど、そこを食えるカードだと思ってるので。絶対面白いんですよ、私が頑張ればなんですけど」
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
「私は6月11日生まれなので、試合当日はもう30歳なんですよ。格闘技を始めて25年になるんです。そこで集大成というか…まあ『集大成』というと終活してるみたいでイヤなんですけど…ここで一発、いい“作品”を作って、次のステップに進めればなと思うので、今回の試合で『覚醒』したところを見せたいですし、『あ、こんな選手だったんだ!』と思わせたいです。
──そういう試合をしたいと。
「はい。私、本当はもっとメチャクチャ強いはずなんですよ」

──それって、「人間は脳のポテンシャルの半分も使えていない」みたいなことですか?
「いや、それで言ったら重森陽太のテクニックはまだ20%ぐらいしか発揮できてないです。実際、もっとメチャクチャあるんですよ。だから今まで蓄積してきたものを、存分に発揮していきたいと思ってるんです。今まではそこまで使わなくても、正直、置きにいったら勝てちゃってたんですよ。だからつまんない試合になってたんですけど」
──すごい自覚ですね(笑)。
「ただそこは一回捨てて、『これが俺だ!』というのを出し惜しみせずに見せたいです」
──それは、「ゴンナパーに勝つにはそこまでやらないと」というのもありますか?
「いや……たぶん、置きにいっても全然いい勝負はできるんですよ。自分自身、まだまだ上のステップに行きたいなというのがあって。最近、「ここでなあなあでやってたら、新日本キックを脱けてまでやってる意味がないな」と思うことがあって。こんなことのために新日本キックをやめて、伊原代表に応援してもらって次のステップに進んだわけじゃないし、その示しもつかないなと。それでクロスポイントにも拾ってもらったわけなので、そこへの恩返しもしたいなと、強く思っています」
──しかし今大会は特に、選手みんなが気合いが入っているように感じます。
「最近、KNOCK OUTの選手たちはみんな気合いが入りすぎてて。いいですよね。みんなの言葉から戦う意味とか生き様とかを感じます。そういう部分で私も一つ、ドラマのようなものを試合を通じて示したいと思います。KNOCK OUTって、新しい格闘技の楽しみ方を作れるような気がしてるんですよ。選手たちもすごくいいじゃないですか。だからみんなでさらに頑張りたいですね」


