2025年6月7日、東京・増上寺にて『超RIZIN4 真夏の喧嘩祭り』(7月27日・さいたまスーパーアリーナ スタジアムバージョン)の会見が行われ、会見後、榊原信行CEOが囲み取材に応じた。
7カードを発表した同会見ではフェザー級で、王者のラジャブアリ・シェイドゥラエフの防衛戦(対戦相手未定)に加え、クレベル・コイケvs.朝倉未来、金原正徳vs.YA-MAN、カルシャガ・ダウトベックvs.秋元強真の3カードが決定している。
6月14日のRIZIN北海道大会では、同級でヴガール・ケラモフと木村柊也の対戦も決定済みで、榊原CEOは7月のシェイドゥラエフへの挑戦者は、このケラモフvs.木村の勝者が第一候補、とした。フェザー級タイトルは、クレベルと朝倉も狙っており、それぞれの勝敗が、ベルトへの道と繋がる。
会見後の榊原CEOに訊いた。
榊原CEO「2階級GPと王座戦で10試合。SPワンマッチをさらに3、4試合追加
──増上寺で、この『超RIZIN4 真夏の喧嘩祭り』(7月27日・さいたまスーパーアリーナ スタジアムバージョン)会見を開いたのは?
「本当にコロナ禍の時から『RIZIN LANDMARK 』などを開催するにあたって、当時のことを思い出してもらうと“インドアじゃなくて、オープンエアだったら開催してもいい”とか、いろいろあったんですよ。だから僕らも野外でやってお客さんを入れるとか入れないとか、都内に限らず、本当に富士山をバックに、もうオープンエアの中でリングだけあって、選手たちが上がって試合して配信するとか、そういう場所もいっぱい物色というかピックアップしてあったんです。増上寺さんも、TBSさんらが音楽イベントでここから中継を出したりとかしていて、これだけ大きな境内でそういう形で使わせていただく機会があることも知ってたんで、このタイミング問い合わせたら、この日だったら大丈夫と受けていただいて。結果、ここは勝負の神様、勝ち運の神様で、非常に縁起がいいと。これも何かのご縁だなと思って決めました。“雨が降るかもしれないな”と思いながら天気に恵まれてよかったです」
──フェザー級のクレベル・コイケvs.朝倉未来選手の再戦のカードは、お互いスムーズに進んだ感じでしたか?
「そうですね。次々期『フェザー級王座挑戦者決定戦』というようなイメージ。未来と最初に話をして、未来にはいろんな選択肢を僕らの方からもいくつかアイデアを出しましたけども、彼としても、こういう会見の場でははっきり言わなかったんですけれども、僕からはYA-MANや萩原京平という選択肢もあったなかで、そこではなくて、『最強のベルトに近づく』道として、『説得力があるのはクレベルですよね。であれば、僕はクレベルが一番強い実績のある選手なんで、そことやりたい』っていうのが彼の答えです。
クレベルは当然、シェイドゥラエフとのダイレクトリマッチを期待していて、第一希望はそこでした。ただ、ダイレクトということではなくて、1試合を挟んでもらう。元王者の鈴木千裕を獲った未来に勝てば、当然自分が(次は)シェイドゥラエフだよ、と。まあシェイドゥラエフも7月に試合をするんで負ける可能性もありますから何とも言えないけど、タイトルに年内に挑みたいと」
──7月27日(日)の『超RIZIN4 真夏の喧嘩祭り』にはフェザー級新王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)の参戦も発表されました。
「バンタム級の井上直樹vs.福田龍彌、スーパーアトム級の伊澤星花vs.シン・ユジンにならび、シェイドゥラエフは初防衛戦で、タイトルマッチになりますね」
──その7月のフェザー級王座挑戦者は誰に?
「6月14日の北海道大会で戦う、ヴガール・ケラモフと木村柊也の勝者が第一候補になります。当然、怪我の問題とかもあるので来週の試合によりますけど、1カ月半後(の連戦)しかない中で、両選手にもそういう可能性も含めて、シェイドゥラエフの前に立つことをイメージしてもらっています」
──北海道大会の2人には、勝てば次がシェイドゥラエフに挑戦、という連戦の可能性は伝えていますか。
「ケラモフには伝えています。特に前のめりになってるのはケラモフですね。“何としても木村を獲って、シェイドゥラエフの前に俺が立つ”っていう強いモチベーションを持ってますね。客観的にこれまでの戦績とかいろいろものを見たら、ケラモフが圧勝と思われがちですけど、そこにチャレンジする木村ならワンチャンありそうじゃないですか。“やらかしそう”な気もするし。
木村が勝つとしたら早いタイミングで打撃で勝つしか勝機はないといと思いますね。だか、この試合の結果を受けて当然、そういう形で勝ってくれば、木村も7月はやるっていうことになるだろうなと。なんか、その二心持たせちゃうと、ケラモフ戦に迷いが出るのが嫌なんで、木村選手にはあえて(シェイドゥラエフ戦を)言ってないです。我々プロモーターサイドからすると、ここの勝者、この結果がどうなるかによって、シェイドゥラエフの7月の相手が決まる。その一番プライオリティの高い挑戦者候補だと思っています」
──朝倉選手は5月に鈴木千裕戦、7月にクレベルとやって、勝ったら年内にもタイトルマッチをやりたいというスピード感から行くと、榊原CEOから見ても、もう完全に心身ともに戻ってきてる感じがしますか。
「戻ってきてるんじゃないですか、皆さんもご存知の通り、一つの勝利、勝つことっていうのは、やっぱり選手にとってはすごい力になる。今までの迷いも何もすっ飛ぶし、自分で自分を信じられる力はすごく大きいので、今の未来は無敵ですよ、気持ちは。だから、これでクレベルを獲れば、未来がイメージしてる中で言えば年内にタイトルマッチ。それが大晦日ってことになるのか。もっと早いタイミングでやりたいって言い出すのか。
シェイドゥラエフも『1日2試合やってもいい』って憚らないんで、7月の後の大会も秋口にやって、来週ぐらいには発表できたらいいなと思っています。大晦日までにあと2大会を考えてます。ひょっとすると前がかりで(タイトル戦を)やるということになるかもしれない」
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祭りをもう一度。あのふんどしはもう──
──『超RIZIN4 真夏の喧嘩祭り』の試合順はもう考えていますか。
「まだこれからですね。あと、フライ級GPの8人は一応ピックアップは終わってますので、そこの(1回戦)4試合の8人は、6月14日に発表しようと思っています。トーナメントの山組みに関しては、6月末ぐらいに選手たちも交えた抽選会をやろうと思っています。7月大会は、リザーブ1試合を入れてフライ級GP関連で5試合。それに北海道大会のヘビー級GP1試合(アレクサンダー・ソルダトキンvs.プリンス・アウンナラー)の勝者も含めた、ヘビー級GP2回戦の2試合。
2階級のGPで計7試合。そこにタイトルマッチを3試合で、10試合はグランプリとタイトルマッチで埋まりますので、あとスペシャルワンマッチを今日発表した以外に、3試合から4試合。無茶苦茶、試合数が多いなってなるんですけど、ぶっ通しで行きますんで」
──メインイベントは、クレベル・コイケvs.朝倉未来でしょうか?
「まだそこも決めてないですね。タイトルマッチが3つありますからね。どこかでインターミッションを入れながら、GPを先行して行くのか、真ん中がタイトルマッチで行くのか、スペシャルワンマッチが上なのか。そこを逆転させるってこともあるかもしれないし。まあ、もう少し最終的なカード編成を見た中で、決めさせていただけたらなと思います」
──バンタム級王座戦に抜擢の福田龍彌選手の人選は、直近の福田選手の活躍を評価してのものでしょうか。
「井上直樹っていう選手のキャラからして、ハードコアなファンからすると、唸るカードなんじゃないかなと思うんですよね。例えば(挑戦者に)ダニー・サバテロっていうの(案)もあったんですよ。でも、サバテロ自体がまだRIZINで1試合しかしていないし、もちろんキャリアの多い選手ですけど、福田選手はコアなファンにはしっかり届いている。彼のここ何試合かの結果を見ると挑戦者にふさわしい相手だと思うし、直樹にとっては意外やりにくい相手になるんじゃないかなというふうに僕らは見ています」
──7月に秋元強真選手に勝てば5連勝となるカルシャガ・ダウトベック選手は、フェザー級コンテンダー候補にはならないのでしょうか。
「ダウトベックはバンタム級転向も視野に入れていますけど、一番はやっぱりフェザー級でやりたいっていう思いが強いんですね。ただ、これで秋元強真に勝ってシェイドゥラエフとタイトルマッチとなるんだったら、自分がバンタム級に回ってもいいかなっていう思いがある。それにアジャストするのにATTに行きましたから、今回の7月の結果──自分の勝ち負けとシェイドゥラエフの勝ち負けも含めて、正式にバンタム級転向という感じで準備を整えてくるんじゃないかなと思います」
──秋元選手とシェイドゥラエフ選手は、両者がバンタム級の可能性もあるなかで、今回はフェザー級戦となりました。今後、秋元選手はフェザー級でという形でしょうか。
「いや、秋元もまだ迷ってますね。年齢的なこと(19歳)とか、肉体的な成長も考えると、早くバンタム級のベルトを巻いて、将来的にフェザー級とか、ひょっとするとライト級まで上げることもありえる身長(177cm)だと思うので。だからまあ、本当はバンタムをで行きたいって思いもありながら、今はどちらもニュートラルな感じで、いずれにしてもやりたい選手、求める相手がフェザー級にいるならやるよっていう感じではある。今回はフェザーでちょうど良かったじゃないですかね」
──ところで『超RIZIN』でサブタイトルがついたのは初めてだと思いますが、「喧嘩祭り」とつけたのは?
「なんか『男祭り』がちょっと成功したんでね。二匹目のドジョウを狙っていこうと(笑)。皆さんは前回『“男祭り”を使ったんだ』って思ったかもしれませんけど、新しいファンには『男祭り』ってむっちゃ違和感あったと思うんですよ。でもその違和感が逆に若い選手にも浸透して、祭りって感じで盛り上がったじゃないですか。この10年目でもう1回祭りを作りたいってところで、二匹目のドジョウを狙いに行ってます」
──祭りとなれば、またふんどしになる?
「いや(苦笑)、あのふんどしはもう……それをやっちゃうと多分、みんなの想像を超えないじゃないですか。今回は笹原(圭一広報事業部長)だとか、なんかちょっと変化球投げないと。(DEEP代表の)佐伯(繁)さんがやっちゃうとか。でも一回やったことを焼き直しはしない方がいいかなと。だから逆にハードル上がっちゃってますよね。でもオープニングのショーアップも含めて、『喧嘩祭り』にふさわしい、みんながワクワクするような“アガる”演出は考えたいと思ってます」──「喧嘩祭り」っていう名前だと、祭りに相応しい男たち、芦澤竜誠選手や安保瑠輝也選手らも候補に挙がってくるでしょうか。「全然可能性はあるじゃないですかね。まあ、安保はちょっと怪我の回復が間に合わないと思いますけど。芦澤に前に事務所で会った時も、『全然7月でも何でも』と言ってたんで、そこも秋の大会と両睨みで、どういうカード編成にするか、最終6月中にまとめられるのいいかなと思っています」
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『超RIZIN.4 真夏の喧嘩祭り』発表カード
2025年7月27日(日)さいたまスーパーアリーナ
▼RIZINフェザー級タイトルマッチ 5分3Rラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)王者TBA(※後日発表)
▼RIZINバンタム級(61.0kg)タイトルマッチ 5分3R井上直樹(Kill Cliff FC)福田龍彌(MIBURO)
▼RIZINスーパーアトム級(49.0kg)タイトルマッチ 5分3R伊澤星花(JAPAN TOP TEAM)シン・ユジン(韓国/Bon Jiujitsu Songtan)
▼RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R ※選手名から会見コメントクレベル・コイケ(ボンサイ柔術)朝倉未来(JAPAN TOP TEAM)
▼RIZINフェザー級(66.0kg)5分3Rカルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)秋元強真(JAPAN TOP TEAM)
▼RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)YA-MAN(TARGET SHIBUYA)
▼RIZINライト級(71.0kg)5分3Rパトリッキー・ピットブル・フレイレ(ブラジル)野村駿太(BRAVE)
▼RIZIN女子スーパーアトム級(49.0kg)5分3R須田萌里(SCORPION GYM)NOEL(DELIGHTWORKS)
▼RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120kg)トーナメント準決勝 5分3R※組み合わせは未定上田幹雄(BRAVE)極真会館全世界空手道選手権2019優勝マレク・サモチュク(ポーランド)ユニーク・ファイトクラブ/ポーランドKSW推薦ジョゼ・アウグスト(ブラジル)ピットブル・ブラザーズ/米国LFA推薦
◆6.14 札幌大会勝者が7.27 さいたまへ
▼RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120kg)トーナメント1回戦 5分3Rアレクサンダー・ソルダトキン(ドイツ/ロシア)スピットファイヤージム・ベルリン/クロアチアFNC推薦プリンス・アウンアラー(フランス)フリーファイトアカデミー/ヘキサゴンMMAヘビー級王者)の勝者
▼RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57kg)トーナメント一回戦 5分3R
▼RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57kg)トーナメント一回戦 5分3R
▼RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57kg)トーナメント一回戦 5分3R
▼RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57kg)トーナメント一回戦 5分3R
▼RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57kg)トーナメントリザーブ戦 5分3R
※出場8選手は6.14 札幌大会で発表。リザーブファイト1試合も実施