空道
レポート

【空道】日本女子空道の悲願を背負う小野寺玲奈、中井祐樹直伝キムラロックでの秒殺劇は真の世界制覇へのプロローグ

2025/06/02 14:06

▼-230クラス決勝戦
〇目黒雄太(大道塾長岡支部)
延長 優勢勝ち
×大西凜駿(大道塾総本部)



【写真】ハイキックに首投げ。目黒が大西を圧倒する

 2015、2016、2017、2018、2019、2021、2022、2024年と8大会連続優勝の目黒雄太(大道塾長岡支部)は、U19全日本優勝経験のある山田凌雅(22歳、大道塾仙台東支部)、全日本空道連盟指定強化選手の田中脩斗(21歳、大道塾日進支部)を寄せつけず、決勝では、4歳からの空道歴と、高校レスリング競技実績をもち、大学生時にはキックボクシングやMMAにも取り組み、大学卒業後、大道塾総本部内弟子となった大西凜駿(22歳)にもつけ入る隙を与えず。離れてはハイキック、組めば、上段膝蹴り~豪快な首投げ、寝かせてはマウントパンチ(効果1)と、時間経過とともにワンサイドゲーム度を高め、延長戦終盤には大西を諦めの表情に至らしめた。

 目黒は、プレスを掛けて相手を叩き潰すようなスタイルでもなく、堅実にカウンターを拾うようなスタイルでもなく、柔道出身で投げが強いとか、ムエタイに傾倒しているとか、柔術の寝技を網羅しているとかいうようなこともない。ただ、スローカーブのようにタイミングを外す……フッと相手の気が逸れる瞬間をつくって攻め込む、そんな力の抜き差しが抜群に巧いように見受ける。

 得てして観る側は、フィジカルや表面的な技術に頼らないこのようなスタイルを〝武術的〟といった言葉で評し、そこに神秘的な身体操作が介在するかのように夢見がちだが、おそらく本人にそういった方向の鍛錬の経験はなく、単純に長年の実戦経験の中で身に付いた、環境適応(エコロジカルアプローチ)型の能力なのだろう。

 これで目黒はV9。全日本選手権の開催されなかった2020年(コロナ禍のため)、2023年(世界選手権実施のため)も含めて考えれば、11年間、王座に君臨し続けていることとなる。32歳と、まだまだスピードやスタミナを維持できる年齢だけに、どこまで記録は伸びていくのか。

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