MMA
レポート

【GRACHAN】芳賀ビラル海が林RICE陽太をテイクダウンして判定勝ち、新ライト級王者に。小田魁斗が御代川敏志を組みで削って首相撲ヒザ、左右連打でTKO勝ち「必ずUFCに行く」、徳弘拓馬が一本勝ちでバンタム級王座戦へstArt

2025/06/02 10:06
 2025年5月31日(土)東京・大田区産業プラザPIOにて『GRACHAN 74』が開催された。 ▼第14試合 GRACHANライト級タイトルマッチ 5分3R×林RICE陽太(reversal gym osaka/第4代ライト級王者)王者 70.00kg[判定0-3] ※27-30×3〇芳賀ビラル海(Master Japan Tokyo/同級1位)挑戦者 70.10kg※芳賀が第5代ライト級王者に  林は、2023年12月に岸本篤史とライト級暫定王座を争い、スプリット判定勝ちで戴冠。2024年2月に大道翔貴に判定勝ちすると、4月には『Road FC 68』に参戦。パク・シウォンに1R TKO負けで連勝が「5」でストップした。  その後、正規王者の原口伸が王座返上したため、正規王者となった林は、12月の『GRACHAN HELIOS』でGRACHAN帰還。ライト級王座をかけて同級1位のロクク・ダリと対戦し、スプリット判定勝ち。王座防衛に成功している。  対する挑戦者の芳賀ビラルは、日本拳法出身。プロデビュー4連敗から、組みの進化を見せて4連勝。2024年3月に岸本篤史に判定勝ち後、5月の藤村健悟戦では、1Rアメリカーナで一本勝ち。2025年3月の前戦ではロクク・ダリにユナニマスで判定勝ちしている。  ダリ戦の勝利後、芳賀は「林君、タイトルやらせてよ。林君、美味しそうな匂いがするんですよね。でも、ダリはうまく料理出来てなかった。僕ならうまく料理して美味しい林RICEにして、むしろ食っちゃいます。なんで、林君、いつか分からないけど待ってるよ(「会場来いよ」とつぶやき)」と語り、王座戦をアピールしていた。  ダリとスプリット判定で辛勝した林と、ダリに3-0で完勝の芳賀。5勝4敗の芳賀に対し、林は10勝8敗1分とキャリアで勝る。勢いは芳賀にあるか、それとも178cmの長身の林が、芳賀の飛び込みからの組みをさばき、キャリアの差と戦いの幅を見せつけるか。林が王座を守るのか、それとも芳賀が新王者となるのか、注目の一戦となる(※林・芳賀 試合前インタビュー)。  1R、サウスポー構えの林にオーソの芳賀。林は右回り。芳賀はジャブから右で飛び込み。後退する林を追って左を振る。右回りの林を詰めて左ジャブの芳賀。前手で間合いを計る芳賀は左から右で飛び込み、さらに右のダブルも、林は左にサークリング。詰める芳賀に得意の跳びヒザを突く林だが、右の蹴りで迎撃する芳賀。林はワンツーの左。かわす芳賀も左を突いてそのまま組みに。  右で差した林が押し込みヒザ。体を入れ替えた芳賀は左の大内刈でテイクダウン! 林はクローズドガードで芳賀の頭を引き寄せると、芳賀はインサイドガードから肩パンチ。林の頭をケージに押し付け細かいパンチ。三角を狙って腕を後方に送ろうとする林に、押し込んで細かいパンチを腹に突き、残り10秒で上体を離してふりかぶってパウンド。そこに下の林は頭をセンタク挟みで挟み、ホーン。芳賀のラウンドに。  2R、互いに前手争い。中央を取る芳賀は細かいジャブで牽制。右に回り外足を取りに行く林の左ストレートをかわすと、続く林の右に芳賀が内側を突く左ジャブをヒット! さらに詰めて右ミドルを蹴る。離れる林は左ストレートを伸ばすが、かわすビラルはじりじりと圧力をかける。  林は右ジャブを見せて押し戻すと左ハイ。スリップしてすぐに立ち上がるところに芳賀は右フック。追う芳賀に林はニータップで押し込み。切る芳賀が後退して金網に詰まると林が跳びヒザ。それを潜ってかわした芳賀が体を入れ替えて詰め。  ケージ背に右フックを振った林をかわして左差して組みからダブルレッグテイクダウン! 林がケージに上体を立てて立ち上がろうとすると腰を抱いてバックヒジも。座る林のアゴ下に頭をつけて、右足を自身の左足をかけて二重がらみで伸ばして右手でパウンド。  足を抜いて立とうとする林のバッククリンチに。林の頭を押し下げて両足をかけてバックマウント! ボディトライアングルで背後から強いパウンドを突く。2Rも芳賀のラウンド。  3R、林がワンツーも遠い。芳賀もしっかり間合いを取って左ジャブ。そこに低い姿勢で右を差して組んだ林だが、ダブルアンダーも浴びせ倒したのは芳賀! 最終ラウンドでも組み力が落ちない芳賀は林にハーフで背中を着かせると左枕で押さえ込む。林は半身になり頭にヒジ。パス狙う芳賀は林の左脇に頭を入れて脇腹にパンチ。ケージまで這う林は金網背に上体まで立てるが、芳賀がそれを横に寝かせて右足を出してのハーフで林の頭をケージに押し付けて細かいパウンド。 「ビラル」コールのなか、左足で二重がらみでロックダウン。左で脇差し林を寝かせて右でパウンド。林は腰を切って両足を戻して亀から中腰に。その背中に乗った芳賀を前に落としてトップに。しかし残り10秒。フルガードの芳賀を剥がそうと持ち上げた林に、芳賀はガードを解いて着地。林は右で差して押し込むもホーン。  判定は3-0(30-27×3)のフルマークで、テイクダウン&コントロールの芳賀が勝利。新王座に就いた。  GRACHANライト級のベルトを肩にかけた芳賀は「マスタージャパン東京の芳賀ビラル海です。俺がチャンピオンだよ、バカヤロー。いままでお世話になったSASUKEさん、練習仲間の皆さまとスポンサーしてくださった仲間の方々、そして応援してくださった皆さまに深く感謝したいと思います。ありがとうございます。  試合を観て分かった通り、僕はもっと強くなれると思っています。まだまだ穴がたくさんあるし、この舞台に立って、いつもだったら緊張しないですけど、めちゃくちゃ肌がプルプルして、どないしようかなと思いながらケージに立ちました。やりきれない部分もまだまだありました。今後とも僕の成長を一緒に見ていただいて、応援していただいて、さらに大きな舞台で強い選手と戦えるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。ちょっと真面目なこと言ってしまいました。ハヤシライス、おいしかったです。ごちそうさまでした!」と語った。 [nextpage] 小田魁斗が御代川敏志に初回TKO勝ち ▼第13試合 GRACHANフライ級王座統一戦 5分3R×御代川敏志(THE BLACKBELT JAPAN)第3代GRACHANフライ級王者 56.7kg[1R 2分45秒 TKO]〇小田魁斗(CARPE DIEM福岡)GRACHANフライ級暫定王者 56.65kg  正規王者・御代川敏志(THE BLACKBELT JAPAN)は、MMA11勝6敗1分。11勝中5つのKO・TKOと2つの一本勝ち、4つの判定勝ちをマークする。2024年2月の『GRACHAN 67』で松場貴志を3R TKOで下し、第3代フライ級王者に。  切り裂くような鋭い打撃、独特なリズム、そして「何をしてくるかわからない」変則的なスタイルで相手を翻弄する、オールラウンド型の技巧派だ。打撃と組み技のバランスに優れ、試合の流れを自在に変える力を持つ。  その御代川が、負傷により規定期間内での防衛戦を行えなかったことから、GRACHANは暫定王座決定戦を実施。そこに登場したのが、『ONE Friday Fight』で連勝を重ねていた小田魁斗(CARPE DIEM福岡)だ。2024年12月『GRACHAN Presents: HELIOS』にてフライ級1位の道端正司との一戦に勝利し、暫定王座についた。  そこに、突如リングに現れたのが正規王者・御代川だった。小田のベルトを強奪し、マイクを握り、「お前が暫定王者か? だったら、俺とやるしかないだろ」と小田に直接宣戦布告。これに対し、小田も「やりましょう」と即答。2人の王者がリング上でにらみ合い、統一戦の実現をファンの前で誓った。  小田はMMA6勝1敗。6勝中3つのKO・TKOと一本勝ちが1回、2つの判定勝ち。御代川とは真逆のスタイルで、しっかりと形を作りながら、ポジションを一つひとつ制していく“正攻法”のグラップラー。グラウンドでのコントロール力とサブミッションの精度は国内トップクラスであり、冷静かつ理詰めのファイトで相手を崩して削っていく。 “型破り vs 型の美学”──まさに対極のスタイルがぶつかる王座統一戦。御代川が変則的な打撃とリズムでかき乱すのか、それとも小田が地に足のついた展開で試合を制御するのか。序盤の攻防が勝敗を大きく左右する展開となるだろう。  フライ級の真の頂点を決めるこの一戦は、GRACHANにおける軽量級戦線の方向性を占う重要な試合となる。実力、戦略、そして王者としての矜持が交錯する、注目のタイトルマッチが幕を開ける。  1R、開始早々に御代川が跳びヒザの体勢も受け止めに来た小田に、御代川も大きくは跳ばずに組みに。バッククリンチの小田に御代川は正対。その際で小田がボディロックし後方にテイクダウン。サイドから左で腰を抱き、右手でパウンド。  ケージ使って立ち上がる御代川に、なおも左足をかけてから右足で小外刈テイクダウンの小田!背中を着かされた御代川。小田はマウントからパウンドに御代川には背中を見せる。すぐさまバックマウントで首を狙いながらボディトライアングルを組む小田。  御代川には4の字を手で剥がしに。いったん仰向けになって座る。小田はバックから左腕でリアネイキドチョークへ。右脇の右手は抜けず。横に落としながら起き上がった御代川は立ち上がり。  すぐにバックから左足をかける小田は足を解いてバッククリンチからヒザ蹴り。足がかからないとみるや、再びボディロックテイクダウン。そこでまたぐように上を狙う御代川に両者スクランブルで立ち上がり。  すぐに詰める御代川に、先に左フックを当てる小田。詰めて首相撲ヒザ! さらに2発に顔をしかめた御代川。右を当てて、屈んだ御代川に小田は左を9連打! 立ったまま受ける御代川にレフェリーが間に入った。  MMA7勝1敗でフライ級王座を統一した小田は、試合後、マイクを握り、「試合3カ月前くらいかな、僕の格闘技人生で一番大きな怪我をして離脱していて、仕上がりがそんなに固まってなくて不安で。でもこの4年間、ずっとやってきたことが、そのまま出ました。だからやり続けていれば、すごい何でもそうですけど、自分を高みに引っ張ってくれる、すごい──とんでて何言ってるか分からないですけど──とにかく自分に負けず…モチベーションが上がんないっていう人がいっぱいいると思うんですけど、続けていればいいことあるよって伝えたいです。  今日は応援してくれるみんな、サポートしれくれる人たちのために獲ったベルトです。最高です。あと、ことはまだどうなるか分からないですけど、しっかりGRACHANで勝って、必ずUFCに行って、強い海外の選手と戦って勝ち抜いていきます。そしてGRACHANの強さを証明していきますので、岩﨑(ヒロユキ)代表、これからもよろしくお願いします」と語った。 [nextpage] 徳弘拓馬が田中智也を肩固めに極める ▼第12試合 バンタム級 5分2R・延長1R×田中智也(fit)61.45kg[2R 4分25秒 肩固め]〇徳弘拓馬(stArt)61.35kg  経験か、勢いか。バンタム級の実力者同士による実力勝負が開幕。GRACHANバンタム級で、注目の好カードが実現する。キャリアを積み重ねてきた田中智也(fit)と、現在連勝中の徳弘拓馬(stArt)。実績と実力を備えた両者による、ハイレベルな一戦だ。  田中は、冷静な試合運びと的確な判断力が持ち味の実力派。スタンド・グラウンドともにバランスが良く、経験に裏打ちされた対応力で相手の攻撃を封じ、着実に自分のペースに持ち込む戦い方を得意とする。  対する徳弘は、22歳という若さながらプロで着実に結果を残し、勢いに乗るバンタム級の新鋭。躊躇のない仕掛けとフィニッシュまで持ち込む鋭さを武器に、近年の試合ではその完成度を高めており、ランキング上位を狙う存在として注目を集めている。 “緻密に組み立てる田中か、流れを断ち切る徳弘か。”互いのリズムと意地がぶつかるこの一戦は、タイトル戦線へのステップアップとなる重要な一戦。5分2R+延長1R、時間無制限の勝負の中でどちらが一枚上手か。バンタム級の次なる展開を占う、見逃せない一戦となる。  1R、ともにオーソドックス構え。左インローの田中。続く右ローに徳弘は右ストレートを合わせる。さらに右のダブルに一瞬、腰を落とす田中だが左インローを突く。  左ジャブを見せる徳弘。右に回って詰めてきた田中にワンツーの右を届かせる。前に出たところに田中はカウンターのダブルレッグテイクダウン。ハーフで右で脇差し、左枕で肩でプレッシャーをかけて背中を着かせる田中はパスからマウント。肩固めを狙う。  徳弘は左で脇差し返し、ブリッジで内側を向こうとするが、マウントキープの田中は再び寝かせて右脇を差して押さえ込み。パウンドには行かない。  2R、スイッチを見せる徳弘に、左インローを当てる田中。徳弘は右から左で詰めて組みに。四つでケージに押し込み、互いに体を入れ替え合い、四つから徳弘は日沖発ばりに小外がけでテイクダウン!  下から両足を四角に。左脇差した左手と肩ごしからの右手でクラッチするティピーチョークで絞めに。ブレーク。  徳弘は右カーフ、左ジャブ。田中の左インローに右を合わせるも、田中も前にそこに首相撲ヒザの徳弘。田中は首投げテイクダウン。途中で首を抜いた徳弘はバック、両足をフック。正対しハーフにした田中に肩固めへ移行。右脇腹にパンチ。ハーフからの絞めのプレッシャーに田中は足を解除、徳弘はマウントに移行して絞めるとすぐにタップした。  日沖発と久米鷹介に祝福された徳弘は、「名古屋stArtから来ました徳弘拓馬です。今日はありがとうございました。次、TSUNE選手か伊藤(空也)選手、やらせてください。stArtの皆さん、僕についてきてください。よろしくお願いします」と、次戦に王者かランキング1位を希望した。 [nextpage] 『GRACHAN 74』ほか試合結果と写真(追加あり) ▼第11試合 無差別級 5分2R・延長1R〇大場慎之助(パラエストラ東京)97.55kg[2R 2分08秒 フロントチョーク]×上野勇貴(AACC×SPIDER/初参戦)94.35kg  経験豊富なベテランと、修斗で実績を積んだ実力者の激突。無差別級ならではの熱戦が期待される。GRACHAN無差別級の舞台で、注目の一戦が実現する。パラエストラ東京のベテラン・大場慎之助が、ミドル級から無差別級へと挑戦するAACC×SPIDER所属の上野勇貴を迎え撃つ。  大場は、長年のキャリアで培った技術と強靭なフィジカルを武器に、無差別級でも安定した戦いを見せる熟練ファイター。プレッシャーをかけ続ける打撃と、組み技の両面で相手を圧倒するスタイルが特徴だ。  対する上野は、アマチュア時代にGRACHANチャレンジや修斗全日本選手権で経験を積み、2017年には修斗ウェルター級新人王を獲得。以降もプロシーンで実戦経験を重ねてきた実力者であり、今回がGRACHAN本戦初参戦。階級を超えたチャレンジで、その実力を証明しようとしている。 “経験と安定感 vs 階級を超えた挑戦者”体格差やパワーのぶつかり合いが勝敗を左右する無差別級ならではの一戦。大場がベテランの意地を見せるのか、それとも上野が強豪の壁を破るのか。GRACHANらしい骨太な対決が、ここに幕を開ける。 [nextpage] ▼第10試合 フライ級 5分2R延長1R〇三澤陽平(TRI.H Studio)初参戦)57.15kg[判定2-0]×河合 亮(ボンサイ柔術)56.80kg※平野紘希(K.O.GYM)は負傷欠場  注目のフライ級クロスロード。PANCRASEを主戦場にしてきた三澤が、長い沈黙を破りGRACHAN初参戦。老練な技術と闘志を武器に、復活への一歩を踏み出す。  三澤は、PANCRASEを主戦場に戦ってきた実力者。2019年5月の「PANCRASE 305」以来、約6年ぶりの試合となる今回、GRACHAN本戦に初参戦を果たす。長期ブランク明けながらも、これまでに培ったベーシックなMMAの技術と老練な試合経験を武器に、復帰戦でのインパクトを狙う。  迎え撃つ河合は、アマ16戦を経験してきた実戦派。ボンサイ柔術仕込みの総合力で、プロの舞台に挑む。それぞれの想いが交錯するクロスロード。止まった時間を動かすのは、どちらか? [nextpage] ▼第9試合 フライ級 5分2R・延長1R×金森琢也(DOBUITA)57.05kg[2R 3分43秒 ニンジャチョーク]〇増田比呂斗(Master Japan Tokyo/初参戦)56.95kg  若手同士のフライ級対決。経験と勢いが交錯する一戦。DOBUITA所属の金森琢也は、これまでGRACHANを中心に試合経験を積んできた若手ファイター。打撃と組み技のバランスが良く、試合運びの巧さに定評がある。これまでの経験を活かし、試合の主導権を握ることを狙う。  一方、Master Japan Tokyo所属の増田比呂斗は、2024年6月7日にタイ・バンコクのルンピニー・ボクシング・スタジアムで開催された「ONE Friday Fights 66」でプロデビューを果たした。初戦ではロシアのトレプチ・ドンガクに1ラウンド4分39秒でTKO負けを喫したが、その経験を糧に成長を遂げている。今回がGRACHAN初参戦となり、新たな舞台での飛躍を目指す。 “経験を積んだ金森 vs 海外経験を持つ増田”金森がこれまでの試合経験を活かして試合をコントロールするのか、増田選手が海外での経験を武器に新たな風を吹き込むのか。フライ級戦線における注目の一戦となる。 [nextpage] ▼第8試合 85㎏以下契約 5分2R・延長1R×佐々木克義(GRORIA MMA GYM)84.60kg[判定0-3]〇古谷宗太郎(TRI.H Studio)84.45kg  GRACHAN本戦に久々の登場、再起を懸けた両者が交差する85kg契約マッチ。GRACHANの85kg以下契約マッチにて、4年ぶりの復帰戦となる佐々木克義(GLORIA MMA GYM)と、こちらも久々の本戦登場となる古谷宗太郎(TRI.H Studio)が拳を交える。  佐々木は、前進する圧力とフィジカルを活かした打撃で試合を作るタイプ。2024年にはRIZINに出場した経験もあるが、今回はGRACHAN本戦へのカムバック戦。キャリア初期から所属するGLORIA MMAでの地道な活動を続けており、自身の“やり直し”を懸けた一戦となる。  対する古谷は、過去にGRACHANチャレンジへ出場し、本戦登場は久々。近年も継続的に試合経験を積んでおり、総合力を高めてきた選手だ。的確な組み立てと勝負どころでの仕掛けが持ち味で、今回はGRACHANの舞台でインパクトを残したいところ。 “リスタートを懸けた、静かな火花”どちらも勝利を強く求める立場。派手な肩書きではなく、積み上げてきた日々をぶつけ合う一戦になる。試合の主導権を握るのはどちらか。再起戦だからこそ生まれる気迫と緊張感も目が離せない。 [nextpage] ▼第7試合 無差別級5分2R 延長1R×田馬場貴裕(IMPACT)※無差別級のため計量せず[1R 0分54秒 TKO] ※パウンド〇井上悠司(TEAM大和魂/プロデビュー戦)103.95kg  多彩な経験を持つ田馬場と、名門で鍛えられた新鋭・井上が激突。無差別級、注目の一戦。GRACHANの無差別級マッチにて、IMPACT主宰の田馬場貴裕と、TEAM大和魂所属でプロデビュー戦となる井上悠司が対戦する。田馬場は、プロレスラーとしてデビュー後、総合格闘技、キックボクシング、グラップリングなど、多岐にわたる競技に挑戦してきたファイター。自身が主宰するIMPACTを通じて「プロレスは格闘技だ!」をコンセプトに活動を展開している。GRACHANでは、過去に北村亮太にTKO勝ち 、石川廉にTKO負けを記録しており、その試合歴は多彩だ。  対する井上は、エンセン井上を師匠に持ち、空手をベースとする新鋭ファイター。空手時代には、現RIZINファイターの上田幹雄の先輩としても知られ、その実力は折り紙付き。2021年9月には『Breaking Down 2』に参戦し、GORI猛男に判定勝ち。今回のプロデビュー戦で、どのような戦いを見せるか注目される。 “経験豊富なチャレンジャー vs 名門仕込みの新鋭”──田馬場がこれまでの多彩な経験を活かして試合をリードするのか、それとも井上が初陣で鮮烈なインパクトを残すのか。無差別級ならではの迫力とスリルが詰まった、注目の一戦が幕を開ける。 [nextpage] ▼第6試合 バンタム級 5分2R・延長1R〇有田一貴(MIBURO/同級6位)61.60kg[1R 2分36秒 TKO] ※パウンド×フェルナンド(JAPAN TOP TEAM/初参戦)61.55kg  バンタム級ランキング6位の有田一貴が、GRACHAN初参戦となる柔術家フェルナンドと激突。鋭い打撃と粘り強い試合運びで知られる有田にとって、今回の相手はこれまでと一味違う強敵だ。  フェルナンドはJAPAN TOP TEAM所属のブラジリアン柔術出身ファイター。巧みなポジショニングと極めの鋭さを武器に、ケージ内で相手をじわじわと追い詰めるスタイルが特徴。打撃戦を得意とする有田にとっては、一瞬の油断が命取りとなる展開が予想される。  有田の打撃と総合力がフェルナンドの寝技を上回るか、それとも柔術家がGRACHANの舞台で鮮烈な印象を残すのか。バンタム級戦線を揺るがす、緊張感溢れる一戦。 [nextpage] ▼第5試合 フェザー級 5分2R・延長1R×長光雄平(TURNING POINT)65.75kg[1R 4分12秒 リアネイキドチョーク]〇佐藤藏ノ介(リバーサルジム立川ALPHA/デビュー戦)65.75kg  前戦で鮮烈なプロデビュー勝利を飾った長光雄平が、勢いそのままに2連勝を狙う中、迎えるはGRACHANチャレンジで実力を示し、満を持してプロ昇格を果たした新星・佐藤藏ノ介。フェザー級の未来を占う、新旧注目株の激突が実現する。  長光は2月の初陣で見事な1R TKO勝利。打撃の鋭さとフィジカルの強さを武器に、TURNING POINT所属選手として次なるステップに挑む。  一方の佐藤は、GRACHANチャレンジへの継続出場を通じて着実に実力を認められた逸材。リバーサルジム立川ALPHAの次世代ファイターとして、プロの舞台での初勝利を目指す。プロ経験で上回る長光か、実力派ルーキーの佐藤か。フェザー級の台風の目となるのはどちらか。 [nextpage] ▼第4試合 フライ級5分2R延長1R〇二之宮徳昭(クロスワンジム湘南)57.00kg[判定3-0]×佐藤匡平(KRAZY BEE KOSHIGAYA/初参戦)56.85kg  クロスワンジム湘南所属のベテランファイター二之宮徳昭と、KRAZY BEE KOSHIGAYA所属の佐藤匡平が対戦するフライ級マッチ。佐藤は「KROSS×OVER」などで試合を重ねてきた選手で、GRACHANで初白星を掴むか。    迎え撃つ二之宮は、落ち着いた試合運びと確かな組み技を武器とする技巧派。ZSTからGRACHANに参戦し3連敗も、12月大会で鈴木嵐士を肩固めに極めて、再起を飾っている。  二之宮はこれまでのキャリアを活かし、試合を自分のペースに持ち込めるか。フライ級らしいテンポの中で、試合の流れを掴むのはどちらか。 [nextpage] ▼第3試合 ストロー級 5分2R・延長1R〇三笠貴大(JAPAN TOP TEAM)52.60kg[2R 4分22秒 腕十字]×粂大樹(COMRADE)52.35kg  JAPAN TOP TEAM所属のストライカー三笠貴大が、COMRADE所属の粂大樹と対戦するストロー級注目カード。  三笠は、2024年9月のGRACHAN71で児玉勇也と接戦を演じ、惜しくも判定で敗れたが、鋭い打撃と前に出る姿勢で観客の記憶に残るファイトを披露。今大会では、敗戦からの巻き返しを誓う一戦となる。  対する粂は、前戦をフライ級で戦ったが、今回は自身の適正階級であるストロー級での出場。階級を絞ったことで、よりキレのある動きを見せられるかが勝負の鍵となる。 アグレッシブな打撃戦に持ち込みたい三笠と、リベンジに燃える粂。勝負を分けるのは、一瞬の踏み込みか、それとも冷静な試合運びか。緊張感あふれるストロー級バトルだ。 [nextpage] ▼第2試合 ストロー級 5分2R・延長1R×丸山大輝(マルスジム)52.50kg[1R 3分07秒 TKO] ※パウンド〇尾崎 蓮(bloom/初参戦)52.25kg  2023年6月の『RIZIN.43』で早坂優瑠と対戦し、序盤から果敢に攻めるも肩固めで一本を取られた丸山大輝。その悔しさを胸に、同年12月のGRACHAN札幌大会では川添太貴に判定勝ちし、確かな一歩を取り戻した。  今回、GRACHAN本戦で迎え撃つのは、初参戦となるbloom所属の尾崎蓮。情報が限られる尾崎だが、未知なる実力を秘めた存在として、いきなりのインパクトを狙う。  打撃を軸に戦う丸山が、連勝を手にして再び上位を目指すのか。それとも、初参戦の尾崎が番狂わせを起こすのか。ストロー級の新たな流れを生む一戦。 [nextpage] ▼第1試合 バンタム級 5分2R・延長1R×田中 仁(Blaze)61.10kg[1R 4分53秒 TKO] ※パウンド〇野澤海斗(Master Japan Tokyo/デビュー戦)61.55kg  Blaze所属・プロ2戦目の田中仁が、Master Japan Tokyoからプロデビューを果たす野澤海斗を迎え撃つ注目のバンタム級マッチ。  田中は2025年2月のGRACHAN72で高松愁との接戦を制し、判定勝利でプロ初白星をマーク。落ち着いた試合運びと丁寧な組み立てが光り、今大会ではさらに安定感あるパフォーマンスが期待される。  一方、野澤はこれがプロ初戦。長年MMAを学んできたMaster Japan Tokyoのカラーを背負い、初陣でどのような戦いを見せるか注目が集まる。  キャリア初期ながらも、両者の持ち味と勢いがぶつかる好カード。バンタム級の新たな可能性を感じさせる一戦となるか。 [nextpage] ▼02試合 アマチュアフェザー級Aクラス 3分2R×佐藤修斗(JAPAN TOP TEAM)[判定0-3]〇AKIRA(AACC) ▼01試合 アマチュアライト級Bクラス 3分2R×飛鳥成宣(JAPAN TOP TEAM)[2R 2分30秒 TKO] ※パウンド〇野田頭柊馬(AACC)
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.341
2025年12月21日発売
大晦日決戦に臨むシェイドゥラエフと朝倉未来ほか「特集◎大晦日を読む」では、5大タイトルマッチのインタビューと川尻達也らが試合解説。UFC平良達郎、40周年記念・水垣偉弥インタビューも
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント