2025年5月31日(土)東京・後楽園ホール『RISE188』にて、「RISE QUEENアトム級王座決定トーナメント」1回戦に出場する島田知佳(team VASILEUS)のインタビューが主催者を通じて届いた。
同じ伝統派空手出身で、RISEラウンドガール時代には試合にも出場してKO勝ちを収めているRISEオフィシャルサポーター・宮原華音を交えてのインタビュー。共に伝統派空手出身で同級生、なんと同じ大会に出場していたことも!
“倒して勝つ”事にこだわっていきたい(島田)
――島田選手がすごく緊張している様に見えます。インタビューとか取材はまだ慣れていないですか?
島田 こういったのは初めてです。
――RISEの公式から発信していくものなので、リラックスしていただいて大丈夫です。
宮原 私は楽しみにしていました。
――早速ですが、お2人には共通点が多いという事で、その辺りについて教えていただけますか?
宮原 島田選手の試合を初めて見た時に「このスタイルは伝統派空手がベースなのかな?めちゃくちゃ同じ匂いがするぞ」って感じたんですよ。それで調べてみたら同い年で、しかも全く同じような大会に出ていることを知って、そこから虜になってしまったんですよね。
――その話はSNSでもお2人でやり取りされていましたね。島田さんは宮原さんの事をご存知だったんですか?
島田 伝統派空手をやっていたのは知らなかったんですけど、ラウンドガールの方が試合に出て1ラウンドKOしているっていうので知りました(笑)。
――そこから知ったんですね。
島田 はい。そこから少し会話をさせてもらって、伝統派空手をやっていて、しかも小学生の全国大会でも優勝されているのを知ったんですよね。
――年齢も学年も一緒ですもんね。
宮原 だから島田選手はRISEの中で1番最初に私と出会っています(笑)。
――同じ大会に出ていたんですか?
宮原 『小学校5年生女子組手の部』だったので、全く同じですよね。
島田 自分は5年生の時は1、2回戦で負けました。
――宮原さんはどこまで勝ち上がったんですか?
宮原 優勝させていただきました。その時は私の方が強かったみたい(笑)。島田選手は何年生から試合に出ていたんですか?
島田 小学1年生の時は型で出て、2年生から組手で出たんですけど、4年生の時だけ出ていないです。
宮原 凄いですね。私は都大会で1、2回戦負けで、5年生の時だけ全国大会に出れたので。
島田 それで優勝できているのが凄いですよ。
宮原 私は何回も出れている方が凄いと思います。
――島田選手は空手は何歳からやられているんですか?
島田 6歳からです。
――そこからずっと空手をやっていて、以前は自衛隊にいたんですよね?
島田 そうです。
――自衛隊の時も空手はやっていたんですか?
島田 実は東京オリンピックに空手競技が入ったタイミングで、自衛隊体育学校で空手の訓練が始まったんですよ。一応東京オリンピックを目指すという名目で、自衛隊にいながら空手だけを練習させてもらっていました。
――所属は自衛隊として空手をやっているという事ですか?
島田 自衛隊体育学校というオリンピック選手を育成するような施設があるので、いろんな種目の方がそこでトレーニングしていました。
――特にどこの部隊に所属していたとかはなかったんですか?
島田 自分の所属は航空自衛隊の横田基地だったんですよ。
宮原 え! 横田基地の方に実家があるんです。共通点がありすぎて好きになっちゃいますね(笑)。
島田 18歳から横田基地にいました。
――18歳から自衛隊体育学校に入っていたという事ですか?
島田 18歳から普通に自衛隊に所属して、体育学校ができたのが2年目くらいの時だったので、そこから体育学校に行かせてもらっていたので、4年間くらいそこにいました。
――自衛隊体育学校に行きつつ、お仕事と言うか任務みたいなのもやられていたんですか?
島田 私は隊員の食事を作る仕事をしていました。
――何百人分も作られていたわけですね。では料理は得意ですか?
島田 得意かは分からないですけど、一応できます。
――航空自衛隊で空手をやっていて、いつ頃からプロのキックボクサーとしてやっていきたいという思いが出たんですか?
島田 最初は横田基地の近くにあるジムでフィットネスとして、空手のためにキックボクシングで活かせるものがないかと始めたんですけど、すごくキックボクシングにハマってしまったんですよ。それでアマチュア大会とかも出始めてプロを目指すようになりました。自衛隊で続けていくのも良かったんですけど、どうしても副業になってしまうので、”自分の今しかできない事をやりたい”と思って自衛隊を退職してプロになりました。
――デビューする場所って色々な団体の選択肢があったと思うんですけど、その中でRISEのリングを選んだ理由は何だったんですか?
島田 自分が見た時にRISEのアトム級がすごく盛り上がっていて、K-1との対抗戦でも宮﨑小雪選手が圧倒的で、日本でも世界でも強い存在だったので、いつか戦ってみたいと思ってRISEを選ばせていただきました。
――そのRISEのリングで今回は大きなチャンスが回ってきました。憧れのアトム級の王座決定トーナメントに出場が決まった時の心境を教えていただけますか?
島田 まず宮﨑小雪選手が王座を返上したタイミングで、自分はランキングにも入っていないし、トーナメントで決めるのか王座決定戦で決めるのかっていうのも分からなかったので、早くランキングに入って上に行っておかないとチャンスが掴めないなと思っていた所でオファーをいただいたので、正直に言うと「自分でも出れるんだ」っていう驚きの方が大きかったですね。でも絶対に王座は獲りたいと思っています。
――デビュー以来、3戦3勝で無敗の道を進んでいますけれど、プロでやっていくにあたって手応えは感じていますか?
島田 デビュー前は、もっと簡単に倒せるものだと勝手に思っていたので、今は難しいなと感じています。ただ勝つというよりは“倒して勝つ”という事にこだわっていきたいので、1戦1戦成長しているのは自分でも分かるんですけど、まだ満足のいく試合は自分なりにはできていない感じがします。
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空手とキックボクシングを上手く融合させている(宮原)
――宮原さんは島田選手の試合を見て、どんな印象を持っていますか?
宮原 伝統派空手でそもそも“当てない”、“当てちゃいけない”を基礎にやっている中で、手数も多いしちゃんと当てているので「伝統派負けるな!」って思いながら応援しています。やっぱり極真とかフルコンタクトの人は攻撃を当てるじゃないですか。伝統派であそこまでやってくれると気持ちが良いし、ステップをずっと使っているので体力が凄いなと思っています。伝統派ってステップを使うことが多いので、私がやっていた空手とキックボクシングを上手く融合させている選手だなっていう風に見ていて、「今の良い!」って思いながら私が誰よりも1番興奮して見ていると思います。普通のキックボクシングを見ている時は「うわ、すごい」っていう感じなんですけど、島田選手の試合を見ている時は、勝手に空手の時に応援をしていたような「ナイス刻み!」とか言っちゃいます(笑)。
――ちなみに今おっしゃった「刻み」というのは何ですか?
宮原 伝統派のジャブのことなんですけど、フットワークで中に入っていくところを見ると「良い刻みが入った」と思ってかっこいいと思っちゃうんですよね。
――島田選手は伝統派空手の動きが活かされたスタイルなんですね。
宮原 空手時代の映像も見させていただいたんですけど、その時も切り返しがすごく上手だったので、キックボクシングと合っているなって思いました。
――元々伝統派空手の中でもスタイルってあると思うんですけど、お2人はどんな感じだったんですか?
宮原 私は身長が高いので、本当だったら先に攻撃した方が有利なんですけど、めちゃくちゃ待ちのカウンタータイプでした。体力がないのであまり動かずステップを使わずに、ガッチリ構えて戦うタイプでしたね。私今は“ハイキック女子”としてやっているのに蹴りは全然できなかったです(笑)。
――蹴りが得意な選手だと思っていました。
宮原 ワンツーしかなくて、それこそ全国大会で優勝した時にワンツーだけで勝っているくらいです。
――島田選手はどんなタイプだったんですか?
島田 私は小さい頃から身長が小さかったので、左右の動きを使って出入りをして、相手が来た所にボディーを打って潜るカウンターが得意なタイプでした。
――今のキックボクシングでのスタイルと変わらないというか、空手のスタイルが活きているんですね。
島田 活きています。
――島田選手が得意としている攻撃だったり、当たったら倒せるような得意な技はありますか?
島田 自信を持っている攻撃は左ストレートですね。
――今回対戦する奥村琉奈選手はランキングが上の選手ですが、どんな印象を持っていますか?
島田 何をしてもずっと前に出て来て、コツコツ当てて削ってくるタイプの選手だなって印象です。
――OISHI GYMの選手とは2戦連続で対戦することになりましたが、その辺りいかがですか?
島田 前回の岩永選手は全くタイプが違うので、OISHI GYMという部分では全く意識していません。奥村選手は前にコツコツ来る選手なので、打ち合いになる事を意識して練習しています。打ち合うシーンでも、自分は出入りもできるので得意な部分を活かします。
――前に出てくる奥村選手との試合は噛み合いそうですか?
島田 噛み合うと思います。
――ガツガツ来るファイターは得意ですか?
島田 実際まだ3戦しかしていないし、自分が押していくタイプなので、前に来るタイプが初めてなので自分でもどうなるかは分からないです。
――宮原さんはこの試合(奥村vs島田)はどういう展開になると思いますか?
宮原 展開は分からないですけど、2人とも前に出るタイプで手数も多いイメージなので、女子にはない打ち合いが見れるのかなと、ファン目線で期待しています。
――島田選手から宮原さんに聞いてみたい事はありますか?
島田 どうしたらKOできますか? 完璧なレコードをお持ちなので(笑)。
宮原 私は膝蹴りを当てられるのが痛すぎて、当てられたくない一心でパンチを出しました(笑)。
――あの試合(宮原華音デビュー戦)を見てどうでしたか?
島田 衝撃的でしたよ(笑)。「倒しちゃうんだ」みたいな。
宮原 自分が1番びっくりしました(笑)。
――膝蹴りをくらうのが嫌で、必死にパンチを打ったら倒せた?
宮原 練習でも経験した事がなくて、1回目の膝蹴りで初めて膝蹴りをくらった時に「やばい!」と思って、2回目をくらった時に痛くて泣きそうな顔をしているんですけど、「もう無理!」って思いながら打ったのがあれでした。
――それで倒してしまった?
島田 元々持っているものがあるって事ですね。
――島田選手にはそんな倒し方を次の試合で期待しています。
島田 宮原さんの映像をもう1回見直しておきます(笑)。
宮原 いやいや、絶対見ない方が良いですよ(笑)。
――宮原さんから聞いてみたい事はありますか?
宮原 武尊選手とか強い方々がジムにいっぱいいますけど女子選手がいないと思うので、なんでジムをteam VASILEUSに選んだのかが気になります。
島田 最初はK-1ジム相模大野KRESTで練習させてもらっていたんですけど、渡辺雅和トレーナーがKRESTを辞めてVASILEUSに行くというのを聞いて、自分も雅和さんについていきたいという思いでVASILEUSに所属させていただきました。
宮原 私もTARGET SHIBUYAで女子選手がいなかったので、そこで困ったというか。本気同士だと絶対に勝てないと思うんですけど、その差っていうのはどうやって埋めていましたか?
島田 私は毎週出稽古でALONZA ABLAZEの松谷綺選手とスパーリングをさせてもらっていて、そこで対人練習をやっています。あとはVASILEUSの選手の方々とマスをやらせていただいています。
――世界トップクラスの選手たちが集まっているジムですから、このメンバーの中でマスをやっていたら、これ以上に心強い事はないですよね。
島田 先輩方のミットを見ているだけでもすごい勉強になる事がありますね。
――今回の試合に関しては、武尊選手や野杁選手などの先輩方からアドバイスをいただきましたか?
島田 特にはもらっていないです(笑)。みなさん試合を控えている方が多いので、日々見て研究しています。
――最後にいつも応援してくれているファンの皆様にメッセージをお願いいたします。
島田 いつも応援していただきありがとうございます。今回はRISEのアトム級王座決定トーナメントという事で、初戦で勝たないことには何も始まらないので、5月31日は絶対に勝って次に繋げていきたいと思っております。応援をよろしくお願いします。