キックボクシング
インタビュー

【RISE】2戦目で王座挑戦のチャンスの國枝悠太「安本選手がランドセルを背負っている時に僕は喧嘩をしていたので、殴り合いの歴で言ったら僕の方が長い」

2025/05/29 21:05
【RISE】2戦目で王座挑戦のチャンスの國枝悠太「安本選手がランドセルを背負っている時に僕は喧嘩をしていたので、殴り合いの歴で言ったら僕の方が長い」

K-1 GROUPを離れてRISEに参戦、2戦目でタイトル挑戦のチャンスをつかんだ國枝(C)RISE

 2025年5月31日(土)東京・後楽園ホール『RISE 188』のメインイベント、RISEフェザー級(-57.5kg)タイトルマッチ3分5R無制限延長Rで王者・安本晴翔(橋本道場)に挑戦する同級3位・國枝悠太(Never mind/9+nine plus lab)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 國枝はMA日本キックボクシング連盟を主戦場にしてキャリアを積み、2021年1月からKrushに参戦、9月にはK-1初参戦。2023年1月に関西の格闘技イベント・AJKNのフェザー級王座を獲得。3月に大岩龍矢にKO負け、これがK-1グループでの最後の試合となった(4勝4KO5敗)。10月は韓国でク・テウォンに判定負け、12月にAJKNでデッディオに判定勝ち。2024年3月にはMAでRISEランカーの平野凌我にTKO負けを喫した。9月にRISE初参戦で第4代RISEフェザー級王者・梅井泰成を判定で破り、戦績は15勝(9KO)11敗3分。

僕が勝った方がみんなに夢を与えられる


――前回の梅井戦から9カ月ほど期間が空いていますが、現在のコンディションはいかがですか?

「9カ月も空いていたんですね。僕も試合期間が空いていたなって思っていたので、スパーリングの数をめっちゃ増やして、シュートボクシングの魁斗君やEX ARESの大森君とかに来てもらって、毎回4・5ラウンドを週に4・5日やっていました。ボクシングで言ったら石田匠君が身長175cmあるので、ボクシングだけで5ラウンドを1週間に4日連続とかやってもらっていました」

――相当スパーリングはラウンド数をこなしているんですね。いま目の周りにアザもありますが、そういった人達とのスパーリングでできたものですか?

「右目はシュートボクシングの魁斗君で、左目はRISEにも出てる若手の貴紀君にやられました。この試合に向けてスパーリングは100ラウンド以上こなしたんですけど、1回もダウンはないし、打たれ強さだったら負けないです」

――今までと比べても、相当練習量は増えているんですか?

「『現役生活でもうこれ以上は練習できないだろう』ってくらいに練習してます」

――それくらいこのタイトルマッチにかけているということですか?

「そうですね。この試合が終わったら人のことを殴れなくなっても良いと思っています」

――どんな状況になっても良いから、何がなんでもこのタイトルを取りたいという事ですね。

「タイトルを取りたいというよりは、『安本晴翔に國枝悠太は絶対に勝てない』と思われているので、そこを勝って皆んなを見返したいです」
 
――元々の下馬評を覆したいという気持ちですか。

「僕の周りには格闘家が多いので、元気づけたり励ますために『お前なら勝てるやろ』って言ってくれると思ってたんですけど、誰ひとり『いけるよ』って言ってくれるやつがいないので見返したいです(笑)」

――身近な人は忖度なく言ってくるんですね。

「“俺勝てるかな”って不安があるので、それをポロッと口にした時とかも『勝てるよ』って言ってくれる人が誰もいなかったですね(笑)。みんなが『うーん』って口を閉じるくらい、それくらい相手が強いことは僕も分かっています」

――逆にRISEに参戦する時から、安本晴翔と戦いたいという思いはあったんですか?

「全然ないし、なんだったら門ちゃん(門口佳佑)に勝つまで知らなかったです。THE MATCHの時に喋っていたというのも最近知ったので」


――今回安本選手と戦うにあたって、色々な選手とスパーリングをやっているという風にも仰っていましたけど、対策という部分でもかなりバッチリできていそうですね。

「対策という対策はないんですよね。僕ってあまり考えてできるタイプではないので、自分の強みをぶつけていくしかないし、1番負けられないところは気持ちの強さなので、気持ちの強さをぶつけるしかないかなと思っています。僕ってキックボクシングを始めて6・7年くらいなので、技術で天才やエリートと言われている選手に今更1・2カ月練習しても勝てるわけがないので、喧嘩しに行くしかないと思っています」

――前回の梅井戦も技術ではなく気持ちの部分で戦って、最後に勝ち切ったというような感じですか?

「梅井選手のバックボーンというか、いつから格闘技をやっているとか何も知らなかったので、“左フックを当てて倒すしかない”と思っていた所で当てて倒したって感じですね」

――パンチが得意だと思うのですが、今回の安本戦では戦略とかよりも気持ちだけでぶつかっていくようなイメージですね。

「僕がどんなに蹴ってミスして脚が折れようが一生蹴り続けるしかないし、殴って拳が折れても殴り続けるしかないと思っています」

――先ほどは「タイトルというよりは安本晴翔に勝ちたい」と仰っていましたけど、RISEのタイトルに挑戦するという部分ではどんな思いがありますか?

「タイトマッチをやらせてもらう事については、地元のみんなや親とかも知っていますけど『昔遊びまくっていた僕がここまで来れたんだ』っていうのをみんなに見てもらいたいですね。“僕の生き方は間違ってなかったんだぞ”っていうのをみんなに見せたいです」

――國枝選手はRISEで1戦を戦ってタイトル挑戦までたどり着きましたが、逆に“天才”と言われていた安本選手は2年かかってタイトルを奪取できました。その辺りについて思うところはありますか?

「安本選手はアマチュアで何百戦かやってるかもしれないですけど、RISEで僕は1戦でも安本選手がランドセルを背負っている時に僕は喧嘩をしていたので、殴り合いの歴で言ったら僕の方が長いと思っています」

――ルールや競技とかではないにしろ、拳を使ってきた歴史は自分の方が長いという事ですね。

「今回はスポーツをして勝ちにいくつもりはないです」

――結婚をしてお子様が生まれてから最初の試合になりますが、今までと比べて試合に対する思いや気持ちの変化はありますか?

「勝たなければいけないっていう気持ちは毎日強くなってきていて、それを思うにつれて不安も大きくなってきています。『勝てるのか、負けるのか』って毎日繰り返し自問自答しています」

――その辺が今までと違った感じなわけですね。

「格闘技って殴られるし殴りにいくものなので、怖いとかは無かったんですけど、今回は勝つか負けるかっていうので不安もあって、“怖い”っていう気持ちがめっちゃ大きいです」


――不安があると思いますが、家族の存在があるから今の厳しい練習も耐えることができているなど、家族が支えになっている部分はありますか?

「練習を頑張っているつもりもないし、自分が好きでやっていることなので誰にやらされているわけでもないので、好きでやっているから“しんどい”とか“厳しい”とか思ったことがないです」

――今回安本選手と対戦することで、RISEというリングで自分の存在意義をどういう風に見せていきたいですか?

「RISEのフェザー級は真面目な子がめっちゃ多いイメージがあるんですけど、僕が1番上になった時に今不良をしていたり遊んでいる子たちが『俺でもいけるんじゃない?』って思って格闘技を始めたいと思うような見本になりたいです。僕が26歳くらいで格闘技を始めたので、何歳でも行けるんやでっていう事をみんなに証明したいです」

――そういう部分では、やんちゃをやって喧嘩してきた國枝選手が上に行くというのは夢がありますね。

「僕が勝った方がみんなに夢を与えられると思っています」

――ちなみに試合という部分に対しては、かなり自信はありますか?

「僕もめっちゃ考えたんですけど、“俺勝てるわ”っていう自信ではなくて、“俺だったらやれる”っていう自分を信じる方の自信はめっちゃあります。自分のことはめっちゃ信じています」

――最後に、いつも応援してくれているファンの皆さんと周りで支えてくれている仲間に向けて、熱いメッセージをお願いいたします。

「このタイトルマッチでは僕の生き様をみんなに見せるので、みんなこの日だけは僕の事を応援してください。安本選手の応援団も僕の事を応援してください(笑)。よろしくお願いします」

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