大怪我からの復帰2戦目となる乙津（左）が10連勝中の石川を迎え撃つ
2025年6月22日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館で開催されるKNOCK OUTのビッグマッチ『THE KNOCK OUT 2025』（U-NEXT配信）の記者会見が、5月27日（火）都内にて行われた。
すでに発表されていた、スーパーファイトのKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級3分3R延長1Rで、乙津陸（KNOCK OUT クロスポイント大泉）と石川直樹（KICKFUL GYM）が改めて会見を行った。
山口元気KNOCK OUT代表はこのカードについて、「本来組まれるべきカードが1試合飛んで、キックファンにピリッと来るようなカードを組みたいと思って考えている中で大泉の選手が出たいとのアピールがあり、乙津選手の復帰戦がいいなと。その中でおっというカードを組みたいと思っていました。石川選手とはSNSでやり取りしていたので、空いてるかなと連絡とったら偶然試合をしたばかりで、元気でピンピンしてますとのことで。これはいいカードを見せられるんじゃないかと思って組みました」と説明。
アゴの骨折から2025年4月に復帰するも、森岡悠樹に初回KO負けを喫した乙津は「前回1RでKO負けしちゃって、今回復帰戦ということで。早く決まったのでここは絶対に勝たないといけない」と、今回こそ復活したいと意気込む。
2022年1月以来のKNOCK OUT参戦となる石川は「KNOCK OUTが始まったばかりの頃（2018年）のフライ級トーナメントでベルトが獲れなかったので、いつかKNOCK OUTのベルトは獲りたいと思っていました。今10連勝中でこのタイミングでこの試合が決まったので、しっかり勝って次にバンタム級のタイトルマッチにつなぎたいと思います」と、7年越しのKNOCK OUT王座戴冠に燃える。
対戦相手の印象を聞かれると、乙津は「相手は10連勝しているので勝ち方が分かっていると思う。首（相撲）がうるせえなと思ったので、そこだけ注意すれば勝てるかなって思います」、石川は「パンチだけかなって感じですね」と、互いに相手は首相撲だけ、パンチだけと評した。
4月の復帰戦からスーパーバンタム級に階級を上げた乙津は「前回55kgで初めてやって、正直いけるなと思って。距離のミスでパンチをもらってしまったけれど、終わった後で試合を振り返っていけるなと思いました。今回はREDルールってことでオープンフィンガーグローブは2回目なので、パンチが当たれば失神させちゃうかなと思います」と、前回敗れたとはいえスーパーバンタム級での手応えを感じているという。
「自分はバンタムまで落とせるので、今回は55kgってことで。代々木に出られるなら全然やるよってことで受けさせてもらって。どっちでも俺は全然大丈夫です」と、バンタムにもいつでも戻れるとした。
石川も本来バンタム級だが「どっちでも大丈夫です」と言い、「本当はベルトを賭けて欲しかったけれどそういうわけにもいかないと思うので、ベルトにつながるための一戦だと思っています」と、乙津に勝ってタイトル挑戦に近付きたいとする。
ビッグマッチでどういう試合を見せたいか、との問いに乙津は「多分みんなは面白い試合になると思っていると思うけれど、一方的に終わらせたいと思っています」と言い放つ。
石川は「試合が決まったばかりでさっそくOFGで練習しているんですけれど、自分の得意な首相撲がめちゃくちゃやりやすい。ディフェンスに関しても今までと変わらないのかなと思う。とにかく組みやすいので、ブレイクまでの長さだったりで試合が決まるんじゃないかと思いますね」と、持ち前の攻撃的な首相撲を見せたいとする。
海外での試合も含めて10連勝と38歳にして絶好調の石川。その要因は何かと聞かれると「まず頭のダメージがずっとあって、スパーリングをやめたこと。やめたら抜けて。医学では頭のダメージは抜けないと言われているみたいなんですけれど、本当に抜けて。前はスパーリングでジャブでスイッチ切ったかのように倒れたりとか、そういうのもあったんですけれど、全然倒れないし。あと練習内容だったりとか減量方法とかいっぱいあります」と答える。
OFGでの試合は初めてだが「どんどん組みに行けるのと、ロックしてからのヒジだったりヒザだったり、本当にやりやすいですね」と、OFGは自分に合っていると話した。
そこで乙津は首相撲の自信を聞かれると「めちゃめちゃあります」ときっぱり。首相撲は全く苦にならないという。
OFGは相手が倒れやすく、ガードの隙間を縫ってパンチも入るが、同時に不利な点もある。そこについて乙津は「自分は1回経験していて、パンチのディフェンスがめっちゃ難しいと思いました。いつもみたいにやっていたらボンッともらって“えっ？”となっちゃったので、そこはパンチャーにとっては利点。どっちもどっちって感じですかね」と、自分にも相手にも有利・不利な点があるとした。
ずばり、どういう決着を望んでいるかとの質問に、乙津は「ドロドロ試合しても大きいところでは盛り上がらないと思うので、スパンッと1Rで…前回2Rでって言ったら（森岡に）怒られちゃったので、今回は1Rでじっかり決めようかなと思います」と、1RでKO宣言。
石川は「いま練習環境が変わって新しいタイ人コーチに見てもらっているんですけれど、先生の言う通りヒジで倒したいと思っています」と、ヒジ打ちで仕留めると予告した。
