(C)U-NEXT
2025年5月22日(木)&23日(金)の2日間に渡り20時から、4階級32名の選手が出場するトーナメント、『ROAD TO UFC シーズン4』オープニングラウンド(U-NEXT配信)が開催される。
日本からは8選手がトーナメントに出場。また、非トーナメント戦のワンマッチで2選手が参戦する。22日のフェザー級トーナメントに参戦する『格闘代理戦争』優勝・中村京一郎(EXFIGHT)のインタビューが、U-NEXTより届いた。
▼第3試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3R
中村京一郎(5勝1敗、日本)
パク・オジン(8勝1敗1分、韓国)
中村京一郎は5勝1敗の26歳。GRACHANでキャリアを積み、2024年に行われた非公式戦の『格闘代理戦争』に岡見勇信&中村倫也推薦選手として出場し優勝した。GRACHANではランキング1位。原口伸との対戦も計画されたが、中村が指の骨折で実現せず。前戦は、2024年10月の『POUNDOUT1』で鍵山雄介と対戦し1R KO勝ちで5連勝中だ。
対するパク・オジンはBlack Combatで活躍し9勝1敗1分の23歳。2023年からライト級に上げており、2024年9月にBlack Combatでベテランのナム・ウィチョルに1R KO勝ち。GLADIATORで田中有に一本勝ちのジョン・ハングクに12月に判定勝ち。今回2年ぶりにフェザーに落としての試合となる。
オーソで183cmの長身グラップラーのオジンは、柔術紫帯。組んでケージレスリング、テイクダウン、バックの攻防に長けた選手だ。対するサウスポー構えの中村は、強打に強いテイクダウンディフェンス、そして強いハートを持っている。
『格闘代理戦争』優勝で得たRIZIN出場権を行使せず、RTU出場を決めた、中村に訊いた。
レスリングのトップファイターたちが起ち上げたARCでも練習
──RTUトーナメント出場が決まった時の心境は?
「“引き寄せたな?!”みたいな(笑)。去年の12月に国内でタイトルマッチが決まっていたのですがそれが怪我で流れちゃって。3月にするというような話もあったのですけど、それも決まらなくて。試合どうしようかな……、まあ練習とりあえずしようか、みたいな感じで練習していたらこのRTUのお話が来たので、“呼ばれてる”し、自分が引き寄せたし、みたいな。縁が巡り巡ってきたなあっていう感じがありましたね」
──1回戦で対戦するパク・オジン選手の印象を教えてください。
「印象は……、韓国人、身長183cmぐらい、ライトから落としてくる……」
──それは印象というよりは、事実ですね(笑)。ファイトの印象は?
「どっちかというと組み技主体で、あとはフィジカル(が強い)! みたいなイメージですかね」
──どんな展開を予想していますか、あるいはご自身ではどんな試合をしたいと思っていますか?
「いつも通りフィニッシュするってことだけですかね。まあ、それがKOでも一本でも確実にフィニッシュを狙いに行く……というか、まあ狙いに行くっていうより、“フィニッシュしちゃう”みたいな感覚ですかね」
──そもそも中村選手はどのような格闘技バックボーンなのでしょうか。
「バックボーンはなく、MMAを始めて5年になります」
──スポーツ歴としては、長らく野球をやっていたのですよね?
「小学1年から高校3年まで野球やってました。中学の時は全国大会に1回出て初戦敗退。高校は北海道なんですけど、決勝で負けて、甲子園出場を逃しました。野球には呼ばれてなかったです(笑)」
──とはいえ、甲子園の目前までは行っていたわけですから、かなりのキャリアですよね。
「ずっと、親父が野球めっちゃ好きで、気づいたらやらされていました。高校にも特待生として入りましたし」
──その野球少年は格闘技、MMAの道へいかにして進んだのでしょうか。もともと興味があったり、ちょっとかじってみたりもしたのですか?
「幼少期、小学校くらいの頃から、親父と見ていて。僕もまあ、総合格闘技っていう認識は多分してなかったんですけど。めちゃくちゃ好きで。学校で、『昨日のヒョードル観た?』みたいな感じで技を真似して友達にかけて、落としちゃうみたいな。で、学校に呼び出されて……、という感じの幼少期を過ごしていた、と言えるほど、あの頃のヘビー級のスターたちを見て育ったから、いつかやりたいと思っていました。高校時代は寮に入っていたんですけど、野球部を引退した後、ちょっと安いサンドバッグみたいなやつを買って、ミットも買って、ちょっと寮の部屋でやってみたりと、自分がやることが好きでしたね。その後18歳から3年くらい海上自衛官として務めたのかな? それを辞めたときに“もうこのタイミングしかない!”と思って、始めました」
──成人してから格闘技をスタートしたわけですが、元々好きだったものに実際競技として取り組んでみてどう感じましたか?
「最初は本当に、ケンカのようなノリで始めていたものが、とくに打撃で感じたというか、寝技もそうなのですが、全部深いものがあると。それから技術的なことだけではなくて人として、人の器みたいなものが、強い選手はすごい備わっていると感じました。MMAを始めてみて、本当のファイターっていうのは人間性がすごい、そして優しい。強い人ってやっぱ優しいんだな、みたいなことを、まだ自分は5年生みたいなものですけど、ちょっとずつ気づいてきています。そして今、運や縁もあって、いろんなすごいファイターたちに囲まれて練習できていることに、すげえ感謝してますね」
──その「すごいファイターたち」について、現在の練習環境を教えてください。
「自分のジムでは、というか私生活でも一緒なんですけど(笑)、中村倫也選手、鈴木崇矢選手をはじめとして、それからPANCRASEに出ている松井涼選手、修斗(のインフィニティリーグ2024で優勝した)須藤晃大選手、ほかには三上ヘンリー大智選手や、武田光司選手も仲良いし、河名マスト選手に山本アーセン選手……挙げたらキリがないですけど、本当に格闘技をずっとやってきたお兄ちゃんみたいな人たちに囲まれてやってるって感じですかね。あと、今年の1月にタイ遠征にも行きました」
──強くて頼もしい選手の皆さんに可愛がられているようですね。ところで、このRTUに向けて、パク・オジン選手の対策練習で新たにスパーリングパートナーを招いたりもしているのですか? それ以外にも新しく取り組んでいることがあれば教えてください。
「岡見(勇信)さんが丸山(数馬)選手を、スパリングパートナーとして呼んでくれて、やってもらってるんですけど……、僕的にはそこまで意識はせず、パク・オジンじゃないし……ぐらいの感じです(笑)。身長が同じくらい、というところですかね。あとはグラップリングはFIGHT BASE(※佐藤将光主宰)に行って対策したりもしていますし、自分のなかで考えながらやってるって感じですかね。稲葉洋人さん、中村剛士さん、安楽龍馬さんといったレスリングのトップファイターたちがARCっていう新しいレスリングチームを立ち上げたんですけど、そこで練習をしたり。あとはプライベートで藤波勇飛とレスリングを軽くやったりという感じですね」
──先ほどから練習仲間として錚々たる名前が挙がっていますが、前戦から試合がなかなか決まらないなかで、こういった強豪選手たちと、ご自身のなかでどんなテーマを持って練習に励んできたのでしょうか。
「最後の試合が24年10月でもう7カ月ぐらい空いていて、まあその期間は相手も決まってないし、試合も決まってないから、自分のスキルアップ、強みをどんどん出していくことに取り組んできました。まああとは試合が近づいてきたら、削る作業と基本的ななことを打ち込むっていう感じでやってきました」






