2025年5月10日(日本時間11日) 北アイルランド・ベルファストのSSEアリーナにて『PFL Europe 2025: First Round 1』(U-NEXT配信)が開催された。
メインイベントでは、1月にBellator世界王者のウスマン・ヌルマゴメドフに僅差の判定で敗れたポール・ヒューズと、2024年6月にパトリッキー・ピットブルにスプリット判定勝ちしたブルーノ・ミランダ(ブラジル)が対戦した。ヒューズにとっては地元での再起戦となる。
完売した旧オデッセイ・アリーナでは、ヒューズの試合前に、エド・シーランと契約しているフォイ・ヴァンスが『グレース』を歌い上げると大歓声で沸いた。
▼ライト級 5分3R〇ポール・ヒューズ(アイルランド)14勝2敗[1R 0分42秒 TKO] ※左フック→パウンド×ブルーノ・ミランダ(ブラジル)17勝6敗
アイルランドのポール・ヒューズは、MMA13勝2敗。2024年6月のBellatorチャンピオンシリーズでボビー・キングに2R KO勝ちし、10月のPFLでは、元Bellatorフェザー級王者のAJ・マッキーに判定勝ち、AJにライト級転向後初黒星をつけた。2025年1月の前戦PFLチャンピオンシリーズでは、ウスマン・ヌルマゴメドフにマジョリティ判定で敗れ、4年1カ月ぶりに黒星を喫した。28歳。
ブラジルのブルーノ・ミランダは、MMA17勝5敗。2017年のROAD FCでのキ・ウォンビン戦の1R TKO勝ち以降、7連勝で2023年のPFLでは予選で2連勝。しかしプレーオフでは優勝したオリバー・オウヴィン・メルシェに2R TKO負け。2024年は4月に元Bellator王者のブレント・プリマスに2Rチョークで一本負け。2024年6月の前戦『PFL 5』でパトリッキー・ピットブルにスプリット判定勝ち、34歳。
1R、ともにオーソドックス構え。ミランダの右ローは空振り。じりじり詰めるヒューズは、左前手を上げ下げしてレベルチェンジのフェント。ミランダは左ミドルをガード上に当てる。
続く左右の蹴りは間合いで外したヒューズは、ミランダの左ミドルハイを右手でガード、左手で蹴り足を外に流してミランダの身体を半身にさせると、すかさず左フック!
ダウンしたミランダに中腰からパウンド、鉄槌を連打し、レフェリーが間に入った。
満員の大観衆による「ヒューゼイ」のコールに、勝者はインタビュー冒頭で「ベルファースト!」と叫ぶと「みんな、ありがとう。僕はちょうど8年前、このアリーナでプロデビューしたんだ。このアリーナを車で通るたびに『いつかここで戦うんだ』と言ってきた。ありがとう」と、2017年の『BAMMA 28』で、この日と同じSSEアリーナで、同じ1R TKO勝ちでプロデビューを果たした場所に戻ってきたことを語った。
さらに、今大会でボーナスが出ることを聞いたヒューズは、「いつも上を目指したかった。僕はとてもラッキーだった。この1年でブレイクしたけど、ほんの1年前までは、まだそんな男だったんだ。ボーナスは、この戦いのためにサポートしてきた地域のメンタルヘルス機関に送ろうと思う」とした。
続けて「なぜそんなに落ち着いていられるのか?」と聞かれ、「ああ、みんな、僕がこのポジションにいるために何を捧げてきたか知らないんだ。本当に必要なことを知らないんだ。僕は長い間、すべてを捧げてきた。そしてようやく、僕に相応しい評価を得ることができた。そして、このようなサポートを受けられることは、文字通り僕の夢だった。これが現実だなんて信じられない」と、多くの犠牲とともに、地元での復活が可能となったことを語った。
そして、ウスマン・ヌルマゴメドフとの再戦を問われ、「PFLが望むならいつでもいい。僕が言ったように、彼はこの再戦を寝かせようとすることもできるし、好きなだけ引き延ばそうとすることもできるが、君との日は必ず来る」と、再戦からは逃げられないとした。
最後に「もうひとつだけ言いたい。見てくれ、僕たちは、国として多くのことを経験してきた。僕たちは今、立ち直ろうとしている。僕は今日が新しい日だと感じている」とマイクで呼びかけたヒューズ。
次の“Big News”はいつもたらされるか。
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24歳のルイス ・マクグリレンが一本勝ちで12勝1敗に。3月のUFCロンドン大会で勝利のケイラン・ロクランがPFLと契約
また、コ・メインでは、24歳のルイス ・マクグリレン(英国)が、2月のEternal MMAで平川智也を下した32歳のアラン・フィルポット(北アイルランド)と対戦。2Rにリアネイキドチョークを極め、戦績を12勝1敗とした。
なお同日夜、PFLはアイルランド人ファイター、ケイラン・ロクラン(10勝2敗・28歳)との契約を発表した。ボクシングベースでCage Warriorsバンタム級王者からUFCに参戦し、オクタゴン2勝2敗のロクランは、2025年3月の前戦UFCロンドン大会でネイサン・フレッチャーにスプリット判定で勝利していた。