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【ROMAN】素手・頭突き、金的の“何でもあり”に挑む関根“シュレック”秀樹「人生の“答え合わせ”になる」、ペケーニョと道衣MMAで対戦する日沖発「ラストになるかもしれない格闘技人生の覚悟を見せたい」

2025/04/08 19:04
 2025年4月27日(日)東京・GENスポーツパレスで開催される『ROMAN 2』の対戦カード発表記者会見が3月31日に行われ、出場選手らが登壇。通常のMMAや柔術とは異なるルールに挑戦する選手たちが意気込みを語った(※『ROMAN 1』リポート)。 ▼R.O.M.A.ルール 時間無制限無差別級バーリトゥードゲイ・ババカール(セネガル相撲)関根秀樹(ボンサイ柔術)  セネガル相撲出身の“チャティヨフ”ことゲイ・ババカールは、前回大会『ROMAN ONE』で日本重量級の門番といわれた水口清吾(誠悟)をわずか18秒でKO。まだその強さの底は全く見せていない。  現在もセネガル相撲で活躍中で、現地の巨漢選手を倒し市街地の壁には肖像画が描かれているほどの人気だ。プロモーターによれば今後は本気でUFC王者を目指すというチャティヨフは、初期UFCルールに近い時間無制限無差別級バーリトゥードで、インパクトを残すか。  そこに立ち塞がるのは51歳のシュレック。『年齢的にも打撃ありの試合はあと数試合かこれが最後』という覚悟と決意で臨む関根だ。ルールは目潰しや噛み付きなどの即時に致命的で回復不可能なダメージを負う“不可逆的な攻撃“以外を全て解禁した誰もが恐れる極限の試合だが、元マル暴刑事という“毎日がバーリトゥード”な職業を経験してきた関根にとってはこの世紀の一戦すらも当たり前の日常の延長戦上なのかもしれない。  百戦錬磨のシュレックか、地元の英雄となりROMANのケージに帰ってきた“セネガルの昇り龍”チャティヨフか。勝負の鍵はチャティヨフの序盤の猛攻を、いかにシュレックが凌ぎ、名門ボンサイ柔術の強みである寝技地獄に引きずり込めるか。“竜虎相搏”のメインイベント、最後に立っているのはどちらの獣なのか。 関根「今までの全ての自分の歴史を生かせるのがこのルール」 ──素手・頭突き、金的ありの「時間無制限無差別級バーリトゥード」に挑む関根“シュレック”秀樹選手に伺います。まずはこの試合に挑む気持ちをお聞かせください。 「ボンサイ柔術、そしてBELL WOOD ファイトチームの関根“シュレック”秀樹です。今回ROMAN2でベアナックルの時間無制限無差別級バーリトゥード“何でもあり”に臨みます。  自分は幼少の頃から柔道をやっていて、警察官として逮捕術、機動隊でも頑張りました。それでボンサイ柔術に入ってMMAをやりました。これら、今までの全ての自分の歴史を生かせるのがこのルールだと思っています。自分の人生の“答え合わせ”という意味を持ってますので、ぜひ試合を楽しみにしていてください」 ──バーリトゥードに向けて何か特別な練習はしていますか。 「今、自分のボンサイ柔術では、RIZINやDEEPなどに出ていて、MMAのいろんなレギュレーションがあるんですけど、みんな同じぐらい試合があって、自分だけバーリトゥードで練習やるわけにいかないので、MMAとしてやってます。その中で自分が金的、頭突きに気をつけながらやるような形ですね。“怪物くん”鈴木博昭選手が金的とか頭突きありのMMAの練習に付き合ってくれている状態です。ただ、さっきも言いましたけど、警察官として20年やってきて、常に“何でもあり”の状況で逮捕術だったり、犯人を取り押さえてきたわけですから、その辺に関しては自信ありというところです」 ──打撃は素手のベアナックルになります。何か対策等があれば教えてください。 「素手での打撃というと、スパーリングでやった感覚だと、ボクシングローブの方が意識を刈り取られというか、衝撃というか。いわゆる効く状態ですよね。次にやっぱりMMAグローブ。要はグローブのオンス、重さによって威力がまたソフトになるのではなくて、結構強くなるんですよ。逆に素手の場合は痛いけど、本当のアゴ先とかテンプルとか、耳の後ろとか、ピンポイントで当たらなければ痛いだけという、この痛さを自分の中で準備をしておけば耐えられると思いますね」 ──どんな気持ちで挑戦されますか。そして周り、特にご家族の方の反応はどうですか? 「どんな気持ちか……。自分が今まで海外のMMAだとかRIZIN、DEEP、巌流島とか、いろんな格闘技に挑戦してみましたけど、それまでの試合に至る1カ月もそうですし、その日、朝起きた体調で、楽しんでいくのか。すごく緊張感を持って行くのかっていうのが、もう朝起きた状態で決まるような形ですかね。ただ、今回限っては、自分も今年52歳になるんで、やっぱり“終わりを見据えた戦い”ということになります。いつ終わってもおかしくないし、いろんな人生の伏線があったのか。“答え合わせ”に近づいているわけですから。そういった集大成という意味で、おそらく、緊張感を持って臨むのではないかと思っています」 [nextpage] 日沖「必殺技ギロチンの怖さと戦いながら、覚悟を見せたい」 ▼道衣MMA 15分1Rアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル)日沖 発(stArt Japan)  出場が発表されていた日沖発(stArt Japan)の対戦相手が、アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(=通称ペケーニョ/ブラジル)に決定。道衣MMA 15分1Rで対戦する。  日沖は、日本MMA黎明期から世界レベルで活躍し、第9代修斗世界フェザー級王者、第3代SRC(戦極)フェザー級王者。UFCでは、シャーウス・オリベイラ相手に寝技で真っ向勝負した実力の持ち主。高校時代にALIVEで着衣総合格闘技で練習していた経験も持つ。  MMAでは2018年8月の『RIZIN 12』での朝倉未来戦以来の復帰戦(※道衣無し)。2021年8月には『GRACHAN49』で中山巧を相手にケージの中でノーギグラップリングを戦い時間切れドロー。2023年3月にはグラップリング『Finish10』でケージの中で土屋大喜と戦っている。 【写真】ノゲイラと言えばギロチンチョーク。多くの日本人選手を仕留めた ノゲイラは1998年4月のプロ修斗に初来日、修斗ライト級王者・朝日昇と対戦し、ギロチンチョークで一本勝ち。その後も必殺のギロチンチョークで勝利を重ね、1999年9月には朝日との再戦で修斗ライト級王座を奪取(6度の防衛に成功、無敗のまま返上)。2005年7月のHERO'Sでは所英男と対戦して話題となった。MMAは2014年5月の『The Hill Fighters 1』での試合が最後となっており、MMA戦績18勝6敗3分。日本での試合は2009年10月のリオン武戦以来となる。  会見では、ノゲイラからの以下のメッセージが読み上げられた。 ノゲイラ「格闘技の神髄を試される戦い」 「日本に再び戻ることができ大変光栄に存じます。日本は常に真の武道を尊重し、その価値を理解する国であります。私はこの地で修斗の世界王者として7度の栄冠を勝ち取り、数多の名選手と戦ってまいりました。そして今、偉大な挑戦の時を迎えます。日本を代表する強豪・日沖選手との一戦、それも伝統を重んじる道衣をまとったMMA戦。これは格闘技の神髄を試される戦いであると存じます。この戦いへ向けて、私は全身全霊を懸けて鍛錬を通じてまいりました。  日本の皆さまの前で武道の精神を体現するアツい戦いをお見せする所存です。武道の国・日本に敬意を表し、己の技と魂を懸けて戦います。日本のファンの皆さま、これまでのご支援心より感謝申し上げます。日本は私にとって第二の故郷のような存在です。その恩着に報いるためにも魂の籠った戦いをお届けします。どうかご期待ください」 日沖「ペケーニョと時を経て戦えるということ」 ──修斗のギロチン王“ペケーニョ”ことアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ選手と対戦する日沖選手に、まずは意気込みをお聞かせください。 「stArt Japanの日沖です。今回、ペケーニョ(アレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ)選手と戦わせていただくということになって、非常に光栄に思っています。ちょっと今の世代には少し馴染みがないかもしれないですけど、ペケーニョは私が修斗にいたときに活躍していて、打撃も綺麗な形じゃないですけど当て勘があって、ギロチンという必殺技を持っていて、一発でやられてしまう可能性もある選手なんで、そういう怖さと戦いながら、残りラストになるかもしれない格闘技人生なので、覚悟を見せたいです。楽しみにしてください」 ──日沖選手は修斗、戦極、UFC、RIZIN、PANCRASEと数々のプロモーションに参戦してこられ、ノゲイラ選手も修斗で王座を6度防衛し、HERO'SやWECなどでも活躍してきました。同じ修斗フェザー級チャンピオン同士、交わりそうで交わらなかった、この対戦をどう捉えていますか。ノゲイラ選手の思いなどあれば、それも含めてご回答よろしくお願いいたします。 「ノゲイラ選手、自分がまだ駆け出しの頃からずっと見ていた選手なので、ものすごく強い印象があります。そういう選手と時を経て戦えるということは、非常に緊張感もあって、楽しみになります」 (C)Zuffa LLC/UFC ──道衣MMAは初めてだと思いますが、この参戦にあたりどのような練習をしてこられたのか、また練習をしてどのように感じられたでしょうか。 「道衣MMA用の練習というのは、やっぱりほかの一緒に練習してる仲間がしているわけではないので、メインでやるのは柔術の練習とMMAの練習。で、クラス指導が終わった後にちょっと後輩に付き合ってもらって、このルール用の打ち込みを少し始めたところであります。まだちょっと研究段階ではあります。試合まで技術的な部分を含めて作っていきたいなと思っています」 [nextpage] ウィル・チョープと道衣MMAで対戦する大浦マイケ「道衣があるので触ったらすぐ終わらせる」 ▼道衣着用MMA 65.8kg 15分大浦マイケ(リバーサルジム横浜グランドスラム/IGLOO)ウィル・チョープ(The Kill Team)  フェザー級で194センチという破格の長身を誇りMMA戦績も60戦を越えるウィルはUFCを始め様々な団体を渡り歩き更にその戦場はMMAのみにとどまらずラウェイやクンクメールなど多岐にわたる。そんな多種多様な格闘技を極めんとする彼が辿り着いた場所は前回大会ROMAN ONEのメインイベント。時間無制限ベアナックルによる完全決着ルールであった。そして今回再び海を越えて武道発祥の地に降り立つウィルは道衣に袖を通しROMAN COMBATに参戦する。  まだ競技化されたばかりの道衣MMAは経験豊富なウィルにとっても皆と同じように未知の領域かも知れないが、あらゆるルールを戦って来たウィルだけに新ルールにもしっかりアジャストさせてくるに違いない。  一方のマイケは常にセンセーショナルな活躍を見せブラジリアン柔術界の話題の中心にいる若手期待のホープであり中~重量級国内最強柔術家の1人。中量級の体重/体格ながら無差別級にも果敢に挑み緻密なテクニックと野性味溢れる天性の動きをもってして重量級トップ選手たちとも互角以上の戦いを見せてしまう規格外の男であり、そのあまりの強さから運営がマッチメイクに最も苦労した選手だ。  MMAで豊富なキャリアを持つウィルに対してMMAはまだ2戦目のマイケ。MMAの目線から見ればウィル優位だが柔術から見ればマイケが有利。二つの競技の中間に位置する道衣MMAという新たな競技では果たしてどうなるのか? MMA対ブラジリアン柔術がROMAN COMBATルールで実現。 ──道衣着用MMAデビューとなる大浦マイケ選手、65戦を誇るウィル・チョープ選手との対戦が決まったお気持ちをお聞かせください。 「2回目のMMAで初めてのプロMMA挑戦なんですけど、相手はすごくベテランの選手で結構いろいろ出ていて、まあ多少不安もあったんですけど、僕はボンサイ柔術からスタートして、やっぱり関根さんだったり、サトシ先生、クレベル先生、今の練習仲間で言うと、イゴールとか竹内先輩とか、すごいいろんな舞台で頑張ってるので、僕も肩並べられるようにしっかり勝って盛り上げたいと思います。押忍」 ──対戦相手のウィル・チョーブ選手は経験豊富かつ身長差・リーチ差のある相手となります。その相手にご自身の強みと、また相手に対して脅威となる部分があれば教えてください。 「自分は柔術・寝技の選手で相手はたぶん打撃の選手だと思うんですけど、僕は今、半年ぐらいずっとボクシングとかもやってて、まあ全然ノックアウトできちゃう自身も多少あるんで全然大丈夫かなと。あんまり怖くはないかなっていう。あとは道衣ついてるんで。触ったらすぐ終わらせるようにしてるのはありますね」 [nextpage] 松本大輔、高橋孝徳、中山賢一、柳井夢翔、大脇征吾コメント ▼道衣MMA 15分1R松本大輔(X-TREME EBINA)門脇英基(URUSHI DOJO) 「X-TREME EBINAの松本大輔です。門脇英基選手とやらせていただくことになりまして、自分の中ではもう“レジェンド中のレジェンド”の、積み上げてきたものとかは僕のはるか雲の上にいる選手だと思ってますけれど、今現在も自分を知る練習仲間たちは充分勝機があると言ってくださってます。僕自身もそう思ってます。今の松本大輔に期待してください。よろしくお願いします」 ▼道衣MMA 10分1R押木英慶(アジカタンBJJ)高橋孝徳(Me,We) 「リバーサルジム新宿Me,Weの高橋です。今回、私自身初めての道衣MMAの試合ということで、今、練習仲間たちとも試行錯誤しながら“こういうこともできるよね”っていうような、技術的に確立されていない競技だと思うので、いろいろ探りながら楽しくやっています。いろんな発見が毎回あるので。  今回、対戦相手の押木選手がフルコンタクト空手とか空道の方で活躍されている選手ということで、結構、異種格闘技戦の意味合いが濃い試合なのかなとは感じてます。MMA本職でやっている人間として、MMAファイターの強さを見せられると思いますので、楽しみにしてください」 ▼道衣MMA 15分1R中山賢一(三多摩サンボスクール)瓜田幸造(掣圏道) 「三多摩サンボスクールの中山です。相手は掣圏道の瓜田選手ということで、これぞ異種格闘技という戦いを皆さんにお見せできたらと思います。サンボ出身ではヒョードル選手とか世界にはいろんな強い有名な選手がいますけど、日本もサンボ業界もしっかり盛り上げていきたいと思います。よろしくお願いします」 ▼ROMAN柔術無差別級トーナメント 7分1R柳井夢翔(リバーサルジム新宿Me,We)森戸新士(LEOS/藤田柔術) 「Me,Weの柳井夢翔です。前回、森戸選手と試合してドローで終わってしまったんで、今回はしっかり決着つけて、トーナメントも優勝したいと思います。柔術も盛り上げます。お願いします。押忍」 ▼ROMAN柔術ワンマッチ 65.8kg 7分1R 大脇征吾(リバーサルジム横浜グランドスラム)鍵山士門(QUIP) 「リバーサルジム横浜グランドスラムの大脇征吾です。すごい方たちの中に入れてもらってちょっと緊張しかしないんですけど、極めて勝てるように頑張ります」 [nextpage] 『ROMAN 2』対戦カード ▼R.O.M.A.ルール 時間無制限無差別級バーリトゥードゲイ・ババカール(セネガル相撲)関根秀樹(ボンサイ柔術) ▼道衣MMA 15分1Rアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル)日沖 発(stArt Japan) ▼道衣着用MMA 65.8kg 15分大浦マイケ(リバーサルジム横浜グランドスラム/IGLOO)ウィル・チョープ(The Kill Team) ▼道衣MMA 15分1R松本大輔(X-TREME EBINA)門脇英基(URUSHI DOJO) ▼道衣MMA 15分1R大村友也(IMNグラップリング)清水俊一(宇留野道場) ▼道衣MMA 15分1R中山賢一(三多摩サンボスクール)瓜田幸造(掣圏道) ▼道衣MMA 10分1R江崎 壽(ALMA FIGHT GYM BASE)江木伸成(LEOS柔術アカデミー) ▼道衣MMA 10分1R押木英慶(アジカタンBJJ)高橋孝徳(Me,We) ▼道衣MMA 10分1R中里謙太(和術慧舟會)田馬場貴裕(IMPACT) ▼道衣MMA 10分1R関澤寿和(ねわざワールド蓮田)テイラー・ラング(Clubber Lang MMA ) ▼ROMAN柔術無差別級トーナメント 7分1Rランジェル・ロドリゲス(RRT)白木“アマゾン”大輔(CARPE DIEM HOPE) ▼ROMAN柔術無差別級トーナメント 7分1R柳井夢翔(リバーサルジム新宿Me,We)森戸新士(LEOS/藤田柔術)※『ROMAN ONE』の再戦 ▼ROMAN柔術ワンマッチ 65.8kg 7分1R 大脇征吾(リバーサルジム横浜グランドスラム)鍵山士門(QUIP)
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