2025年5月31日(土)神奈川・横浜BUNTAI『K-1 BEYOND』の対戦カード発表記者会見が、4月7日(月)都内にて行われた。
-56kg契約3分3R延長1Rで、大久保琉唯(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)vs.永坂吏羅(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が決定。
大久保は、2022年6月の『THE MATCH 2022』で那須川天心の弟・龍心に勝利。9月は初代Krushフライ級王座決定トーナメントを制し、プロ4戦目にして王座に就いた。2024年7月と9月の「K-1 WORLD MAX 2024 -55kg世界最強決定トーナメント」では準決勝で玖村将史を破る番狂わせを演じたが、決勝で金子晃大にKOで敗れた。12月にはKrush王者の璃明武を破っている。2025年2月、JTTからの刺客・竹見浩史郎をKO。戦績は10勝(1KO)2敗。
永坂は全日本テコンドー選手権大会2連覇&MVP受賞、全九州テコンドー選手権大会7回優勝の実績を持ち、2018年11月からK-1 JAPAN GROUPに参戦。2023年7月、Krushスーパー・バンタム級王座に挑んだが、王者・璃明武に判定負け。しかし9月のK-1では元バンタム級王者・池田幸司とのダウン応酬の激闘を初回KOで制した。前戦は2025年2月に石田龍大に惜敗。戦績は7勝(7KO)5敗1分と勝利は全てKO勝ち。
この試合が組まれるきっかけは、永坂がSNSや記者会見で大久保を挑発。最初は無視していた大久保だが、ついに怒りに火がついて対戦が実現することになった。
宮田充K-1プロデューサーは会見で「大久保選手が55kg、永坂選手が57.5kgだが契約体重56kgで合意に至った。永坂選手はいいヤツだったのに、悪いヤツとつるむと悪くなる、友だちに影響される。いろいろな方面に喧嘩していて、そこはやめた方がいい。ほどほどにして欲しいと卜部会長経由で小言を言っても変わらない。開き直っている。一皮剥けるどころかずる剥けという感じがある。そこまで大久保と言うのなら、どれだけのものを見せられるか。大久保選手には正義として制裁を与えて欲しい」と、永坂に苦言を呈した。
大久保は「僕からしたらやらなくていい試合かなと思ったけれど、僕は金子選手しか見ていないのでそのために去年も頑張ってきましたし、SNSもやってきて頑張っています。今年必ずK-1のベルトを巻きたい信条もあるので難なくクリアしたい」と挨拶。
その大久保のコメント中にも茶々を入れていた永坂は「俺は試合だと思ってないから。一方的な暴力。格闘家とスポーツマンの違いを見せてやる。ちまちま打ってポイントを稼ぐなんて性に合っていない。空振り三振かホームラン、ぶち込んでやるからマジで見とけよ」と鼻息も荒い。
互いの印象を聞かれると、大久保は「パンチ力もあってKO率も高いけれど、サングラスをした顔はナスDに似ている」との印象を話し、永坂は「分かってるよ、そんなこと。気にしてるんだから言ってくるんじゃねえよ」と実は気にしていたという。
永坂は「マジでウザい。イケメンで。コイツ、本当に髪がサラサラしていてなんかカッケーし。お前、髪じゃまだろ。格闘技やるのに必要ないだろ。短髪でパリッと決めた方が男はカッケーんだよ。今回、髪懸けろよ」と、敗者髪切りマッチを要求する。
大久保はあっさりと「懸けない」と拒否したが、永坂のしつこさに「じゃあ、考えておきます」と答えを保留した。
永坂からの挑発をどう思っていたのかと聞かれた大久保は「最初はなんで俺に言ってくるのか疑問だった。いろいろ言われてなんだコイツと思ったんですが、言われすぎてなれちゃった。飽きてきちゃった。僕はもうあまり何も感じないですね」と、もはや何も思わないと返答。
するとここで永坂はフリップを取り出して、最弱の生物としてマンボウを紹介し、大久保はマンボーのようなものだとする。その証拠は「とある筋から調べた。一番のファンだからやってるんだぞ」と、大久保の弱点を調べて紹介。最後には「永坂が一番の天敵」だとし、「あいつは女の子にやっているように抱き着いてコカしてダーティーな試合をする。俺はフィジカルでゴリゴリやるし、一発で相手を沈めてやるから」と宣言した。
これに大久保は「頑張っているなと思います」と苦笑するが「ひとつ訂正がある。甘いのは好きだけど最近ストイックにやっていて週1回しか食べてない」と、永坂が「糖尿病になる」と指摘したスイーツ好きな部分を訂正しろという。永坂は「週イチかよ。毎日喰えよ。そうしたら体重が57.5kgになるからよ」と、むしろたくさん食べて体重を増やせと要求した。
そもそも大久保はなぜ対戦を受けたかと聞かれると「僕はオファーを受けたら断らないのが根底にあって。しっかり決められたらやるって感じです。負けてもいろいろ言ってきそうだし、普通に倒すだけです。そこに対してはあまり気にしてない。興味ないです」と、オファーがあったから受けただけと答える。
永坂は「コイツはこうやってサラっと流してくる。そんなの許されているのはイケメンだからだぞ。オープンフィンガーグローブで殴らせろよ。顔面ボコボコにしてやるよ。俺はK-1を盛り上げるためにやるんだよ」と、今度はOFGマッチを要求。
しかし、これは宮田Pに「今からOFGは試合自体リセットになると思うのでK-1では無いですね。他所でやる分にはいいけれど今回はないんじゃないか」と却下された。それでも永坂は諦めず「よかったな、救われたな。いつかOFGでぶん殴ってやるからな、整形してやるよ」と吐き捨てる。
この試合後はどうしたいかと聞かれた大久保が「(K-1スーパー・バンタム級王者の)金子選手とタイトルマッチをやりたい。そこだけです」と答えると、永坂は「次のこと言ってんじゃねえよ、嫉妬するじゃんかよ。俺だけを見ろよ」となぜかラブコール。
2人の相性はどうなのかとの質問に大久保が「悪くないですよ。ファイトスタイルも、この会見を見てもらえば分かるように息もバッチリです。噛み合います」と言えば、永坂は「得意のタックルするなよ。俺はホームランですよ。一発ぶち当ててやりますよ」と高らかに宣言。
大久保も「僕もKOで。倒れると思います」と、KOで決着を付けると返答した。
〇噛み合った両者の記者会見(46分過ぎから)