ONE 172: TAKERU vs. RODTANG2025年3月23日(日)さいたまスーパーアリーナ※U-NEXTで独占PPVライブ配信
▼第14試合 ONEフライ級(61.2kg)キックボクシング スーパーファイト 3分5R〇ロッタン・ジットムアンノン(タイ/同級1位)[1R 1分20秒 KO] ※レフェリーストップ×武尊(日本/team VASILEUS/同級2位)
元K-1三階級制覇王者の武尊は、2024年1月にONEへ移籍しロッタンと対戦予定だったがロッタンの負傷欠場により、ONEキックボクシング世界フライ級王者スーパーレックと5Rの激闘も判定負け。9月『ONE Friday Fights 81』でタン・ジンを2Rに左フックでKOに下して再起。リング上でロッタンと額をつけてのフェイスオフを見せていた。33歳。
ロッタンは、2019年8月にジョナサン・ハガティーに5R判定勝ちでONEムエタイ世界フライ級王者に。2023年5月には5度目の王座防衛に成功するも、2024年11月の『ONE169』で計量ミスにより王座剥奪。
変則王座戦でジェイコブ・スミスに5R判定勝ちも王座は空位となっている。OFGではないキックの試合は、6月のデニス・ピューリック戦の判定勝ち以来。27歳。
1R、ロッタンは左右ロー、武尊はまずは右ストレート。左インローと右カーフを蹴るロッタンに武尊は右カーフ。ロッタンの右ストレートに武尊も右ストレートを返す。
右カーフから飛び込みの左フックがテンプルにヒット、下がってバランスを崩す武尊になおも襲い掛かるロッタンの左フックでアゴにもらった武尊がダウン。
カウントを聞いていた武尊だが、レフェリーがストップ。武尊はすぐに立ち上がってまだ戦えることをアピールしたが時すでに遅し。ロッタンのKO勝ちとなった。
ロッタンは「左拳痛めていて自信なかった。2年前から痛めていた。でも当たって倒せてうれしいです。日本のファンの皆さんに感謝します。大好きです。日本はセカンドホームみたいな感じです。批判者が僕のスタイルや体重のミスのことを言いますがベルトを体重計で失いましたが、それを取り戻すように頑張ります」と勝利者インタビューに答え、5万ドルのボーナスをもらうと「このボーナスの一部を自分のイスラム教の兄弟に寄付します」と語った。
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▼第13試合 ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング暫定世界王者決定戦 3分5R×タワンチャイ・PK・センチャイ(タイ/ONEフェザー級ムエタイ世界王者)[3R 1分55秒 TKO] ※レフェリーストップ〇野杁正明(team VASILEUS)※野杁が暫定王座に就く。
タワンチャイは地方で試合経験を積んだ後、14歳でルンピニースタジアムに上がった。2018年にはクラップダムを3度破り、同年のルンピニースタジアム・オブ・ザ・イヤーとタイ国スポーツ局ファイター・オブ・ザ・イヤーなど4つの年間MVPを受賞。
2021年5月にONE初参戦。2022年9月、ONEでの5戦目でペットモラコットを破りONEムエタイ世界フェザー級王座を奪取した。同王座は2023年2月にジャマール・ユスポフをローキックで1Rわずか49秒でKO。
12月にスーパーボンに判定勝ち、2024年6月にジョー・ナタウットに判定勝ち、2024年1月にスーパーボンにTKO勝ちで4度の防衛に成功。、長身を利したサウスポーのフィームー(テクニシャン)。戦績は134勝31敗2分。
野杁は2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者に。
翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は連勝。2021年9月の「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」を全試合KOで制して2階級制覇。2021年のMVPを獲得した。2022年6月の『THE MATCH』で海人との国内頂上決戦に敗れるが、その後は2連続KO勝ちで復活。2024年6月に『ONE 167』でONE初参戦を果たしたがシッティチャイに判定3-0で敗れた。12月の2戦目でもリウ・メンヤンにも判定で敗れ連敗したが、2024年1月のシャーキル・タクレティ戦にて2RでKO勝ち。戦績は50勝(26KO)13敗。
1R、サウスポーのタワンチャイは左の蹴り中心、強い左ローを蹴る。野杁は前蹴りを使い、タワンチャイの右ロー2発に強い右ローを蹴り返す。タワンチャイは得意の左ミドルからの左ストレート、野杁は左カーフ、右ミドル。タワンチャイはしつこく左ローを蹴っていく。
2R、タワンチャイはジャブから左ミドル、野杁が近付いてくると前蹴りを3発。タワンチャイの左インローに野杁は右ローを返す。左ミドルには右インカーフ。ジャブと前蹴りのタワンチャイに野杁は距離を詰めると左ボディ、タワンチャイは左ヒザ。
タワンチャイの左ミドルもらっても前へ出る野杁は右インカーフ、タワンチャイは右フック。野杁のノーモーションの右ストレートがヒット。タワンチャイが左ミドルを蹴ってくると野杁は右インカーフを蹴り返す。右フックもヒットさせた野杁。
3R、ガードを上げて前へ出る野杁にタワンチャイがパンチのコンビネーションを回転させる。タワンチャイがジャブから左ミドルを蹴ると野杁は右インカーフ。タワンチャイのヒザには野杁が左右フックを返し、左ボディ、そして下がるタワンチャイのヒザ蹴りに左フックを合わせてダウンを奪う。
左フックと左ボディ、さらに左フック、左アッパー、左フックとタワンチャイに連打を決める野杁。防戦一方のタワンチャイはダウン寸前、レフェリーがストップした。
チャトリCEOからベルトを肩に掛けられた野杁は涙。家族がリングに入り、父を祝福。「最高です! こんな素晴らしいチャンスを与えてくれたチャトリ代表に感謝します。対戦してくれたタワンチャイ選手、僕を強くしてくれたトレーナーとチームメイト、家族に本当に感謝しています。3Rで倒せるかどうかはそこまでなかったんですけれど、5R中に必ずKOするとチームのみんなと話をしていたのでチャンスがあったので一気に仕留めました」と勝利者インタビューに答える野杁。
5万ドルのボーナスも受け取り「ありがとうございます。いただいたので家族と旅行に行きたいと思います」と語った。
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▼第11試合 ONE世界フライ級(61.2kg)王座決定戦 5分5R×アドリアーノ・モラエス(ブラジル/同級1位)[1R 3分39秒 TKO] ※レフェリーストップ〇若松佑弥(日本/TRIBE TOKYO MMA/同級2位)※若松が新王座に就く。
元ONEフライ級MMA王者のモラエスは、2014年9月にゲヘ・エウスタキーオを2R ギロチンチョークで極めて王座獲得に成功。その後カイラット・アクメトフと2戦、ゲヘ・エウスタキーオと3戦し、いずれも王座を取り戻すと、2021年4月にはデメトリアス・ジョンソン(DJ)も2R グラウンドヒザ蹴り&パウンドでKO勝ち。2022年3月に若松佑弥の挑戦を受けて3R ギロチンチョークで極めて3連勝。同年8月にDJと再戦。4R KO負けで王座陥落すると、2023年5月の3戦目も5R判定負けで王座奪還ならず。2024年11月にダニー・キンガッドに2R ギロチンチョークで一本勝ちで再起を果たしている。同級1位の35歳。
若松は、2018年2月のPANCRASEで仙三とフライ級王座を争った後、2018年9月からONE参戦。同級GPでDJに敗れるも、以降5連勝。2022年3月に王者アドリアーノ・モラエスに挑戦し、3R ギロチンチョークで一本負けで王座獲得ならず。セコンドに長南亮TRIBE代表、仙三の姿も。
11月にキャッチウェイト戦でウ・ソンフンにも1R KO負けしたが、2023年7月にシェ・ウェイを1R TKOに下すと、2024年1月にダニー・キンガッドに判定勝ち。12月に元LFAのギルバート・ナカタニにも判定勝ちで3連勝。日本大会での王座挑戦を決めた。29歳。
1R、先に中央を取り、左ジャブで圧力をかけていく若松。左右へ回り込むモラエスは左ロー。若松が右を伸ばし、モラエスの左の打ち返しはかわす。左インローのモラエス。
若松の右フックをかわして組み付くモラエス、互いに四つから右ヒザ。左を引いていなして崩す若松に、モラエスは右ヒザを突いて離れる。
左ジャブを突く若松にニータップで組むモラエス。ここも崩れない若松にモラエスは右ヒザを突いて放す。左ジャブを突く若松。ジャブの刺し合いから右の相打ちのタイミング。右カーフのミラエスは左インカーフも。若松は左ジャブから右ストレート、左フックで前に。かわすモラエスだが後退。
さらに詰めて右ストレートをヒットさせる若松! クリンチするモラエスに若松はダーティーボクシングで右アッパー。モラエスは左で首を抱えて距離を潰すと、若松は右で差して体を入れ替えてロープに押し込む。
互いにロープ際でヒザの打ち合いから、モラエスは首相撲ヒザ、若松は右で差して体を入れ替え。モラエスの右ヒザの打ち終わりに、右ヒジを突いた若松。後退したモラエスを追う若松は、右ストレートで前に。ジャブの打ち合いから、右オーバーハンドを見せるモラエス。ジャブ、右カーフで間合いを取る。
しかし、詰める若松は左ボディから左右フックの連打、コーナーに詰めての右アッパー、さらに回転を上げて左右フック、右アッパーの連打に崩れ落ちて亀になったモラエスに若松が背後からパンチの連打。全く動けないモラエス。レフェリーがストップ!
若松がTKO勝ちでONE世界フライ級王者に。ベルトを肩に掛けた若松は「お母さん、やったよ。生んでいただいた両親に感謝して、30年自分が生きられたことに感謝してこの最高の舞台で、本当に感謝しています。まず伝えたいことは自分精神的にもめちゃくちゃ弱くて、でもそんな自分でも夢を達成できると伝えたくて。悩みある人とか自分の試合を見てこういう人がいるんだと思ってもらえればそれだけで満足です」と語り、若松に5万ドルのボーナスが贈られた。
「本当にありがとうございます。大事なのは家族なので、僕は家族を守っていきます」と若松。子供がリングに上がり、勝利を祝福した。
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▼第10試合 ONEストロー級(56.7kg)キックボクシング暫定世界王座決定戦 3分5R〇ジョナサン・ディベラ(イタリア/カナダ)[判定3-0]×サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)※ディベラが暫定王座に就く。
1R、両者サウスポー。右ロー、左ミドルを蹴るサムエーに返しの左ボディ、右フックを当てていくディベラ。サムエーの左カーフに一回転するディベラだが、すぐに左ストレートを打ち込む。左カーフを蹴り合う両者。ディベラがワンツー、左右ボディと強打で攻め込むが、サムエーは左ミドル。ディベラが左カーフの連打からパンチで印象付けた。
2R、ジャブ&カーフで前へ出るディベラ。サムエーも左カーフを返すが、ディベラの強打をもらって下がる。ディベラの左カーフを警戒するサムエーにディベラは右フックを連続して当てていく。サムエーも負けじと左フック。左ストレートで前へ出るサムエーを右フックで迎え撃つディベラ。
3R、ジャブで前に出るディベラへサムエーが左カーフ2発。ワンツーを放つディベラが左ストレートを伸ばしたところにサムエーが左フック、すかさずヒザ。ディベラが左ストレートをヒットさせ、サムエーを大きくのけ反らせた。左ボディを打つディベラ。
4R、ジャブを出しながら前へ出るディベラが左右ボディ、右ローを蹴るサムエーに左フックをヒットさせる。ディベラは左右ボディ、サムエーはジャブを突き始める。サムエーが左ミドル、ディベラが左カーフ。ここでサムエーが右ヒザを蹴り始めるが、ディベラの右フックでサムエーがフラつく。
5R、サムエーの左ミドルにパンチを返すディベラ。左カーフを蹴るディベラが前へ出るが、サムエーは左ミドル、右ハイ。右フックから左フックとディベラがクリーンヒットを奪うが、サムエーは倒れず左ストレートで前へ出ていく。
判定3-0でディベラが勝利。暫定王座に就いた。「こんにちは、東京! 自分にとって尊敬しているレジェンドと試合出来て、彼が僕の足を狙ってくると分かっていたので受けて問題なかった。レジェンドに感謝しています。プラジャンチャイ選手いますよね? 僕の国のデンバーで戦いましょう」と統一戦をアピールした。
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▼第9試合 ONE女子アトム級(52.2kg)キックボクシング世界タイトルマッチ 3分5R〇ペッディージャー・ルッカオポーロントン(タイ/王者)[判定3-0]×KANA(Team Aftermath/初代女子K-1フライ級王者/挑戦者)※ペッディージャーが2度目の防衛に成功。
王者のペッディージャーは7歳でムエタイを始め、「男の子を打ち負かす少女」として有名となり、10歳で100戦以上を戦い、そのうち70回以上は男子選手との戦いであった。有名になりすぎてテレビで試合が放送されるようになると、タイの法律によって男子選手との試合は禁止に。
2016年2月には『ムエタイオープン』に初来日し、小林愛三と対戦して判定負け。2017年11月にはシュートボクシングに再来日するとMIOに判定負けを喫している。
ムエタイで順調に勝ち星を重ねる中、アマチュアボクシングのタイ代表として選ばれ2018年AIBA女子ユース世界選手権48kg級銀メダルになるなど活躍。2022年8月にはプロボクシングデビューも飾っている。ムエタイでの獲得タイトルは、WPMF世界ミニフライ級王座、WMC世界-45kg級王座、2021THAI FIGHTクイーンズカップ-51kg級優勝など。
ONEには2023年3月から参戦し、4連続TKO勝ちを収めると2023年12月には“世界最強女子”として知られるアニッサ・メクセンを判定3-0で破り暫定王座に就いた。2024年3月、正規王者ジャネット・トッドを破り王座統一。 KANAは小学生で空手を始め、高校・大学時代には陸上でも活躍。大学卒業後にK-1ジム三軒茶屋シルバーウルフの門を叩き、2015年9月にプロデビュー。第2代・第4代Krush女子フライ級王座に就き、2018年3月にK-1デビューを果たす。2019年12月に「初代女子K-1フライ級王座決定トーナメント」で優勝して初代王座に就いた。 2020年11月、壽美にvs.日本人初黒星を喫し、その後は怪我の治療で長期欠場を余儀なくされたが、2022年2月に復帰。6月のスーリ・マンフレディ戦から外国人を相手に4連続KOをマークし、3度の防衛に成功。2023年12月、4度目の防衛戦でアントニア・プリフティに判定で敗れ王座を失った。
2024年8月にK-1との契約満了を発表。12月の『ONE Friday Fights 92』でONE初参戦。かねてより対戦を熱望していたアニッサ・メクセン(アルジェリア/フランス)との試合を実現させたが、判定3-0で敗れ黒星スタート。2024年1月の2戦目でモア・カールソンを判定で破り初白星。戦績は22勝(11KO)5敗。
1R、右カーフを蹴るKANAは左ミドルも散らす。ペッディージャーは右ボディストレート、右ストレート。KANAは蹴りを多用し、ペッディージャーはほぼボクシング。KANAの右ローに左フックを合わせるペッディージャー。KANAは右バックハンドブローを見せておいて、そのあとすぐに左バックハンドブロー。サウスポーになって左三日月を突き刺すKANA。ペッディージャーはムエタイルールの癖でつかみが多い。
2R、前に出るペッディージャーが左右フック、KANAは右ロー。ペッディージャーの右フックがヒットし、前へ出てくる。ペッディージャーはヒザと右ミドル、KANAは右のショートアッパー。ショートのパンチの打ち合いではペッディージャーがヒットさせていく。KANAの右ミドルに右ストレートを合わせ、のけ反らせるペッディージャー。
3R、さらに圧を強めるペッディージャーはパンチの回転力も上げる。またもつかんでしまったペッディージャーに「次はイエローカードだぞ」と警告。右を放つKANAだが、ペッディージャーの右が直撃。KANAが接近戦を挑むとペッディージャーはヒザ。KANAのパンチを空振りさせ、右ストレート、右ミドル、右ヒザを入れるペッディージャー。
4R、右カーフを蹴るKANAは左インローも。前へ出るペッディージャーが右ミドル、KANAのパンチをブロックして右ロー。つかんでヒザを蹴ったKANAにイエローカードが提示される。離れ際に左ハイを蹴るKANA、ペッディージャーはワンツーからのヒザ。つかみがあったためペッディージャーにイエローカード。KANAは意を決したか前に出て打ち合いを挑む。ペッディージャーは右ミドルを蹴り、左フック。攻めに行くKANAだが右のカウンタをもらう。
5R、前に出るペッディージャーは右ロー、ワンツーからヒザ。KANAも左右フックを放つがペッディージャーはブロック。KANAが打ち合いに行ってもヒットを奪うのはペッディージャーだ。ペッディージャーの右ローに尻もちをつくKANA。
ペッディージャーの左右ミドルは当たり、KANAのミドルは空を切る。前に詰めるKANAにはクリンチで動きを止めるペッディージャー。右アッパー、左フックをもらったKANAはラッシュをかけるが左右フックは空を切る。
判定は3-0でペッディージャーが勝利。2度目の防衛に成功し、「ほぼプラン通りでした。プランは殴り合うことでした。前回の試合から期間が空いて武器が遅かったと感じたがKAANも打たれ強くていい選手でした。次の目標はムエタイのベルトを獲ることです。アリシア選手、見ているならやりましょう」と、ONEアトム級ムエタイ世界王者アリシア・ヘレン・ロドリゲスに挑戦を宣言した。
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▼第9試合 146.25ポンド契約 ムエタイ 3分3R×スーパーレック・ギャットムー9(タイ/正規王者)[判定0-3]〇ナビル・アナン(アルジェリア/タイ/暫定王者)※スーパーレックが計量ミスで王座剥奪。試合はノンタイトル戦に
スーパーレックは、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。2017年6月、2018年8月と来日し、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。 ONEでは2023年1月にダニエル・プエルタスに勝利してONEフライ級キックボクシング世界王者となり、3月にはダニエル・ウィリアムスをKOして初防衛に成功。9月にはノンタイトルマッチでロッタンと対戦し、2Rにヒジ打ちでダウンを奪い判定3-0で勝利している。
2024年1月、ONE日本大会で武尊の挑戦を受け判定3-0で勝利、ONEフライ級キックボクシング王座2度目の防衛に成功すると、9月にはONEムエタイ世界バンタム級王者ジョナサン・ハガティーに右ヒジで初回KO勝ち、2階級制覇を達成した。現在13連勝中。戦績は139勝29敗4分。
アナンはテコンドー、空手(いずれも黒帯)を経てムエタイを始め、パタヤの地方スタジアムで経験を積んで2017年からルンピニーとラジャダムナンのメジャースタジアムに進出。2022年5月にはWBCムエタイ世界フェザー級王座に就いた。RWS出場を経て、2023年6月にONE初出場にしてスーパーレックと対戦したが初回KOで敗れている。
しかし、9月にはナックロップを右クロスでKO、12月には元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者の“エルボーゾンビ”ことムアンタイを判定で破り、2024年7月にはクラップダムをヒザ蹴りでKOしてみせた。
8月には本戦出場でフェリペ・ロボにも判定勝ち、9月にソー・リン・ウーに判定勝ちで5連勝の快進撃。2024年1月にニコ・カリロに初回TKO勝ちで暫定バンタム級ムエタイ世界王座を獲得。また、2020年8月にはラウェイにも挑戦して勝利している。192㎝という規格外の長身で、戦績は37勝5敗1分。
今大会前にスーパーレックが計量ミスで王座剥奪。試合はノンタイトル戦として行われる。
1R、長いワンツーを伸ばしていくアナンにスーパーレックは右ストレートから右ロー。右ハイから右ロー、ヒザを突き上げてからの右フック。さらにラッシュをかけると右ハイでスーパーレックがバランスを崩して倒れ、ダウンを奪われる。ラッシュするアナンはヒザ蹴りと左右フック、左ボディ、右フック、左ハイ、左右ボディにヒザとスーパーレックを圧倒する。
2R、ブロックを固めて前に出るスーパーレックだが、アナンのジャブ、左ミドル、ヒザ蹴り、右ボディストレートをもらい続ける。長いジャブを打つアナンにスーパーレックは右ロー、右ストレートで飛び込むスーパーレックにアナンは右ヒジ。
スーパーレックは右のオーバーハンドを何度も打つがアナンはしっかりガード。アナンの左ハイがヒットし、スーパーレックが大きくフラつく。クリンチが多くなったスーパーレック。
3R、アナンのジャブと前蹴りに近付けないスーパーレック。アナンはジャブから左ボディ、組み付くと見せかけての左フック。アナンのテンカオに転倒するスーパーレック。アナンがスーパーレックにほぼ何もさせず試合を終えた。
判定3-0でアナンがスーパーレックにリベンジを果たした。
「皆さんこんばんは、ありがとうございます」と日本語で言うと、涙ぐみながら「とっても嬉しいです。初めて夢が叶いました。今までこんなに嬉しいことはなかったです。僕が初めてKOされたのは前の(スーパーレックとの)試合でした。パウンド・フォー・パウンド、ムエタイ史上最強の男に勝ってチームのみんなに感謝して、初めての夢がかなって嬉しいです」と勝利者インタビューに答えた。
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【試合中止】
▼第8試合 ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング 3分3Rマラット・グレゴリアン(アルメニア/初代K-1スーパー・ウェルター級王者)※試合中止海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級王者)
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▼第7試合 ONEアトム級(52.2kg)ムエタイ 3分3R×ラック・エラワン(タイ/元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者)[3R2分40秒 KO] ※左ストレート〇吉成名高(エイワスポーツジム/ラジャダムナンスタジアム3階級制覇)
名高は2023年7月にラジャダムナンスタジアム認定フライ級王座を獲得し、外国人として史上初のラジャダムナン2階級制覇王者に。その後も快進撃を続け、8月にはタイ『RWS』のメインイベントでフライ級タイトル初防衛戦を行い4RでKO勝ち、12月のRWSではラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級暫定王座決定戦で勝利し3階級制覇。
2024年2月には正規王者プレーオプラーオとの統一戦にも勝利し、正規王者に。7月のジョムホートとのタイトルマッチでも圧倒的な差を付けて勝利、2度目の防衛に成功した。
9月のWBCムエタイ ダイヤモンド スーパーフライ級王者決定戦では、プレーオプラーオに勝利しているペットアヌワットを2RKOで葬り、10月にはクンクメールとの対抗戦で3RKO勝ち。12月1日のRWSではペットヌンに大差判定勝ちして3度目の防衛に成功。12月にはシュートボクシングの大会でオープンフィンガーグローブムエタイに初挑戦し、初回TKO勝ちを収めた。現在驚異の35連勝を誇る。
ラックは2019年12月にルンピニースタジアム認定ライトフライ級王座、2020年3月にはプロムエタイ協会の同級王座、2022年には7チャンネルスタジアムのスーパーフライ級王座を獲得。2023年3月から『ONE Friday Fights』に参戦。
チューサップとマハーサムットに連続KO勝ちを収めて11連勝をマークしたが、11月のソンチャイノーイ(2023年4月のBOMで名高と対戦し、名高が3RでKO勝ち)戦で判定負けを喫して連勝がストップした。その後はSBの佐藤執斗に左フックでKO勝ち、ニコラス・レイテ・シウバに判定勝ちと再び連勝したが、2024年7月のソンチャイノーイとの再戦に判定で敗れ、9月もヨッドナムチャイに判定で敗れている。 名高が以前から戦いたい相手の一人として名を上げており、12月の『RWS JAPAN』で対戦が組まれたが、ラックが「家庭の事情で練習に100%集中できない状態になってしまい」欠場。試合が流れていた。
1R、ローの蹴り合いから名高が左三日月。名高は右へ回り込みながら左ミドル、ジャブ、左ロー。名高は左ボディストレートを突き刺してすぐにステップバック。ラックの蹴りをキャッチすると足払いでコカす。
前へ来るラックに名高がワンツー。名高の左インローにラックが左ミドルを返すがすぐに名高も左ミドルを返す。左三日月と左ボディストレート、ラックの攻撃は目の良さでかわしていく。
2Rも前に出てくるラック。名高はラックの左ミドルをスネでブロックしてすぐに左ミドルを返す。ワンツー、左インローの名高にラックは構わず前へ出てくる。名高の左三日月がローブローになり、試合は中断。
再開後、前に出てくるラックがワンツーで攻めるが名高は左ストレート。ラックは左ミドルで名高の左腕を蹴る。名高は動きでラックのパンチを空振りさせ、ラックは名高がパンチを出すとヒジを合わせようとする。名高は飛びヒザを狙うが不発。左ハイから左三日月。
3R、左ミドル、左ストレート、ヒザ蹴りと追ってくるラックに放つ名高だがラックは下がらずパンチを狙ってくる。名高の左ハイにもラックは右ローを返してくる。名高は左の顔面前蹴り、ワンツーを打つがラックは右ロー。
名高のワンツーや左ボディストレートをもらっても前へ出るラック。前足を払って見事にコカす名高。左ストレートをヒットさせた名高は、すかさずジャブからもう一発左ストレート。ラックは一瞬にして力が抜け、ダウン。名高の一撃KO勝ちとなった。
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▼第6試合 ONEライト級(77.1kg)5分3R×エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)[1R 0分53秒 ※抱え込み腕十字]〇青木真也(日本/BAMF)
青木とフォラヤンは、2016年11月の初対決で青木が3R TKO負けしライト級王座から陥落したが、2019年3月のONE初の日本大会のメインイベントで青木がフォラヤンの王座に挑み、1R 肩固めで一本勝ちしてリベンジとベルトの奪還を果たした。2021年4月大会では、セージ・ノースカットと秋山成勲の欠場により、青木とフォラヤンが3度目の対戦、青木が1R 腕十字で一本勝ちし、両者の対戦成績は2勝1敗となっていた。
青木は、2019年10月のONE日本大会でホノリオ・バナリオに一本勝ち以降、江藤公洋、 ジェームズ・ナカシマ、エドゥアルド・フォラヤンを相手に4連勝をマークも、2022年3月に秋山成勲に2R TKO負けすると、同年11月にイザガクマエフに1R TKO負け。
2024年1月28日のONE日本大会で、セージ・ノースカット欠場の代わりに緊急出場したジョン・リネカーを相手に1R 3分、リアネイキドチョークで一本勝ち。1年2カ月ぶりのMMA戦で再起を飾っている。
グラップリングルールではケイド・ルオトロに判定負け、マイキー・ムスメシに一本負けしており、ONEでは4連敗と黒星が続いていたが、2024年1月大会で前述の通り、MMAでリネカーからタップを奪い勝利。2024年12月の前戦はサブミッション・グラップリング戦で20歳の“天才グラップラー”コール・アバテに一本負けしている。41歳。
元ライト級王者のフォラヤンは、MMA23勝13敗。2022年3月にムエタイルールでウェイン・パーに判定勝利したが、MMAルールでは2022年12月にエドソン・マルケスの右クロスにKO負けで5連敗も、2023年9月の前戦でアミール・カーンに3R KO勝ちで再起を遂げている。41歳。
青木は2023年1月にフィリピンに渡り、北部ルソン島のバギオでフォラヤンを訪ねるなど、フォラヤンと交流を深めていた。その際に青木は「交わることで何かを伝えられるんだったら、またやってもおかしくない」と4度目対決を示唆。フォラヤンも「もし4度目をやるとしたら、お互いのラストファイトになる」と語っていた。今回のセコンドにはケンドー・カシン、飯村健一氏、野村駿太がつく。
1R、サウスポー構えの青木に、オーソのフォラヤン。圧力をかけた青木がダブルレッグに行くとフォラヤンは顔を剥がして切ろうとするが、左で差している青木は押し込み。そこに右ヒザを突くフォラヤン。なおも押し込む青木は右でオーバーフック。さらに右ヒザを2発腹に突くフォラヤンに、青木はジャンピングガードで飛びついて引き込み!
青木はクローズドガードを解いて右足を外からオモプラッタにからめて、フォラヤンの左腕を右手でオーバーフックしたままコムロックも狙いつつ、左手でフォラヤンの右足も抱え込んで引き寄せると、肩抜き後転で頭を後方に抜いて、半身になって右脇に挟んだまま腕十字。フォラヤンから秒殺勝利を飾った。
まさかの引き込みから、かつての“跳び関十段”ぶりを見せた青木は、グローブを外してマットに置く。勝ち名乗りを受けると首を横に振り、フォラヤンと握手。
勝利者インタビューでは「僕のONEのここ10年はフォラヤンがいたから頑張ってこれて……」と言うと号泣。なぜグローブを外したのかと聞かれると「関係各所にお断りを入れてから正式に発表したいと思います」とだけ答えた。
そして「チャトリにも感謝しています。DREAMがなくなってから拾ってくれて感謝しています。だからちゃんと青木真也の仕舞う場所を…」と話したところで観客から「泣くな」と野次が飛ぶと、「うっせえな、この野郎。上がって来い、この野郎!」と涙声から激怒。
気を取り直して「ちゃんと青木真也の花道を作ってください!」とアピールした。
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▼第5試合 ONEバンタム級(65.8kg)キックボクシング 3分3R×ジョン・リネカー(ブラジル)[判定1-2]〇秋元皓貴(EVOLVE MMA/POD)
秋元は2019年1月からONEに参戦し、3月のヨゼフ・ラシリ戦でプロ初黒星を喫するも、その後は5連勝で2022年3月にカピタンを破りONEキックボクシング世界バンタム級王者に。
2022年11月のペッタノン戦でスプリット判定負けし、王座を失ったが試合後ペッタノンに禁止薬物の陽性反応が認められたため、ペッタノンの王座は剥奪となっている。2024年5月、約1年半ぶりの試合となったウェイ・ルイ戦で判定負け。9月のイリアス・エナッシにも判定負けで3連敗中。
リネカーは元UFCで元ONE世界バンタム級王者。2023年2月のファブリシオ・アンドラージとの再戦で4R TKO負け後、キム・ジェウォン、ステファン・ロマンに連勝も、2024年1月に青木真也に1R 一本負け。
9月にONEムエタイルールに初挑戦するとエイサー・テン・パウを2Rに右フックでKOしてみせ、10月のアレクセイ・バリカ戦でも1RでKO勝ち。2025年1月にはクラップダムに挑み1Rに左アッパーでダウンを奪ったが、クラップラムの逆襲に判定負け。
1R、前に出ていくリネカーがボディの連打から左右フック、秋元をロープに詰めて左右フックを連打する。秋元は右ミドル。リネカーはブンブンとフックを振って前に出るが秋元はしっかりとブロック。秋元が左ハイでのけ反らせる。リネカーの左フックを空振りさせての右フック。左フックの打ち合いで両者被弾。
2R、リネカーはジャブを突くが秋元は左ミドル。右ストレート、左フックを当てていく秋元。近付いてくるリネカーに前蹴りを見舞うが、リネカーは構わず前へ出てヒザから左右フック。秋元もヒザ蹴り、右フック。そしてテンカオをタイミングよく突き刺す。前蹴り、テンカオ、左フックと秋元がヒットさせて試合を終える。
3R、リネカーのフックをブロックしてヒザを突き上げる秋元。明らかに手数も前へ出るのも減ったリネカーに秋元が左フック。バッティングがあったか秋元は左目上から流血。
それでもジャブ、左ミドル、前蹴り、右ストレートと秋元がヒットを奪っていく。飛び込んでのヒザ蹴りも。リネカーは左右ボディ、フックを打つが秋元はしっかりブロック。
判定はなんとスプリット、判定2-1で秋元の勝利となった。
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▼第4試合 173.5ポンド契約 MMA 5分3R〇エイドリアン・リー(シンガポール/米国)3勝0敗[1R 1分03秒 アナコンダチョーク]×小川健晴(日本)3勝1敗
18歳のエイドリアン・リーは、元ONE女子アトム級王者アンジェラ・リーと早逝したビクトリアを姉に、ONEライト級&ウェルター級の2階級制覇王者クリスチャン・リーを兄に持つ“最強遺伝子”の末っ子。3歳から格闘技を始め、アマチュアMMAでもハワイでベルトを巻いている。2024年6月の『ONE 167』でアントニオ・マンマレッラに2R リアネイキドチョークに極め、ONEデビュー戦を白星発進。同年9月の『ONE 168: Denver』でニコ・コルネホも同じくリアネイキドチョークでタップを奪い、連続一本勝ちを決めている。 1R、オーソのリーに、サウスポー構えの小川。いきなり圧力をかけるリーは、小川をコーナーに詰めて、左から右を突いてダブルレッグ。顔をはがそうとする小川に、リーはボディロックから後方にそり投げ。
ファーストアタックでテイクダウンを奪ったリーに小川はハーフガードで右を差して起き上がりに。そこに右手で頭を抱えて右ヒザを頭部に突くリー。すかさず左腕と組んで左回転。アナコンダチョークで絞めながら左足で小川の足をフックして固定、タップを奪った。
速攻で勝利を奪ったリーはセコンドについた兄クリスチャンらとハグ。「とても嬉しいです。ここ、埼玉ジャパンで勝てて嬉しいです。全然プラン通りじゃなかったです。とにかく見て動きを決めました」と語り、5万ドルのボーナスを獲得した。
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▼第3試合 ONEフライ級(61.2kg)ムエタイ 3分3R×ヨードレックペット・オー・アトチャリア(タイ)[判定0-3]〇吉成士門(エイワスポーツジム) 吉成名高の従兄弟である士門は名高と同じくジュニア時代からムエタイを学び、WPMFインターナショナルスーパーバンタム級王座やWMCインターコンチネンタルバンタム級王座など4つのタイトルを獲得。7月の『RWS JAPAN』ではウーコンに完勝し、ラジャダムナンスタジアムでスーパーフェザー級の7位にランクインすると、9月にはタイ国プロムエタイ協会ライト級王座も奪取。2024年12月20日の『ONE Friday Fights 92』でONE初参戦を果たし、リッティデットから見事TKO勝ちを奪った。長い手足から繰り出すパンチ、蹴り、ヒジ、ヒザ全てで倒すことが出来る攻撃型ムエタイファイターだ。“ザ・デストロイヤー”ことヨードレックペットはラジャダムナンスタジアムでライト級(2015年と2017年)とスーパーライト級(2021年)の2階級制覇、ルンピニースタジアムでも2017年にライト級王者となり、2大スタジアム王座を同時に保持した。2015年12月にラジャで梅野源治と対戦してTKO勝ちしたが、2016年10月の日本での再戦では判定で敗れラジャ王座を奪われた。2018年4月のKNOCK OUTでは初代王者・森井洋介にTKO勝ちしてKNOCK OUTライト級王座を奪取。同年にはタイのスポーツ界で権威のあるサイアムスポーツ社認定のタイ・スポーツ大賞のムエタイ部門でMVPを獲得している。 ONEには2023年7月の『ONE Friday Fights 2』から参戦し、4連勝(3KO)するもムアンタイ、タギール・カリロフに連敗。2024年6月のコムアウット戦で連敗を脱出したのも束の間、8月にコンスックに敗れた。11月のプンルアン戦ではダウンを奪われるも3Rに逆転KO勝ち。1月31日の『ONE Friday Fights 95』ではジャオスアヤイに2RでKO負けを喫している。戦績は90勝37敗3分(KO数は不明)。
1R、士門はジャブ、サウスポーのヨードレックペットは左ローを蹴っていく。長いジャブを突く士門だが、ヨードレックペットは左のインローを当てていく。ヨードレックペットが入ってくるとヒザを突き上げる士門。ヨードレックペットの左ミドルをキャッチすると、払いながら左ボディを打つ。ジャブ、右ストレートで距離をとる士門。
2R、さらに前へ出て距離を詰めてくるヨードレックペットに士門はヒザを突き上げ、ジャブを放ち、ヒジで迎え撃つ。右ストレート、ヒジ、ヒザと前へ出てくるヨードレックペットに一方的に当てる士門。ヨードレックペットはそれでも前へ出て左ボディストレート。ヨードレックペットは距離を詰めるも士門に攻撃を当てられない。
3R、ヨードレックペットのパンチをもらって鼻血を出すが、士門はジャブを突いて左へ回り続ける。右ストレート、左アッパー、ヒザを左へ回り込みながら入れ続ける。一方的に士門がパンチを当て続け、ヨードレックペットは前へ出るもガードが精一杯で手が出ない。
士門がヨードレックペットに何もさせない完封勝利。日本勢の3連勝となった。
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▼第2試合 ONEフライ級(61.2kg)キックボクシング 3分3R×ザカリア・ジャマリ(モロッコ)[1R 2分12秒 KO] ※顔面ヒザ蹴り〇陽勇(Team Mehdi Zatout/TEAM3K)
陽勇は第1回全日本学生フルコンタクト空手道選手権1部男子軽量級(65kg未満)優勝、第7回JFKO全日本フルコンタクト空手道選手権大会軽中量級優勝、第6回JFKO全日本空手道選手権大会一般男子軽中量級準優勝、第36回白蓮会館全日本空手道選手権大会一般男子軽量級優勝などフルコンタクト空手で数々の成績を残してキックボクシングに転向。
サウスポーから繰り出すローキックを始めとした強い蹴り技、左ストレート&フックが得意。2024年3月にはK-1との対抗戦に抜擢され、龍華を判定で破っている。その後、ONEと契約したことを発表し、9月にONE Friday Fightsに出場するとユセフ・エサードを判定で破り初陣を勝利で飾った。2025年2月の2戦目ではレアンドロ・ミランダに2RでTKO勝ちし、戦績を10勝(2KO)無敗とした。
ジャマリは2024年3月の『ONE 166』でアリ・サルドエフにKO負けも、5月の『ONE Fight Night 22』ではトンプーンに判定勝ち。8月の『ONE Fight Night 25』では体重超過したうえにアリーフ・ソー・デチャパンに初回KO負け、10月の『ONE Fight Night 25』でもジョハン・エストゥピニャンに2RでKO負けを喫している。元プロボクサー。 1R、前に出る陽勇がサウスポーから左ロー、ジャマリは左フックを振ってくる。陽勇は左三日月を突き刺すと、左ロー、右ハイと蹴りを散らしていき、コーナーへ詰めると左ヒザを顔面へ突き刺す。ロープにもたれてダウンしたジャマリはそのまま崩れ落ち、陽勇が見事なKO勝ちを収めた。
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▼第1試合 キャッチウェイト 132ポンド(59.87kg)キックボクシング 3分3R×スリヤンレック・ポー・イェンイン(タイ)[判定0-3]〇龍聖(Team KNOCK OUT/ISKA世界スーパーフェザー級K-1ルール王者)
龍聖は小学1年生でキックボクシングを始め、アマチュアで多くの経験を積んで2019年4月にプロデビュー。2021年10月にはKNOCK OUT-BLACKフェザー級初代王座に就いた。RIZIN、巌流島でも勝利し、2023年3月にはラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者ペットセーンセーブと対戦し延長戦でダウンを奪って勝利。6月にはチュームーシーフーにダウンを奪われるも延長戦で逆転勝利、12月にはファク・スアレスをKO。
2024年4月にSBの川上叶に判定勝ちとデビュー以来の無敗記録を更新していたが、6月に久井大夢に判定負け。デビュー以来の無敗記録が「17」で途絶えた。12月にブライアン・ガビオに判定勝ちでISKA世界スーパーフェザー級(K-1ルール)王座を獲得。
スリヤンレックはラジャダムナンとルンピニーの2大殿堂でランキングに名を連ねたほか、タイのテレビマッチである『ワンソンチャイ』フェザー級王者の肩書を持つ。パンチを得意とするハードパンチャーで、激闘派ファイターとして名を馳せ、2019年12月のK-1名古屋大会に初来日。当時K-1スーパー・バンタム級王者の武居由樹と対戦。合計3度のダウンを奪われて判定で敗れるも、そのたびに立ち上がって武居に反撃。3R終盤には猛反撃に出て武居をヒヤリとさせた。
2020年2月にも再来日したが、軍司泰斗に判定で敗れている。ONEには2023年7月の『ONE Friday Fights 25』から参戦し、タイ人を相手に4勝2敗。2024年9月にジャオスアヤイに判定負けも、2024年1月にタン・ジンを2RでKO。
1R、龍聖は左インロー、左ミドルを蹴り、スリヤンレックのローは空振りさせる。龍聖は右カーフと左三日月の両方で攻めていく。龍聖の右カーフでスリヤンレックは一瞬フラつく。龍聖は飛びヒザ蹴りも発射。龍聖がロープに詰めて飛びヒザ蹴り、左三日月。左ハイもかすめる。スリヤンレックは右ボディを返すが、龍聖が有効打も手数も多かった。
2R、スリヤンレックは右フック、右ボディを思い切り振ってくる捨て身の戦法。龍聖はテンカオを合わせる。ジャブを突く龍聖にスリヤンレックは左右フック、右アッパーも思い切り振り抜く。ジャブを連続で突く龍聖。左右ボディでスリヤンレックが龍聖をロープに背負わせるが、頭を振ってすぐに脱出。右カーフでスリヤンレックは大きくフラつく。右カーフでグラつかせ、右ハイもヒット。スリヤンレックが下がる。それを三日月蹴り、飛びヒザで追い込む龍聖。
3R、右カーフ、ジャブをついて右へ回り込む龍聖にスリヤンレックは左右フックを振り回して前進。龍聖は左ボディ、ヒザでボディを攻める。左ミドルを蹴りながら下がる龍聖、スリヤンレックが突っ込んでくると左フックを合わせてスリヤンレックを前に転倒させる。それでも前に出てくるスリヤンレックに龍聖は左ハイ。
判定は3-0で龍聖が勝利。日本に先勝をもたらした。