2025年3月23日(日)さいたまスーパーアリーナ『ONE 172: TAKERU vs. RODTANG』(U-NEXTで独占PPVライブ配信)にて対戦が決まっていた、第8試合ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング3分3R、マラット・グレゴリアン(アルメニア/初代K-1スーパー・ウェルター級王者)vs.海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級王者)が消滅した。
グレゴリアンは前日10:00から行われた本計量に13:00までの制限時間以内に一度も現れることなく、尿サンプルを提出できず(10:00前の予備計量には来ていた)。関係者によれば本計量終了の約1時間後に現れ、シュートボクシング側や海人側の立ち合いはないところでハイドレーションテストと計量を行い、公開計量&フェイスオフイベントに出席したという。この時点ではキャッチウェイトでの交渉に両者合意していなかった。
消滅までに何があったのか。海人が所属するTEAM F.O.Dのアカウントには23日20:40に「あんまりこんな事言いたくないんやけど、最低限のルールは守れよ。しっかり努力して体重落ちない、ハイドレーション通過できないならまだしも、計量の規定時間内にも来ないのは試合放棄やからな!その最低限の事すら守らんのに勝手な事ばっかり言うてくんな。プロでもないしプロの興行でもない!」と、怒りを感じさせる文面が投稿されていた。投稿者はTEAM F.O.Dの代表と思われる。
続いて22:29に、海人の兄が「何も説明されていない状況で勝手にこうして発表されてる。意味が分からん。どんだけ海人のこと振り回すねん」と投稿。この発表とは、ONEの公式アカウントにて22:00頃に「お知らせ 海人とマラット・グレゴリアンの試合は、グレゴリアンが計量とハイドレーションテストをパスできなかったためにキャッチウェイトで実施されます」と投稿されたもの(現在は削除されている)。
23日10:00の試合中止発表後には、TEAM F.O.Dのアカウントに「最初から最後まで気分悪い」との投稿も。
一方、グレゴリアンは自身のInstagramのストーリーに「ファンとフォロワーの皆さん、残念ながら悪いお知らせがあります。私は公式の時間枠内に水分補給した体重を維持することができませんでした。朝の体重は 69.5kgでしたが、水分補給するためには飲み続けなければなりませんでした。350グラム、つまり0.7ポンド足りませんでした。これは、対戦相手が賞金の20%を獲得し、試合を行うかどうかを決めることができることを意味します。この350グラムは、戦士である対戦相手にとっては大きな体重差でした。
彼は本性を見せ、どのようなファイターであるかを示しました。350グラムは彼にとって多すぎたため、彼は試合を辞退しました…。水分補給を忘れたことをお詫びします。このようなことは初めてで、また最後になるでしょう。それでも、350グラム余分に摂取して戦う準備ができていました。
【写真】グレゴリアンがInstagramのストーリーに投稿した文面(C)Marat Grigorian しかし、この決断で本質を見せつけた対戦相手にとっては、これは重すぎました。残念ながら、彼は本当の日本人の戦闘精神を受け継いでいませんでした。彼はテニスか何かをするべきです。ファンとフォロワーの皆さんに感謝します。すぐにリングに戻れることを願っています」とハイドレーションテストをクリアできなかったことを詫びたが、キャッチウェイトで試合を受けなかった海人を批判するような言葉を綴っている。
どのような経緯で交渉が決裂したのか。この試合を楽しみにしていたファンへの説明が求められるところだ。