テイクダウンしてもその先があるのがMMA、このルールに違和感はない
──今回このProgressルールで試合に出ようと思ったのは?
「いろんなことに挑戦したかったからですね。経験を積みたいなっていう。マネージャーと話していて、2月に海外で試合があるかもみたいな感じだったんですよ。同時にこのグラップリングの話もあって、2月の海外が延期になって、もともとお話があったグラップリングで試合をすることになりました」
──大晦日のRIZINでの前戦では、元Titan FC二階級王者のホセ・トーレスと接戦でした。イーブンで迎えた最終回にフィニュシュを狙ってでしたが、2度目の足関節で下になり判定負けでした。あの試合をどう消化しましたか。
「トーレスとの試合で、最終回に極めに行ってポジションを取られた。際で競り負けた形になったのは、僕に原因があったんですよ。その僕の原因が何かっていうのをいろいろ聞いたりして、もう落とし込めたんで、修正済みです。それを活かすためにも試合をしていきたい」
(※試合後の会見では、「いろんな技を僕は持っているので、足関節も流れで。最後のヒザ十字も一瞬入るかなと思ったんです。でもやっぱりちょっとズレちゃったりして。でもああいう選択肢もあって、アグレッシブに攻めていこうかなという感じでした。もし下になってもスクランブルは負けないと思ってたので。そのポジションを取られていることによって、逆に(相手に)判定ついちゃったので、そこらへんの選択をするのも、いろいろ考えてやらなきゃいけないな、って思いました」とコメントしていた)
──いまの練習環境は?
「地元では神龍ワールドジム、東京では、TRIBEやCUTE、FIGHTER'S FLOWなど、今まで通りの練習環境ですが、グラウンド単体でというよりも、やはりMMAグラップリングですね。純粋なグラップリングっていうのは、今年に入ってからもしていないです」
──あくまでグラップリングは、MMAに活かす練習しているなかで、Progressルールは「打撃の無いMMA」「MMAで強くなるためのグラップリング戦」とも呼ばれています。テイクダウン=2P、リバーサル=2P、スクランブル=1P、バックグラブ=2P、相手が引き込んだ場合=2P、テイクダウン後のコントロールではボディロック禁止などのルールについてはどうとらえてきましたか。
「それが、ルールはよく分かっていない部分もあって(苦笑)、さっきのルールミーティングで反則だけはしないようにと確認しました。グラウンドでのボディロックが禁止というのも知って“ああ、そうなんだ”と。ただ、MMAをやってる身としては、テイクダウンしてもその先に殴ったり、極めたりしなくてはいけない。もともと、そんなボディロックしているタイプじゃないので、違和感はないなと」
──なるほど。相手のエリック・メネギン選手は、JBJJF全日本柔術を含め道衣柔術でもノーギでも結果を残しています。動きは確認されましたか。
「相手の試合は見ましたけど、柔術の映像しかないんですよね。道衣ありの柔術ルールだと、道衣無しのグラップリングの動きは分からない部分もある。だから結構、“触ってみて”みたいな感じのところもあります」
──176cmということでしたが、さきほど向かい合ったときに、思った以上に大きく感じました。
「それが……今日、計量会場に来たとき、手足の長い、なんか似てる選手がいて、なんかめっちゃ大きかったんですよ。180cm以上あるじゃん! と思って。業界違うと、ここまで大きいのかなみたいな」
──それ……たぶん、韓国勢のセコンドのイ・ソンハ選手ですね。大原樹理選手と対戦した。185cmの選手。
「あー、それで対戦相手と間違ってることが分かって、ああ、なるほど、さすがにそんなに大きくないか、みたいな(笑)」
──「業界違う」とサバの読み方も違うのかも、と考えた神龍選手が面白いです(笑)。
「ちょっと面食らったんですけど(笑)、その185cmの選手と比べたら、全然そんなデカくなかったです」
──RIZINフライ級の57kgに比べ、今回は60kg契約です。
「もう体重は別に、その時期にそれを試合としてやると。動きについても、柔術的なところで技術勝負したところで、あっちはもうそのグラップリの世界でずっと生きてる人じゃないですか。グラップリングのためのグラップリングを自分は技術勝負しても勝てるものじゃないんで。ここは自分の荒々しさだったり、MMAでの動きを出していこうかなと思っています。この試合で勝ったら、柔術黒帯をもらえますかね?」




