再起戦でランキング2位の松本と対戦する数島
2025年2月23日(日)東京・後楽園ホール『RISE 186-RISE 22th Memorial event-』のメインイベントで、同級2位・松本天志(TARGET SHIBUYA)とフライ級(-51.5kg)3分3R延長1Rで対戦する同級1位・数島大陸(及川道場)のインタビューが主催者を通じて届いた。
数島は2020年9月にプロデビューすると軽量級でも倒す選手として注目され、2021年7月大会にはラジャダムナン王者の竜哉・エイワスポーツジムと対戦しドローとなったもののダウンを奪い一躍名を挙げた。2022年4月から開幕したフライ級王座決定トーナメントでは準決勝で当時無敗の塚本望夢とダウン応酬の末の判定勝ちで決勝進出を決めたが、10月の決勝戦で初代スーパーフライ級王者の田丸辰に敗れて王座戴冠を逃した。2023年10月に第2代王座決定戦を松本天志と争い、判定勝ちで王座に就くと2024年2月にはクンスックに延長戦で判定勝ち、6月にはストローに3RでKO勝ちと5連勝を飾ったが、11月の初防衛戦で那須川龍心に敗れ王座を失った。戦績は13勝(7KO)3敗2分。
あの負けをプラスに使えている
「めちゃめちゃ良いですよ。(前回の敗戦から)吹っ切れているのでめっちゃ気楽です」
――去年の12月に『DEEP☆KICK』で、後輩の選手のセコンドに付いていた時の表情を見たら、やはり落ち込んだ表情をされていましたね。
「結構落ち込んでいましたね」
――こっちから声をかけづらいような負のオーラが出ていました。そこから立ち直るのは大変ではなかったですか?
「すごい落ち込んだけど、逆にその時に同じジムの吉岡がベルトを獲ってくれて、そこで吹っ切れたというか本当に自分のことのように嬉しくて『このまま落ち込んでいても仕方ないわ』と思えたので、あの試合ですごい元気をもらいました」
――後輩の吉岡選手がチャンピオンになったおかげで、自分もパワーをもらったという感じですか?
「それが大きかったですね」

――後輩がこんなに頑張っているんだったら、落ち込んではいられないという感じでしょうか。
「そうですね。しかも同い年なんですよ。もう1人いる近藤大晟も同い年なんです。歴でいうと後輩になるんですけど、年齢は同級生なので、お互いに刺激し合って高めていってる感じがあるんですよ。やっぱり仲間の勝利を見ると『俺も負けてられへんな』っていうライバル心が出てきました」
――及川道場の今のキーワードは22歳トリオなんですね。
「22歳が3人いるのでそうなりますね(笑)。アマチュアですけど後輩はみんな10代ばかりなので、すごい刺激をもらっています」
――そうなると道場では22歳で年上の方になるんですか?
「そうです。なので今、及川道場では選手の中だったら22歳が最年長です(笑)」
――じゃあ道場の中ではベテラン扱いになるんですね。
「始めたては1番下だったんですけど、気づいたら1番上になっていましたね」

――先ほど泰良選手の話を聞きましたが、7年前に及川道場に出稽古をしにいった時は、まだ数島選手が中学生の頃だったそうで、大人だから手加減をするつもりだったけど、十分強かったと話していました。
「それはお世辞で言っていると思います(笑)」
――けど7年前から強かったんじゃないですか?
「それは及川先生の指導が良かったんだと思います。その通りにやっていったら自ずと結果もついてきたという感じだと思います」
――今指導されている及川さんも、現役時代には負けても復活するっていうのを何度かやられていたと思うので、そのノウハウを持っていると思います。それを授けられたりはしましたか?
「及川先生も初防衛戦の時はKO負けをしているらしくて、そこからもう1回立ち上がってチャンピオンになったと言っていたから、『どこまで先生の後を追っているんだろう』と思っていました(笑)。だからそういう実体験の話も『そういう時はどんどん自分から攻めた方がいい』とか気持ちの持ちようとかも、先生が体験していることだからこそ的確なアドバイスをくれたので、自分の次の試合に関してはすごい良いコンディションとメンタルで挑めています」
――記者会見から日数が経ちましたが、松本天志選手のイメージに変化はありましたか?
「変わらずですね。フライ級の選手たちとの対戦は2回目に入ってきているので、いずれかまたやるだろうなと思っていたので、初めからのイメージは全然変わらないです」

【写真】那須川龍心からベルトを取り戻すことが出来るか
――前回戦った時から数島選手も松本選手も進化をしていると思うのですが、松本選手はどういった部分が変わっていると思いますか?
「細かい所で言うと戦略とかが入ってくるんですけど、全体的にレベルが上がっていると思います。モチベーション的にもそうだし、最近の試合では倒すことが多いので技術面もそうだし。1年前に戦った時より全体のレベルが上がっていると思います」
――全体のレベルは向こうも上がっているけど、それを上回るレベルアップをしている最中ということでしょうか?
「自分もベルトを獲った後に何度か試合をして、それで前回負けたことによって得られるものってやっぱりすごく大きかったんですよね。勝って得るものより負けて得たものの方が、自分にとってはすごくプラスになる事が多いので、あの負けをプラスに使えているなと思っています」
――そうするともう“キックボクサーが泣く”ことはないですね。
「前の試合も泣いていないはずなんですけど、映像を見ると泣いているように見えたので、次からはもう泣くことはないです」
――では数島選手の決めゼリフも次の試合から復活できますね。
「最近はどっちやねんっていう声があると思うので、完全復活という事になりそうです」
――最後に決めゼリフと共に、熱い決意表明をお願いいたします。
「2025年、1発目の試合で松本選手という強い選手を当ててもらいました。また僕がフライ級の王座を取り返すにはこの試合は大事だと思うので、自分が1番楽しんで暴れてやろうと思っているので、皆さん応援をお願いいたします。“キックボクサーは泣かないぜ”」




