格闘技で人生を豊かに生きる

──ただその舞台が4年ぶりのリングということで、普通はブランクは大丈夫なのかなと思ってしまうところなんですが……。
「この4年間、サボってきたわけじゃなくてずっと動いてたんですよ。臨戦態勢というか、試合はしてないですけど、試合さながらという感じで自分のトレーニングをずっとやってきて、体重も感覚値も全然変わってなくて。だから実戦という意味では、後楽園のリングに上がった時に本当の自分の真価が分かると思うんですけどブランクの心配はないし、それは当日分かると思っています」
──その最後のリングで一番伝えたいことというのは?
「いくつになっても挑戦するっていうことの大切さを伝えたいですし、僕の中では最後の、『引退』という名のタイトルマッチだと思ってるので、自分のタイトルマッチをここで制して、自分のベルトを掲げてリングを降りたいと思ってます」
──リングを降りた後は、今やられていることをそのまま続けていく?
「そうですね。格闘技で飯を食える状態を作っていきたいし、子供たちが目指したくなる世界を作っていくには、現役がちゃんと見せていかないといけないと思ってるので、現役が終わってもちゃんとアスリートが社会に必要とされて、それなりにメシが食えるという形をちゃんと作りたいと思っています。格闘技でちゃんと生活ができて家族を養える状況を自分が作って、自分が満たされた上で、選手たちが活躍できるステージというかフェーズを作っていきたいと思ってるので、今は出張でトレーナーをやって自分で生計を立てていますけど、そういう拠点を持って、ジムで、格闘技で人生を豊かに生きるということを現実にしていきたいですね。
トレーナーもしかり、来てくれるお客さんもしかりで、『ありがとう』の数の分だけ対価がいただけると思うので、そういう形を作って、アスリートの命の価値を上げるっていうことをどんどんやっていきたいですし、格闘技もこれからまたどんどん新しいフェーズに入っていくと思うので、その中で僕も携わっていきたいなと思っています」
──そういう意味では、今は『KNOCK OUT』のフェーズもどんどん変わっていっていると思うんですが、そこはどう見てきていますか?
「まだ試行錯誤だと思うんですよね。今はREDルール、BLACKルールから始まり、UNLIMITEDを始めたりとか、今は模索しながらやってますよね。レフェリーだったり大会だったり選手だったり、新しい形を今も求めている中で、ただ生物もそうですけど、変化し続けていかないと生き残っていけないと思うので、そういう意味では『KNOCK OUT』の、変化をいとわないっていうスタイルはいいことだと思いますし、AIとかそういうバーチャルな世界がどんどん蔓延っていく中で、逆にリアルな世界っていうのがメチャクチャ盛り上がっていくフェーズに入っていくと僕は思ってるんですね。
そうなった時に新しい形を生み出せるかどうかっていうところがすごい大事だと思うので、『KNOCK OUT』がこれからどういう形に収まっていくのか、変化していくのかっていうのは、僕も一緒に関わっていきたいと思っています」
──格闘技だけじゃなく、『KNOCK OUT』にも関わっていく気持ちがすごくあるということですね。
「そうですね。もちろん山口代表が僕を必要としてくれるなら僕も何かの形で応えたいなと思ってますし、それをどんどん、形として作っていきたいですね」
──では最後に、最後のリングとなる今回の試合で、一番注目してほしいというポイントはどこでしょうか?
「試練や葛藤、乗り越えなきゃいけない苦悩を乗り越えた先に、最高の未来が待ってるっていうことを自分が体で証明したいので、それをみんなで一緒に体感してほしいと思っています」


