2025年1月18日(日本時間19日)米国カリフォルニア州イングルウッドのインテュイット・ドームにて『UFC 311: Makhachev vs. Moicano』(U-NEXT見逃し配信)が開催され、コメインの「UFC世界バンタム級選手権試合」5分5Rで、王者メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)が、18勝無敗のダゲスタンの挑戦者ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)に判定3-0(48-47×2、49-46)で勝利。試合後の会見に応じた。
そこに、ファイトショーツのままで現れたドバリシビリは、試合前に背中を傷め、さらに右足に深い裂傷を負っていたことを公表した。
今回のLA大会は、様々なチェックが厳しいことで知られるカリフォルニア州アスレチックコミッションの管轄。その事前チェックでドバリシビリは、負傷した足をみせる際に、無傷の左足を2回見せて、ピンチを乗り切ったことを、米国の『The Ariel Helwani Show』で明かしている。
ドバリシビリは、「怪我をしたのは11月の中旬だと思う。切り口が開いたままで、治るのにすごく時間がかかっていて、5週間後にやっとふさがった。心配だった。戦わせてくれないのではないかと。毎日クリームを塗ったり、マッサージをしたり、あらゆる治療をした。
僕の写真を見てもらえれば分かると思うけど、僕の足はいつもシンガードに包まれている。でも、小さな怪我や痛みを伴う部位はいつも、誰もがそこに偶発的に触れるものだ。27針だったかな。僕は2つの切り傷を負っていた。ひとつは小さかったが、下の方は深かった。階段でトレーニングをしていてぶつかったんだ。階段でスネを打った」と振り返る。
問題は、事前の身体検査だった。
「知っての通り、カリフォルニア州は非常に厳しいアスレチックコミッションがある。彼らは僕の身体のすべてをチェックし、木曜日にパンツを履いていたら、コミッションの人が『スネを見せるために足を見せてくれ』と言うので、足を上げたんだ。僕は左足のズボンを持ち上げて見せた。『もう一方も見せてくれ』と言われた。同じ足を2回見せた。だって、もしかしたらパスできるかもしれないんだから。心配だったんだ。長い間カットしていたから」(ドバリシビリ)
長きにわたり、ドバリシビリのトレーニングパートナーを務めるアルジャメイン・スターリングも同番組で、そのときのことを振り返っている
ドバリシビリが身体検査をパスした経緯を明かしたことを知り、苦笑するスターリングは、そのときのことについて「見てたよ 。いや、見てなかった。見てなかったけど、聞こえたんだ。後ろでパニックになっていたよ。彼らは足を見たら『一発で開く』と言うだろう。あれは、DCのタオルのトリックのようなものだ(※2017年4月にダニエル・コーミエーがアンソニー・ジョンソン戦前の再計量で目隠し用のタオルに両手をかけて、体重を少しでも軽くしようとしたこと)」と、ドバリシビリが検査をパスしたことは苦肉の策が奏功したとした。
実際に、ドバリシビリが階段で怪我を負ったのかどうかは不明だ。氷の池に頭から飛び込み、氷が思うように割れずに痛い思いをした動画を自ら笑い話とするドバリシビリだけに、裂傷を負った動画からは、そのいきさつが判断できない部分もある。
その経緯を問われたスターリングは、「彼や(コーチのジョン・ウッドが)何が起きたか話さなかったのなら、僕は話さないよ。(凍った池に飛び込むのと同じくらい酷いこと?)いや、そんなもんだ。それもまた違うメラブなんだ」と語るにとどめている。
UFCで連勝していたドバリシビリは、スターリングがバンタム級の王座にいるとき、同門対決を望まず、スターリングの階級転向を待っていた。
(C)Zuffa LLC/UFC
会見では、ダゲスタンレスリングの猛者であるウマル・ヌルマゴメドフとの試合を振り返るなかで、「スパーリングパートナー、特にアルジャメイン・スターリングが教えてくれたことに感謝したい。アルジャメインのレスリングはヌルマゴメドフよりもずっと優れていると思う。別次元のもので、誰も見たことがないし、アルジャメインのレスリングは僕に自信を与えてくれた」と語っている。
その練習環境は、朝倉海も通っていたラスベガスのシンジケートMMAで、そこではThe Ultimate Fighter Season 7に出場経験を持つジョン・ウッドらがコーチを務めている。
ウッドは、今回のヌルマゴメドフ戦に向かうドバリシビリのコンディションに当初は問題があったことを認めながらも、身体検査の前までに、ドバリシビリが驚異的な回復を見せていたという。
「私はそこ(身体検査の部屋)に座っていた、明らかに足に問題があった。最初に言っておくけど、このキャンプは荒っぽかったし、足はずっとひどかった。背中も悪かった。6週間のキャンプのうち、1週間はできなかったんだ。背中が痛くて、足を使ってのトレーニングが半分もできなかった。でも、クレイジーなことに、彼はスパーリングで必要なところにまで到達したんだ。(回復は)驚異的に見えた。だから、試合前に僕が『今まで見た彼の中で一番いい感じだ』って言っていたのは、決して嘘じゃなかったんだ。今まで見た中で一番暴力的だった。だから、僕たちはキャンプを乗り切ることができた」と、その過程を語る。
「ただ、明らかにカリフォルニアのコミッションは非常に厳しい。感染症は無かったが、足にはゴルフボールのようなかさぶたができている。だから本当に心配だった。ドクターの検査のとき、どうなるかわからないと思ったんだ。そう、私はじっと彼の様子を見て──彼のマジックは上手く行った」と、その瞬間を“マジック”と評した。
「でもそれは、確かにずっと怖いことだった。信じられない。だから、彼をこの試合からキャンセルさせるという考えがなかったと言ったら嘘になる。この状況でタフな相手と戦うことは考え辛い。相手は無敗でこっちはかなり短いキャンプだ。足はぐちゃぐちゃだ。全部で26針縫ったって言ってた。背中もぐちゃぐちゃだ。タイトル防衛戦に行かせるなんて、どう考えたらいいんだ?
彼がタイトルを取れるかどうかは誰にも分からない。私は彼にそのこと(試合キャンセル)を話したと思うし、ある種の投げかけを見て、それに対する彼の反応を見たんだ。正直なところ、あまりにひどい状態だった。私がキャンセルを提案したら、彼はそれに応じたかもしれない。でも、彼はとても動揺し、怒り、一日の終わりには何もかもがうまくいかなくなっていただろうね。彼はまだ元気そうに見えたけど、病気や怪我をしている。それでもまだ最低でも10ラウンド、世界最高の選手たちとハードなスパーリングをしていた。
それを彼にぶつけたのだから、コーチとしてそれを見ているとき、彼が必要なときにすべてのシリンダーをフル回転させているときに、“どうやってこの男を試合から引きずりおろそう”というようなことはなかった」と、アクシデントのなかでもドバリシビリを信じて、ともに試合に向かう決意を固めたことを明かす。
そして、最強挑戦者を迎えた、5R戦の中盤からの巻き返し。ウッドは、メラブ・ドバリシビリのファイターとしての資質を称える。
「メラブが長年にわたってやってきた、.仕事の仕方を学ぶことができた。計量が終わってあとは試合だけで、インタビューももうないとなったとき、彼の中に輝きを見ることができる。彼の目が輝いているのがわかるだろう。別人だ。心底、ファイトデイが大好きなんだ。メラブは興奮している。だから試合の日になると、スイッチが入る。そして神に誓って、私たちがそのような会話(キャンセル)をする必要がなかったことを喜んでいる。明らかに結果は出たのだから」。
ドバリシビリは試合後、その怪我について、「試合中は何も問題なかったよ。いまも問題ない」という。
試合前の会見では、MMAでUFC入りを決める前の建設業の仕事について「もしウマルのようにこの競技だけに打ち込んでいたら、違うキャリアになっていたと思いますか?」と問われ、「逆に建設の仕事をしたからこそ、違うパワーとメンタルが身についたと思ってる。8時間ぶっ通しで作業するのは普通だし、25分の試合なんて大したことない。あれで培った体力や根性が今のファイトスタイルに生きてるんだ」と答えている。
本誌のインタビューでは、「長い道のりを歩んできたんだ。2020年までの生活がどれだけ大変だったか考えると、本当にいろんな苦労があった。“格闘技を続けるべきか、それとも建設業に専念するべきか、結婚して夢を諦めるべきか”って、毎日自分に問いかけてたんだ。“もしかしたら、これは自分には向いてないのかも”と思ったり、フルタイムの仕事をしながらトレーニングするのがどれだけ大変だったか。炎天下や雪の中で働き、家に帰ってからもトレーニングを続けた。それが本当にきつかった。
でも2020年以降、たくさんのことが変わった。UFCで試合をたくさんして、いい収入を得るようになり、仕事を辞めてフルタイムのファイターになったんだ。そしてラスベガスに引っ越して、移民の書類も整って、今では祖国や他の国に自由に行けるようになった。今では市民権を得て、ショーン・オマリーのコーチを叩いても、アメリカから追放されることはない(笑)。本当に嬉しいよ。多くのことが変わって、感謝してる。まずはUFCに感謝してる。今は自分の家で眠れて、家族や友達をサポートできる。さらに、他の人々を励ますことまで出来る。俺は良いサンプルだと思う。俺にできたんだから、みんなもできる。ただ夢を追いかけて努力し続ければ、すべては可能だよ」と、夢を諦めずに人一倍の努力を重ねたことで、夢を現実のものとしたと語っていた。
今回の試合後の会見の冒頭と最後に、「戦いは僕にとって何でもない。普通の日」だと語ったドバリシビリ。
「今日は何もない。僕の生活は何も変わらない。同じ友達がいて、同じ生活をしていく。でも、僕はハングリーだし、このベルトを守りたいし、勝ち続けたいし、ベストを尽くしたい。それが僕の人生なんだ。日々、ベストを尽くすこと。トレーニングをしてファイトする」──ドバリシビリの一問一答は以下の通りだ。
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試合中にダナ・ホワイトを探していたらポジションを失いそうになった(笑)
(C)Zuffa LLC/UFC
「7日間の出場停止のみで、来週は問題なく戦える(笑)。今、僕はここに座って話している。僕にとっては普通の日なんだ。僕にとって戦いは問題じゃない。ただね、トレーニングキャンプに参加して、体重を調整する。これは大変なことだけど、金曜日の朝(計量)を過ぎたら、飲んで食べて、またいい生活が戻ってくる。そして今日もまた、いつものように普通の一日だった。
怖くはなかった。僕は無敗のウマル・ヌルマゴメドフと戦っていた。自分の戦いをするだけだった。チームメイトたち──ニューヨーク、ラスベガス、僕を助けてくれたすべてのトレーニングパートナーにありがとうと言いたい。そして、特にアルジャメイン。スターリングが教えてくれたことに感謝したい。
アルジャメインのレスリングはヌルマゴメドフよりもずっと優れていると思う。別次元のもので、誰も見たことがないし、アルジャメインのレスリングはとても良くて、彼がそこいることで信じられる」
──ウマルは試合の序盤を上手く運びましたが、あなたは通常よりも我慢強く試合を始めているように見えました。それはゲームプランだったのでしょうか、それとも予想通りの展開だったのでしょうか。
「焦ることはなかったよ。戦うためにそこにいた。さっきも言ったように、レスリングは求めていなかった。相手の顔を殴りたかったし、殴るいい機会を探していたんだ。それが、僕がやろうとしていたこと。だから時間をかけてやっていたんだ。みんなも知っての通り、5R戦の後半になればなるほど目が覚めてきて、10ラウンドもできないけど(5Rだ)。特に彼は若いしね。
彼は、僕がビデオを撮る前から、僕のことを“年寄り”呼ばわりしていたんだ。親しげに話していたんだけど、彼は僕にこう言ったんだ。『今が俺の時代なんだ、兄弟。彼を見ろよ』と。『そう、僕は君より年上かもしれないけど、経験があるんだ。ハードなトレーニングを積んできた』『何を言ってるんだ? 年寄りを追い出そうってことだよ』『若いからってどういうこと? どういう意味だ?』と。僕は彼が若いことを知っていたし、僕は彼に勝つことができると知っている。問題はなかった。だからUFCからウマルとの対戦のことを聞かれるたびに、僕は『イエス』と答えた。でも、問題はウマルがラマダン(断食月)で3月に戦えないことだった。
UFCは3月に戦える誰かを待っていたんだと思う。3月以降ということなら、ウマルを見つけることができるし、僕はアルジャメインとも一緒に練習していた。僕は足に怪我をしていて、切り傷も負ったし、感染症にもかかっていたけどね」
──あなたは試合の終盤、少し誇示し始めました。それはウマルへのメッセージだったのでしょうか、それとも観客を楽しませるためだったのでしょうか。それともただ観客に楽しんでもらおうと?
「ああ、少し楽しんだよ。僕は楽しむことが好きなんだ。ネガティブなエネルギーは好きじゃない。そうだね。時々ケンカするけど、ポジティブなことを探してるんだ。誰も憎んでない。人と会話するのも楽しかったんだ。他のフィールドの人たちと打ち解けて、みんなと笑い合ったり、会話をしたりするのはいい気分だよ。(試合中に)僕はダナ・ホワイトを探していた。僕の後方にいて振り返ったらポジションを失いそうになった(笑)。チャンピオンとして最後に言いたいことは、試合を選ぶ必要はないということだ。彼らが選んでくれる」
──でも、あなたがやってきたこと、あなたが倒してきた名前は信じられないほどです。残り少ない相手から、あなたが選ぶとしたらどんな試合ですか?
「僕はいつもそうしているように、自分の階級で最高の選手と戦いたいし、それが僕を興奮させるし、次の最高のチャレンジになるんだ。でも、僕はこの階級でみんなに勝ってきたと思うし、次の挑戦者は誰になるかな。そして、(ショーン)オマリーも何か文句を言っていたけれど、彼には本当にチャンスがあると思う。彼は何か変化を起こすかもしれない。でも、君が言ったように僕がチャンピオンだ。今、彼らが僕を呼び出さなければならないし、僕は彼が戻りたいと思ったらすぐに戻る準備ができているし、彼の決断を尊重するよ」
──この5、6試合であなたがしてきたことを上回るために、どのように次のレベルに持っていくのですか?
「試合は毎回違う。必要なら必要なものを作る。ショーン・オマリーを倒して……次も倒してやる。分からないよ。どの試合も違うし、違うチャレンジがある。でも、僕はどんなスタイルでも誰とでも戦えるってことをまた証明した。そして、僕はチャンピオンになり、たくさんのいい選手に勝った……どう答えていいのかわからないよ。つまり……わかったよ。僕は良くなっている。ロシアのジャーナリストが僕に尋ねたんだ。思い出すよ。実は、以前は建設関係の仕事をしていて、その後、そのことは忘れてしまったんだけど、当時はフルタイムのファイターという感じではなかったんだ。でも、今はフルタイムのファイターなんだ」
(※試合前の会見で「あなたは長年にわたって建設の仕事をしてましたが、もしウマルのようにこの競技だけに打ち込んでいたら、違うキャリアになっていたと思いますか?」との質問に、「逆に建設の仕事をしたからこそ、違うパワーとメンタルが身についたと思ってる。8時間ぶっ通しで作業するのは普通だし、25分の試合なんて大したことない。あれで培った体力や根性が今のファイトスタイルに生きてるんだ」と答えている」
──ウマルは「1Rに手を骨折した」と言いました。彼が公衆の面前でそう言ったことについてどう感じましたか?
「僕はトレーニングキャンプ中に背中を痛め、ベッドから起き上がれず、横になっている日もあったし、トレーニングキャンプもないし、トレーニングに役立つ試合のコピーもない。UFC PIが休みの日もあった。クリスマスもあったし、正月もあったし、週末もあった。申し訳ないけど、彼は戦っているのだから、勝つ方法を見つけなければならない。多分、僕は知らないが、彼は僕を見下した後、多くのクソみたいなことを言った。分からないよ。ファイターとして彼をリスペクトしているけど、彼に神のご加護があるのかはわからない。誰が彼の手を折ったと思う?」
──ウマルはあなたを少しぐらつかせましたか? それともパンチで怪我をさせられたでしょうか。
「感じないよ。実際に。切り傷があるのもわからない」
──最後に、ジョー・ローガンとも話したようですが、彼は「この話は止めよう」と言っていました。具体的に背中と足の怪我は何だったのですか?
「ああ、携帯を持っていないんだけど、後で写真でもアップするよ。11月に足に大きな切り傷を負って、今は治っているところなんだ。大きな切り傷を負った。治るのにすごく時間がかかった。そして、誰かに触られるたびに衝撃を受け、レスリングやキックをやっていて、とても痛くて、このトレーニングキャンプはチャレンジだった。そして、6週間前にUFCへの参戦が決まったんだ。ジムに行くこともできないし、その間にウマルがトラッシュトークをするし、“うーん”と(ストレスがたまった)なったよ
──今おっしゃったような怪我や、数日前のトレーニングキャンプではポジティブでいることが難しいと言っていました。この勝利はどのように報われたのでしょうか?
「さっきも言ったけど、いつも通りだよ。戦いは僕にとって何でもない。トレーニングキャンプに参加しなければならないけど、“今日は特別なことをした”とは感じないし、普通に過ごしている。でも、またベルトを持って自分の国に行ったときに感じることになると思う。でも今日は何もない。僕の生活は何も変わらない。同じ友達がいて、同じ生活をしています。でも、僕はハングリーだし、このベルトを守りたいし、勝ち続けたいし、ベストを尽くしたい。それが僕の人生なんだ。日々ベストを尽くすこと。トレーニングをしてファイトする」
──あなたはジョルジ・サンピエールのUFCでのテイクダウン記録を破ったと思います。その記録はどういう意味ですか?
「証明されたってことです。レスリングが上手い。人を倒せる。それはいいことだ。それはいいことだ。また記録更新だ。でも、今日はレスリングはあまりやっていなかった」
──この試合後、あなたたちが良い状態になることを望んでいると言っていましたね。僕たちは、あなたがそこでかなり短い握手をするのを見ました。彼のチームの他の選手と話す機会はありましたか?
「いや、ハビブ(ヌルマゴメドフ)のところに行って握手して、彼をとても尊敬している、と伝えたよ。MMAのためにたくさんのことをしてくれた。ウマルにも恨みはない。僕は彼との試合のオファーに『OK、戦う』と答えた。最後に誘われたときは、3月に戦うと答えたんだ。9月(オマリー戦)から、2月か3月のどちらかだと言ったら、2月の試合はオーストラリアで行われるから、そこで戦ってもらうつもりはないと言われた。そしてウマルにラマダン(20251月に戦う良い機会を与えている。敬意は払っている。でも僕は頭にきていた、本当に頭にきていた。でも、もう大丈夫だ。問題ない」
──3ラウンドのあの瞬間を説明してもらえますか? デンジャラスなウマルの動きが鈍り始めて、アンダードッグのように感じていたのに、観客を魅了した。どうやってそれを表現した?
「その瞬間のことはよく覚えていないけど、僕は試合を楽しんでいた。ウマル・ヌルマゴメドフを目の前にして、自分がタフファイトのようないいファイトをしていることを知っていたから、ちょっとでもミスをすれば突進してくるし、僕はその瞬間を楽しんでいたんだ。でも、観客と一緒に楽しんだよ」
──フェザー級チャンピオンのイリア・トプリアが「素晴らしい勝利だ」と。このまま続けていけば、いつかジョ-ジアで、UFCのビッグイベントを開催できると感じていますか?
「ええ、それが僕たちの夢です。イリアもそうしようとしている。つまり、何でもやるし、努力もするけど、今は難しいことが分かった。でも、そうだね。もちろん、やるさ。時間がかかるかもしれないけど、必ずやる。昨日だったと思うけど、イリヤから電話があり、いいアドバイスをもらった。そして今度は、僕がオーストラリアに行き、そして彼の弟のUFCデビューをサポートするつもりだ。アレクサンドル・トプリア(vs.コディ・ハドソン)。アレクサンダー・トプリアはいい選手だと思う。イリアより上とは言わないけど、僕より上だよ(笑)」
──この試合に向けたインタビューの中で、あなたは1年に4度のタイトル防衛という野心的なプランを語っていたと思います。今年はあと3回戦えそうですか?
「ぜひやりたい。挑戦するのは好きだし、ぜひやりたい。もし、僕がそれをやらなければならないのなら。問題ない。何でも言ってくれ。大丈夫。俺は大丈夫だ。ベルトを獲ってから休暇を取ろうとしたんだけど、上手く取れなかったから、大丈夫、仕事に戻るよ」
──この1週間はみんなあなたがアンダードッグであることに驚いていました。あなたはプラス200くらいだった。おそらく多くの人があなたに大金を賭けたでしょう。しかし、あなたのような経歴を持たない相手との王座防衛戦に臨むにあたって、2対1のアンダードッグだったということは、あなたの考え方にどのような影響を与えたのでしょうか?
「デビューしたときのことを思い出すよ。デビューの前夜、誰かから電話がかかってきたんだ。『メラブ、調子はどうだい? この試合に勝てるのか?』って。『もちろんさ。どんな経験をしても、精神的には変わらない。賭け率は完璧じゃない。だから勝つ』って言ったんだ。そして、彼は悪いお金をつぎ込んだ。彼は負けた、お金を失った。今でも気分が悪い。そして、お金を賭けていることを教えてくれた人たちもいて、僕は嫌な気分になった。それから、こんなことは嫌だと思うようになった。
だから、僕は気にしない。人の評価なんて気にしない。僕は自分のハードワークを信じている。僕は一生懸命働いている。毎日ジムでベストを尽くしている。上達しているし、自分のことに集中している。みんな違うことを考えているから、他の誰かに集中することはないんだ。ここ数カ月は、たくさんの人をブロックしていたよ。インスタグラムのフォロワーがゴミのようなことを言うから。でも僕は気にしない」
──UFC史上最高の入場者数を記録した。バンタム級史上最多連勝記録、最多コントロールタイム──あなたはUFC史上最も偉大なバンタム級ファイターでしょうか。
「いいや。アルジャメイン・スターリングがグレーテストだ。毎日僕を打ち負かすだけで十分だ。僕より上だ。そうだ。ドミニク・クルーズもまだ偉大な一人であることをお忘れなく」
──ウマルの戦意を喪失させ、彼を打ちのめしたように見えたこともあった。彼は答えを探していて、プランBを見つけることができなかった。特に最後のほうは、彼をただ投げ飛ばしていましたね。
「そうだね、戦いがもっと長ければもっと楽しめたのに」
──祝勝会はどんな感じになりますか。ヒンカリも?
「ヒンカリ──いい響きだ。ヒンカリを食べたければ、namo.comで僕のヒンカリを注文してくれ。今はそんなにお腹が空いていないんだけど、何か食べるよ。
最後に、皆さん、ありがとうございます。感謝しています。UFCに感謝しています。人生はいいものだ。自分の人生を愛している。毎日起きて、ジムのトレーニングに行って、トレーニングパートナーを助けて、助けられて、トレーニングパートナーのみんなに感謝している。お互いを高め合っているし、感謝している。ここでの生活はいい。そしてもうひとつ。自分を信じて日々を過ごしてください」