再起の小林(左)がONEで1勝1敗のKOKOZと再戦
2025年2月23日(日)東京・後楽園ホール『RISE 186-RISE 22th Memorial event-』の対戦カード発表記者会見が、1月21日(火)都内にて行われた。
RISE QUEENフライ級(-52kg)3分3R延長1Rで、同級1位・小林愛三(NEXT LEVEL渋谷)と同級3位KOKOZ(TRY HARD GYM)が対戦。
小林は2015年2月にプロデビューすると、2018年7月にシュートボクシングの試合で敗れるまで13戦無敗を誇った。同年12月には伊藤紗弥を判定で下し、2019年11月にはWPMF世界女子フライ級王座を奪取。2021年4月にRISE QUEENフライ級王者となった。2022年3月にはベルギーでGLORY女子スーパーバンタム級王者ティファニー・ヴァン・スーストに挑戦するもKO負け。
7月にはイ・ドギョンに圧勝するも、12月にGLORYのテッサ・デ・コムと対戦してダウンを奪われての判定負け。2023年5月、コムを挑戦者に迎えて行った初防衛戦でも判定で敗れ、王座を失った。2023年8月にMelty輝を破り再起を果たしたが2024年5月、小林愛理奈にOFGマッチで敗れた。戦績は18勝(3KO)8敗4分。
KOKOZはムエタイとももいろクローバーZを愛し、スック・ワンキントーン女子ミニフライ級とスーパーフライ級王座を制して二冠王を達成。2022年2月にはRISEで現RISE QUEENバンタム級王者の聖愛から勝利している。2024年6月の『ONE Friday Fights 67』に初出場するとOFGムエタイでサワラートに判定勝利、9月の再出場ではエミリー・チョンと激闘を展開したが判定で敗れた。12月のRISEでYAYAウィラサクレックと接戦の末に判定2-1で勝利。戦績は12勝(2KO)10敗。
両者は2020年9月に対戦し、小林が判定勝ちしている。
KOKOZは「前に愛三選手と試合して悔しい想いをしているので、もう一回再戦できて嬉しいです。やるからには絶対に勝つ」とリベンジを宣言。
小林は「RISEの22周年大会で復帰戦、再起というテーマがある中で再スタート出来ることに心から感謝しています。テッサの挑戦者にふさわしい愛三を証明して、今年中にタイトルマッチが出来るようにコンスタントに試合を重ねて実現させたいと思っています。そのために必要な1試合、大事な一戦になると思います。自分を貫いてみんなに期待してもらえる1年にしたいです」と、年内に現王者テッサ・デ・コム挑戦を目標に掲げた。
互いの印象を聞かれると、KOKOZは「やることが決まったので今まで恥ずかしくて隠していたんですが、前回の対戦で眼窩底を折られて半年間くらい練習が出来なかったんですけれど、本当にパンチが強くて全て出来るのでバランスが良いなって。やる前から分かっていたんですが実感させられた試合でした。でも、そこからの成長は自分の方がしていると実感があるから今回受けたし、絶対に勝つ気でいるので、そこは安心して見てくださいとみんなに言いたいです」と、今回は自信があるとする。
小林は「やりたいことが似ている選手という印象。やりたことをお互いどっちが出来るかがこの試合の分かれ目になってくると思います。そのやりたいことが似ている部分で、ここは自分がやりたいことを突き通す。ある方に、自分はマリオのスター状態、愛三のスタイルはいい時ってそういう状態なんだよって言ってもらって。ゲームが苦手なのでピンとこなくてが調べてみたら、こういう状態なんだと分かりやすく知れて。だから今回は、マリオは10秒くらいしか無敵状態じゃないんですけれど私は3分3R無敵状態でそれを突き通す試合をしたい」と、無敵状態の愛三で臨むと答えた。
KOKOZは直近で5勝1敗と好成績を残しており、好調の理由を聞かれると「今までずっと練習で出せるものが出せなかったんです。それがやっとちょっとずつ試合で出せるようになって、試合と練習の境がなくなってきたのが要因です。スパーリングを思いきりやるように当て始めて、今も腫れてあざがあるけれど本気でスパーリングが出来るようになってそれがよかったと思います」と明かした。
小林は9カ月ぶりの復帰戦になったことについて「自分自身と向き合える時間で、自分をたくさん知れた期間だと思います。この期間がなかったら強い覚悟を持てなかったし、人生において私はリングで魅せていきたいと思えた期間でした」とする。
伊藤隆RISE代表は、この試合の勝者がコムとのタイトルマッチに近付くと言い、「試合内容が良ければ次でもいいです。でもテッサのスケジュールが6月まで立て込んでいるので早くても8月になると思います。盛り上がれば次でもいいですし、1試合挟んでもいい。勝者に決めて欲しい。でも一番は勝つことよりも内容だと分かってほしい」と、試合内容次第では次期挑戦者の資格を与えるという。
KOKOZは「RISEのベルトは絶対に今年獲ると決めていて、オファーは絶対に断らない、チャンスをつかむのは2週間前のオファーでも受ける人じゃないとつかめない。相手が愛三選手と分かって怖かったけれど、絶対に勝てるってところまで練習で持っていける。このチャンスをつかまないとタイトルを獲れない。ここで勝ってタイトルマッチをやるべき人だとみんなに認めてもらえるような試合をしたいと思っています」と、小林を倒してコムに挑戦し、タイトルを奪うと宣言。
これを聞いた小林は「こんな感じですけれど私は凄いメラメラしているし、心の中のものを2月23日に出したいと思っているので、そこは楽しみにして欲しいですし、言い切りたいんですけれど52kgは私が必ず引っ張って行きます。それにふさわしいような試合を必ずしたいと思っているので、そこを楽しみにして欲しい」と、自分がこの階級を引っ張っていくと負けじと宣言した。
12月に行われたテッサと小林愛理奈のタイトルマッチの感想を聞かれると、KOKOZは「5Rの使い方が凄く上手い。もらっても効いてないような感じとか身体の強さが日本人より絶対にあると感じました。自分と戦うとなったら愛三選手よりテッサ選手の方が相性はいいのかなと思っています。似た者同士って難しいところがあって、そこの方が勝つのは難しいと思っているので。そこを乗り越えたらテッサ選手にも勝てると思っています」と話す。
小林は「凄く刺激的な一戦でした。テッサ選手はフルで戦う戦い方、私と戦った時と愛理奈選手との試合では作戦が全部違いました。そういう組み立て方が強みだと感じました。自分も圧をかけて戦っていきたいタイプなので、そうやって戦っていたんですけれど、力強い愛理奈選手のパンチをもらってもいなせる力、それを組み立てる作戦が凄いと思って。ただ、テッサ選手を超えられるのは自分だと思っています。蹴り合いも出来るし、パワーを流せるような、パワーにパワーで勝つのではなくパワーを受け流しながら自分のペースに持っていくことが出来るのは自分の強みだと思っているので、そこは突き詰めていきたいです」と感想を語り、「あとはさっき言ったマリオのスーパー状態が出来れば、自分は唯一無二になっていくと思います」とコムとの再戦に自信を見せていた。