(C)Daiki Watanabe/GONG KAKUTOGI/Zuffa LLC/UFC
2025年1月18日(日本時間19日8時~)米国カリフォルニア州イングルウッドのインテュイット・ドームで開催の『UFC 311: Makhachev vs. Moicano』(U-NEXT配信)のライトヘビー級戦で、同級3位のジャマール・ヒルと対戦する、2位のイジー・プロハースカが、大一番を前に頭を剃った理由を明かした。
▼ライトヘビー級 5分3R
イジー・プロハースカ(チェコ)30勝5敗(UFC4勝2敗)
ジャマール・ヒル(米国)12勝2敗(UFC6勝2敗
UFCやイジー・プロハースカのファンで、9月に子宮頸がんと診断されたアシュリー・マクガリティさんが、闘病のために化学療法で髪を失ったことを知ったプロハースカは、結束を示すために自身も丸坊主に髪を剃ったという。
会見で、「すべてのがん患者の人に、自分なりの結束を示そうと思った。良いエネルギーを送ることが大事だと思って」と説明し、さらにインスタグラムのフォロワーが100万人になったことで、100万コルナ(約630万円)を自身の基金からがん患者に寄付すると宣言した。
「格闘技は誰かに何かを返すことが出来る。そして良いエネルギーを送れる。それが大事」と語ったプロハースカ。
9月に子宮頸がんと診断されたアシュリー・マクガリティさん。化学療法で髪を失った彼女は大好きなUFCファイターのように髪をカットしたそうです。がんを克服する彼女の闘いに結束を示そうと、イジー・プロハースカ @Jiri_bjp は #UFC311 の大一番を前に頭を剃ったと明かしました。 pic.twitter.com/MFP23y5FCr
— UFC Japan (@ufc_jp) January 17, 2025
会見場でその言葉を聞いたダナ・ホワイト代表は、「何万ドル寄付するんだ? 5万ドル? 私も同じ額を寄付する。合わせて10万ドル(約1550万円)だ」と呼応。ファンから大きな拍手が送られた。
本誌では、日本で武道修行も行ったプロハースカに、会見前にインタビューした。
マスタツ・オオヤマの「極真」は「最後の真実」を意味する。私も最後に勝利するために、日本で学んだ
──メキシコではどのようなトレーニングをしましたか?
「メインはボクシングですが、UFC PIにいたので基本的にすべての事をやりました」
──その前は、日本で武道に触れていましたね。伝統派空手とフルコンタクト空手と異なるスタイルの空手を、どうやってご自身に落とし込みましたか?
「日本では様々なものを見て、エネルギーを吸収し、真の空手のグランドマスターたちから学びたいと思いました。そこでまず沖縄で伝統的な空手を学び、次に鹿児島に行ってよりハードな極真空手スタイルの練習をし、その後東京でMMAの選手たちとMMAの練習を行ったんです。
そもそも自分は空手は17歳から始めていて、その後タイボクシングをやりました。その時もとても違いのある二つのものでしたが、とてもシンプルに考えました。動作やタイミング、身体を動かす技術の原理、それらの使い方を学んだんです。極真空手では組み手もしましたが、黒帯の方から型を学ぶ機会もありました」
──型はMMAでも役に立ちそうですか。
「はい、MMAの中では、特にテクニックを向上するために、また身体をコントロールするためにすごく役に立っていると思います。そして私は日本ではマスタツ・オオヤマ(大山倍達)のお墓参りもできました。キョクシンという言葉は『最後の真実』を意味すると聞きました。私も最後に勝利する、立っているために、日本で学んだのです」
──あなたも日本で練習した、極真空手王者からMMAに転じた上田幹雄選手の「ゼロ距離」のヒザ蹴りKOはご覧になりましたか。そして極真空手ならではの近距離での打撃は、今回のジャマール・ヒルとの試合でどのように生きると考えていますか。
「まだ試合を見れていないのですが、見たいと思っています。そして、いい質問ですね……今回の試合に向けて、日本で近距離でどう戦うかの基礎が身に着いたと思います。そこで正しいスペースやタイミングを見つけ攻撃を仕掛けるという事。日本でのキャンプのあと、チェコに戻って遠い間合いで戦うトレーニングもして、それらを融合させて、自分のスタイルを向上させるという事を学べたと思います」
──4連勝してアレックス・ペレイラに挑戦したジャマールについてどう捉えていますか?
「彼はとてもいいファイターだし。どんなにタフな状況でもリラックスして戦い攻撃をするという事を知っている。ただこれは私の戦いでもあるので、この試合については厳しい局面でいかに自分をコントロールする事にフォーカスできるか、そして先に攻撃を仕掛けて仕留められるかという事になるだろうと考えています」
──ジャマールは、あなたと同様にスイッチスタンスで圧力をかけて戦うことを好みます。あの前手の右手が利き手の可能性もありますが、彼のスタイルについてどう感じていますか。
「相手がどちらのスタンスであっても準備はしています。どちらのスタンスになるかという予測をする事は止めたんです。どのような状況でもその状況を受け入れ、乗り越える事が大事で。自分の前にあるものを受け入れる。それが自分のアドバンテージになるから。状況に変化があった時に自分も変化させ、そして自分をアップグレードさせる。だからこそ自分のスタイルというものは確立されていません。相手がどれだけ強い選手であっても自分はアジャストして、隙を見つけて相手をキャッチするのみ。
それが格闘技なんだと思う。ひとつの事にとらわれず、どのような状況にもアジャストできる自分である必要があると考えます」
──今回の試合はどのような試合になりますか?
「想定か……全てを想定する。ただベストは1ラウンドでノックアウトすることです。
──ペレイラとの3度目の試合を求めていますか?
「求めているのではありません、そこにたどり着きます」
──日本のファンや日本の仲間にメッセージを。
「日本のファンやRIZINのファンへ。いつも共にいてくれてありがとう。前回日本へいったとき、沖縄、九州、東京……色んな所へ行きました。素晴らしかったです。どこも本当にパワフルで。本当に感謝をしています。そしてあなた達の国にも繋がってていることに感謝をしています。この土曜日(日本時間日曜)、ベストなパフォーマンスをお見せできると信じています。そして皆さんの為に勝ちます!」