「ラストチャンス」に全てを懸けて臨む鈴木
2025年2月9日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館『K-1 WORLD MAX 2025』の対戦カード第一弾発表会見が、12月25日(水)都内にて行われた。
K-1 WORLD GPスーパー・ライト級タイトルマッチとして王者ヨードクンポン・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックスジム)vs.挑戦者・鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)が決定。
ヨードクンポンはルンピニー、ラジャダムナンの2大スタジアムで活躍後、2014年からGLORYを主戦場にしてTOPKING WORLDSERIES 2018 -70kgトーナメントで優勝。2023年はタイで開催されたRWSの8名参加のウェルター級王座決定リーグ戦に出場し、ファイナルまで勝ち進んでいる。2024年9月の「第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント」に初来日すると1回戦と準決勝を左フックでKO勝ち、決勝で稲垣柊を判定に破り王座に就いた。戦績は102勝(28KO)38敗1分。身長176cm。29歳。オーソドックス。
鈴木は2016年12月にKrushでプロデビューすると、サウスポースタイルから繰り出す左ミドル&左ストレートを武器に頭角を現し、2019年1月にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。しかし2020年2月に佐々木大蔵にタイトルを奪われた。2023年7月のデンサヤーム戦から4連勝を飾ったが、2024年9月の「第7代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王座決定トーナメント」1回戦でイオヌット・ポパに出血によるレフェリーストップで敗れた。戦績は17勝(10KO)9敗1分。
会見に出席した鈴木は「率直にチャンスをもらえて嬉しく思います。前回は不甲斐ない結果に終わってしまいました。この試合にかけていたので、負けるようなことがあれば引退しようかなと思っていたんですけど、血が凄く出て負けてしまい腑に落ちないという感じでいた。そんなところにチャンスをいただけて、もう一発頑張ろう、と。自分がチャンピオンになろうと思っています」と、トーナメントが不完全燃焼に終わっていたため、巡ってきたチャンスにやる気を見せる。
ヨードクンポンについては「強いなと思いました。この試合が決まってから、よく研究していますけど、うまい選手だなと。パンチも強いですし、蹴りもうまい。ハートもあって、過去一番くらいの強さですね。今まで通りにやっていたら勝てないと思っています。そのために、初めて相手の研究とかをしています。毎日、トレーナーと試合映像を見ています」と、過去最強の相手と認識してこれまでやっていなかった対戦相手の研究に取り組んでいるという。
vs.タイ人の戦績は1勝1敗。その経験は今回の試合にどう影響するかと聞かれると「デンサヤーム戦はサウスポーだったりとか、早いラウンドで倒しているので参考にならないと思います。パコーン戦は、タイ人の独特のリズムがあって、知らない間にそのペース引き込まれている感じでした。うまさなのかなと。あれに付き合ったら勝てないと思うので、自分の強さを出すことが一番だと思っています」と、パコーン戦の反省を活かしたいとする。
「強い選手ですけど、自分と向き合った時に同じ戦い方ができるかとなると話は変わってくる。自分の戦いができれば、全局面で上回れると思っています。スタート地点で、すべてが上回っていれば全局面で勝てる。パンチ、蹴り、打ち合いだろうが、すべて上回ることをイメージしています。うまく戦おうというよりも、全局面で上回るイメージです」と、全局面で上回るつもりだという。
前回の試合は進退を懸けていたが今回はどうか、との問いには「進退を懸けてやります。ラストチャンスだと思っているので、ここで勝たないと上に行けないと思っています。ここで全て出し尽くすくらいの覚悟でいます」と全てを懸けて臨むとした。
その後の展開については「ベルトを巻いたら突っ走るだけ。100か0。負けたら、自分は違ったかなと。勝てば違ってくる。今までは一選手だったけど、チャンピオンになったらK-1の顔になる。どういう方向に進みたいか考えています。可能性を感じています」と、すでに思い描いている未来はあると答えた。