2025年1月26日(日)東京・後楽園ホール『Krush.170』の記者会見が、12月23日(月)都内にて行われた。
ウェルター級3分3R延長1Rで対戦する、山際和希(谷山ジム)と“DARUMA”健太(K-1ジム蒲田チームアスラ) が出席。
宮田充Krushプロデューサーは「ウェルター級は動きが止まっているが、いいカードが組めたので意気込みを語ってもらう。山際選手はビッグバンに出場していてKrushでの試合機会が少ないんですが、今回発表したら大変な反響があった。一部のファンからのカルト的人気がある。これからはビッグバンと交互に年10回くらい試合をしてもらいたい」と、山際の出場に反響があったとした。
対する健太は「2025年一発目のKrush、相手は元王者。チャンスだと思っています。そのチャンスをつかんで、こういう試合で勝つ人間が上に上がっていく選手なのでしっかり会場を盛り上げてKOします」と意気込む。
山際は「久しぶりに帰ってこれて嬉しく思います。一般的にベテランvs.若手の有望な選手という図式ですが、いま谷山ジムは会長が凄くいいトレーナーを呼んでくれて、去年引退しようかなと思っていたんですが、いい環境でやらせてもらって、まだまだ頑張ろうと思えたのでベテランでもフレッシュな気持ちでスタートして戦いたいと思います」と、約3年ぶりのKrush出場に張り切る。
なぜ引退を考えたのかとの質問に、山際は「元々18歳から始めて30くらいまでかなと思っていたんですよ。キリがいいので30と思っていただけなんですけれど。それで20代後半から勝ちが増えてきて、30になった時にもう少し出来るかなと次のラインを35にして。これもキリがいいことが決め手だったんですけれど。あと経営者になりたい夢もあるので、その区切りが35がちょうどいいのかなっていうのがあったんですけれど、35になってみたら意外と動けるのとやる気があり(笑)。谷山会長のおかげですね。ビックリするくらいいい環境でやらせていただいて。試合と同じサイズのリングが出来たり、凄いトレーナーが一気に来たり。日本で一番いい環境でやらせていただいているので、こんな恵まれた環境で今辞めるのはもったいないと思って現役続行を決めました」と説明。
互いの印象を聞かれると、健太は「山際選手はベテランで戦績も次が70戦目。経験してきてどの場面でも経験があるんですけれど、ポイントアウトするのが上手い印象。そういう試合をKrushでさせないぞと。仕留めるぞと思っています」、山際は「手足が長くて好戦的な選手。私のジムの選手とも試合をしていて私の後輩の打たれ強い選手が凄く効いたと言っていたので、見た目以上のパンチもあるし、攻撃力があるので気を付けて戦いたい。Krushのリングなので攻める試合をしたいですね」とそれぞれ答えた。
健太は“DARUMA”のリングネームについて聞かれると「リングネームに入れたいというのがあって、ダルマは七転び八起きで縁起のいいものであるので、試合で倒れても立ち上がる、という意味もあったりして、今は音も気に入っていて、ぜひダルマって呼んでほしいです」と説明。
山際戦には「ウェルター級の注目度が薄い中で、中心になる選手が必要だと思っていて。その存在に自分がなっていくというストーリーを描きたい」と、元王者を破って自分がウェルター級の中心選手になりたいとの野望を抱いて臨むと宣言。
山際は「そんなに昔から運動神経もよくないけれど根気だけはあって立ち上がってきました。ベルトも2本獲れたし、最近は勝ててないけれど、それでも自分の思い通りには動けていて弱くなったわけではない。しっかりここでも立ち上がって、最後はK-1のベルトを獲りたい」と、自分も七転び八起きでダルマのような格闘技人生を歩んできたとする。
健太から「ポイントアウトをする選手」と評されたことをどう思うかと聞かれると「まさにその通りなんですけれど」と認めるも、「自分で言うのもなんですが、意外とパンチはあるので。威力はありまして。そんなに出さないだけで(笑)」ととぼけたコメント。宮田Pから「今回はそれがビッグバンするってことですね」と聞かれると「ビッグバンでもそんなにビッグバンしてないんですけれど」と答えて笑いを巻き起こす。
新しいトレーナーとは「それぞれのいいところを吸収しているところです。辰吉丈一郎選手と戦ったボクシングの世界2階級制覇のシリモンコンさんからはパンチの打ち方、フェイント、スーパーボンの弟分のクンスックはヒザ蹴りとミドルが上手で新しい打ち方や当て方を学びました。スーパーボールはパンチもキックもどっちも出来る。全員のいいところを吸収しています」という。
2025年はどんな年にしたいかとの問いには、健太は「自分がウェルター級の中心になっていって盛り上げる。2025年は自分が中心になって突き進んでいきたい」と勇ましい。山際は「18年やってきたけれど、完成した形をお見せしたい」とそろそろ集大成を見せたいと答えた。
そして、健太は「来年一発目のKrushには同じジムの“KONG”光生も出るので、ダルマとコングが会場を盛り上げます」、山際は「しっかり攻める試合をして新しい自分を見せていきたい」とそれぞれ語った。
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白幡裕星と対戦する林佑哉「最後はKO」
バンタム級3分3R延長1Rでは、白幡裕星(K-1ジム総本部チームペガサス)vs.林佑哉(K-1ジム大宮チームレオン)が決定。
白幡は会見を欠席、林のみが意気込みを語った。
「来年一発目の試合でいい勝ち方をして、タイトルにまた絡んでいけたらいいなと思っています」
白幡の印象は「僕が他団体にいる時から上手いなって意識はしていた。Krushに出場することになって上手い選手という意識はあったので。あとは戦績も多いのでそういうところで引き出しも多いと思います。スタイルとして僕とは対照的なテクニシャン。ポイントアウトする選手」と評する。
そういう選手を捕まえてKOする自信はと聞かれると「もちろんあります。でもベテランの選手だと思うので、そこは気を付けながら自分のスタイル貫いて最後はKOで倒そうと思います」とKO宣言。
昨年に行われた「第9代Krushバンタム級王座決定トーナメント」では、準決勝で優勝して王座に就いた黒川瑛斗に林がKOで敗れ、決勝はその黒川と白幡が争っている。しかし「立ち位置的に言えば差はないと思います」という。
2025年は「ひと言で言えば輝ける年にしたい。具体的に言えば、もっと表に出ていきたいと思います。知名度とかがまだまだなので、2025年は表に出ていきたいですね。強さとして魅力のある選手、ボクシングで言えば井上尚弥選手のような、強さだけで知名度も獲っていってると思うのでそういう選手になりたいと思います」と意気込んだ。
この試合は次期挑戦者決定戦の意味合いもあるが、宮田Pは「バンタム級は他にもいるし、勝ちっぷりですね。いい試合しました、頑張りました、僕勝ちましたでは切符が売れないですから。気迫ある試合を見せて欲しい。黒川が逃げるくらいの勝負を見せて欲しいです」と、両者に発破をかけた。
〇白幡裕星のコメント「今回、林選手との試合が決まって、林選手とは何度かスパーリング等もした事がありますが林選手は試合や本番に強さを発揮する選手だと感じています。試合当日どういう戦いになるかすごくワクワクしてます。また、今回のこのカードは事実上の挑戦者決定戦なのではないかなと思っています。
黒川選手の初防衛戦の相手になるのがこのカードの勝者だと思っています。彼がいつ防衛戦をやるか次期はわかりませんが、必ずまた自分が挑戦者として挑みたいと思っています。
前回の敗因は自分のコンディション不足 好きでやっている格闘技を嫌いになるくらいまで追い込んでしまった。そこまでして自分を追い詰めてしまったのが敗因かなと思っています。試合当日にベストコンディションを持っていくためのファイトキャンプなのですが、通常からやりすぎて試合前に体が壊れるまでやってしまったのが敗因です。
今回は自分を追い詰めすぎず純粋に格闘技を楽しみながら試合を迎えたいと思います。トップアスリートやトップファイターは自分で体を休めることができます。自分にはそれができてなかったと思いますし、あの日勝てなかった理由はそこだけだと思っています。今年はコンスタントに試合をしてベルトを取り返します。
先ずは1発目この試合で少しでも変わった所をお見せできるように必ず勝ちたいと思います」