キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】ボクサーからキックボクサーへ、中島玲「最後の相手が僕というのは、すごく光栄に思いますし、しっかり引導を渡してあげようという気持ち」

2024/12/17 21:12
【KNOCK OUT】ボクサーからキックボクサーへ、中島玲「最後の相手が僕というのは、すごく光栄に思いますし、しっかり引導を渡してあげようという気持ち」

プロボクサーからキックボクサーに転向し、4戦目で王座決定戦に臨む中島(C)KNOCK OUT

 2024年12月30日(月)神奈川・横浜武道館『K.O CLIMAX 2024』(U-NEXT配信)のメインイベントにて、KNOCK OUT-BLACKウェルター級王座決定トーナメント決勝戦3分3R延長1Rで渡部太基(TEAM TEPPEN)と対戦する中島玲(フリー)のインタビューが主催者を通じて届いた。

 中島は2019年にボクシングでプロデビュー。2020年10月にプロ4戦目にして前OPBF東洋太平洋ミドル級王者・細川チャーリー忍を判定に破る大金星をあげて注目を浴びる。2023年4月には日本スーパーウェルター級暫定王者決定戦でTKO勝ち。2024年1月9日にボクシングで最後の試合を行い、6勝(1KO)2敗の戦績を残してキックボクシングに転向した。3月20日の『K-1 WORLD MAX』でヴィクトル・アキモフにKO負けも、6月のKNOCK OUT初参戦でKNOCK OUT-REDスーパーライト級王者・バズーカ巧樹をTKOに破った。10月の1回戦では漁鬼とダウン応酬の熱闘を繰り広げ判定勝ち。

僕が一方的に殴る感じにしたい


──改めて、10月大会の準決勝、漁鬼戦はものすごい試合でした。今振り返ると?

「やっぱりお客さんが喜んでくれることがプロとして一番何よりなので、そこはよかったなと思います。ただ、自分の出来としては30%ぐらいですね」

──先制のダウンを奪われました。「まさか」という感じだったかと思いますが。

「パンチの重さは警戒してたんですけど、ローキックでその時に目が下に向いていた時に、キレイにストレートを入れられた感じですね。でも、それで火がついたというか、すごく興奮したので、もらってよかったということはないんですけど、あのタイミングでもらっといてよかったんちゃうかなと思います」

──あのダウンによって、やることも変わりましたよね?

「ポイントを取られちゃったので、行くしかなかったですね。倒しに行くしかないという切り替えに火がついたというか。最初はカウンター待ちで考えてたんですけど、あのダウンで自分から行くという方に切り替えました」

──その後、ダウンは取り返しましたが、漁鬼選手はメチャクチャ粘り強かったですよね。

「メッチャ打たれ強くて(笑)。ボディを打ってた時は『倒れへんかな』と思ってたんですけど、一回ダウンを取られてたので、『とりあえず勝たないと』という気持ちが強くなったんですよ。だから、倒し切れなかったのが悔しいのは確かなんですけど、勝ててホッとしたというのもありましたね」

──手応えのあるパンチ、「これなら倒れるだろう」というパンチで相手が倒れない時って、気持ちへの影響が大きいのでは?

「そういう動揺はなかったかもしれないですね。ホントに『行くしかない』と思ってたので。倒れないならもっと打つしかないと」

──これまでに、ああいう逆転勝ちというのはどれぐらい経験がありましたか?

「ボクシング時代も含めて、ないですね。逆転勝ちは初めてでした。勝った試合でダウンをもらったこと自体も少ないので。だから逆転勝ちできたというところに、自分の成長を感じられました」

──同じ日の準決勝もう1試合は、直後だったので会場では見られなかったと思いますが。

「そうですね。生ではほとんど見られなかったですけど、控室にいても会場の声援がすごく聞こえてきてたので、『1Rからメッチャ激しくて、すごい試合をしてるんだな』とは思いました」

──実際の映像はその晩に?

「はい、あとからU-NEXTでちゃんと見させてもらって、『メッチャ面白い試合をするな』と思いましたね(笑)。渡部選手が倒して勝ったところを見て、『これはメッチャ面白い試合ができるな』と感じました」

──そもそも渡部選手のことはいつから知ってましたか?

「大学生の時に、ボクシング部の子らとK-1を見てて、何かのトーナメントに渡部選手が出てたのを覚えてます。その時に『すごい試合するな』と思ってたので、まさかその選手と試合できることになるとはと思うと、感慨深いものがありますね。試合の印象が強かったので、よく覚えていて」

──渡部選手はそれだけキャリアも長いわけですが、そこについては?

「まあでも、プロキックボクサーはすごいと思うんですけど、僕も小っちゃい時から、プロではないですけど格闘技はやってきたので、キャリアの差とかは関係ないかなと思います」

──では、実際の試合ではどう戦いたいですか?

「渡部選手はずーっと前に出てくるので、意識を断つしかないと思ってますね。ハッキリ自分が勝ったと思ってもらえるように、倒して勝ちたいです」

──そう思わされる相手って、イヤなものですか?

「いや、僕は燃えますね(笑)。どうやってでも倒したろうって感じで」

──それはパンチで?

「会見で渡部選手から『パンチで倒したい』って言われたので、パンチで倒したろうと思ってるんですけど、蹴りも見せられたらいいなとは思ってます」

──ここまでキック3戦での、蹴りの出来というのはどうですか?

「昔の、空手とキックボクシングをやっていた時の蹴りの感覚はだいぶ戻ってきたなとは思ってるので、けっこう自信はありますね。キックボクサーとして渡部選手に勝ちたいと思っています」

──殴り合い上等、な感じですか?

「殴り合いで当たった者勝ちみたいな展開にはしたくないですね。相手の動きを見抜いた上で、スコーン!と当てるみたいな感じで、キレイに倒したいです」

──殴り合いには持ち込ませないと。ただ、殴り合いになった方がお客さんは盛り上がると思うんですが、そこはもう関係ない?

「殴り合いになったとしても、その中で僕が一方的に殴る感じにしたいです」

──この試合にはあと2つの側面があって、まず渡部選手にとっては現役ラストマッチということになっています。そこについては?

「渡部選手の最後の相手が僕というのは、すごく光栄に思いますし、しっかり引導を渡してあげようという気持ちですね」

──もう一つは、年末最後のビッグマッチでいろんなカードがある中で、メインに決まりました。そこについてはいかがですか?

「そう聞いた時はより気合いが入って、『任してくれ』と思いましたね。メインだからこそ、しっかりKOで勝たないといけないと、改めて思いました」

──ここで勝てばチャンピオンということになって、以前から言っていた、『KNOCK OUT』を引っ張るという立場に大きく近づけると思います。

「ホントに、自分は運があるなと思いましたね。あとはそれを掴むだけなので」

──メインになった要因としては、準決勝2試合の盛り上がりが大きかったと思います。

「そうですね。僕もそうですし、渡部選手もすごい試合をしてくれたことが重なって、メインを任せようと思ってもらえたということなので、その意味をしっかり背負って倒します」

──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

「自分が『ボクサー』から『キックボクサー』になったというところを見てもらいたいです。それが分かるような試合をします」

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