2024年12月21日(土)千葉・幕張メッセイベントホール『ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2024 FINAL』にて行われる「GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRANDPRIX」に出場する、ミゲール・トリンダーデ(ポルトガル)のインタビューが主催者を通じて届いた。
トリンダーデはWAKO欧州スーパーライト級王者、ISKA欧州同級王者、MFC-65kg級世界王者のタイトル歴を持ち、戦績は58勝(24KO)7敗。2023年9月に『ONE Friday Fights』に出場すると来日経験のあるシップムーン・シェフブンタンを初回KO。12月のGLORYではベルジャン・ペポシに判定で敗れたが、GLORY推薦選手として2014年3月のRISEに初来日を果たすと、チャド・コリンズを左ハイキックで初回KOする大番狂わせを演じた。7月にGLORY世界フェザー級1位のエイブラハム・ヴィダレスを破り、1位にランキングされた。パンチに偏らず蹴りも強い。戦績は59勝(25KO)7敗。
原口戦は「自分の強みが出るような試合を見せられる」
――今回このトーナメントへの出場が決まりましたが、今の気持ちはいかがですか?
「今回呼ばれてとても嬉しく思いました。色んな選手がいて全員強いので、日本で皆さんと戦えるのが楽しみです」
――このインタビューで改めて、今年3月のチャド・コリンズ戦の勝因をお聞きしたいのですが、あの試合の最大の勝因は何だと思いますか?
「僕とコーチで試合の計画を立てて、過去の試合とかも見ている中でチャドがミスしそうな弱点を見つけたので、それが勝つ鍵となりました」
――今回もトーナメントの初戦で戦う原口選手を含め、トレーナー陣と一緒に対戦相手の弱点を探している最中でしょうか?
「もちろん原口選手の試合映像とかを見て動きが凄くいいですよね。ただ自分の強みが出るような試合を見せられると思います」
――原口選手は空手出身のキックボクサーですが、その辺りは意識されますか?
「原口選手が元々空手出身だという事は知っているのですがあまり重要視せずに、どの競技でもボクシングにせよ空手にせよキックボクシングにせよ、対応できるような練習をしています」
――得意の左ボディフックは原口選手にもクリーンヒットしそうな気配はありますか?
「特に左ボディのクリーンヒットは気にせず、パンチでもキックでもフィジカル的に色々動いてどの選手にも挑めるような練習をしています」
――プロとしては初の1dayトーナメントの出場になるかと思いますが、この試合形式に関してはどのように考えていますか?
「1日に3戦するので、それを踏まえて1戦1戦の試合を大事にして、尚且つ後半にも体力が残るように準備をしています」
――このトーナメント戦のために、フィジカルやスタミナを重視するようなトレーニングを積んでいるのでしょうか?
「3戦なので3倍の体力が必要になるので、それに向けてのトレーニングをしています」
――アマチュアでのキャリアも長いと聞いたことがありますが、アマチュアでは1日に何試合くらい戦ったことがありますか?
「1日に何試合もする経験をしたことがなくて、1週間で何試合をするという経験はあるのですが、今回みたいな大会(1DAYトーナメント)は初めてです」
――勝ち上がって次の試合に挑む時の心境をイメージする事はできますか?
「イメージは特にしないです。1試合1試合を大切に戦いたいので、目の前の試合に集中して、勝てばその次に集中してという感じで臨みます」
――勝ち上がると、チャドvs.ヴィダレスの勝者と戦うことになりますが、どちらが勝ち上がってくると予想しますか?
「ヴィダレスはとても強い選手ですが、チャドの方がテクニックは上だと思っているので、チャドが勝つのではないかと思います」
――ではそのチャド選手と自分が戦ったら、どんな試合になると予想されますか?
「全力で戦うだけなので、特に考えていないです」
――反対のブロックからは誰が決勝まで勝ち上がってくると予想しますか?
「僕はペッチとペポシだと思うんですけど、ペッチの方が経験豊富なので、最終的にはペッチが勝ち上がると予想しています」
――ペポシ選手に1度負けているので、ペポシ選手へのリベンジマッチも行いたいと思うのですが、それよりもペッチ選手が勝ち上がってくる可能性が高いと予想される訳ですね。
「ペポシと試合はしたいですけど、最終的にはペッチが勝ち上がってくると予想します」
――ちなみに優勝賞金10万ドルの使い道は既に決めてありますか?
「第一にお金を貯めようと思うのですが、もし賞金を獲得したら休暇を取って、その後に試合などの必要経費に使いたいです」
――ミゲール選手は今もポルトガルのリスボンに住んでいるんですか?
「前はポルトガルに住んでいたけど、今はスペインに住んでいます。スペインに移った理由としてはキックボクシングに専念するために移りました」
――スペインに移り住んだのは何歳頃のことだったんですか?
「2年前にスペインのポンフェラーダというところに移り住みました」
――そこにジムがあったから移り住んだのでしょうか。
「ジムがあったので移りました。そこには良いコーチと選手がいるので、自分の可能性を高めるために移りました」
――キックボクシングは、いつどこで始めたのでしょうか?
「11歳から始めました。父親から「キックボクシングをやれ」と言われて始めたのがきっかけでした。最初は戦うことやスポーツに興味はなかったのですが、父親がきっかけで始めることができて、今は夢中になっています」
――お父さんも格闘技などをやられていた方なんですか?
「父は特に選手とかではなかったのですが、元々住んでいた地域の治安が悪かったんです。それで父が『自己防衛ができるようにしろ』と言って、変なことに巻き込まれないために始めたのがきっかけでした」
――その治安が悪かったのは、ポルトガルのリスボンだったんですか?
「はい、そうです。その中のシントラという町でそういう事がありました」
――ミゲール選手のご両親のルーツはどこになるのでしょうか?
「父はアフリカのモザンピーク出身で、ポルトガルに移住してきました。私はポルトガルに生まれました」
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何が起こるかわからない試合
――ミゲール選手のプロフィールを見ると、14,15歳くらいからアマチュアのムエタイで世界選手権に出場して活躍されていましいたけど、いつぐらいから自分にはキックボクシングの才能があるという風に自覚しましたか?
「2023年までムエタイをやっていて、子供の頃からの夢だったGLORYに出場するようになってからキックボクシングにスタイルを変えて、この道に進んできました」
――ムエタイとキックボクシングのシフトチェンジは上手くできましたか?
「もちろん適応するのは早かったです。小さい頃からキックボクシングとムエタイを両方やっていたので、シフトチェンジするのも慣れだけでした」
――アマチュア時代にはIFMAやWAKOなどの国際大会にいくつも出場されていましたが、1番の思い出は何でしたか?
「僕にとって唯一大切なのがGLORYのタイトルです。そのタイトルがないと他のタイトルも意味がないかなと思っています。でもタイファイトで25連続KOで勝っていたPTTに勝利したのは良い思い出です。今までもヨーロッパで開催したWAKOとかの試合でも勝ってはいたけど、1番最近の戦いの方が重要だと思っています。それまでは小さい積み重ねのための試合だったかなと思います」
――ミゲール選手はGLORYやアジアのONE ChampionshipやRISEにも出場していますが、今の世界のキックボクシングについてどのように感じていますか? やはりGLORYが自分にとっては1番だと思いますか?
「GLORYが1番大きいプロモーターでレベルが高いと思います。選手みんなに対しての対応も良いし求めるレベルが高いので、今の所GLORYが1番だと思っています」
――調べると今までにミゲール選手はドバイ、メキシコ、イタリア、タイ、日本、カンボジアなど色んな国で試合をしていますが、1番思い出深い国はどこでしたか?
「1番は日本ですね。日本へ来た時に選手をとても大切にされていて人気が有るんだなという印象がありました。逆にオランダで戦った時はそこまででもなく、次にまた行きたいという印象はなかったです。ポルトガルもあまり格闘技の文化がないので、自分が活躍することによってキックボクシングなり格闘技が広められたらなと感じました。また日本に行きたいという気持ちがあったので、今回呼ばれてすごく嬉しいです」
――今回2度目の来日になりますが、日本に来てトーナメント以外で何か絶対やりたい事や食べたいものはありますか?
「和牛が好きなので和牛が食べたいです。特に1番食べたいのは寿司で、前回日本に来たときは美味しい寿司を食べる機会がなかったので、今回来たら美味しい寿司を食べたいです。日本の料理はすごく美味しいので、どの料理も楽しみです」
――今所属しているMamba Fight Clubというジムは、どんなジムでプロは何人くらい所属しているジムなんでしょうか?
「どんなトレーニングもできる大きいジムです。10人くらいプロの選手がいて、レベルが高いので良い練習相手になります」
――メインで付いているトレーナーの方の名前をおしえていただけますでしょうか?
「ディエゴ・バスケスです」
――その方はスペインの方でしょうか?
「スペイン出身です」
――キックやムエタイのトレーナーの経歴は長い方なのでしょうか?
「20年くらいやっています」
――日本にはスペインやポルトガルのキックボクシング情報は中々入ってこないのですが、大会などの活動はどのように行われているのでしょうか?
「レベルによってそれぞれですが、プロモーターなどは口コミから選手を探し当てたりしています。日本人がスペインやポルトガルに行くことはそうそうにないのですが、プロモーターによってはそういった選手を呼んで大会を開催することも考えているみたいです」
――ジムでの1日の練習時間や内容について教えていただけますか?
「大体1日6時間くらいトレーニングしています。フィジカルや体力をつけるトレーニングをバランスよく振り分けて取り組んでいます」
――プロとして試合をする上で、何かポリシーは持っていますか?
「とにかくトレーニングをして自分の自信が揺るがないことが自分の中の信念かなと思います。それが自分の自信になって糧になって、結果として出てきます」
――プロとしての最終的な目標はどこを目指していますか?
「最終的にはいつまでも忘れられないような、人々がキックボクシングについて話した時に『キックボクシングといえばミゲールだ』と言われるようになっていきたいです」
――このトーナメントで優勝したら自分の人生は大きく変わると捉えていますか?
「いつも通りの自分でいるつもりです。変わらずいつも通りの自分でいて、お金をいっぱい稼ぎます」
――今回のトーナメントでの活躍をミゲール選手のご家族は期待されていますか?
「期待と応援をしてくれています。とても大きな大会なのでどの選手にとっても、大事な大会になるのではないかと思っています」
――初戦の原口選手との試合は、見ている人たちはどのようなところに注目したら良いでしょうか?
「何が起こるかわからない試合なので、最初から最後まで注目して見ていてほしいです」
――最後にミゲール選手の試合を心待ちにしているファンの方々にメッセージをお願いいたします。
「皆さんにいっぱい応援してもらいたいので、その分活躍します。是非応援してください」