ロッタン・ジットムアンノン(タイ)は ONEフライ級ムエタイ世界王者のベルトをタイに留めておくために、 どんなことでもする準備ができている。
10月13日(日)に東京・両国国技館で開催される「ONE:CENTURY 世紀」第2部で、バンコク出身の22歳、ロッタンは初防衛戦に臨む。挑戦者はブラジルのボルター・ゴンサルベス。ムエタイ世界王者に3度輝いたゴンサルベスを相手に、ロッタンはONEスーパーシリーズでの完璧な記録を続けるつもりだ。
ロッタンは2019年8月「ONE:DAWN OF HEROES」で、ONE史上最も壮絶な試合の一つに数えられる激闘の末、ジョナサン・ハガティー(英国)からベルトを奪取した。あれからたった10週間しかたっていないが、早くも新たな敵と対戦することになった。ロッタンは一日も早く初防衛に成功して、この階級の強者としての地位を固めたいと考えている。
「初防衛戦に臨むのが楽しみで仕方がない。特にこんなに歴史的なイベントで戦えるのだから。そして、また日本に行けるのもとても楽しみ。日本には僕のファンがたくさんいるから。また彼らの前で試合を披露できるのは最高だよ。格闘技のすそ野が広いから、日本で戦うのはいつも楽しいんだ」
対戦相手もロッタンの闘争心を駆り立てる要素の一つだ。
WPMF、MX、P-1トーナメントなどのベルトを持つゴンサルベスは、タイであっという間にエキサイティングで攻撃的な選手としての評判を高めてきた。ONE Championshipから誘いを受けた時、ムエタイの聖地タイで名の知れた存在になりつつあった。そしてゴンサルベスは21歳と若い。ロッタンにとって厳しい試練となるのは間違いない。
ゴンサルベスはロッタンと同じように、子どもの頃からトレーニングを続けてきた。そして、タイであらゆるスキルに磨きをかけ、ムエタイで最も恵まれた才能を持つ選手の一人だと証明してきた。ゴンサルベスは65勝5敗と目を見張る戦績だが、一方のロッタンは257勝41敗10分。東京で真っ向勝負に臨むとき、ロッタンはこの経験の差が自分に有利に働くと見ている。
「ゴンサルベスにとっては僕は経験豊富すぎる相手だろう。全体的なコンディションも彼よりいい。彼と打ち合う準備はできているよ。だからと言って彼を見くびるつもりはない。ゴンサルベスも立派な選手だからね」とロッタンは、油断なく東京での戦いに臨むつもりだ。
そして、あの那須川天心を苦しめた超攻撃的なスタイルを支持するファンは日本にも多くいる。「自分のスタイルを変えるつもりはない。みんなこのスタイルを好きでいてくれるから」
ロッタンは2018年にメジャー大会にデビューしてからずっと、世界チャンピオンになる日を夢見てきた。その夢を叶えた今、このベルトを手放すつもりはない。
ロッタンは安全第一で試合に臨みたくないと思っている。ベルトを守りつつ、ファンを沸かせるパフォーマンスを再び見せられるよう、ジムでの練習を増やしてきた。
「挑戦者のほうが、防衛する王者より簡単。もっとトレーニングしないといけないかもしれない。絶対勝つ。世界王者の座を守る。ムエタイ世界チャンピオンのベルトはタイになければいけないんだ。僕はずっとこのベルトを守り続けるつもりだ」
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