2月に王座を奪取した横山が初防衛戦に臨む
2024年12月8日(日)東京・後楽園ホール『Krush.168』のメインイベントにて、Krushスーパー・フェザー級タイトルマッチ3分3R延長1Rで松山勇汰(ALONZA ABLAZE)の挑戦を受け初防衛戦に臨む王者・横山朋哉(リーブルロア)のインタビューが主催者を通じて届いた。
横山は2023年2月のKrushで元ムエタイ王者のペットサムイ・シムラに判定勝利し、6月のK-1では大岩龍矢と激しい打ち合いを制した。9月のK-1では、元K-1フェザー級王者・江川優生とのスーパーファイトで判定勝利。2024年2月にKrushで髙橋直輝を判定で下して第12代Krushスーパー・フェザー級王者になると7月のK-1ではカベロ・モンテイロを初回KO。今回が初防衛戦となる。戦績は18勝(8KO)4敗のサウスポー。
群馬大会を実現させたい
──7月のK-1ではカベロ・モンテイロ選手に1RKO勝ち。いい勝ち方でしたが、今、あの試合を振り返ると?
「絶対に倒して勝ちたい試合だったので、その通りにできてよかったなと思います」
──着実にステップアップしている感がありますが、ご自分の手応えはどうですか?
「そうですね。毎試合毎試合、確実に自分のやりたいことができていて、ちゃんと練習の成果を出せているなとは感じますね。常に考えながら練習することを意識しているので、それができているなと思います。最近はそれもあって、格闘技が楽しくなってきています」
──今回は松山湧太選手を迎えてのKrush王座防衛戦ですが、松山選手はどういう印象ですか?
「普通に強くて、これからの選手だなというイメージですね。すごく勢いがあって、KOもできるし、いろんな技もあるなと思います」
──勝率や勝ち方を見ても、これまで戦ってきた中でも強豪の1人だと思いますが。
「僕はいろんな選手とやってきて、一人ひとりいろんな強みがあったので、今回もそういう選手の一人なのかなという認識ですね」
──どういう試合をしてどう勝ちたいですか?
「やっぱりメインを任されたからには、盛り上げて倒すというのが一番の役目だと思っています。お客さんが喜んでナンボだと思うので。勝ち負けがどうこうというのもあるんですけど、僕としては純粋に、来てくれたお客さんを感動させて盛り上げる試合をしないとなというのがあるので、それに応えるだけかなと思います」
──そう思ってはいても、実際のリングではいろんな要因で思ったように動けなかったという例もよく見かけますが、横山選手はそうはならないからこその連勝ですか?
「そういうのが出る時もありますけど、そういった場面でもいかに冷静に対処できるかというところも、練習の時から常に意識していますね」
──Krushとしても今年最後の後楽園大会で、全試合本戦という舞台でもあります。その中でメインを締めるというのは?
「任せてくれたんだなという感じではあるんですけど、僕はそこは別に気にしてないです。自然と面白い大会になると思うので、こだわってやることでもないのかなと。ただ自分の試合をすれば、確実に盛り上がると思っているので、それをやるだけかなと」
──自分への自信が、そういう段階に来ている感じですか?
「はい、やったことしか僕は出ないと思っているので、別に変に考えることはないのかなと。ただ自分の思い通りにやりたいことをやれば自然と結果がついてくるのかなと思うし、それでダメなら自分の努力が足りなかったと思うだけなので、自分のやってきたことを信じて戦うだけかなという感じですね」
──今5連勝中で、プラス直近がそのK-1でのKOというのは、今の言葉からすると、準備がしっかりとできていることの結果だと。
「そう思います。準備がしっかりできているというのは、試合に対しての気持ちだったりもあるし、いろんな人が応援してくれて、支えてくれているというのが力になっているのかなとも思いますし」
──今も所属のリーブルロアでの練習が中心とは思いますが、それ以外の出稽古などは?
「東京のBATTLE BOXさんだったりとか、出稽古に行かせていただくことはけっこうありますね。BATTLE BOXさんでは宇佐美秀メイソン君とかとよく練習をさせていただいて、いろいろ技術面だったりとかを教えてもらったりもしています。強い選手と練習すると、普段考えないようなことも教えてもらったりできるので、すごく勉強になりますね」
【写真】パワフルな攻撃が横山の持ち味
──その一方で、あくまで地元を拠点にして強くなるというとこには、変わらず強いこだわりがありますよね。
「ありますね。追い込みとかに関しては、やっぱり地元の方がトレーナーとマンツーマンでやれて、ずっと追い込める時間があるので、そこは変わらず今もやってますね。それに、ウチのジムでも後輩たちがだんだん成長してきた中で、背中を見せなきゃいけないと思うので、そういった部分もすごく刺激になってますね。そういった選手たちに、田舎でも成り上がれるんだぞというところを僕は証明したいなと思っていて、Krush群馬県大会だったり、いろんなことを発信しています。1人でも多くの人が『こうなりたい』と思ってくれれば、それがいいのかなと思っています」
──その意味では、先日行われたKrush名古屋大会は、いい刺激だったのでは?
「そうですね。あれだけ盛り上がってると、僕も改めて群馬大会を実現させたいという気持ちがすごく上がってきたし、大岩龍矢選手があれだけ盛り上げて、地方の選手たちの『成り上がってやる』という気持ちがあったからこそ、ああいういい大会になったんだなと思ったので、もう本当に、群馬大会を早くやりたいなという気持ちですね」
──ちなみに群馬大会が実現するとなったら、どこの会場でというのはもうあるんですか?
「僕の地元で新しく『オープンハウスアリーナ太田』っていうすごくいい会場ができたので、できればそこでやりたいなと思っています」
──そこに近づけるためにも、どんどん変わっていかないとですよね。
「はい。でも最近思うのは、ただ勝つだけだと『見たい』と思う人は少ないと思うので、ただ勝つだけじゃなく魅せる勝ち方をして、「また見に行きたい」と思わせるような試合を、王者としてやらないといけないと思っているので、そこにはこだわっていきたいなと思っています。お客さん1人でも多く楽しませることが、選手としての仕事かなと思うので、一戦一戦盛り上げられたらなと思っています」
──それがあるから、試合への気合いもより増しているのでは?
「それはありますね。今までは追う立場というか、上の選手といっぱいやり合って、その人たちを倒していくという立場だったんですけど、今度は追われる側になって、その中でチャンピオンとして追ってくる者を追い払うことも必要ですし、それ以外にもK-1という団体をどれだけ盛り上げていけるかということも意識し始めました。チャンピオンとしていろんな目標もできましたし、今はそれに向かってというモチベーションで頑張っています」
──そのモチベーションの高さが今回の試合にも出そうですね。
「松山くんももちろんいい選手だと思うんですけど、対戦相手どうこうよりは、自分の掲げている目標だったり、Krushという団体のチャンピオンとしての仕事をするだけなのかなと思っているので、相手が誰だろうと僕はそれを示すだけかなと」
──では最後に、改めて今回の試合への“決意”をいただけますか?
「今回はいい試合が揃っていて、近々にはいろんな大会がある中で、年末最後、どの試合が一番よかったかという話になった時に、『横山の試合が一番よかった』と言われるような試合をしたいなと思っています」