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【UFC】“残酷な現実”を見せるのは朝倉海か、パントージャか。ATT堀口恭司「パントージャは違うレベルにいる」、JTTビリー「海のスピードとリーチは脅威」

2024/12/02 13:12
 2024年最後のUFCのPPVイベントとなる『UFC 310: Pantoja vs. Asakura』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)まであと6日に迫った。  大会名の通り、日本時間12月8日(日)のメインイベントでは、「UFC世界フライ級選手権試合」(5分5R)として、同級王者アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル・ATT)に、前RIZINバンタム級王者の朝倉海(日本・JTT)が階級を落として、UFCデビュー戦でいきなりフライ級王座に挑戦する。タイトルマッチに向け、両者の試合前トレーラーをUFCが公開。さらに、両陣営がコメントをアップしている。  今回の試合は、米国フロリダのアメリカントップチーム(ATT)と、日本のジャパントップチーム(JTT)のチーム戦とも言われている。  王者のパントージャは、ATTのチームメイトで朝倉海と1勝1敗の堀口恭司とのスパーリングを公開。 「恭司は俺が一緒にやってきたなかでも最高のパートナーの1人でたくさん学ばせてもらっている。彼はサムライだよ、素晴らしい人物だ」と、元UFCタイトルコンテンダーを称賛する。  フルサイズのケージのなかでのグローブをつけた堀口とのスパーリングではオーソからの右のスーパーマンパンチ、左右の蹴りからニータップ。さらに壁際からのシチュエーションスパーリングでは、シングルレッグからボデイロックテイクダウン。トップからの肩固めの動きなどを披露している。  パントージャは、「恭司と海が戦った2試合を見た。ひとつは海が恭司を倒した。恭司を倒すなんてすごいパワーの持ち主だ。でも次の試合では、恭司が圧勝した。海は素晴らしい打撃スキルを持っている」と高く評価。  さらに本誌の取材では、ブラジルで20戦のムエタイのキャリアがあることを明かし、「日本人には鍛錬というフィロソフィーがあるだろう? 自分も今回の強い対戦相手に敬意を持って、ハードなトレーニングを積んできた」と、得意の寝技のみならず立ち技においても対抗できるとし、油断なく全局面で戦うことを語っている。  そのパントージャの言葉を裏付けるように、チームメイトの堀口も『UFC 310 Countdown』のなかで、盟友の実力を証言している。 「朝倉海は優秀な記録を持っていて危険なファイター。でもパントージャは違うレベルにいる。サブミッション、フィニュシュ。どこでもフィニッシュ出来る」と極め力の強さを語る。  さらに、自身のYouTubeでは、今回の王座戦を「海君も結構な割合で倒してきているからね。やっぱり注目度は高いよね」としながらも、7年半ぶりのフライ級での参戦については、「そこは何とも言えないよね。長年やってきてないわけだからフライ級で。やっぱり、そこの本当に5kgとか(※フライ級は56.7kg、バンタム級は61.2kg)。もちろんそれをバネにできるかもしれないけど」と、懸念すべき点だという。  また、環境が異なるアメリカでの初試合については、「その人による。それはもうやってみないと何とも言えない。しかも初の5ラウンドもそうだし、“初めて”ばっかりだからどうなるかは見ないと分からない」とし、「UFCのオクタゴンはリングより大きい。俺は足を使うからやりやすいけど、ほかの足を使わない選手はやり辛いんじゃない?」と、出入りのステップや追い足の無いファイターにとっては、打撃でとらえるのもコーナーがあるリングより難しいと語った。 「楽しみだね。海君も強いし、パントージャも強いし、どういう試合になるか。お互いがお互い得意な部分があるから、得意なところにハメた方がやっぱ勝つよねっていう」と、やはり最後は組み技のパントージャと、打撃の朝倉の構図のなかで、いかに自身の得意な展開にハメ込むかが、勝利のキーになるとした。  さらに「セコンドにはつかないよ。やっぱりいつも行っているメンバーで。俺はあくまで選手だし、(練習の時にパントージャが)アドバイスを求めてくるから、“まあこうじゃない?”みたいな」とアドバイスを送ったことを明かしている。 (C)Zuffa LLC/UFC  ATTからパントージャのコーナーにつくのはいつものマスコス・パルンピーニャだ。パントージャと同じブラジル人で、カーウソン・グレイシーに師事し、MMAでも12勝3敗。ヘッドコーチとして世界中でATTファイター達をサポートしてきた。  パルンピーニャは「海のことは少し前から注目していて、恭司とは1勝1敗だから以前から研究していた。今回はさらに分析している」と、一分の隙もなく王座戦に向かう準備が出来ているという。  朝倉についても「朝倉海は危険なファイターだ。身体が大きく背が高い。打撃スキルは素晴らしい。もとは階級上の選手だ。我々にとってチャレンジだ」と警戒しながらも、「だがグラップリングに関してはこちらが上だ。パントージャはコンプリートファイターだ。5Rを通して攻め続け、常に相手を仕留めようとする。彼がなぜフライ級のナンバーワンファイターなのかを示す準備ができていると思う」と、準備万端だとした。 [nextpage] 朝倉「もともと恐怖心があまり無いから、しっかり見ることが出来るし打ち抜ける」   一方のJTTも、UFC世界王者=パントージャを倒すために作られたチームで、初のオクタゴン、初の5分5R、初のUFCでの試合に臨む。  朝倉は、これまで通り、パントージャについて「すべて上手いけど、すべて“スペシャル”ではない」と、寝技に警戒しながらも、特別な部分はないと語っている。  朝倉がラスベガスで戦うために、同地でスカウトしたビリー・ビゲロウコーチは、「我々は日本で初のUFC世界王者を生み出そうとしている。海はデカいし、超パワフルだ。速くてリーチも長い。そのスピードと長さはパントージャにとって大きな脅威になる」と、自信を見せる。  脇を固めるエリー・ケーリッシュも「一瞬、瞬きする隙を見せただけで海は相手を終わらせることができる。対戦相手のパターンを読み、KOのタイミングを見つける彼の能力は飛び抜けている。25分の間にチャンスはたくさんある」と、5分5Rのなかで、フィニュシュするタイミングが訪れると語る。 「僕はもともと恐怖心があまりない。だからしっかり見ることが出来るし、しっかり打ち抜くことができる」という朝倉に、王者は「どんな展開になっても、この試合は“俺の試合”になる。海をフィニュシュしたい。彼の頭を刈って俺のテーブルの上に乗せるよ」と、柔術ハンターとして新たな獲物の首を狩り取ると宣言している。  日本時間12月8日(日)『UFC310』のメインイベントで残酷な現実を見せるのは朝倉海か、アレッシャンドリ・パントージャか。本誌『ゴング格闘技』N0.335では、朝倉海とパントージャの独占ロングインタビューに加え、試合分析なども掲載している。
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