サウジアラビアの「リヤドシーズン」、UAEの「ドバイ33」──オイルマネーとMMAの関係
PFLは、2024年10月に『PFL Super Fights: Battle of the Giants』として、2年10カ月振りMMA復帰のフランシス・ガヌーとヘナン・フェレイラのPFLヘビー級スーパーファイト王座戦を実施したばかり。これは、サウジアラビアの首都リヤドで、サウジアラビア総合娯楽庁の主催で毎年開催されるエンターテイメントの祭典『リヤド・シーズン』の一環として行われたもの。ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者の井上尚弥が大型スポンサー契約を結んだのも、この『リヤド・シーズン』だ。
こういった中東諸国では、MMAのみならず、ボクシング、サッカーやゴルフ、eスポーツなどにも多額の投資を行い、スポーツを使ってオイルマネーの国のイメージを変え、原油一辺倒の経済からの脱却を図るなど、政治的な策略が含まれている。
今回の『ROAD TO DUBAI』も、「ドバイを世界有数の商業都市、投資ハブ、観光デスティネーションにする」というドバイ経済アジェンダ『D33』の目標に沿ったもので、PFLのみならず、MMAビッグマッチの中東大会の増加は、さまざまな背景から増加傾向にある。
しかし、PFLが買収したBellatorは、2024年11月16日にフランス・パリのアディダスアリーナで開催予定だった「Mix vs. Higo」をキャンセルしたばかり。さらに、企画段階だった大晦日Bellator日本大会も暗礁に乗り上げており、試合が決まらないファイターたちからは不満の声も挙がっている。