13戦目で王座に就いた那須川、会心のKO勝ちだった 撮影/安村発
2024年11月23日(土)東京・後楽園ホールで開催された『RISE 183』のメインイベントにて、挑戦者・那須川龍心(TEAM TEPPEN)が王者・数島大陸(及川道場)を1R2分12秒でKO、新王座に就いた。
試合後、那須川は「チャンピオンになるためにやってきたんですけれど、本当にチャンピオンになっちゃうかーみたいな。本当に実感がないですね。しもKOなので。しかも初めて綺麗に倒したKOがタイトルマッチっていうのがカッケーなって思いましたね。さすがだと思いました。自分で自分を褒めたいです」と自画自賛して記者たちを笑わせた。
ベルトを持った感想は「思ったより大きかったですね。巻かれた時にデカッて思って。もっと小さいかと思っていました」というもの。
今まで生きてきた中で一番嬉しいかと聞かれると「うーん…一番嬉しいのかな。塚本(望夢)選手とか松本(天志)選手に勝った時と一緒なんですけれど、このベルトを獲るためにチームのみんなが協力して僕のために練習してくれたりしたので、そっちの方に感謝をしたいというか。そっちの嬉しさの方が大きいですね。やっと(感謝を)返せたのでよかったです。そっちの方が嬉しいです」と答える。
1RでKOは想定していたかとの質問には「していなかったです(笑)」と言い、「していなかったですけれど、向き合った時にスピードに目が慣れていないなって思ったので。会長からも『目が慣れてないから今がチャンスだぞ』って言われて、そこで決心がついたってところもあったので。だから倒すとしたら序盤かなと思っていましたね」と、数島が自分のスピードに慣れていないことが分かったとした。
当初の作戦では「1~3Rを取りに行って4、5Rはボコボコにされてもいいので逃げ切るって、自分の頭の中ではそういう作戦でした。1Rから攻めてどんどんポイントを取っていく作戦だったので。1~3R攻めていく中で倒せればいいなって感じだったので。予想外ではあったんですけれど試合やっている時にいけるかもって思った自分がいたので、そこでしっかり狙って倒せたのはよかったですね」と、当初はフルラウンド使って勝つことを想定していたのだという。
左フックのフィニッシュブローは「いつもだったら拳が当たる感じがするんですけれど、今回はあまりなくて不思議な感覚でしたね。これが倒すパンチなのかなって思いました」と今までにない感触だったとする。
「最初の左フックはガチッと当たった感じがあって、それで相手の目が変わった。最初のジャブの攻防からスピードに慣れてないんだって分かって。ジャブを打って(相手の返しを)外して左フックは練習していたので」と、練習していたことがドンピシャで通用したと明かす。
ボクシング技術の進化が勝因かと問われると「技術が上がったというよりは自信が付いた。自信を持って戦いに行けた感じです。今回の自分の中の裏テーマは『勇気を持って前へ出る』だったので、勇気を持って前へ出ながら、よけながらッて感じだったので、それが序盤から出来たのでよかったですね」と、自信が付いたことで勇気を持って前へ出られたことが勝因だと話す。
12月21日(土)千葉・幕張メッセ イベントホール『ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2024 FINAL ~GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX~』への連続出場もアピールし、「出られればって感じで。けっこう追い込んで来たので。出られれば出たいですし、少しでもRISEのためになるなら王者として僕は出ます」と改めて出場をアピール。相手に関しては「誰とでもいいです」。
昨年に続いてRIZIN大晦日大会出場も狙うかとの質問には「大晦日はいいです。3連戦はちょっと。休ませてくれって感じです」と、今年は出る気はないとした。
兄の天心からは「『やったな』って言われて『狼煙を上げたな』って言われましたね。狼煙を上げました(笑)」と言われたという。さらに「天心のタイトルマッチよりかは、しっかりかましましたね」と兄のボクシングのタイトルマッチより良かったのではと笑った。
「少なからずとも知名度がある方だと思うので、何も考え無しの発言は出来ないと思っているので、正しい知名度の使い方を今後していきたいと思います」と王者としての所信を語る那須川。
「本職はキックボクシングなのでキックボクシングを盛り上げたい自負があるし、キックボクシングが一番素晴らしい競技だと思っているので、王者になったからには盛り上げないといけないと思いますね」と、キックボクシング界を盛り上げる存在になりたいと今後の目標を掲げる。
そして「王者になったからにはキックボクシングとRISEを盛り上げていけるように頑張ります」と締めくくった。
記者からの質問が終わると、後ろにいた那須川天心がマイクを持ち「質問です」と、弟へ「このベルトを機にキックボクシング界をどうしていきたいですか。今のキックボクシング界にひとことお願いします」との質問を投げかけた。
龍心が照れながら「まだどうしていきたいかはないけれど、自分が今のキックボクシング界の中で注目度はあると思うので、正しい知名度の使い方をしてもっと盛り上げていきたいなと。まだ何も分からないのでこれからやっていきたいです」と答えると、天心は「マイクはイマイチですね。ありがとうございました」とダメ出ししていた。