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【UFC】ジョン・ジョーンズがスピニングバックキックでTKO勝ち、ミオシッチは引退へ。オリベイラがチャンドラーの猛反撃凌ぎ5R判定勝ち、ニッカルがクレイグとの打撃戦制す、アラウージョが連勝シウバ下す、ルフィ、マクギーが判定勝ち。ミラーがギロチン勝利=『UFC 309』

2024/11/17 08:11
 2024年11月16日(日本時間17日)、米国ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンにて『UFC 309』(U-NEXT配信)が開催された。 メインカード前に、ドナルド・トランプ次期米大統領がMSGの花道にディナ・ホワイト代表とともに登場。イーロン・マスクらとともにケージサイドで観戦した。 ▼UFC世界ヘビー級選手権試合 5分5R ※選手名からインタビュー〇ジョン・ジョーンズ(米国)28勝1敗(UFC22勝1敗)UFC6連勝 237.6ポンド(107.77kg)[3R 4分29秒 TKO] ※右ストレート→左スピニングバックキック×スティペ・ミオシッチ(米国)20勝5敗(UFC14勝5敗)248.6ポンド(112.76kg)※ジョーンズが初防衛に成功  メインイベントの「UFC世界ヘビー級タイトルマッチ」では、初防衛戦に臨む王者のジョン・ジョーンズ(米国)が237.6ポンド(107.77kg)でパス。元王者で同級8位のスティぺ・ミオシッチ(米国)が248.6ポンド(112.76kg)で計量をパスした。  元オールアメリカンレスラーのジョーンズは、2008年に20歳でプロMMAデビュー。前戦2023年3月の『UFC 285』での「UFCヘビー級王座決定戦」で前暫定王者のシリル・ガーヌに1R ギロチンチョークで一本勝ち。ライトヘビー&ヘビーの二階級制覇に成功した。  その後11月にミオシッチとの初防衛戦にへ臨む予定だったが、練習中に左胸の胸筋腱断裂で欠場。JJにとって、1年8カ月ぶりの試合となる。  対する挑戦者ミオシッチは、ミルコ・クロコップを尊敬し、野球やアメフト、レスリングで活躍後、MMAファイターと並行して消防士としても働き、2010年にプロMMAデビュー。2016年5月にファブリシオ・ヴェウドゥムに1R KO勝ちでヘビー級王座獲得。その後、フランシス・ガヌー戦を含む3試合で王座防衛。ダニエル・コーミエーに敗れ王座陥落も、コーミエーから奪還し、2020年8月のラバーマッチも判定勝ち防衛。2021年3月『UFC 260』でガヌーと約3年2カ月ぶりに再戦。2R KO負けで王座陥落、リベンジを許していた。3年8カ月ぶりの復帰戦。  新旧UFCヘビー級王者の対決は、ジョーンズが初防衛するか、ミオシッチが王座奪還なるか。同級にはセルゲイ・パブロビッチとカーティス・ブレイズを1R KOした「暫定王者」トム・アスピナルも控えているが、会見でジョーンズは、アスピナルに嫌悪感を示し、現UFC世界ライトヘビー級王者のアレックス・ペレイラとのスーパーマッチを望んでいる。  1R、ともにオーソドックス構え。グローブタッチ。サウスポー構えになるジョーンズはいきなり左ストレート。かわすミオシッチに左三日月蹴り。さらに左三日月に、ミオシッチは前に。かわすジョーンズ。またも左の蹴りから組んで大外刈テイクダウン! フルガードのミオシッチに左足を抜いてハーフのジョーンズ。  ボディ打ち、ヒジ打ちを落として、中腰になり長いパウンドを落とす。潜ろうとするミオシッチに左ヒジの連打! ミオシッチはニーシールドで距離を作るが、なおも詰めるジョーンズ。ミオシッチは腰を切り、フルガードに戻す。しかし中腰からかつぎパスでサイドになるジョーンズ。残り15秒で半身のミオシッチに小手に巻いてマットに寝かせてヒジを落としてホーン。  2R、中央を取り、じりじり詰めるジョーンズ。ミオシッチも左から得意の右で飛び込み。左前蹴りを腹に突くジョーンズ。オーソに変えるとミオシッチが左右で前にサウスポー構えで左三日月蹴りのジョーンズ! ミオシッチの右のガードが下がる。左インローを突くジョーンズ。さらに首相撲ヒザ! 腹攻め。互いに見合う展開が多くなる中、ジョーンズは左のかけ蹴り。さらに前蹴り。ミオシッチは左ジャブで前に出る。  3R、左右から連打で詰めたミオシッチにサークリングでさばくジョーンズ。ミオシッチは右ストレートを打つも届かず。そこにジョーンズは左三日月蹴り! さらに打ち下ろしの右ストレート! 下がるミオシッチを追うと左三日月蹴り! ミオシッチもワンツーで押し戻すが、足がついていかない。ミオシッチの右を深くは当てさせないジョーンズ。ワンツーの連打からジョーンズの右をかわして距離を縮めるが当てさせないジョーンズは、左ジャブ、右ストレートを当てると、ミオシッチをケージに詰めさせて、左後ろ蹴り=左スピニングバックキックのかかとをボディにヒット! ミオシッチがマットにヒザを着くと、すぐにヒジ、パウンド。レフェリーが間に入った。  ケージのなかでダンスしたジョーンズはベルトを腰に戻して「USA」コールを促すと、最後にケージサイドで観戦したトランプ次期大統領にベルトを渡した。また、試合後、ミオシッチは引退を表明した。 [nextpage] ▼ライト級 5分5R ※選手名からインタビュー〇チャールズ・オリベイラ(ブラジル)35勝10敗(UFC23勝10敗)[判定3-0] ※29-26×2, 29-25×マイケル・チャンドラー(米国)23勝9敗(UFC2勝4敗)  コメインは、ライト級の5R戦で、2021年5月以来。3年半ぶりの再戦で、元UFC同級王者チャールズ・オリベイラと、元Bellator同級王者のマイケル・チャンドラーが対戦する。前戦では、先にチャンドラーがダウン奪取もオリベイラがダウンを奪い返しKO勝ち。計量で両者はともに155.6ポンド(70.58kg)でパスした。  35歳のオリベイラは、チャンドラー戦後、ダスティン・ポイエー、ジャスティン・ゲイジーをリアネイキドチョークで極めるも、イスラム・マカチェフに肩固めで一本負け。ベニール・ダリウシュに初回TKO勝ちで再起も、2024年4月のアルマン・ツァルキヤン戦でスプリット判定負け。  38歳のチャンドラーはオリベイラ戦後、ゲイジーに判定負け。トニー・ファーガソンを右前蹴りにKOも、2022年11月の前戦でポイエーに3R リアネイキドチョークで一本負けしている。コナー・マクレガーとのウェルター級でのTUFコーチ対決がマクレガー負傷で中止に。オリベイラ、チャンドラーともに再起戦となる。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右前蹴りはオリベイラ。右関節蹴りも。トランプ次期大統領が来場し「USA」コールの中、チャンドラーは右で前に出るが、オリベイラも右を伸ばして前蹴り。  左ジャブを突くチャンドラーは左ボディストレート。シングルレッグのチャンドラーは、テイクダウン! ハーフのチャンドラーは4の字。その腹の上に乗るオリベイラは足のロックを外して徐々に正対。ハーフで下から頭を叩くチャンドラー。チャンドラーがそのままトップでホーン。  2R、右カーフのオリベイラ。左ボディストレートから右に繋ぐチャンドラー。オリベイラの右の前進にバランスを崩して背中を見せてサークリング。身体を戻して右を突くが、肩で息をする。首相撲ヒザはオリベイラ。さらに走り込んでのニータップテイクダウン! 下になったチャンドラーにマウントを奪い、残り1分40秒で上体を立ててヒジ! 脇を開けさせて腕十字狙いも、上にせり上がるチャンドラー。マウントヒジのオリベイラは縦ヒジ! 肩固め狙い。ヒジを落としてホーン。  3R、先に中央を取るオリベイラ。右前蹴り。ワンツーで詰めて右ロー、右アッパー! さらに金網背にさせて縦ヒジ。チャンドラーは自らの左の強振でバランスを崩す。組んだオリベイラはボディロックテイクダウン。亀になったチャンドラーにボディトライアングルで組んでリアネイキドチョーク狙い。腰をずらすチャンドラーはグローブ掴み。真後ろに戻るオリベイラはパウンドからリアネイキドチョーク狙い。グローブ掴みの注意のなか、チャンドラーは後ろ手を剥がし耐える。パームトゥパームで絞るオリベイラも残り5分をステイ。  4R、右ハイを突き、前に出るオリベイラ。さらにワンツー。右ストレートから跳びヒザ! ケージ背にさせて組んだオリベイラはチャンドラーの投げを防いで、ボディロックから脇を潜りバックへ。  亀になるチャンドラーにバック奪うオリベイラは4の字ロックから両足フックに変えてチョーク狙い、アゴ上から絞めるが、後ろ手を組ませないチャンドラー。リアネイキドチョークを凌ぐと、ホーンに立ち上がる。  5R、チャンドラーはの入りに高いヒザを突くオリベイラは左関節蹴り、回るチャンドラーは前に出て右を当てるとオリベイラが目を押さえて後退! 一気に詰めるチャンドラーは右から左も空振り。しかし詰めて崩してハーフのオリベイラに鉄槌、パウンド連打! クローズドガードにするオリベイラは手首を掴んで三角絞め。それを上体を立てて防ぐチャンドラー。  そのスペースで立つオリベイラは、逆襲で前に。蹴りから組んでバックテイク。一気に形成を逆転し、おたつロックのオリベイラを背負って立ち上がるチャンドラーは背中にオリベイラを背負ったまま飛び上がって後方にスラム! しかし受け身して組手は外さないオリベイラに、再び背負ってスラムも、オリベイラは舌を出してバックキープ。  判定は3-0(29-26×2, 29-25)でオリベイラが勝利。「誰とでも戦う」とマイク。敗者にもマイクが回され、チャンドラーはコナー・マクレガー戦をアピールした。 [nextpage] ▼ミドル級 5分3R〇ボー・ニッカル(米国)7勝0敗(UFC4勝0敗)※UFC4連勝[判定3-0] ※30-27×3×ポール・クレイグ(スコットランド)17勝9敗(UFC9勝9敗)  ミドル級。両者ノーランカー。  ニッカルはレスリングでNCAAを3度制したエリートレスラー。昨年3月のUFCデビュー戦から3連勝。4月のUFC3000記念大会にも出場し、キャリア初の2Rとなったが、全く危なげなく2Rチョークで勝利。ここまでの相手では、まだニッカルの底を見せるには不十分だった。28歳。  クレイグは前戦までランカーだったが、ブレンダン・アレンとカイオ・ボハーリョに連敗し現在はランク外。UFCきっての下攻めファイターで、現1位のアンカラエフからも試合残り1秒で三角絞めに捕らえて一本勝ちし、アンカラエフにキャリア唯一の黒星をつけている他、後の王者ジャマール・ヒルからも三角十字で腕を折ってからのヒジ・パンチのラッシュで勝利している。一方で、打撃には穴があり、8敗のうち5敗がKOでの負け。36歳。  オッズでは今大会一番の大差でニッカルがフェイバリットだが、どんな相手にも極めて勝つ可能性があるクレイグなので、油断はできない。  1R、サウスポー構えで中央を取ってテイクダウン動きののレベルチェンジするニッカルはオーソに変えて右カーフ。オーソのクレイグに右カーフを当てる。左ボディストレートのニッカル。クレイグも右ローを返し、左フックも。右ストレートを突くニッカル。右ハイ、左ストレートを胸元に。  クレイグは右の蹴り、廻し蹴りの動き。左のダブルを見せたニッカルは右カーフ。クレイグは右ローも、ニッカルは左フック。顔を遠ざけるクレイグは右ミドル。ともに遠い距離で戦った初回。  2R、サウスポー構えからジャブ&ローのニッカル。クレイグも右の蹴りの打ち合い。左ボディストレートを突いて上の左フックを突く。右オーバーハンドを返すクレイグ! 左ボディストレート、左ミドルも。  しかしクレイグも左オーバーハンドをガード上に。クレイグは右ミドルハイ、ガードして左ストレートで飛び込むニッカルだが、クレイグは右ミドルを当てる。ニッカルは右ストレートから左に繋ぎ前に出るがクレイグはかわす。  3R、前に出るクレイグ。ニッカルは右オーバーハンド、バッステップでかわすクレイグに左も振るニッカル。一瞬、身体を止めて見せるが、クレイグは構わず回って長い右アッパー。両者手数が止まるなかブーイング。右カーフから詰めるニッカルは右ストレート、左オーバーハンドも、左ジャブで押し戻すクレイグ。右ミドルは空振り。  ともに明確なヒットが無いなか、左を突くニッカル。ともに遠間から入れず。左の両者飛び込みからニッカルは詰めるがクレイグの懐は深い。  判定3-0(30-27×3)でニッカルが勝利。場内からはブーイングも起きるなか「15分支配したけど、まだまだ経験が足りない、歴代の王者達に並びたい」と語った。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇ビビアニ・アラウージョ(ブラジル)13勝6敗(UFC7勝5敗)[判定3-0] ※29-28×3×カリーニ・シウバ(ブラジル)18勝5敗(UFC4勝1敗)  女子フライ級。アロージョ9位、シウバ11位。ブラジリアンランカー対決。  アロージョは2019年の緊急UFCデビュー戦をバンタム級で3RKO勝ちして以降、10戦して5勝5敗ですべて判定決着。ランキングも5位~10位の間を行ったり来たりしている。前戦の2月も同じブラジル人でUFC3連勝中だったナタリア・シウバの挑戦を受ける試合で、1Rはテイクダウンからチャンスを掴んだが、2R以降は距離を取られ、追いかけるところにパンチを貰う展開で判定負け。7月にジャスミン・ジャスダビシアス戦が組まれていたが、前の試合で負った膝の負傷の回復が思わしくなく欠場した。37歳。  シウバはUFCデビューから4連勝中で、うち3試合が一本勝ち。キャリア18戦でも9KO・8一本勝ちのフィニッシャー。こちらも前戦はブラジル人対決で、アリアネ・ダ・シウバ相手にキャリア初の判定勝ちとなり、3Rには打撃で攻め込まれ劣勢となる場面もあった。30歳。  今年のナンバーシリーズのメインカードで、タイトルマッチではない女子の試合が組まれるのは、6月のメイシー・チアソン vs. マイラ・ブエノ・シウバ、4月のケイラ・ハリソンUFCデビュー戦以来3度目。女子フライ級37人中、ブラジル人は11人を占めている。  1R、ともにオーソドックス構え。ワンツーで詰め、インローのシウバに、サークリングでさばくアラウージョは右を打ち込む。  左ジャブを突くシウバ、左右前蹴りから組むが、ここも切るアラウージョは右の飛び込み。アッパーの出入り。右フック、左アッパーをかすめたシウバ。その打ち終わりに右を刺すアラウージョだが単発。  シウバはシングルレッグも切るアラウージョ。右前蹴りの打ち終わりに左を打つ。左ボディから右を突くアラウージョ。シウバの右をかわすが、シウバは左ストレート。さらに詰めて首相撲も切るアラウージョ。ホーン後にシウバの追打。アラウージョは鼻血。シウバのラウンド。  2R、右前蹴りのシウバ。アラウージョはワンツーから右アッパーを突く。詰めるシウバは左で差して押し込み。しかし突き放したアラウージョ。アラウージョはアゴを被弾したか、口を開ける。  組むシウバはボディロックで崩して小外がけテイクダウン! 下のアラウージョは腰を切って腕十字、足を顔にかけるが、シウバはまたいでヒジを抜いて上に。  上四方からシウバは身体を起したアラウージョにダースチョーク! しかし仰向けになって抜けたアラウージョはトップからキムラ狙い、パウンドでホーン。アラウージョが取り返したか。  3R、ハグからスタート。ダブルレッグからボディロックテイクダウンのシウバにアラウージョはトップ奪取し、立ち上がりスタンド選択。蹴り足を取って崩すアラウージョはスタンドのまま下のシウバの足を蹴る。ブレーク。  左ハイのシウバをかわすアラウージョは右アッパー。シウバも右で前進、さらに左ミドル! 縦ヒジをかわしたアラウージョは右ストレート、シウバの右ミドルをキャッチし、崩すもグラウンドにはいかず。  右前蹴りを当てるアラウージョ。シウバは右で飛び込み。ダブルレッグも切るアラウージョは立った、まま。ブレーク。スタンド。  首相撲ヒザのシウバ、左で差して押し込み崩すが、右小手で凌ぐアラウージョが右小手投げ! 袈裟固めの形で上のままホーンを聞いた。  判定は、29-28×3でアラウージョが勝利。ランク下からの突き上げを跳ね返し、咆哮した。シウバは4連勝でストップ。 [nextpage] ▼165ポンド キャッチウェイトマッチ 5分3R〇マウリシオ・ルフィ(ブラジル)11勝1敗(UFC2勝0敗)164.4lbs/74.57kg[判定3-0] ※29-28×3×ハメス・ヨントップ(ペルー)14勝5敗(UFC0勝3敗) ※166.2lbs/75.39kg※ヨントップは規定体重をオーバー。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のルフィに報奨金の20%を支払う  ライト級契約だったが、ファイトウィーク中に165ポンド契約に変更されたものの、ヨントップが計量で166.2ポンドとオーバーしている。  ルフィは5月のブラジル大会でUFCデビュー。中堅のジェイミー・ムラーキーに1RKO勝ちし、2戦目でナンバーシリーズのメインカードに抜擢。カイオ・ボハーリョやカルロス・プラチスも所属するファイティング・ナーズ所属。キャリア10勝すべてがKO勝ち。190cmの長いリーチから繰り出すパンチが武器。ONE PIECEのルフィからニックネームを取っている。28歳。  ペルーのヨントップはドラゴンボールのファンで、ニックネームはGoku。昨年9月のコンテンダーシリーズで勝利してUFCと契約。UFCデビュー戦はファイトウィークに入ってから急遽UFCデビューが決まったクリス・パディーヤにパンチを打ち込んだ直後にタックルでテイクダウンを奪われチョークで1R一本負け。2戦目はUFC2勝3敗1分のヴィチェスラフ・ボルシェフに打撃戦で僅差の内容となったがスプリット判定負けで2連敗。期待のルフィの相手でなければメインカード登場はなかっただろう。UFC参戦前はウェルター級で、UFCデビュー戦でもライト級で計量失敗しており、次のチャンスがあったとしても階級転向は必至に。17歳でプロデビューし、キャリア8年でまだ25歳。  1R、オーソのルフィに、サウスポー構えのヨントップ。左ジャブのルフィに右のカウンターを合わせるヨントップ。右ローのルフィ。ヨントップは右前蹴りを腹に。さらにオーソにして右カーフ。ルフィはジャブ、右カーフをヒット。大きな右を見せる。  右カーフを当てるルフィ。ヨントップの蹴り返しは避けて、右オーバーハンドをかわして右。しかしヨントップも右カーフを返す。  左みどるのヨントップは左右から右を突く。右カーフをこつこつ当てるルフィにヨントップは左ミドル。さらに右の入りにルフィは左前手フックを当てる。  右前蹴りのヨントップ。ルフィは右を打ち込む。さらに右ストレートを当てて、バックスピンキックもここは防いだヨントップに回転ヒジ。さらに後ろ蹴りを腹に突く。  2R、水面蹴りを放つルフィ。ヨントップはジャブ・ロー。ルフィは右バックフィストをガード上に当てる。詰めるヨントップは左インロー。しかしルフィは右ストレートを効かせると左アッパーでダウンを奪い、鉄槌連打!  立ち上がるヨントップに右ストレート、左ジャブ。ヨントップは右ジャブから追って左ミドルも、ルフィはさばいて前手ジャブさらに右をヒット!  動きが一瞬止まったヨントップ、左目が大きく腫れる。低いガードのルフィに左ボディのヨントップ。シングルレッグもルフィは切る。  3R、ともにオーソドックス構え。右オーバーハンド、右ローのヨントップ。ジャブからシングルレッグで詰めるが、ルフィは突き放す。前に出るヨントップをさばきながら左前手ジャブ。組むヨントップに四つから右ヒジ、突き放してワンツー。  ヨントップは左三日月蹴りを当てて前に。右の刺し合い、左の打ち合いはルフィの精度が高い。ヨントップのシングルレッグを難なく切るが、ヨントップは手数を増やして前にケージに詰めて右を振るが、ルフィはその前進にバックフィスト、さらに右ストレートを当ててホーン。ケージの上でガッツポーズ。  判定29-28×3でルフィが勝利した。試合後、ルフィは「相手が変わるのは気にならない。それも試合のひとつだ」と語った。 [nextpage] 【プレリム】 ▼バンタム級 5分3R〇マーカス・マギー(米国)10勝1敗(UFC4勝0敗)※UFC4連勝[判定3-0] ※29-28×3×ジョナサン・マルチネス(米国)19勝5敗(UFC10勝4敗)  バンタム級。マルチネス13位、マクギーはランク外。  マルチネスはUFC10勝4敗。強烈なローキックが武器。6連勝していた前戦は、5月のブラジル大会でUFC復帰となる殿堂入りファイターの元祖ローキッカー・ジョゼ・アルドと対戦。待望のビッグネームとの対戦だったが、気後れしたのか手数が少なく、2R以降はローキックも出なくなり、3Rにはパンチを効かされて判定負け。連勝がストップした。30歳。  マクギーはUFCデビューから3連勝中。キャリア9勝のうち8勝がKOのストライカー。昨年4月に3日前の代役での緊急UFCデビューだったが2Rチョークで一本勝ち。前戦はキックがバックボーンのガストン・ボラニョス相手にタックルを混ぜて打撃をヒットさせ、2Rにダウンを奪いKO勝ち。4戦目でランカーとの対戦のチャンスを得た。所属のMMA Labはショーン・オマリー(1位)、マリオ・バティスタ(10位)、カイラー・フィリップス(12位)と、3人のバンタム級ランカーが所属している。スケートボードのプレイヤーからMMAに転向し、プロデビューが30歳と遅い。34歳。  1R、ともにサウスポー構え。マルチネスは左ロー、マクギーは右ジャブ、右前蹴り。マルチネスは左前蹴りもマクギーは左右をガード上に連打する。さらに右インロー。右ボディストレート。左カーフから右を突く。手数が少ないマルチネス。マクギーはワンツーの左。さらに右ミドル。マクギーのラウンドに。  2R、ワンツーの連打で前に出るマクギーに、マルチネスは左カーフ。しかし単発。マクギーは右前蹴り、マルチネスの押し戻しをさばき、左ロー、右ジャブ。マルチネスの左オーバーハンドをかわす。左バックフィストのマルチネスに、ワンツースリーから首相撲ヒザのマクギー。マルチネスはカーフ。  ワンツーからフックに繋ぐマクギー。ジャブ、左右ボデイも。マルチネスは左で詰めて、右ジャブ。左ローに繋ぐ。打ち返しに出るが、マクギーは左右ロー。マルチネスは左ローを踏み込んで打つが、マクギーの手数が多い。  3R、右ジャブから左ストレート、左ボディのマクギー。しかし、マルチネスは左カーフをヒット! この1発を効かされたマクギーは足を引く。さらにローも前に詰めるマクギー。左差しのマルチネスに右小手で固定しダメージを回復させる。  離れたマルチネスは追って左ロー! 右足を蹴られたマクギーはバランスを崩すとオーソにスイッチ、詰めるマルチネスは左ロー右ジャブ。マクギーは回りながらも間合いを詰めながら凌いでホーン。  判定は最終R以外を取ったマクギーが29-28×3で勝利。 [nextpage]【中止】 ▼ミドル級 5分3Rクリス・ワイドマン(米国)16勝7敗(UFC12勝7敗)エリク・アンダース(米国)16勝8敗(UFC8勝8敗)※アンダースのドクターストップにより直前に中止 [nextpage] ▼ライト級 5分3R〇ジム・ミラー(米国)38勝18敗(UFC27勝17敗)[1R 2分44秒 ギロチンチョーク]×デイモン・ジャクソン(米国)23勝8敗(UFC6勝6敗)  ライト級。  UFC史上最多45戦目となるミラー。26勝も最多、18フィニッシュは20回のオリベイラに続く2位(オリベイラとは14年前に対戦し、ミラーが膝十字で勝利している)。4月にはUFC100・200に続くUFC300の出場を果たしただけでなく、当時ランカーのボビー・グリーンと対戦するチャンスを得た。試合はダウンを奪われ判定負けしたが、かつてのグラップラーから、最近は打撃でも勝負できるスタイルに変貌している。40歳。  ジャクソンはフェザー級でUFCデビューから6戦で5勝1敗(敗れた相手は現王者イリア・トプリア)だったが、初のランカー挑戦となったダン・イゲ戦からの4試合は1勝3敗。今回からライト級に上げる。フェザー級時代は80kgくらいから15kgほどの減量をしてきたが、減量によるダメージから逃れるため、今後はライト級で戦うとのこと。レスリングがバックボーンで、23勝中15の一本勝ちがある(決まり手はRNC、肩固め、ギロチン)。36歳。  1R、サウスポーのミラーにジャクソンはオーソドックス。先に手を出すジャクソンだが、ミラーが左を打ち込む。前蹴りで距離を取るジャクソン。シングルレッグから組んでケージに押し込んだ。ミラーが引き剥がし離れる。今度はミラーがパンチからタックルを狙うが、組ませないジャクソン。ミラーがワンツーをヒット。右を返すジャクソン。前蹴り・インローを蹴るジャクソン。詰めるところにミラーが左を入れた。ミラーの左フックをかわしてタックルに入ったジャクソンだが、ミラーは得意のギロチンに捕らえて引き込んで絞める! 両足でクローズドガードに入れてアームインで絞めるとジャクソンがタップした。ミラーは最多勝利記録更新となるUFC27勝目、キャリア21個目の一本勝ち。ジャクソンはグローブをマットに置いた。  MMA57戦38勝目をマークしたミラーは「50勝するまで続けたい」と上機嫌に語った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R〇デビッド・オナマ(ウガンダ)13勝2敗(UFC5勝2敗)[判定3-0] ※30-27×3×ロベルト・ロメロ(メキシコ)8勝4敗(UFC0勝1敗)  ライト級。本来フェザー級のオナマだが、ルーカス・アルメイダが欠場し、直前で初参戦のロメロが代役となるため、ライト級に変更。  オナマはウガンダ初のUFCファイター。スイッチを繰り返しながら打撃を打ち込むストライカー。UFC4勝2敗。前戦はレスラーのジョナサン・ピアースに、組まれてバックを取られる展開を繰り返していたが、身体能力の高さで逃れて判定勝ち。前回判定勝ちするまでは、勝った試合はすべてフィニッシュ(7KO・4一本勝ち)しての勝利だった。30歳。  メキシコのロメロは直前の試合決定で減量が間に合わないためライト級となったが、こちらも本来はフェザー級を主戦場としている選手(ただし、前回は計量で4.8ポンドオーバーしている)。近年はフロリダのコンバテ・グローバルを主戦場とし、キャリア8勝3敗1分。柔術茶帯で、ポリネシアの護身術のリマラマの黒帯。今年7月の前戦は元DEEP王者でRIZIN参戦経験もある芦田崇宏との対戦で、体重オーバーはあったがテイクダウンからコントロールし、1Rチョークで一本勝ちしている。24歳。  1R、ロメロはオーソドックス。オナマはいつも通りスイッチを繰り返す。サウスポーに構えるとロメロはオナマの右足にインロー。効果的と見てインローを連打する。スイッチするオナマだが、今度は左足にカーフキック。サウスポーに構えるとインロー。さらにパンチと積極的に攻めるロメロ。ミドルからインロー。手数で押されているオナマ。右がヒットしダウン!すぐバックに回ったロメロが首に腕を回してチョークに。しかし足のフックがかかっておらず、立ち上がり正対したオナマ。ロメロケージに押し込みながらヒジを入れるとボディロックからテイクダウンを狙いつつヒザを入れる。首を抱えてスタンディングでアナコンダチョークに捕らえたオナマ。しかし振りほどいたロメロ。離れる。すぐに詰めていくロメロ。左右のパンチをヒットさせる。カーフキック。オナマもパンチを打ち込むが、ロメロが押していく。残りわずかでオナマの左がヒット。しゃがみ込むように下になったロメロにパウンドを入れるオナマ。足で阻んだロメロ。1R終了のホーン。  1Rはお互いダウン気味に倒しているが、攻めていた時間の長さではロメロ。  2R、ロメロが変わらず手数を出すが、オナマもジャブを打ち返していく。クリンチアッパーから右ストレートをヒット。さらに左を打ち込んだ。被弾が増えているロメロだが下がらない。頭を振りながら左右のパンチで詰めていく。1Rに比べれば余裕が見えるオナマはジャブを入れていく。足を止めて左右のフックを打ち込む。間合いを詰めるロメロにオナマはステップで距離を取る。左右のボディをヒットさせたオナマ。ロメロのバックヒジにオナマがパンチを返すと、バランスを崩してスリップダウンしたロメロ。オナマがガードに入って押さえ込むと、下から離そうとするロメロの足をサバいてハーフに。ニーシールドで距離を作ろうとするロメロに鉄槌を入れる。足で離したロメロ。残りわずかで立ち上がったロメロだが、2R終了のホーン。  このラウンドはオナマが手数とダメージで上回った。  3R、すぐに出てきたロメロだが、オナマは冷静に前蹴り・テンカオを当てていく。ワンツーでロメロにガードを上げさせると左右のボディを打ち込むオナマ。被弾しながらも手を出していくロメロ。カーフキックを蹴るとオナマスリップダウン。すぐに立ったオナマ。ロメロのハイキックをキャッチしてテイクダウンを狙ったオナマ。こらえたロメロだが、オナマそのまま組み付いて押し倒しマウントに。背中を付けたロメロ。ガードに戻したロメロだが、オナマはインサイドガードからパンチ・ヒジでダメージを与えていく。ロメロの足をサバいてパスを狙いながらパウンドを入れるオナマ。足関を狙ったロメロ。防がれたがガードに戻した。しかしまた足をサバいてパウンドを入れていくオナマ。残りわずかで鉄槌の連打を入れる。タイムアップ。  判定三者30-27でオナマ勝利。ロメロは敗れたが、1Rにダウンを奪うなど、緊急出場ながら積極的に攻めて印象を残した。 [nextpage] ▼ヘビー級 5分3R〇マルチン・ティブラ(ポーランド)26勝9敗(UFC13勝8敗)[2R終了時 TKO]×ジョナタ・ディニス(ブラジル)8勝1敗(UFC2勝1敗)  ヘビー級。ティブラ9位。  ティブラはUFC12勝8敗。最初の10戦は5勝5敗だったが、そこから調子を上げて勝ち越しランキング入り。直近10戦で敗れている相手はトップランカーのヴォルコフ、現暫定王者アスピナルと、前戦のセルゲイ・スピバック。スピバックには1度勝利しているが、再戦ではスピバックのガードからの腕十字で一本負けした。テイクダウンしてパウンドで攻めるスタイル。39歳。  ディニスは今年4月にUFCデビューし、ここまで2連勝中。キックの世界王者で、30歳でMMAに転向。MMAデビューから5連勝・5連続1RKO勝ちで昨年DWCSに出場し、ここでも1RKO勝ち。UFCデビュー戦では、テイクダウンされると下で何も出来ない場面があったが、2Rに打撃を効かせてKO勝ち。前戦は2Rまではタックルを切って打撃を入れる展開でリードしていたものの、3Rはバッククリンチからコントロールされる展開から抜け出せず。初の判定となったが無敗をキープした。しかし組みと寝技の穴は大きく、組みが強いティブラ相手にどこまでできるかが問われる一戦となる。今月2日のカナダ・エドモントン大会でデリック・ルイスとの試合が組まれていたが、ルイスが当日体調不良により欠場したため、試合が中止となっていた。33歳。  1R、両者オーソドックス。右ハイを入れたジニスだが、ディブラ距離を詰めてタックルへ。しかし離れ際にジニスの左が入り、崩れるように下になったティブラ。鉄槌・パウンドを入れるジニスだが、下になったティブラが足関を狙う。パンチで抵抗するジニス。ティブラが体を起こし上に。ハーフで押さえ込んだティブラ。下になったジニスは抱えてディフェンスするのみ。ティブラが押さえ込んだままパンチを入れていく。ハーフの足を抜いてマウントに移行したティブラ。残り1分半。押さえ込んだままパウンドで削っていくティブラに対し、ブリッジで逃れようとするジニスだが返せない。ティブラも固めたまま1R終了。  2R、スイッチを繰り返すティブラ。ジニスがプレッシャーを掛けて左右のパンチを振っていく。詰めて左右のパンチを出したジニスにティブラタックルへ。ケージを背負ってこらえようとしたジニスだが、ティブラがダブルレッグでテイクダウンし背中を着かせた。再びハーフで押さえ込まれる展開となったジニス。ティブラがハーフで押さえ込んだまま、再び足を抜いてマウントに。ヒジを入れるティブラに対し、ジニスは下からしがみついて耐えるだけに。残り1分。ティブラ強烈なヒジを連打する。ジニス顔面を大きくカット。なおもヒジの連打を打ち込むティブラ。両目のまぶたをカットしているジニス。耐えるだけのジニスだが、レフェリーのハーブ・ディーンは止めずに2R終了だが、続けられるか。  3R開始前にドクターがジニスのカットした両目のチェックを行い、続行不可能と判断。2R終了TKOにより、マルチン・ティブラが勝利した。ジニスはテイクダウンされた後の対処の穴をつかれ、MMA初黒星。勝者は「グラウンドに持ち込む作戦だった。作戦通りで結果には驚いていない。出血が多かったからストップがかかると思っていた。タフな相手だったが、ドクターが止めてくれて良かった」と語った。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇ラミズ・ブラヒマイ(米国)11勝5敗(UFC3勝3敗)[1R 2分55秒 TKO] ※右フック×ミッキー・ガル(米国)7勝7敗(UFC6勝7敗)  ウェルター級。  ガルはプロキャリア1戦のみでUFCと契約。UFC初戦は勝者がプロレスラーのCMパンクのMMAデビュー戦の相手を務めるという役目の試合で、プロデビュー戦のマイク・ジャクソンに勝利。2戦目でCMパンクに勝利して知名度を上げると、3戦目もプロスペクトとして期待されていたセイジ・ノースカットと対戦し勝利。しかしその後は勝ちと負けを繰り返すようになり、直近は3連敗でUFC戦績が6勝6敗の五分に。グラップラーで、キャリア7勝のうち6勝がリアネイキドチョークでの勝利。しかしもう3年以上勝利から遠ざかっている。前戦はUFC0勝1敗のバジル・ハフェズにタックルからテイクダウンで押さえ込まれる展開で判定負け。32歳。  開催地ニューヨーク出身のブラヒマイは幼少期に極真空手やボクシングのキャリアがあるが、MMAでは10勝すべてが一本勝ち(うち9勝がリアネイキドチョークでの勝利)というグラップラー。前戦は2年以上の長期欠場明けで、同じグラップラーのテンバ・ゴリンボ相手に体力を削られて後半ガス欠し判定負け。UFC戦績を2勝3敗としている。31歳。  1R、両者オーソドックスに構える。ブラヒマイが先にプレッシャーを掛けていくとジャブで牽制。飛び込んで右をヒットさせた。ガルも飛び込みに右を合わせる。ジャブを突くガルだが、ブラヒマイが飛び込むと背中を向けて距離を取る。ブラヒマイのローに右を合わせてヒットさせたガル。ブラヒマイもステップインしてジャブを当てるとクリンチからアッパーをヒット。お互い積極的に打撃を打ち込み主導権争いに。首相撲からヒザを入れたブラヒマイ。ワンツーを打ち込むガルだが、ブラヒマイの左ハイがヒット。さらに詰めるとブラヒマイの右フックがヒットしガルダウン! KO!  1R2分55秒、KOでブラヒマイ勝利。ブラヒマイは地元のニューヨークでキャリア初となるKO勝ち。試合後、「最高の気分だ。ここに俺の家族がいる。ニューヨークのブロンクスのみんなも来てくれた。ここ2年はとてもタフだったが、今夜MSGで特別なことが起こるって気がしていたんだ」と語った。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇オーバン・エリオット(英国)12勝2敗(UFC3勝0敗)[3R 0分40秒 TKO]×バシル・ハファス(米国)9勝5敗1分(UFC1勝2敗)  ウェルター級。  ハフェズはニューヨークの隣にあるペンシルベニア在住。昨年7月のUFC初戦は、UFCデビューから4連続フィニッシュ勝利していたジャック・デラ・マダレナの相手が欠場となり、急遽代役としてUFC契約を果たした。初戦でいきなりランカーとの対戦となったが、直前の対戦相手変更でマダレナもモチベーションが十分でなかったのか、ハフェズがテイクダウンを奪って攻める場面もあり、敗れたがスプリット判定まで持ち込んだ。2戦目は次の試合に出場するミッキー・ガルと対戦。ガルとは過去にグラップリングマッチで対戦し判定勝ちしているので自信を持っており、テイクダウンを積極的に奪っていき判定勝ちした。32歳。  英国のエリオットは昨年のDWCSで勝利してUFCと契約。今年2月のデビュー戦は、バル・ウッドバーンからテイクダウン・ポジションを奪う展開で危なげなかったものの、フィニッシュを奪うには至らず判定勝ち。今年7月の地元イギリスでの2戦目は、相手のブレストン・パーソンズが後半スタミナ切れしたこともあり、組みの展開で先手を取って攻め判定勝ち。UFCデビューから2連勝としている。26歳。  1R、両者オーソドックス。関節蹴りで牽制するエリオット。組んでいくエリオットだが、両脇を差されたハフェズがケージに押し込むとヒジを入れ引き剥がす。関節蹴りを蹴るエリオットにハフェズはサウスポーに構えを変える。詰めるハフェズだが間合いに入れない。左右のパンチを振って出るが、距離を取りかわすエリオット。前蹴りを入れたエリオット。詰めてくるハフェズにカーフキック。パンチから左ミドルを入れたハフェズ。お互い手数が少ないまま残り1分。オーソドックに戻したハフェズにカーフキックを連打するエリオット。エリオットの蹴りの間合いから詰められないハフェズ。残りわずかでエリオットのハイキックを受けながら組みに行ったハフェズだが1R終了。手数でエリオットが上回ったラウンドに。  2R、すぐに圧を掛けるハフェズ。ハフェズのカーフキックにワンツーを合わせたエリオット。詰めてくるハフェズに前蹴り・ミドルを入れる。飛び込んだハフェズだが、かわして右を入れるエリオット。ハフェズはスイッチを繰り返しながら出ていくが、まだ間合いが遠く、パンチの空振りが目立つ。エリオットは前蹴り・右ミドルを腹に入れていく。詰めたエリオットにワンツーを入れたハフェズ。蹴りのエリオットにパンチを返すハフェズだが、ヒット数ではエリオットが上回る。ハフェズの飛び込んでの打撃は空を切る。2R終了のホーン。このラウンドも手数で上回ったエリオットが制したか。  3R、さらに圧を強めてきたハフェズ。しかしエリオットの飛び込んでの右オーバーハンドがクリーンヒットし後方にダウン!パウンドを連打するエリオット。下から足にしがみつくハフェズの顔面に鉄槌を連打!レフェリーストップ!  3R0分40秒、エリオットKO勝ち。試合後、エリオットは「世界一のアリーナで世界一危険な男の試合を届けられて嬉しい。これが俺の世界だ」と語った。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R〇エドゥアルダ・モウラ(ブラジル)11勝1敗(UFC2勝1敗)[判定3-0] ※30-27、29-28×2×ヴェロニカ・ハーディー(ベネズエラ)9勝5敗(UFC4勝5敗)  女子フライ級。  ヴェロニカ・ハーディはUFCデビューから5試合で1勝4敗となった時点で、試合で負った脳震盪のダメージのため一時引退。引退後はUFCの中継スタッフとして働いていたが、そこでコメンテーターを務めていたダン・ハーディと知り合い、2022年12月に結婚。翌年、MMAの選手としてUFCに再出場すると、復帰後ここまで3連勝中。空手・テコンドー・柔術の経験があり、テコンドーでは国際大会でも優勝している。復帰後はこれで4試合連続での第1試合出場。29歳。  ブラジルのモウラは柔術バックボーンのグラップラー。昨年のDWCSに勝利しUFCと契約したが、UFCでは2戦連続でストロー級で体重オーバーしたため、今回から階級を上げて出場する。UFCデビュー戦は体格差を活かした組みからのパウンドでKO勝ちしたが、2戦目は減量失敗の影響もありスタミナ切れで失速。スプリット判定負けでキャリア初黒星を喫している。30歳。  1R、サウスポーのハーディ。モウラはオーソドックスに構える。下の階級から上げてきたにもかかわらず、体格で上回るモウラ。中央を取りプレッシャーを掛けていく。リーチで劣るハーディは間合いを取りサークリング。パンチを振って出るモウラ。ハーディ飛び込んでパンチの連打を放つ。モウラのパンチの打ち終わりにパンチを返すハーディ。遠い距離をキープされ、なかなか打撃を当てられないモウラ。右ミドルを入れる。ハーディはパンチで飛び込むと左ミドルにつなげる。モウラのジャブを距離を取りかわすが、ミドルで飛び込んだところで組み付いたモウラがテイクダウン。最後にパウンドを落とす。1R終了。  2R、ハーディが飛び込んでパンチをヒット。さらに左ミドルにつなげる。タックルに入ったモウラ。ボディロックからケージ際でテイクダウン。バックについた。立ち上がりスタンドバックになったが、再びグラウンドに持ち込みハーフバックの体勢としたモウラ。正対したハーディだがハーフガードで押さえ込まれる。固めながらパウンドを入れるモウラ。体を起こしたモウラのパウンド連打を下からの蹴り上げで阻むハーディだが、モウラは再びガードに入って押さえ込む。インサイドからパウンドを落とすモウラ。2R終了。モウラが上から攻め続けて制したラウンドとなった。  3R、ハーディーが打撃で先手を取っていく。モウラは中央で落ち着いて構えて待ち受ける。ヒット&アウェイで打撃を入れ離れるハーディーだが、飛び込みに対してモウラが右ストレートをカウンターで合わせる。カウンターの打撃・組みを警戒してか、なかなか手数が増えないハーディー。再び飛び込みに右を合わせたモウラ。残り1分に。残りわずかで打撃の手数を増やすハーディーに、モウラはまた右を合わせる。タイムアップ。  2Rは確実にモウラだが、1R・3Rは拮抗したラウンド。3Rはお互いフィニッシュを狙いに行くことはなかったが、判定はどうなるか。  判定30-27、29-28×2の3-0でモウラがフライ級転向初戦で勝利。ハーディは復帰後の連勝が3でストップした。  勝ったモウラは勝利後のインタビューで「試合前に怪我があったが勝つことができた。ドクターやチームメイトに感謝したい」とコメントした。
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