Krush.1672024年11月16日(土)東京・後楽園ホール※ABEMAにてLIVE配信中
▼メインイベント(第9試合)Krushライト級 3分3R延長1R里見柚己(team NOVA/第8代Krushライト級王者)アーロン・クラーク(アイルランド/SOMA FIGHT CLUB/ISKAアイルランド・ライト級王者)
サウスポーの里見は2019年8月にベテランの山本真弘から得意の左ストレートでKO勝ちして名を上げた。2023年6月、1月に無効試合となった大沢文也との再戦で勝利し、第8代Krushライト級王者となったが、9月のK-1で伊藤健人にKO負け。2024年2月のタイトルを懸けた再戦でもKO負けを喫し、王座を奪われた。8月の再起戦では永澤サムエル聖光を初回KOに破っている。戦績は20勝(9KO)12敗1分1無効試合。
クラークはISKAライト級(-61kg)アイルランド王者、Cage Legacy -59kg アイルランド王者で戦績は25勝(14KO)5敗の25歳。世界各国で試合をし、59kg~67kgと幅広く階級を問わずに試合をしている異色のファイター。2023年6月のK-1に初来日し、与座優貴と対戦して判定で敗れている。その後、1年4カ月の間に11試合も行った。
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▼セミファイナル(第8試合)Krush女子アトム級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇松谷 綺(ALONZA ABLAZE/王者)KO 1R 1分48秒 ※パンチ連打×ガブリエル・デ・ラモス(フィリピン/Muay U/挑戦者)
松谷は兄・桐と共に2021年7月から卜部功也が代表を務めるALONZAに所属する21歳。2021年8月にKrush初参戦を果たし、森川侑凜からダウンを奪って判定勝ち。2022年6月の「K-1初代女子アトム級王座決定トーナメント」1回戦で菅原美優に判定2-0で敗れ、プロ8戦目にして初黒星もその後は再び連勝し、2023年7月に初代K-1女子アトム級王者のパヤーフォンを延長戦の末に降した。11月には奥脇奈々に勝利し、第4代Krush女子アトム級王座に就いた。その後は奥脇奈々、チョン・ユジョンから共にダウンを奪って勝利し、5連勝中。戦績は10勝1敗2分。
ラモスはフィリピン出身、オーストラリア在住の24歳。戦績は6勝2敗。K-1 WORLD GP女子アトム級王者・菅原美優と12月のK-1で対戦したルシール・デッドマンとライバル関係にあり、2度対戦して実力伯仲の勝負をしているという。
前日計量でラモスは契約体重-45kgから150gオーバー。そのため当初タイトルマッチで行われるはずだったこの試合はノンタイトル戦となり、ラモスは減点1からのスタート、ラモスはファイトマネーから20%減額(松谷に入る)。グローブハンデは松谷が拒否したため本来の6オンスで行われる。
松谷はMVに出演している、ゆうちゃみのデビュー配信曲『あなたに捧げる応援歌』で入場。
1R、松谷は序盤から突き放すような右前蹴りを多用し、ラモスのボディを狙い撃ち。ラモスは大きなスタンスで低く構え、ブロックは固い。松谷はパンチのフェイントを使いながら右カーフ、右ハイ、左インロー、ジャブと攻撃を散りばめるとラモスのボディへ左三日月からの右ヒザを突き刺す。これに身体を丸めたラモスに左右フックを連打し、松谷がプロ初のKO勝ちを収めた。
松谷はマイクを持つと「初KO出来てめっちゃ嬉しいです。ここで満足せずにK-1のベルトを狙っていきたいので、これからももっともっと強くなってK-1のベルトを必ず獲れるように頑張ります。菅良選手、逃げてないでやってください」と、K-1女王の菅原美優に“逃げるな”と言い放つ。
そして「女子つまんないって言われているんですけれど、今日、女子全試合KOしたんですけれど、どうですか? 来年とかに女子大会をまた組んでいただけたら嬉しいです。これからも頑張るので応援よろしくお願いします」と、女子4試合全てKO決着となったことで女子の存在をアピールした。
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▼第7試合 Krush女子フライ級 3分3R延長1R〇池内紀子(POWER OF DREAM/第6代Krush女子フライ級王者)TKO 2R 2分19秒 ※レフェリーストップ×チェ・ウンジ(韓国/大邱FEARLESS GYM/MAX FC女子バンタム級王者)
池内は2021年3月にKrushでプロデビューすると、POD仕込みのボクシングテクニックで連戦連勝。2023年6月に麻央を判定で破り、10月の王座決定トーナメント準決勝では真優に判定勝ち、2024年1月の決勝戦では麻央を延長戦の末に破り、無敗のまま第6代Krush女子フライ級王座に就いた。戦績は7勝無敗。腰の負傷で今回が約10カ月ぶりの試合となる。
ウンジはMAX FC女子バンタム級(-52kg)王者で、戦績は8勝10敗の30歳。これまで2度MMAの試合で来日しており、2018年6月に-65.8kg契約でKINGレイナと対戦(チョークで一本負け)、2019年5月にはプロ修斗30周年記念大会に出場し、エンセン井上の弟子セラと対戦(判定勝ち)。殴り合い上等のスタイルを見せた。2019年6月には北海道のキックボクシング大会『BOUT』に出場、熊谷麻理奈と57kg契約のキックルールで対戦し、判定で敗れている。また、2023年1月に当時無敗だったMARIAに初黒星を付けた。
1R、池内はガードを上げて左の蹴りを出していく。ウンジはジャブを伸ばすが池内が左ボディブロー。左の前蹴りを多用していた池内が大きく踏み込むと右のヒザ蹴りを想いきりアゴに突き上げた。下がるウンジにパンチで詰める池内が再びヒザを突き上げる。
コーナーへ詰めてパンチをまとめる池内だがウンジはジャブを打ち返して来る。池内はジャブと左右ロー、右ミドル、左右ボディでウンジを下がらせる。それでもパンチを出して打ち返して来るタフなウンジ。終盤は池内の手数に負けない手数をウンジも出した。
2Rも左右のパンチを出して行くウンジ。池内は左ロー、右前蹴りと蹴りからジャブ、ワンツー。ウンジは手を出し続ける。池内はそのパンチをブロックしてのワンツー、右フック。得意の左ボディもしっかり当てる。
池内は左フックをヒットさせるが、それでもウンジは左右の拳をひたすら前に突き出す。池内は右ヒザを突き上げながら前へ出て、前蹴りから右ストレートを何度も突き刺す。ここでウンジにスタンディングダウン。
レフェリーがストップし、池内がプロ初のKO勝ちを飾った。「KO出来たんですけれどダメダメでした。もっと頑張ります。ファイヤー!」と、勝って反省した。
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▼第6試合 Krushライト級 3分3R延長1R×瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス/第6代Krushライト級王者)判定0-3 ※28-30×2、29-30〇永澤サムエル聖光(林商店/WMOインターナショナル・ライト級王者) 瓦田は伸びのある右ストレートを武器にアグレッシブなファイトスタイルでデビューから5連勝。東本央貴、川崎真一朗、ワン・ジーウェイに敗れたが、その後は覚醒して2021年7月・9月の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」で優勝し、王座に就いた。2019年12月から8連勝と快進撃を続けていたが、2022年2月のK-1で篠原悠人に判定で敗れて連勝がストップ。4月には初防衛戦に臨んだが大沢文也に敗れ王座を失った。2023年10月にKPKBで勝利しているが、K-1グループでは泥沼の5連敗。戦績は15勝(7KO)6敗。 永澤は新日本キックボクシング協会で日本ライト級1位まで昇りつめ、トップランカーとして活躍。ジャパンキック旗揚げ後は2020年1月大会で興之介を右フックでマットに沈めて第2代ライト級王座に就き、9月にはNJKFで鈴木翔也からダウンを奪っての判定勝ちでWBCムエタイ日本統一バンタム級王座も獲得。2022年7月にWMOインターナショナル王座決定戦をコンデートと争い、判定勝ちで三冠王となった。2024年8月、Krushに初参戦も里見柚己に初回KO負けを喫している。戦績は28勝(12KO)12敗4分。
1R、開始と同時に前へ出る永澤に瓦田はワンツーを伸ばして下がらせ、左ミドル蹴る。至近距離でも両者打ち合い、瓦田はそこでヒザも出す。瓦田は右のパンチを多用、頭を下げて上から被せるように打つ。永澤はブロックを固めて前へ出て左ロー。瓦田は一度攻撃に回ると右の連打と蹴りで攻撃をまとめる。永澤はガードを高く上げて前へ出て行き、左ローを蹴る。
2R、永澤は左ローを蹴っていき、左右フックに。瓦田は被せるような右を打ち、ジャブを突く。このラウンドもブロックを固めて前に出て行く永澤が左ロー蹴る。これに後退し始めた瓦田に永澤は左ボディ。瓦田も下がりながら左ボディ、右ボディストレート。永澤はワンツーで前へ出て行き、左ローと左ミドルを蹴る。瓦田も右フックを中心にパンチを繰り出すが、永澤に押された。
3R、前に出る永澤が左右フック、左ロー。瓦田はワンツーを伸ばして右カーフを蹴るが、永澤の左右フックに下がる。どんどん前へ出て左ローと右ローを蹴る永澤。左ボディも打つ永澤。左右の連打で前へ出て行く永澤に瓦田も頭を下げての左右フックで応戦。
判定は3-0でKrush 2戦目の永澤が初勝利を収めた。
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▼第5試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R×岩﨑悠斗(サイガジム)判定0-3 ※26-27、26-28×2〇川﨑聖亮朗(HIGHSPEED GYM)
岩﨑は高校時代にK-1甲子園に出場し、プロデビュー後はJ-NETWORKスーパー・ライト級王座とS-BATTLE KICKライト級タイトルを獲得。2013年7月からKrushに参戦すると、東本央貴、佐々木大蔵、安保瑠輝也から勝利を収めた。しばらく試合から離れていたが、2022年4月にKPKB(九州プロキックボクシング)に参戦し、ダルビッシュ黒木から復活のKO勝利。同年8月のK-1ではいきなりゴンナパーに挑んだが、TKO負けを喫した。前戦は2024年9月に蓮實光からKO勝ちを奪っている。戦績は22勝(10KO)6敗2分。
川崎は泰斗にKO勝ち、東本央貴に延長判定勝ち、瓦田脩二にKO勝ちと3連勝を収めたが、その後は篠原悠人、大沢文也、里見柚己らに敗れて泥沼の5連敗を味わった。2023年11月、斉藤雄太にKO勝ちして連敗を脱出。戦績は10勝(7KO)9敗。
1R、前へ出る岩﨑が圧をかける。川﨑はジャブを突き、飛び込んでの右ストレート。岩崎はじりじりと近寄って行くと右ロー。岩崎がパンチを打つと川﨑はしっかりとブロックして左フックを当てていく。それでも前に出る岩崎には川﨑が右ローを3連発。岩崎が左フックを打ったところへ川﨑がたびたびヒットさせていた左フックを返してダウンを奪う。しかし再開直後、岩崎の右ハイキックで川﨑が転倒し、これがダウンとなる。
2Rが始まってすぐ、出会い頭の左フックの相打ちで川﨑ダウンを追加。前に出る岩﨑に川﨑が右カーフを蹴り、岩崎が前に出てこれなくなる。サウスポーになった岩崎に右インローも蹴る川﨑はローから連打。前へ出てパンチを繰り出す岩﨑だがフックは空を切る。川﨑はかわして右カーフ、右インロー。
3R、サウスポーの岩﨑は前へ出て打ち合いに行くが川﨑はロープを背負いながら打ち返す。離れると川﨑は右インロー狙い、岩崎がローを蹴られないように前へ出て距離を詰め、左右フックで攻めていく。左ミドルも強く決まり、さらに左フック、左ハイ、左ストレートを打つ岩崎。川﨑も右フックで反撃。岩﨑の圧に川﨑はコーナーを背負うが脱出。ラスト10秒、打ち合いに来た岩崎に川﨑も応じてロープを背負って打ち合う。
判定3-0で左フックを巧みに当てていった川﨑が勝利を収めた。
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▼第4試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R延長1R〇松本篤人(バンゲリングベイ・スピリット)判定3-0 ※30-28×2、30-27×斉藤雄太(K-1ジム五反田チームキングス) 松本は2015年2月からK-1 GROUPに参戦して6戦負け無しだったが、2020年10月に鈴木勇人にKO負けすると以後は1勝4敗。その1勝を2022年2月に、今回再戦する斉藤から奪っている。戦績は8勝6敗1分。 斉藤は2020年12月に得意の右ストレート&フックで寺島輝にTKO勝ちした一戦が光るが、2021年4月から2024年5月の加藤港戦まで泥沼の6連敗(5KO)。戦績を5勝(4KO)13敗としており、連敗を脱出したいところ。エステサロンを経営する社長でもある。これがラストマッチと決意。
1R、斉藤は右ローから左右フックを打ち、松本はそのフックをかわしてジャブ、右フックを当てに行く。松本は右カーフを命中させていき、斉藤はローを空振りさせられる場面が目立つ。松本は斉藤の攻撃をよくみてかわし、右ストレートと右カーフを当てていく。前に出る斉藤だが空振りさせられ、松茂は右カーフ、ボディへのヒザ。松本の右カーフに下がる斉藤。
2Rも松本が右カーフを蹴っていき、左右のストレート連打。斉藤もワンツーを放つが、松本の右ストレートやジャブで仰け反る。さらに右カーフ。斉藤は飛び込むように右ストレートを打つが、松本の右フックをもらう。松本のワンツー、ヒザ、右カーフ。斉藤はなかなか入れない時間が続く。斉藤はよく見て斉藤のパンチをかわし、右を打ち込む。
3R、松本の右カーフに大きくフラつく斉藤。斉藤は左右フックを繰り出していくが、松本が前へ出て左右のストレートを当てていく。松本の右をもらって一瞬後退する斉藤だったが「コイ」とカモンゼスチャー。松本の右カーフに斉藤は大きくバランスを崩す。斉藤は左右フックで前へ出ようとするが、それをストップする松本の前蹴り。さらに右カーフ。ラスト10秒、斉藤が右ストレート、右フックを当てて試合終了。
判定が告げられると、敗れた斉藤はその場で崩れ落ち、リングに突っ伏して号泣。勝った松本も男泣き。最後は涙を流し合って抱き合い、互いの健闘を称え合った。
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▼第3試合 Krushバンタム級 3分3R延長1R〇愛瑠斗(健成會)延長R 1分10秒 ※左ハイキック×鵜澤悠也(RIKI GYM)※本戦の判定は30-29、29-30、30-30。
1R、愛瑠斗は長い距離で蹴りを多用する。サウスポーの鵜澤は踏み込んで左ストレート、ボディへとパンチを打つ。愛瑠斗は左ハイを3連発、鵜澤はその蹴りを掻い潜ってインファイトを仕掛ける。離れると愛瑠斗は顔面前蹴り。鵜澤の左のガードが下がるところを蹴りで狙い撃ちにする愛瑠斗。鵜澤はジャブを当てていく。
2R、前に出て左ローを蹴る鵜澤だが、距離が開くと愛瑠斗は顔面前蹴りとハイキック。距離を詰めたい鵜澤に愛瑠斗が右三日月蹴り、左前蹴り、右ヒザ。愛瑠斗はクリンチになると首相撲を応用した崩しでたびたび鵜澤をコカしてスタミナを奪っていく。コーナーへ詰めた鵜澤だったが、愛瑠斗はロープに両腕をかけると前蹴りを連打。鵜澤は右足を上げて踏み込んだが、バッティングとなってしまい試合は一時中断。
再開後、逆に前蹴りで愛瑠斗を転倒させる鵜澤が左ストレートもヒットさせる。愛瑠斗は右ハイを空振りするとそのまま回転しての後ろ蹴り。打ち合いに行く鵜澤がパンチをヒットさせるが、ラウンド終了間際に愛瑠斗が前蹴りで鵜澤を転倒させた。
3R、鵜澤は左右ストレートから左ロー、愛瑠斗は下段後ろ廻し蹴りから後ろ蹴りとトリッキーな動き。鵜澤がパンチの連打で愛瑠斗をコーナーに詰めてボディを打つが、愛瑠斗は前蹴り連打で逆襲。鵜澤もバックハンドブローで反撃だ。前に出る鵜澤に愛瑠斗は下がるが、右ミドルを蹴る。愛瑠斗は前蹴り、左右ハイ、後ろ蹴りと蹴り技を連発。さらに左右ヒザ蹴り。終盤、鵜澤はパンチを打たせてもらえなかった。
判定は三者三様のドロー。延長戦へ突入する。鵜澤は愛瑠斗に蹴られても右フックを打つ。愛瑠斗は前蹴りで鵜澤を吹っ飛ばす。そして愛瑠斗の左ミドルからの左ハイがついにヒットし、鵜澤がダウン。愛瑠斗は右ヒザをボディに突き刺すと右アッパー、そして最後は左ハイキック。愛瑠斗が見事な蹴りのコンビネーションでKO勝ちした。
愛瑠斗はマイクを持つと「本戦でずっと勝ててなくて2連敗しちゃって、やっと本戦で勝ててほっとしています。これからKrushらしい試合をしていくのでよろしくお願いします」とアピールした。
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▼第2試合 Krushフライ級 3分3R延長1R×石郷慶人(K-1ジム福岡チームbeginning/初代KPKBインターナショナル・フライ級王者)判定0-3 ※27-30×3、29-27〇海凪(team NOVA) Minagi)
石郷は初代KPKB(九州プロキックボクシング)フライ級王者のサウスポー。2021年11月からKrushに参戦し、これまで1勝3敗2分。2024年8月にはKPKBインターナショナルフライ級王座も獲得した。通算戦績は4勝(1KO)4敗2分。
海凪は3勝(1KO)2敗のサウスポー。2024年6月のKrushに初出場して元太郎をKO、8月の2戦目は上遠野寧吾に判定負けしている。
1R、サウスポー同士。前に出る海凪にジャブで対抗する石郷。両者とも積極的に打ち合いを演じる。
2Rも前に出る海凪を右フックで迎え撃つ石郷、すぐにジャブを突き、左カーフを蹴る。海凪はワンツーで出入りするが石郷はテンカオで迎え撃つ。強烈な左カーフを蹴る石郷は右ミドルも。左右フックで前に出る海凪を蹴りで迎え撃つ。連打をまとめる海凪に一瞬動きが止まる石郷だが、すぐに打ち返す。互いに左ストレートを当て合う中、打ち合いで海凪が右フックでダウンを奪う。左カーフと左右フックで前に出る海凪。倒しにかかるがラウンド終了。
3R、石郷の左カーフに尻餅をつく海凪だがこれはスリップ。左ボディから右フックを打つ石郷だが、海凪は顔面へ左右フック、ボディをミドルと前蹴りで攻める。ボディへの蹴りからパンチで攻める海凪が前へ押していき、石郷も右フックと左カーフで必死の抵抗。前蹴りを突き刺す海凪が石郷にロープを背負わせるが、石郷の左がヒット。海凪はまるで伝統派空手のような構えで前後にステップを踏む。
ラスト10秒は海凪が打ち合いに行き、石郷も応じて足を止めて左右フックの打ち合いとなる。場内が盛り上がる中、試合終了。海凪が熱戦を制した。
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▼第1試合 Krush女子フライ級 3分3R延長1R〇木村萌那(K-1ジム目黒TEAM TIGER/第17回・第18回全日本女子ボクシング選手権大会女子ジュニアフェザー級優勝)KO 1R 1分32秒 ※右フック×荻原 愛(ONESIDE KICKBOXING GYM) 木村は2001年4月12日、岐阜県出身の23歳。4歳から14歳まで空手を学び、第3回~第9回JKJO全日本ジュニア空手道選手権大会7連覇を飾る。小学4年生からはオリンピック出場を目指してボクシングも始め、2022年女子ボクシング世界選手権大会出場、第20回全日本ボクシング選手権大会女子バンタム級準優勝、第17回・第18回全日本女子ボクシング選手権大会女子ジュニア・フェザー級優勝など輝かしい戦績を収め、今回からK-1に転向するサウスポー。
荻原は2020年8月生まれ。伝統派空手をバックボーンに持ち、KROSS×OvERを主戦場としてKrushにはこれが初参戦となる。戦績は1勝(1KO)2敗。右のオーバーハンドに威力を持つ。
1R、荻原は左カーフを蹴り、木村は左足を上げてサイドキック。その後も左足を上げてサイドキックの構えでけん制する。荻原が右フックを打って下がると、右カーフを蹴ってきた荻原に木村の左ストレートが伸び、この一発でダウンを奪う。そしてワンツーから右フックで2度目のダウンを奪うと、レフェリーはここでストップした。
デビュー戦で宣言通りのKO勝ちを収めた木村は「モナワールドどうでしたか? でも、まだまだこんなもんじゃないので、もっともっと強くなってここに戻って来るのでまたよろしくお願いします」と笑顔でマイクアピールした。