2024年11月16日(土)東京・後楽園ホール『Krush.167』にて、女子フライ級でチェ・ウンジ(韓国/大邱FEARLESS GYM) と対戦する池内紀子(POWER OF DREAM)のインタビューが主催者を通じて届いた。
池内は2021年3月にKrushでプロデビューすると、POD仕込みのボクシングテクニックで連戦連勝。2023年6月に麻央を判定で破り、10月の王座決定トーナメント準決勝では真優に判定勝ち、2024年1月の決勝戦では麻央を延長戦の末に破り、無敗のまま第6代Krush女子フライ級王座に就いた。戦績は7勝無敗。腰の負傷で今回が約10カ月ぶりの試合となる。
今回も『倒し切る』ことが自分の中での目標
──1月にタイトルを獲得して、腰の負傷ということで試合間隔が空きました。しばらくは練習もできない状況だったんですか?
「トーナメントの前に一度、腰をやっちゃって、何とか乗り越えて決勝戦までは持ちこたえたんですけど、その後にもう一度やっちゃって。そこからは本当に動けなくなって、3~4カ月ぐらいは全く練習もできなかったんですけど、そこから少しずつ動き始めた感じです」
──では、フルに練習できるようになったのはいつ頃からだったんですか?
「7月にはもうできるようになってましたね。合宿にも行けたので。腰もケアしながらやれています」
──しかし、チャンピオンになってここからという時にそうなって、気持ち的には複雑なものがあったのでは?
「そうですね。チャンピオンになれて、『ここからもっと上を目指して頑張ろう』と思っていた時に練習できなくなって、メンタル的にはすごくきたんですけど、ケガをして学んだこともいっぱいあったので、マイナスばかりに捉えすぎず、プラスにも捉えるようにはしていました」
──学んだことというのは?
「自分の弱いところ、例えばお腹周りの筋肉が弱いというのがあって、走り方とかもずーっと言われていたんですよ。でも練習についていくことに必死で、そこは意識せずにやってきてたんですけど、その積み重ねで腰も痛くなっちゃったんだなと思って、最近は走り方とか、一つ一つの動きでも意識するようになりました」
──走り方とか姿勢とかで負担をかけてしまっていたんですね。そういうところを改善できたということは、試合でも生きてきそうな感じですか?
「はい。姿勢が悪いと強いパンチも打てないとか、そういうところにもつながってくると思うので、すごく生きてくると思います」
──ただ、この期間はチャンピオンになってからの期間でもあります。気持ち的な変化はありましたか?
「やっぱりKrushって、強い人がチャンピオンになるものだと思うので、自分も、誰が見ても強いと思ってもらえるような、そんな選手になりたいという思いがより強くなりました」
──今回は韓国人のチェ・ウンジ選手との試合になりました。外国人選手との試合は初めてですが、そこについて思うことは?
「日本人選手と違って、フィジカルが強いのかなと思います。特に今回対戦するチェ・ウンジ選手は映像を見てもすごくフィジカルが強そうだなと感じました。初めての外国人選手なのでワクワクはしていますね」
──チェ・ウンジ選手はMMAでも来日経験があります。一般に、MMA選手は体幹が強いとも言われていますが、そこについては?
「そうですね。体幹が強そうだなとは思いました。フィジカルはすごく強そうなので、そこで負けないようにしたいです。自分もフィジカル・トレーニングはずっとやってきたので、そこを魅せられたらいいなと思っています」
──どういう試合にしてどう勝ちたいですか?
「フィジカルもありそうですけど、リーチもすごく長そうなので、遠いところでも近いところでも対応できるように、KOできるようにしっかり戦いたいと思います」
──まだKO勝利がなくて、そこはずっと課題として挙げていますが、今はどうですか?
「今回も『倒し切る』ということが自分の中での目標です。チェ・ウンジ選手は韓国で『ダイヤモンド』って呼ばれているらしいんですけど、そのダイヤモンドをぶっ壊そうかなと思っています」
──倒すために、特にやっていることは?
「パンチの打ち方だったり、そこへのつなぎ方も意識して練習しています」
──今大会では女子の試合がタイトルマッチを含めて4試合組まれていて、フライ級ではボクシングで実績のある木村萌那選手のデビュー戦もあります。彼女は「すぐにでもタイトルマッチをやりたいし、勝つ自信もある」とも言っています。その中で考えることは?
「今はとりあえず目の前の自分の試合に集中しているので、他の試合を意識するということはないんですけど、フライ級に強そうな選手がすごくたくさん入ってくるなとは思っていたので、そこで一番強いというところを見せないといけないとは思っています。木村選手については、『試合で見せてください』という感じですね」
──池内選手自身も、差を見せることが求められますよね。
「そこは見られるなとは思っています。比べられるところでもあるので、しっかり差を見せつけたいですね」
──そこでの「チャンピオンらしい試合」って、池内選手の中ではどういう試合ですか?
「KOで倒すこともそうなんですけど、強さがハッキリと分かるというところを見せられたらいいかなと思います。今回の相手はチェ・ウンジ選手ですが、そこでフィジカルでもテクニックでもスピードでも、全てにおいて勝るような試合を見せたいです」
──その上で、どんなチャンピオンになっていきたいですか?
「圧倒的に強いチャンピオンになります」
──「なりたい」ではなく「なります」なんですね。では最後に、改めて今回の試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
「11月はPOWER OF DREAMの選手が3人出るので、しっかりKOで倒し切って、他の選手たちにもつなげたいと思います」