得意な部分がかぶっているのでどちらが上を取るかの勝負(摩嶋)
9カ月ごしのケラモフ戦の実現に摩嶋は、「2月の佐賀大会の時点より成長しているし、自信があるので(対戦が延期されたことは)むしろラッキーだととらえています」と、ケラモフ対策に時間がかけられたことを前向きにとらえている。
ともにグラップリングと極めを武器としており、同じ柔道ベースからケージレスリングも駆使してのトップ、バックからの攻撃と強みも似通う。6つのKO・TKO勝ちも記録するケラモフは、スタンドから始まるMMAでどんな選択をするか。
摩嶋は「ケラモフ選手はレスリング系でテイクダウンしてからの組み技が強い。得意な部分がかぶっているのでどちらが上を取るかの勝負になる」と、トップポジションの取り合いになると語る。
RIZINでの試合はテイクダウン防御率100%という数字を誇るケラモフを、摩嶋はいかにテイクダウンするか。
ウーシュー散打、コンバットサンボもベースとするケラモフのシングルレッグから片足を持ち上げてのバックテイク。あるいは右の強打と合わせた爆発力あるニータップのテイクダウンに対し、摩嶋はいかにケージを使ってバックに回らせないか。そして、立ち合いから勇気を持ってシングルレッグから金網までドライブして組めれば、足技では一日の長がある。
テイクダウンはされたことがないケラモフだが、これまでの試合で少ないながらもボトムの場面を見せている。
2021年6月の斎藤裕戦では、斎藤の左フック、サッカーキックを浴びてダウンしたケラモフがハーフでニーシールド、下から右足をからめて外掛け、首投げも斎藤にすかされ背中を見せて亀になっている。
また、山本空良戦では終盤ながら、山本の足関節からのトランジッションで下になり、草刈をしかけたものの外ヒールに背中を譲っている。そしてカイル・アグォン戦ではアグォンの下からの三角絞めにあわやの場面を見せた。
互いに、トップポジションを取ることが勝利への条件だが、下になったときに両者がどんな動きを見せるか。トップからの極めが強く、立ち上がり際はバックも狙われるなか、LEOS柔術アカデミーの森戸新士とも練習する摩嶋には、ここでも進化を見せたいところだ。
摩嶋は「いつもジムで壁を使っているのでケージは得意です。どれだけ強くなったか試したい。持ち味の組み技を思い切りぶつけて戦います」と力強く語っている。