注目を集める選手との対戦が逆にチャンスだと捉えている荻原
2024年11月16日(土)東京・後楽園ホール『Krush.167』にて、プロデビュー戦を行うアマチュアボクシングエリートの木村萌那(K-1ジム目黒TEAM TIGER)と対戦する、荻原愛(ONESIDE KICKBOXING GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。
荻原は2020年8月生まれ。伝統派空手をバックボーンに持ち、KROSS×OvERを主戦場としてKrushにはこれが初参戦となる。戦績は1勝(1KO)2敗。右のオーバーハンドに威力を持つ。
最初は人を殴るということに抵抗があって
──今回、Krush初参戦で木村萌那選手との対戦となりましたが、最初に聞いた時はどう思われましたか?
「最初に名前を聞いただけでは全然分からなかったんですけど、ボクシングですごく有名な選手というのを聞いて、実際に戦績を聞いた時に、すごい相手とやるんだなとは思いました。でも、私も空手出身というのもあるので、やってみないと分からないなとも思って。私も格闘技歴は長いので、とりあえずどれぐらい通用するか分からないですけど、注目の選手とできるんだったら、やってみようという気持ちで試合を受けました」
──Krushには以前から出たかったんでしょうか?
「そうですね。ずっと同じ団体に出ていたので、違う団体にも出てみたいなという気持ちはありました」
──空手は何歳から始めたんですか?
「5歳です。兄がやっていて、その影響でやるようになりました。高校卒業、18歳までやって、中3の時には流派別の全国大会で3位になりました。高校ではインターハイ優勝があるんですけど、その時は私は補欠だったので。高校卒業でひと区切りつけました」
──そこからキックを始めたのは?
「21歳の時ですね。もともとトレーナーの仕事をしていたので、筋トレとかはやっていたんですけど、もっと体を動かした方がいいかなと思ったのと、空手を引退してから太ってしまったので、格闘技なら自分でも取り入れやすいかなと思って、始めました」
──では、プロでやるつもりではなかった?
「そうですね。最初はプロでやるつもりは全くなかったんですけど、アマチュアの試合に出て勝った時に、ジムの会長から『プロの試合の話が来てるよ』っていう話をもらって、それがきっかけでした」
──そこから3試合で1勝2敗、ご自分としてはいかがですか?
「その間にケガとかけっこうしていたので、そんなにペースよくはやれなかったんですけど、その中で空手とはまた違った感じでやれてるかなとは思います。空手は伝統派で寸止めだったので、最初は人を殴るということに抵抗があって、プロの試合でもなかなか前に行けないことも多かったんですけど、試合を重ねるにつれて今はダウンを取ったりもできるようになってきたので、だんだんいい試合ができるようになったかなと思います」
──そこに、空手でやってきたことは生かせていますか?
「ステップはほぼ空手のままですね。そこはジムの代表も別にキックに寄せなくていいという方向で教えてもらっているので、空手スタイルを試合でも生かせていると思います」
──今はパンチと蹴り、どちらが得意ですか?
「パンチですね。最初は試合でも本当に寸止めにしてしまっていたんですけど、今はガツガツいけるようにはなりました」
──今回対戦する木村選手は、キックボクシングでの分析材料がないと思いますが、そこは?
「試合動画もボクシング時代のものが1試合か2試合あったぐらいだったんですけど、空手もやってたっていうのを聞いたので、キックとパンチをバランスよく打ってくるのかなと思っています」
──その上で、どういう試合をしてどう勝ちたいと思っていますか?
「相手が出たところを狙って接近戦にもっていって、パンチで倒せたらなと思っています」
──木村選手はデビュー決定の会見の時から、「K-1の選手たちとはレベルが違う。次がタイトルマッチでもいい」と自信満々の発言を連発していますが、そこについては?
「木村選手のボクシングの成績からしたら、そう思ってもらっても全然構わないんですけど…今はけっこう注目も木村選手に行ってると思うので、そこで無名の私が木村選手を倒して、その注目が私に向けばなと思います」
──その自信はズバリどれぐらいありますか?
「私は右のパンチを当てたいので、相手はボクシングの経験がすごいですけど、オーソドックスじゃなくてよかったなっていうのは、正直思いました」
──そこにチャンスがあると。では最後に、改めてこの試合に向けての“決意”を教えていただけますか?
「デビュー戦なのに記者会見に出ていたり、雑誌にも大きく載ったりしていて、木村選手はすごく注目の的になっていると思うんですけど、この試合を思い切りやって、皆さんの木村選手に対する期待の目を私に向けさせたいなと思います。今回の試合で、一人でも多くの人に私のことも知っていただきたいです」