キックボクシング
レポート

【DEEP☆KICK】龍翔が2年半ぶりの復帰戦で三宅祐弥にカーフキックでTKO勝ち、トーナメント決勝進出を決める

2024/11/01 14:11
DEEP☆KICK ZERO 162024年10月27日(日)大阪・176BOX 2024年10月27日(日)大阪・豊中市の176BOXにて2部開催の内第1部『DEEP☆KICK ZERO 16』が行われた。大会はアマチュアファイトから関西選手vs.九州選手の対抗戦で熱い盛り上がりを見せるとプロ本戦では6試合中3試合がKO決着、中でもセミでは津留純平・メインでは龍翔が共にカーフキックでTKO勝利を勝ち取った。  今大会ではFUEGOより特別KO賞としてサイコロを振り出た目×1万円分のFUEGOで使える商品券のプレゼントというエンターテインメント性溢れるも催しも開催され、最後まで変わらず大盛況のままに大会を終えた。  第2部との合間には9月22日に還暦を迎えたDEEP☆KICK実行委員会 林裕人実行委員長へのサプライズセレモニーが行われ、DEEP☆KICKの確かな盛り上がりとスタッフの温かさにも触れられた大会となった。 ▼メインイベント DEEP☆KICK-63kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R〇龍翔(BLACK☆Jr)TKO 2R 2分34秒 ※レフェリーストップ×三宅祐弥(HackerGYM)※龍翔がトーナメント決勝に進出。  6月にDEEP☆KICK-63kg第6代王者を戴冠した古宮晴(昇龍會)が返上したベルトを懸けたDEEP☆KICK-63kg第7代王者決定トーナメント準決勝。  RISEを主戦場に戦いBLACK☆Jr TATSUTOGYMの代表を務める龍翔と、K-1ファイターでありこちらはHackerGYMの代表を務める三宅というジム代表同士の対決が行われた。今回、2年半ぶりのリングとなる龍翔とKrushにて試合には出続けるも中々2024年は波に乗れない三宅、両者はスパーリングパートナーとして練習を共にした時期もあり手の内はお互いに知り尽くしてるであろう。  1R、開始早々から龍翔はカーフキックを度々ヒットさせながら細かいパンチを放っていく。対する三宅はジャブに左インロー・ミドルと返すも龍翔のカーフのヒットが目立っている印象だ。中盤にはジャブを突きながらハイキック・三日月蹴りに膝とパターンを増やしてきた龍翔に三宅はやや押され気味か、何よりは都度放たれる龍翔のカーフがやはり印象的、1Rは龍翔が優勢の印象。  続く2R、三宅はガードを堅めながら圧をかけ1Rより近い距離に詰めていくとジャブにローをヒットさせていく。龍翔はこのラウンドでもカーフを当てながら飛び膝蹴りにジャブ・フック・ツー・膝と多彩に技を繰り出す。三宅はそこからストレートにフックと繋げていきたいが龍翔の立ち回りに苦戦しているか。最中、蓄積されたダメージがとうとう限界を迎えたか、龍翔のカーフキックがヒットすると三宅は足に力が入らずゆっくり倒れダウンが宣告される。  苦悶の表情を浮かべるも気合を入れ直し立ち上がった三宅、しかしこうなると龍翔はもう押せ押せの勢いだ、カーフにフェイントからのハイキック、そしてパンチの連打で三宅に圧をかけていくと再び三宅は倒れこみ2度目のダウンを奪われる。これも立ち上がり続行を望む三宅だったが龍翔は最後もカーフキックで三宅を崩れさすとレフェリーは続行不可能と判断し試合終了、  龍翔が2R2分34秒、2年半ぶりの復帰戦を2RTKO勝利で飾り、一足先に王座決定トーナメント決勝への進出を決めた。  試合後、龍翔は「三宅選手とは試合が決まる2週間前まで一緒に練習してて、お世話になっている先輩だったのでどうしても負けたくなかった。2年ぶりで力んだ部分もありましたが、三宅選手とやるって決まってからカーフで行くっていうのは決めてたので作戦通り倒せてよかったです」と語ると2年ぶりの復帰戦となったことについては「実はちょうど5年前の今日にプロデビュー戦をしてて、2年ぶりの復帰戦で緊張というよりワクワクが勝ってたのでリラックスして戦えました」と語った。  久方ぶりの試合出場となるも確かな実力を見せつけた龍翔、勢いそのままに12月8日「DEEP☆KICK 72」で行われる王座決定戦でベルト戴冠を決め完全復活を果たすことは出来るのか。 [nextpage] ▼セミファイナル DEEP☆KICK-60kg契約 3分3R〇津留純平(FASCINATE FIGHT TEAM)TKO 2R 0分54秒 ※レフェリーストップ×聡一郎(道化倶楽部)  赤コーナーには、4月より始まった同級挑戦者決定トーナメントに参戦するも準決勝でその後タイトルマッチをも制し王者となったGUMP(TEAM TEPPEN)に判定負けを喫し、今回が復帰戦となる同級4位の津留。  対するDEEP☆KICK初参戦の聡一郎は、DEEP☆KICKで戴冠歴のある山口兄弟(山口裕人・山口侑馬)率いる道化倶楽部所属選手でプロ戦績は6勝5敗6KO、勝ち=KO勝利という戦績に見た目からも分かる通り剛腕で次々と選手を屠ってきた倒し屋だ。互いにKO率が高く、KO決着必至と予想されたこの戦いは正に予想通り、2RTKOで幕をおろすこととなる。  試合は1R、互いにロー・カーフで前足を削り合うと聡一郎は津留をロープ際に詰め豪快な左右のフック連打を放つ、その勢いたるや会場からもどよめきが起こる。しかし津留は冷静、踏み込んでくる聡一郎に前蹴りにジャブを合わせながらカーフキックを合わせていく。中盤にはカーフで聡一郎の足が崩れるシーンも。津留はそこからカーフの本数を増やし圧をかけていくと左フックに膝と立て続けにヒット、セコンドからも効いたぞ!と檄が飛ぶ。  すると今度は聡一郎、威力抜群の左右のフックを振るいながらでどんどんと前に踏み込んでいく、まだまだここからという気合が見えるも足のダメージは甚大、カーフキックで足が流れる聡一郎に津留はカーフを4連続で叩き込むと聡一郎は倒れこみファーストダウンを奪う。立ち上がる聡一郎だが今度は津留の右膝がクリーンヒットし続けざまに2度目のダウンを喫す。立ち上がった聡一郎に津留は猛攻をしかけるも聡一郎のパンチは死んでいない、残り時間が僅かだったこともあり津留もあと1ダウンが奪いきれず第1Rが終了。  続く2R、聡一郎としてはここで挽回を狙いたいが津留は開始早々からカーフの連打をどんどんと蹴り込んでいく。それでも根性を見せる聡一郎、フックを軸に逆転の一撃を狙っていくが津留は冷静にパンチをまとめながらカーフを当てていき、最後もカーフキックでダウンを奪取するとレフェリーが続行不可能を宣告、津留が2R54秒TKO勝利を奪った。  これでプロ戦績8戦6勝2敗4KOとなった津留、来る次節トーナメントに向けてアピールもバッチリだろう。次こそはベルトに辿り着くことが出来るか。 [nextpage] ▼第4試合 DEEP☆KICK-53kg契約 3分3R×長谷川英翔(誠剛館)判定 0-3 ※28-30、28-30、28-30◯棚澤大空(TEAM TEPPEN)  ABWバンタム級王者で過去には同級王座決定戦にも出場経験のある同級4位の長谷川に、4月にプロデビューすると2戦2勝2KOと全勝全KOを誇っている棚澤が挑む。  1R、長谷川は距離を取りながら左インローに左ハイキックと繰り出しリーチを活かした落ち着いた立ち回りを見せる。棚澤はローを当てながらパンチに繋げていきたいが距離が遠いか、互いに蹴り中心の展開となる。そこからスイッチしながら蹴りを放ちワンツーで踏み込む長谷川、入ってきたところに素早いパンチ連打を合わせる棚澤となるが互いに中間距離でけん制し合う展開が続く、1Rはイーブンだろう。  続く2R、徐々に展開が変わる。互いに1Rより近い距離でけん制し合いながらローを打ち合うと、長谷川はストレートに膝で距離を詰めていく。対する棚澤も左右の鋭いフックを中心に圧をかけていくと流れでハイキックをクリーンヒットさせる。その後、距離を取り直したい長谷川だったが棚澤は強くプレスをかけていき自分の距離を保ち続けボディにストレート・フックと速いパンチの連打を放っていく。長谷川も左フックに膝とヒットさせていくが優勢は棚澤だ、2R終了時点でのオープンスコアは3名ともに19-20で棚澤を支持。  3R、逆転を狙いたい長谷川は開始早々から距離を詰めワンツーに膝・飛び膝と放つと、棚澤は冷静にブロックしながらローにフックと着実に返し再び圧をかけていく。中盤には互いにパンチを中心に打ち合っていくも残り時間が1分を切ったころ再び棚澤のハイキックにパンチ連打が立て続けに長谷川にヒット、倒れずにパンチを放つ長谷川だがダメージは明らかだ。棚澤は止まらずにパンチの連打を長谷川にヒットさせていく、長谷川も最後まで倒れず手を止めなかったがここでも優勢は棚澤だろう、結果ジャッジ3者共に28-30で棚澤を支持し、棚澤が判定勝利を収めた。  これで3戦3勝2KO、何より同級4位の長谷川を倒したことで上位ランキング入りもまず間違いないだろう。この勢いのままにTEAM TEPPENの新鋭がDEEP☆KICKベルトへの道を切り開けるか。 [nextpage] ▼第3試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R×小林大樹(龍生塾)判定0-3 ※28-30、28-30、28-30◯水野夢斗(TEAM TEPPEN)  SBを主戦場に戦いプロ戦績7戦4勝2敗1分3KOを誇る小林と、今年4月にプロデビューしプロ2戦2勝と負けなしの水野のDEEP☆KICK-51kg契約の1戦。  試合は1R、互いにサウスポースタイルに構えると水野は軽やかで速いステップワークを武器に左右の蹴りにジャブ・ストレートと合わせていく。小林はローを当てながら右フックにパンチの連打で前に打ち出るも水野はそれをいなしていく。後半、水野をロープ際に詰めた小林はパンチの打ち合いにもっていくと水野も応戦、互いにヒットさせるも倒すには至らず第1R終了。  続く2R、開始からじわじわ圧をかけながらストレートにフックと繰り出す小林に水野は下がりながらもストレートにローと返していく。序盤は互いに打ち合う距離にあり小林の攻勢も目立ったが、徐々に水野は自分の距離感をキープしながら顔面前蹴りにミドル、ジャブに膝と着実にヒットを奪っていった印象だ、2R終了時点でのオープンスコアは2名が19-20、1名が18-20で3者共に水野を支持。  3R、2Rに続き自分の距離で試合を進める水野はワンツー・ローに飛び膝蹴りと繰り出していく。小林もワンツーにフックとパンチで展開を変えたいが空振りが目立つか、その後も水野はハイキックにカウンターのストレート、回し蹴りと完全に試合のペースを握る。小林は最後まで圧を緩めずパンチを振るっていったが水野を捉えるには至らず試合終了、  結果3者共に28-30で水野を支持、試合を完全にコントロールした水野が判定勝利を収めた。これで第4試合で勝利した棚澤と共に無敗でプロ3勝目を勝ち取った水野、棚澤と共にDEEP☆KICKでTEAM TEPPEN旋風を巻き起こすか。 [nextpage] ▼第2試合 DEEP☆KICK-65kg契約 3分3R〇加古稟虎(NJKFteamBonds)KO 3R 1分52秒×松本慶二(TEAM TEPPEN)  プロ2戦目同士の対決も16歳の加古と31歳の松本という年齢は倍近い両者の対戦。試合は1R、190cm近い身長の加古はカーフに前蹴り・ジャブと走らせる。対する松本はインローを放ちながらじわじわと圧をかけていき威力のありそうなストレートに左右のボディにフックと放っていく。  続く2R、試合は一気に激化する。より圧を強めて前に出る松本は威力ある左右のフックをどんどん放つ、加古もカーフに膝と合わせながらジャブ・ストレートを着実にヒットさせる。最中、松本は加古をコーナーに詰めると左右のフックにストレートの連打を繰り出していき加古を追い詰めると、今度はそこに加古がカウンターのストレートから3連発のストレートで松本を逆コーナーに追いやり今度は加古がラッシュをかけていく。ゴング間際には互いに打ち合う中で加古のボディフックが連続でヒットし松本が腹を抑える場面もありゴング後は会場からどよめきが起こるほどに壮絶な第2ラウンドとなった。2R終了時点でのオープンスコアは1名が20-20でイーブン、1名が20-19、1名が20-18で2名が加古を支持。  3R、逆転を狙い左右のフックを振るいながら前に出る松本に加古は飛び膝・アッパーを挟みながらボディフックに前蹴りでボディを狙っていく。中で、加古の左フックが松本にクリーンヒット、たたらを踏んで後ろに下がっていく松本に加古はボディにフックの連打で詰めていくと最後はダメージの見える松本に前蹴りを突き刺し、松本はロープにもたれる形でダウン、10カウント内に続行の意思を示すことが出来ず、3R1分52秒、加古がKO勝利でプロ2勝2KO目を勝ち取った。 [nextpage] ▼第1試合 DEEP☆KICK-51kg契約 3分3R◯木下亜輝斗(FASCINATE FIGHT TEAM)判定2-0 ※30-28、29-29、30-28×根本日向(TEAM LIGHT)  プロ4戦目であり約1年ぶりの試合となる木下と、今回がプロデビュー戦となる根本の1戦。最軽量級だけあって互いに速い、1Rから互いにローを合わせながらジャブにフックツー・アッパーと鋭く踏み込む根本と伸びのあるジャブにストレートとヒットさせる木下となる。  2Rも同様に速い踏み込みでパンチを振るう根本にフックにストレート・ハイキックと返す木下となるが互いにこれといった1発はないか、2R終了時点でのオープンスコアは2名が20-19で木下を、1名が19-20で根元を支持と判定が割れる。  3R、左右の蹴りを放ちながらワンツーをヒットさせる木下、根本もフックにストレートで踏み込むがやや狙いすぎて手数が減った印象。中で木下のストレートが度々ヒットしていく、根本もギアを上げ圧をかけるが木下はストレートにフックを確実に当てていく。結果、3Rの木下の攻勢が支持され判定2-0で木下が復帰戦判定勝利を飾った。 [nextpage] 〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合  オープニングイベント、アマチュアファイトでは関西vs九州アマチュア対抗戦が4試合が開催。中でも大将戦に位置するOP第4試合の亀田十羽(TeamFIST) vs 船倉健新(K-LIFE KICKBOXING GYM)の1戦では互いに鋭いパンチにミドル・首相撲で攻め合う。亀田がワンツーにハイキックと放てば船倉はパンチのラッシュに膝で返すと一進一退の攻防を見せ結果は1-0(亀田)でイーブン、決着はつかなかったものの関西・九州のアマチュアキックボクサーのレベルの高さが伺える1戦であった。 ▼OP第4試合 関西vs九州アマチュア対抗戦-55kg契約 1分30秒2R△亀田十羽(TeamFIST)ドロー 判定1-0 ※19-19、20-19、19-19△船倉健新(K-LIFE KICKBOXING GYM) ▼OP第3試合 関西vs九州アマチュア対抗戦-45kg契約 1分30秒2R◯葛原大海(LEGEND GYM)判定2-0 ※20-19、19-19、20-19×吉田勝大(K-1ジム福岡) ▼OP第2試合 関西vs九州アマチュア対抗戦-35kg契約 1分30秒2R◯上野晃勢(魁塾 中川道場)判定2-0 ※20-19、19-19、20-19×丸尾勇心(TEAM BEYOND) ▼OP第1試合 関西vs九州アマチュア対抗戦-32kg契約 1分30秒2R×犬村友護(LoTgym)判定0-3 ※18-20、18-20、18-20◯堀川颯大(TEAM BEYOND)
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