2024年12月15日(日)『PANCRASE 350/351』ニューピアホール大会で、追加カードが発表された(※同日2大会の振り分けは後日発表)。
▼バンタム級キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ 5分5R透暉鷹(ISHITSUNA MMA/日本)第5代王者 12勝4敗カリベク・アルジクル ウルル(Olymp Gym Bishkek/キルギス)挑戦者 11勝1敗
バンタム級王者・透暉鷹、待望の初防衛戦が決定。『ROAD TO UFC』バンタム級準決勝で中国のバーエゴン・ジェライスーに逆転の判定負けを喫した透暉鷹。そこから再び自身の目標と向き合い、PANCRASEでの防衛戦から再出発して世界を目指すと決意した。
(C)Zuffa LLC/UFC
迎え撃つのは現在MMA界で猛威を振るう中央アジアからキルギスの22歳、カリベク・アルジクル ウルル。9月の井村塁戦では、無呼吸連打とも言える圧巻のラッシュで、わずか75秒で同級1位の井村からTKO勝利を収めた。自信満々のウルルは、「僕のファイトは激しいから、母国では“シャーク”と呼ばれているんだ。日本でもそう呼んで欲しいな」と“SHARK”のハチマキを掲げ、常に生え変わる歯で“HAWK”の爪に牙をむく。
王座戦の5分5R。『ROAD TO UFC』では強みの似ているバーエゴン相手に初回に右を被弾しながらもバック奪取で取り返すも、2、3Rにクリンチ打撃とテイクダウンで下になるなど後手に回り、判定負けした透暉鷹。
対するウルルは、井村戦で右フックを効かせての跳びヒザを突き、井村の組みを切りながらの1発のヒジを効かせてパウンドアウト。殺傷能力の高さを見せたが、寝技も巧みなことは知られていても、組み力がどこまでなのかは見えなかった。
果たして透暉鷹はこの階級でキルギスの鮫を相手に自身の強みを貫けるか。それともウルルが透暉鷹の組みをも切り裂くか。
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田嶋椋がタジキスタンのラジャボフと激突
▼バンタム級 5分3R田嶋 椋(OOTA DOJO)4位/2022年NBT同級優勝・MVP 8勝3敗オタベク・ラジャボフ(TAJMMAF GYM/タジキスタン)1勝
バンタム級次期挑戦者の最有力候補か? 元暫定王者の田嶋は、2023年4月の中島太一との王座統一戦で判定負け。23年12月に笹晋久に判定勝ちで再起も、2024年3月に井村塁に判定負けを喫している。
対するラジャボフは、2002年12月18日生の21歳。2022・2023年IMMAM世界大会を連覇し、アマチュア戦績は圧巻の19戦18勝1敗。7月に初来日を果たし、当時5連勝中だった高城光弘を危なげなくバックチョークで下した中央アジア・タジキスタンの実力者だ。
高城戦ではケージに押し込まれながらもシングルレッグに動じず。頭を押し下げて背中ごしに股下でクラッチしてハイクロッチで俵返しのように後方に投げると、高城が背中を見せたところに送り手を両手で引き寄せ、ボディトライアングル。左腕でパームトゥパームのリアネイキドチョークで絞め上げている。
「初の国際戦! 強敵! まじでやってやる」という田嶋は、精緻な打撃と粘り強い組み技で、ラジャボフを攻略するか。それともラジャボフが田嶋戦でまだ見せていない引き出しを開けて、同郷のムハンマド・サロハイディノフのように一気に王座戦を決めるか。
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猿飛流が豪州Eternalから復帰戦でカマチョと激突
▼フライ級 5分3R猿飛流(リバーサルジム川口REDIPS)第7代王者/2019年NBTフライ級優勝&MVP 11勝5敗ジョセフ・カマチョ(Spike22)11位 7勝3敗
2024年3月の豪州『Eternal MMA 83』でフライ級王者アンソニー・ドリリッチに挑戦も2Rに左のカウンターを受けてTKO負け、戴冠ならなかった猿飛流。PANCRASEには2022年12月の鶴屋怜戦以来の帰還となる。
その復帰戦の相手は、2024年8月に無敗の水戸邉荘大を2R ギロチンチョークに沈めた強豪ジョセフ・カマチョだ。カマチョはPANCRASEデビュー戦で前田浩平に判定勝ち後、浜本“キャット”雄大には判定負けで、その浜本もフライ級王座を狙っている。
猿飛流が視線を向ける先には、伊藤盛一郎が持つベルトも見えているのか。
試合決定に猿飛流は、「やはりまだ格闘技が大好きで仲間と切磋琢磨するのが楽しすぎて退くことはできませんでした。ここから再びベルトを巻きにいきたいと思います。是非会場に観にきてください!」と記している。
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砂辺光久が連続参戦
▼フライ級 5分3R砂辺光久(reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE)初代・ストロー/フライ/Sフライ級K.O.P. 29勝12敗4分時田隆成(トライフォース東中野)1勝
“Theレジェンド”砂辺光久が、4月の前田浩平戦の判定負けから連続参戦。31年目のパンクラスにその名を刻む時田はデビュー戦で齋藤楼貴に判定3-0の完封勝利を収めたもののフィニッシュが欲しかった。今回は狙い通り決められるか。
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無敗の菅歩夢がTHE BLACKBELT JAPAN移籍で、柔術家・岸田宙大と対戦
▼フライ級 5分3R菅 歩夢(THE BLACKBELT JAPAN)バンタム級10位/2023年NBT同級優勝&MVP 4勝岸田宙大(パンクラス大阪稲垣組)2024年フライ級ネオブラ準優勝者 2勝1敗
2023年ネオブラ・バンタム級優勝&MVP“宇留野道場の最高傑作”と称される管が、THE BLACKBELT JAPAN移籍と階級変更を経て、2024年フライ級ネオブラ準優勝者・岸田と激突する。
プロデビュー戦の髙杉遼介戦こそ判定勝ちも、以降の寺本雄輝、小原とうや、坂本瑞氣戦はフィニュシュ勝利で4勝無敗の菅は、7月の大阪大会でパンクラス大阪稲垣組で岸田の先輩・秋葉太樹との対戦が予定されていたが、管の怪我で試合は実現せず。
全日本ブラジリアン柔術オープントーナメント茶色帯ライトフェザー級優勝など柔道14年・ブラジリアン柔術8年の柔術家・岸田は、ネオブラ1回戦で今井健斗を三角絞めに極めると、準決勝で金澤臣人に判定勝ち。9月の決勝で山崎蒼空に判定負けで準優勝となっている。今回は自らの手で管を止め、秋葉との対戦を阻む覚悟だ。
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有川が王座戦から1年ぶり復帰、ネオブラ覇者・山崎蒼空と対戦
▼フライ級 5分3R有川直毅(K-PLACE)5位 8勝5敗1分山崎蒼空(マッハ道場)12位/2024年NBT同級優勝 5勝
2023年12月の伊藤盛一郎とのフライ級暫定王座決定戦以来、約1年ぶりの出場となる有川。打撃を活かしきれず、2Rに一本負けした有川は、1年の休息を経て再びフライ級の山を登る。
対する山崎は、2023年のプロデビュー戦で伊藤勇輝に判定勝ち後、ネオブラで佐々木瞬真をRNC、AXEL RYOTAを2R TKO。饒平名知靖、岸田宙大に判定勝ちで、9月にネオブラを制している。2024年5戦目、勢いと実力で山崎が大物食いで一気に駆け上がるのか、それとも有川がキャリアの差を見せつけるか。
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カマチョ戦から再起の水戸邉が、ストライカー小林と対戦
▼フライ級 5分3R水戸邉荘大(TRIBE TOKYO MMA)3勝1敗小林了平(SONIC SQUAD)7勝3敗
2022年に山﨑聖哉、金澤臣人に勝利後、2024年5月に西塚丈人を1R TKO勝ちで3連勝も、8月のジョセフ・カマチョ戦でキャリア初の敗北を喫した水戸邉が再起戦。
一方、21歳のストライカー・小林は、黒澤亮平にKO負けも、2023年10月のFighting NEXUSで宮國要に判定勝ち。6月にも大野友哉に判定勝ちで2連勝中。パンクラス初のKO勝利を掴むことができるか。
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フェザー級王座戦、平田直樹vsキム・サンウォン
▼キング・オブ・パンクラス・チャンピオンシップ フェザー級 5分5R ※第11代王者決定戦平田直樹(トライフォース柔術アカデミー/1位)キム・サンウォン(韓国/コリアントップチーム)2位、元Double G同級王者
パンクラス参戦後、負け無しの両雄がついに王座戦! 鍵は平田のバックコントロールか、サンウォンが組ませないで飛びヒザか。
平田は、PANCRASEデビュー戦で渡辺謙明を肩固めで極めると、糸川義人にTKO勝ち。遠藤来生、亀井晨佑、Ryoにいずれも判定3-0で勝利している。10月19日のQUINTETでは横山武司とドロー。
サンウォンは、PANCRASE3連勝中。名田英平に判定勝ち後、高橋遼伍にTKO勝ち。2024年6月の前戦で中田大貴を判定3-0で下している。
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【既報カード】見どころ
▼バンタム級 5分3R合島大樹(ROOTS)12位 11勝9敗2分山本歩夢(K-PLACE)5勝2敗
▼ストロー級 5分3R寺岡拓永(ROAD MMA GYM)#5位/2023年NBT同級優勝 4勝2敗船田電池(和術慧舟會HEARTS)#6位/2024年NBT同級優勝 3勝
▼ストロー級 5分3Rリトル(HIDE'S KICK!)4位 11勝13敗1分1NC織部修也(CAVE)3勝2敗
▼フェザー級 5分3R岡田拓真(リバーサルジム横浜グランドスラム)3勝 13位敢流(パンクラス大阪稲垣組)5勝 14位/2024年NBT同級優勝
▼ライト級 5分3R平 信一(綱島柔術/ZST)#13位/ZST第2代同級王者 22勝18敗10分張 豊(Tri.H.Studio/頂柔術)デビュー戦