2024年12月21日(土)千葉・幕張メッセ イベントホール『ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2024 FINAL』の対戦カード発表記者会見が、10月30日(水)都内にて行われた。
-61.5kg契約3分3R延長1Rで、RISEスーパーフェザー級1位チャンヒョン・リー(韓国/RAON)vs.同級6位パヌワット・TGT(タイ/TARGET)が対戦する。
“韓国の鉄拳”リーは強打を武器に数々の日本人ファイターを撃破してきた。2017年にRISEスーパーフェザー級王座を戴冠。2022年7月、約2年半ぶりに来日して暫定王者の一馬と王座統一戦を行い、ダウンを奪われるも逆転KOで初防衛に成功。10月には中村寛から2度のダウンを奪ってTKO勝ち。2023年1月には常陸飛雄馬との延長戦にわたる激闘で勝利し、2度目の防衛に成功した。しかし、2024年1月、3度目の防衛戦で大雅に判定で敗れ王座を手放している。戦績は30勝(16KO)14敗2分。
パヌワットは11歳でムエタイの試合を始め、来日後はトレーナーと選手を兼任。TARGETとTEAM TEPPENで練習を積み、タイ人特有のミドルキックとテンカオを得意とする。2019年の直樹戦以来約5年ぶりのRISE参戦となった2024年4月、「スーパーフェザー級(-60kg)漢気トーナメント」の準決勝で高橋亮を左フックで初回KOすると、決勝では岩郷泰成を右ハイキックで2RにKOして優勝を果たした。戦績は49勝(8KO)7敗2分。
この試合は2025年に開催を予定している61.5kgのWORLD SERIESトーナメントへ向けての一戦となる。
パヌワットは「久しぶりに試合が出来て嬉しいです。試合に出られなかった理由は手首が痛かったからで今は治りました。また試合出来て嬉しく思います。チャンヒョン・リーは強くて自分の好きな選手。今回の試合は緊張してしまいますが、面白い試合をしたい。今回もしっかり準備します」との意気込み。
リーの試合は「何回も見ました。パンチとか蹴りとか攻撃も強くて、一番怖いのはガンガン前へ出て来ること。そこが手強いと思っています」と評する。
前回のトーナメントではパンチ、蹴り共にKOしており、パンチが強いリーに対してどっちで行くつもりかと聞かれると「相手のパンチが重いのは知っていますが、対策もするし、自分の方がバリエーションも多くてスピードも自分の方が速い自信があります。蹴りも強いと思っています。今のところはリングの上で挑戦するので、どっちで行くかは試合の時の楽しみにしましょう」と答えた。
リーからは「パヌワットが4月のトーナメントで全てKOして優勝したのを見ました。危険な選手ですが私も同じく危険な選手なので面白い試合になると思います。復帰戦なので素晴らしい姿を見せます」とのコメントが寄せられた。
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塚本「龍心とリマッチでタイトルマッチ」
スーパーフライ級(-53kg)3分3R延長1Rで、フライ級3位・塚本望夢(team Bonds)タイジャンジャン・シー・ラバヤン(フィリピン)も決定。
塚本はジュニアキック出身で、2021年7月のDEEP☆KICKでプロデビュー。11月から行われたDEEP☆KICK -51kg初代王座決定トーナメントで初代王座に就いた。2024年6月、ジュニア時代を含めて過去2勝している那須川龍心にリベンジを許したが、9月の弾丸風太戦では1Rわずか43秒でKO勝ち。10月には初のOFGマッチで伊東龍也に判定勝ちと連勝中。戦績は13勝(4KO)4敗。
ジャンジャンは初来日で、戦績は16勝(7KO)3敗のサウスポー。2023年MUAYTHAI NATIONAL CHAMPIONSHIPSで金メダルを獲得している。
塚本は「9月、10月と連戦して12月も出させてもらうので、悲願の外国人相手なのでしっかり結果を出したいと思います。11月23日に51.5kgの王者が決まると思うけれど、凄い試合をして次のタイトル挑戦は俺だとアピールしたいですね」と意気込み。
ジャンジャンの印象は「試合の動画はまだ見てなくて。パンチの強い選手だと聞いたので、それくらいです」とあまり興味がなさそう。
外国人選手との対戦を希望してそれが叶ったかたちとなるが、日本人選手と外国人選手の違いはどう思っているかを聞かれると「日本食を食べてへんとか。いろいろな物を食べてるから身体の強さがあるかなって」と独特な違いを述べ、「フィリピンはボクシングの国だと聞くのでパンチが上手いんじゃないかなと思うのと、外国人なのでフィジカルが強いと思います」と答えた。
1週間前の11月23日、東京・後楽園ホールで開催される『RISE 183」ではRISEフライ級(-51.5kg)タイトルマッチで王者・数島大陸(及川道場)と挑戦者・那須川龍心(TEAM TEPPEN)が対戦する。塚本は両選手に負けているが、「判定で龍心が勝つと思う」と那須川の勝利を予想。
「龍心とリマッチでタイトルマッチ。リベンジしたい。それしかないですね」と、プロで1勝1敗の決着戦をタイトルマッチでやりたいと希望した。
「今回の試合は倒して当たり前だと思っているので、みんなの期待に応えたい」と、今回KOしてタイトル挑戦に名乗りをあげるとした。
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ONE帰りのKOKOZをYAYAが警戒
フライ級(-52kg)3分3R延長1Rでは、同級3位YAYAウィラサクレック(WSRフェアテックス幕張)vs.同級4位KOKOZ(TRY HARD GYM)が決定。 YAYAは初代J-GIRLSスーパーフライ級王者の肩書きを持つムエタイファイターで2021年5月にRISE初参戦を果たすと聖愛と対戦し、3R判定勝利で王者食いを果たした。同年9月にAKARIに敗れ、その後は怪我の治療のために長期戦線離脱を余儀なくされた。1年8カ月ぶりの復帰戦ではMelty輝に敗れ、2024年4月のRWSでも負けを喫したが、7月の瑠華戦で勝利を収めた。戦績は13勝(2KO)6敗2分。
KOKOZ(ココゼット)こと小原ここは、ムエタイとももいろクローバーZを愛し、スック・ワンキントーン女子ミニフライ級とスーパーフライ級王座を制して二冠王を達成。2022年2月にはRISEで現RISE QUEENバンタム級王者の聖愛から勝利している。2024年6月の『ONE Friday Fights 67』に初出場するとOFGムエタイでサワラートに判定勝利、9月の再出場ではエミリー・チョンと激闘を展開したが判定で敗れた。戦績は11勝(2KO)10敗。
今大会では女子がこの1試合のみか、増えても2試合だという。
KOKOZは「女子唯一のカードを組んでもらってありがとうございます。もう負けたくないと前回の敗戦で分かったので、その気持ちを出して勝ちたいと思います」、YAYAは「幕張でやるって情報が入った時からここは絶対に出場したい気持ちがありました。前回勝ってアピールしていて念願が決定しました。ここで試合をさせていただく意味をしっかり受け止めてプロの仕事をしていきたい」と、それぞれ意気込みを語った。
互いの印象を聞かれると、KOKOZは「他人の試合を見るのは好きじゃないんですが、印象としては長年やっているので経験値はあると思います」と素っ気なかったが、YAYAは「昔、練習をさせてもらったことがあります。試合を凄くされていてタフだなって印象がありますね。体重も柔軟に対応してできる選手なので、自分はそれは出来ないので油断してないですし、喰われてはいけない試合なのでいい試合をしたいと思います」と練習を一緒にしたことがあると明かした。
KOKOZはONEのOFGムエタイを経験して「自分から攻められないのが弱点だったんですが、それが吹っ切れましたね。行かないとやられると分かっていたので。それを出せば行けると思います」と、大きな収穫があったとする。
YAYAも「ONEでの試合は見ていましたし、応援していました」と言い、「なので今回戦うと予想していなかったんですが、蹴りもパンチも強い選手だっていうのと、OFGで戦ったことで思い切りの良さ、思い切り入るのも速かったのでRISEの試合でも出てくると警戒している部分です」と、KOKOZが一皮むけた印象を持っているようだった。
千葉県千葉市出身で、幕張のジムに所属しているYAYAは「ジムが近いのでランニングコースに入っています。幕張メッセまで2kmくらいで。いつも走っていますが、試合まで緊張感を味わいながら走ります。とてもいいランニングコースなので選手の皆さんはアップで使ってもらっていいと思います(笑)」と幕張をアピール。
「呼んでもらったのも幕張を盛り上げたいのと、地元の応援も今まで以上に来てもらいたいので、一人一枚と言わずチケットを束で買ってもらいたいと思います」とチケットもガンガン売りたいと張り切る。
最後に、今後の展望を聞かれるとKOKOZは「自分はとにかく強い人とやって自分が一番強くなりたい。誰とやりたいというのはないですが、強い人に勝って自分が一番強いところに行きたい、YAYAは「52kgトップ選手の試合が来月にある(テッサ・デ・コムvs.小林愛理奈)ので順位が動くかもしれない。そこに食い込むことが目指すことだし、一戦一戦最後のつもりでやっていて、今回も38歳になったので最後のつもりでやるし、勝てば生き残るので上位の人たちとやりたいですね」と語った。