2025年1月24日(金)タイ・バンコクで開催される『ONE 170』(U-NEXT配信)で世界タイトルマッチ2試合が決定した。
ONEムエタイ世界フェザー級タイトルマッチ3分5Rで、王者タワンチャイ・PK・センチャイ(タイ)がスーパーボン・シンハ・マウイン(タイ)を挑戦者に迎えて4度目の防衛戦を行う。
タワンチャイは地方で試合経験を積んだ後、14歳でルンピニースタジアムに上がった。2018年にはクラップダムを3度破り、同年のルンピニースタジアム・オブ・ザ・イヤーとタイ国スポーツ局ファイター・オブ・ザ・イヤーなど4つの年間MVPを受賞。2021年5月にONE初参戦。2022年9月、ONEでの5戦目でペットモラコットを破りONEムエタイ世界フェザー級王座を奪取した。同王座は2023年2月にジャマール・ユスポフをローキックで1Rわずか49秒でKO、12月にスーパーボンに判定勝ち、2024年6月にジョー・ナタウットに判定勝ちと3度の防衛に成功している。長身を利したサウスポーのフィームー(テクニシャン)。戦績は133勝31敗2分。
スーパーボンはブアカーオの元で腕を磨き、2021年10月のONEフェザー級キックボクシング王座決定戦でジョルジオ・ペトロシアンを右ハイキックでKOして戴冠。2022年3月の『ONE:X』ではマラット・グレゴリアンを判定で完封し、初防衛にも成功した。2023年1月、チンギス・アラゾフに2R KO負けで王座陥落。12月にはONEフェザー級ムエタイ世界王者タワンチャイに挑戦も判定負けで王座奪取ならず。しかし、2024年4月にマラット・グレゴリアンから判定勝ちし、フェザー級キックボクシング暫定王者となった。前戦はムエタイでタワンチャイを2度苦しめたジョー・ナタウットに右縦ヒジで初回KO勝ち。戦績は116勝(29KO)36敗。
前述の通り、両者は2023年12月にもタイトルマッチで対戦。タワンチャイの左ミドルとスーパーボンの右ミドルの蹴り合いとなり、前蹴りを上手く使ったタワンチャイがスーパーボンのパンチを封じて2度目の防衛に成功した。
この試合が久しぶりのムエタイルールでの試合となったスーパーボンは、前回のナタウット戦前に「キックボクシングだけをやっている時間が長かったので、今回の試合へ向けてヒジやヒザの練習を再開して今は凄くいい状態になっているよ」とインタビューで語り、実際ヒジでナタウットをKOしてみせた。よりムエタイルールにアジャストして再戦に臨むだけに、今回もタワンチャイにとって厳しい展開が待っていそうだ。
ONEムエタイ世界バンタム級タイトルマッチでは、王者スーパーレック・ギャットムー9(タイ)がニコ・カリロ(スコットランド)の挑戦を受けての初防衛戦に臨む。
スーパーレックは、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。2017年6月、2018年8月と来日し、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。
ONEでは2023年1月にダニエル・プエルタスに勝利してONEフライ級キックボクシング世界王者となり、3月にはダニエル・ウィリアムスをKOして初防衛に成功。9月にはノンタイトルマッチでロッタンと対戦し、2Rにヒジ打ちでダウンを奪い判定3-0で勝利している。2024年1月、ONE日本大会で武尊の挑戦を受け判定3-0で勝利、ONEフライ級キックボクシング王座2度目の防衛に成功すると、9月にはONEムエタイ世界バンタム級王者ジョナサン・ハガティーに右ヒジで初回KO勝ち、2階級制覇を達成した。現在13連勝中。戦績は139勝29敗4分。
カリロはスコットランド出身の25歳で、WMOウェルター&スーパーウェルター級王座、ISKAムエタイ世界65㎏級王座などを獲得。2023年4月にONEに初参戦すると、フルカン・カラバフを3R TKO。6月にムアンタイ・PK・センチャイを2R TKO。12月には元王者のノンオー・ハマをヒジ打ちで2R 失神KOに下し、2024年7月にはセーマペッチと対戦。2Rに3度のダウンを奪ってKO勝ちしてスーパーレックとハガティの勝者との対戦をアピールしていた。戦績は27勝3敗1分。
ONEで4連勝、ONE参戦前から合わせると15連勝中のカリロ。その左フック、ヒジ、左ボディ、ハイキック、ローキックはいずれも破壊力抜群でスーパーレックとは激戦が予想される。