2024年12月15日(日)東京・後楽園ホール『RISE 184』の対戦カード発表会見が、10月21日(月)都内にて行われた。
RISE QUEENフライ級(-52kg)タイトルマッチ3分5R無制限延長Rとして、王者テッサ・デ・コム(オランダ/Fightteam Vlaardingen)vs.挑戦者・小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM)が決定。
小林はフルコンタクト空手出身で強烈なパンチを武器に持つ。正道会館第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝など主に関西圏の大会で多くのタイトルを獲得してきた。RISEでは奥脇奈々、平岡琴、百花、祥子JSKらを次々と撃破するも、2022年5月に3度目の対決となったRISE QUEENアトム級王者・宮﨑小雪とのタイトルマッチで敗れた。13勝(4KO)3敗1分の3敗はいずれも宮﨑に付けられたもの。
12月には女子初のオープンフィンガーグローブマッチに臨み平岡を返り討ちにすると、2023年2月にはSB日本女子アトム級王者MISAKIからダウンを奪って勝利、11月にRISE QUEENミニフライ級タイトルマッチでerika(=名前の後ろにハートマーク)をKOで破り、RISE QUEENミニフライ級王座を奪取した。2024年5月に小林愛三にOFGマッチで勝利し、10月にフライ級でビョン・ボギョンに勝利。現在破竹の8連勝中。
コムは2022年9月にEnfusionストロー級(-52kg)王座に就き、12月に初来日して小林愛三から右フックでダウンを奪って判定勝ち。2023年1月のGLORYメキシコ大会ではジュリアナ・コスナルドに判定で敗れたが、5月の再来日では小林との再戦で返り討ちにし、RISE QUEENフライ級王座に就いた。12月の3度目の来日では一階級上のRISE QUEENバンタム級王者・聖愛に判定で敗れている。2024年は5月にドイツの大会でギリシャ人選手に判定勝ちしてIFP世界ストロー級(-52kg)王座に就いた。戦績は13勝(4KO)3敗1分。
前日の後楽園ホール大会でボギョンに判定勝ちした小林は、マイクでコム戦をアピール。そこから「本人の希望通り最終調整して決定した」(伊藤隆RISE代表)と電撃決定となった。
会見ではコムからの「とても楽しみにしています。物凄くいい試合になるでしょう。初防衛戦なので楽しみです。私が本物の王者であることを証明するために練習を頑張っています。会場で会いましょう。いい試合します。押忍」とのコメントが読み上げられた。
小林は「1個上の階級でのタイトルマッチになるんですけれど、昨日の試合のまんまやと全然ダメなので、もっと練習を頑張って仕上げて絶対に2階級制覇するので期待していてください」と意気込み。
前日の試合は「20回くらい見ました」と言い、「試合中も試合後も課題は分かっていました。昨日は見せられなかったんですけれど、自分が出せれば今でもテッサ選手に勝てると思っているので、今よりもっと強くなるのはもちろんで、それが試合に出せるように身体に染み込ませてやるだけですね」と課題はすでに見えているとする。
「試合を見返したら倒そうとしすぎていて、身体が先に行きすぎていたので基礎がバラバラになって倒せるパンチが打てなかった。練習では絶対に倒せる距離でいいパンチが打てていたんですけれど、それが試合で出せないのは染み付いていないという事なので、課題は倒せる距離と試合になったら力んで身体が流れてしまっていたので、そこも基礎をしっかり一からやり直して身体に染み込ませ、倒せるパンチを作っていかないといけない」
当日の体重差は5~7kgになるのではと不安視されるが「体重とフィジカルは関係してないと思っていて。体重差は問題ないと思います。フィジカル差は厳しいところはあると思うので、そこは52kgに向けて身体を作っていかないといけない」と、フィジカルは上げていきたいという。
実際のところ、アトム級(-46kg)にも落とせると言い、フライ級は実質3階級上となる。女子の3階級はかなりの差があると思われるが、小林は「元々、空手をやっていたので無差別とか、大人としか試合をやっていなかったので、体重差があるとか相手がデカいとかに関しては何も思わないです。慣れていますね。今回の試合も相手に対しては何も感じなかった。その前の小林愛三選手とかの方が攻撃力は感じましたね」と、そこに思うことは何もないとした。
では、その体格差を克服するために何が必要かと聞かれると「今の自分は体重が足りてないのでどこで勝負するかと言ったら、上の階級に挑戦しているのはパンチ力があるから。どれだけ上の階級に通用するかを試している感じなので。パンチ力はどの階級よりも強いと思っているのでパンチで倒したい、それを見せていきたいと思います」と、自分のパンチは階級関係なく通用すると胸を張る。
小林は1日5合を食べる“白米様女子”として知られているが、今回の試合前には間食として餅を食べていたという。次はどうやって身体を大きくして行くのかとの質問には「好きなのは白米ですが、エネルギー的にいいのはお餅なのでお餅で行きます」と、次も“餅パワー”でコムに挑むという。
「今回、増量中にマジで食べ物が嫌いになりそうになって、試合が終わっても何も食べられへんくらいになってしまいました。(試合内容の)ショックもあったので。でも頑張って1日間食で4つくらいはいこうと思っています」と、頑張って体重を増やしていきたいと笑った。
ただし「期間がそんなにないので。やっぱり体重はみんな増やしたらいいと思っているでしょうが、中の身体の強さを強くしていきたい。体重差があっても絶対に勝てると思うのでそこは考えすぎず、食べるのは食べるんですけれど今のままやっていけたらと思っています。今回出せなかったことも含めて、出来なかったことや課題ももっと練習して身体に染み込ませて次に挑みたいです」と、無理やり増量することは考えてないとした。
もし2階級制覇に成功した場合は「テッサ選手に勝ったらアトム級は抜いて国内最強はRISEで間違いないと思うので、vs.世界でやっていきたいですね。最終はペッディージャーで」とどんどん世界へ挑んでいきたいとする。
コムについては「外国人の中でもフィジカルが強いと思うので、どの試合を見ても身体負けしていない。そのフィジカルの強さを跳ね返せるようにするのと、右のオーバーハンドやコンビネーションが上手いのでそこに対応できるように練習していきたい」と評した。
また、過去3敗しているRISE QUEENアトム級王者・宮﨑小雪も同じ大会に出ることから意識するか、と問われると「しないことはないですけれど、勝手に自分の方が面白くなるのは間違いない。宮﨑選手もKOを狙っていると思うので、その上のKO、凄いKOを見せてMVPもベストKO賞も両方取ろうと思います」と、試合内容でもKOのインパクトでも負けないとする。
宮﨑との4度目の対決については「自分から組んでほしいと頼むことはありませんが、周りが見たいと期待されるならやり返したい」とし、伊藤RISE代表は「女子トップ2なので、小林もベストはアトム級だと思う。負けてる部分もあるのでやりたいと思うし、機が熟して来年ファンが盛り上がるなら可能性があると思う」と、ファンから対決が見たいとの声が多くなったら組みたいと答えた。